TOPICS
- ディーン・ポッター、ロストラムのAlien(5.12b)フィニッシュをベースソロ
(08/11/28)
 |
 |
ロストラムの頂上から。
高差300メートルくらい。 |
これまた、ちょっと前の話。
今度はディーン・ポッターがヨセミテ、ロストラムのNorth Face(5.11c/8p)からAlien(5.12b)につなげるラインを、ロープレスのフリーで登った。とはいっても、ベースジャンプ用のパラシュートを背負って登る「ベースソロ」で、完全な「フリーソロ」ではない。これはディーン・ポッターがアイガー北壁のDeep
Blue Sea (5.12c:7b+/ 300m)をソロしたときにも採用した方法で、重量わずか2.5kgのパラシュートの出現が、そんなニュージャンルのソロクライミングを可能にした。
ヨセミテでベースジャンプが違法でなかったころ、「それならパラシュートを背負ってエル・キャピタンをソロすればいい」と、冗談で言っていたことが、半ば現実になりつつある。とんでもない時代になったものだ。
そうは言っても、落ちたとしてパラシュートが機能するのは最終ピッチのAlienでだけだろう。そこまではそんなに前傾しているわけでないし、5ピッチ目には大テラスもあるわけで、パラシュートは役に立たない。まあ、本人は以前にNorth
Faceをフリーソロしているから、そんな不安はなかったのだろうけど。
ヨセミテでは現在ベースジャンプは完全御法度だが、それを背負ってソロすることは違法ではないということ。でも落ちてそれを使ったら、お縄ということになるんでしょうね。
こうなると、エル・キャピタンのベースソロも目前かも。やるならグレード的には難しいけどサラテってことになるだろうか。コーナーが多くて露出感のないフリーライダーやノーズは無理でしょう。でも、どっちにしてもヘッドウォールまではパラシュート役立たずだから、結局はほとんどフリーソロってことになるのかな。
などと、考えているだけでも、なかなか面白くさせてくれる記録でした。
- アレックス・オノルド、ハーフドームのレギュラーをフリーソロ
(08/11/5)
ちょっと古くなってしまったけど、すごい記録なので。
アメリカのアレックス・オノルド(23)が9月6日、ハーフドームのレギュラー・ノースウェスト・フェイス(VI 5.12a, 23 ピッチ)をフリーソロした。
このルートはハーフドーム北西壁の左側を頂上まで直線的に貫いている超有名ルート。クライマーにとっては、ハーフドームの代名詞的なルートなのだが、実のところオールフリーでは滅多に登られていない。なぜなら4p目と10p目に完全なブランクがあり、ここはボルトラダーを使ってエイドで登るのが一般的だからだ。

ここをフリーで登るには、両ピッチとも左に迂回したバリエーションをたどるのだが、これがライン的に分かりにくく、岩も安定しているとは言い難い。しかも4-6p目のバリエーションには、12aの短いフェイスピッチが現れる。さらに17-20p目の「The
Zig Zags」と呼ばれるセクションは、11+の微妙なフィンガーチップのレイバックムーヴが出てきて、フーバーはここを12bとグレーディングしているほど。さらにだめ押しに、次のピッチ(22p目)は、12aのスラブだったりして、よっぽどのクライマーでない限り、オールフリーで登ろうなどとは思わないのである。
ここを、オノルドはフリーソロで登ってしまったのだ。もちろん、これがフリーソロされたのは初めてのこと。緊急時に必要になるロープやハーネスもいっさい持っていかなかった。
ディーン・ポッターがソロしている写真などが、ちまたに氾濫していたので、ポッターはとっくにフリーソロしていると思いこんでいる人が多いようだが、彼がやったのはロープソロで、いくつかの核心ピッチではロープを使っている(Zig
Zags部分はフリーソロしたようだが)。
さすがのポッターも、最後のスラブ(5.11+か、トポによっては12b)をロープレスで登る気にはならなかったようだ。ここは私もフリーでフォローしたことがある(ユージの)が、まあ、小川山のスラブほどではないものの、手足4点のうち、いつどれが不意に外れてもおかしくないような微妙なムーヴの連続で(しかも足下は500メートルの空間)、これをフリーソロするというのは、もう完全に別の世界に行っちゃってるとしか思えない。
本人に間近で会ったことはないけど、写真を見る限りは、切れてるような感じはまったくなく、爽やかな好青年的な印象。ザイオンのムーンライト・バットレス(5.12d,
9ピッチ)を初めてフリーソロしたときも、「各ムーヴのジャミングがしっかり決まっているから不安はなかった」というようなコメントをしていたけど、今回のはムーンライトより技術的は簡単とはいえ、リスクははるかに高かったと思われる。
ちょっと想像できないけど、このまま行けば、いつかそう遠くない未来に、フリーライダーもそうやっても登られる時代が来るのだろうか。来るのだろうね…。
→Top Page |