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− 御 三 家 狩 り −


その無邪気な時代の終焉は1976年に突然起こりました。

エジンバラ出身で赤いタータンチェックに身を纏ったBay City Rollersの出現です。
このバンドが現れたおかげで、御三家のミーハーな女性ファンはアッという間に激減しました。この状況は今の人達には想像出来ないでしょうねぇ。世界中の若い女性達全員が一つのバンドのファンだったのです。おそらくピークは初来日時だったでしょう。文化放送だったかな?BCRのためにレギュラー番組が出来たほどブームになったのです。ね?凄いのが分かるでしょ?
その頃の我々御三家ファンは、議論などしている余裕なんてありませんでした。自分達の身が危なくなっていたのです。後に言う、『御三家狩り』が横行していたのです。これは、BCRファンの熱狂的な女性ファン達が、他のバンドのファンを見つけると、一斉に取り囲み、BCRの布教活動を行い、他バンドがいかに悪であるか、相手が謝るまで離さない事態が起きたのです。僕も突然被害にあいました。アッ、という間に取り囲まれ、リーダー格の女の子に洗脳されかかったのです。でも、僕は負けませんでした。洗脳されている間もQUEENの歌『The Lap Of The Gods』(邦題:神々の業 Album"SHEER HEART ATTACK"収録)を心の中で歌い、その呪縛から逃れたのです。
唯一の救いは、12月に発売された五枚目のアルバム『A Day At The Race』(邦題:華麗なるレース)だった。
このアルバム評価は当時メチャクチャ悪く言われた。しかし、このアルバムの最後に収録された"Teo Torriatte"(邦題;手をとりあって)に、どれだけのファンが助けられたことか!
この曲を初めて聞いた時の事を僕は今でも覚えている。決して忘れはしない。ラジカセの音の悪いスピーカーから流れるのは賛美歌のように綺麗なメロディだった。まるで暗黒の世界に差し込むひとすじの光のようだった。
『御三家狩り』で行き場を無くした時、仲間がラジカセを持って走ってきたのだ。「QUEENの新曲流れてるゾ!」何人かの仲間と騒がしい雑踏の中で耳を寄せ合い聞いたのが『手をとりあって』だった。



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