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□■□■□□■□■□□■□■□□■□■□□■□■□□■□■□ 原付き免許 一夜限りのヒーロー □■□■□□■□■□□■□■□□■□■□□■□■□□■□■□ やい! オレ、井戸田 潤。 原付き免許を高二の時に取った。 学校では当然禁止されていたけど、あのころはとにかくバイクに乗りたかった。 というか免許が欲しかっただけかもしれない。 大人への仲間入りというか、自分の存在を証明するというか、 法律で認められているのに学校では禁止されている矛盾への挑戦というか・・・。 そんなに深く考えてなかったわ。 免許を取れば、当然バイクが欲しくなる。 バイクを買ったという友達がいれば、夜みんなで集まって順番にバイクにまたがり、その辺を一周する。 そんな何の生産性もない行動を繰り返していた。それがたまらなく楽しかった。 バイクを買ったヤツは、一夜限りのヒーローになれたんだ。 そんな日がとうとう僕にもやってきた。友達の友達から二万円で買った「スズキ ガンマ50」。 僕のじゃじゃ馬「ガンマ50」はミッションタイプ。みんなが乗っていたスクーターとはワケが違う。 「潤が『ガンマ50』を買ったぞ〜!」といううわさはあっという間に広まり、 何の生産性もないパーティーはいつもより人が多かった。 そして恒例の「その辺一周」が始まった。 でも原付きと勝手が違うのでエンストするやつ、一速でずっと走るやつ・・・。 「その辺一周」の時間はいつもより長かった。 とにかく僕は不安でしょうがなかった。 親にも学校にも内証で買った「ガンマ50」が無事に帰ってくることだけを一周一周願っていた。 だが願いはむなしく「ガシャーン!」「うわぁぁぁぁ〜!!」。 五人目のI君がカーブでハンドル操作を誤って見事に転倒。一夜にして「ガンマ50」は鉄クズになってしまった。 今度、大型バイクの免許を取得しようと思っている。免許を取ったら当然バイクが欲しくなる。 バイクを買ったら地元に帰って、またパーティーをやろう。 一夜限りのヒーローになるために。 □■□ 中日新聞に掲載されているものをそのまま引用しています。 □■□
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