こんなことって絶対無いと思っていた。まさか僕がQUEENから離れて行くなんて…
'80年6月『The Game』発売。もう世間の批判は知らなかったが、きっと相変わらず評判よくないだろうと思った。今回はさすがの僕でも、その驚きは隠せなかったしあまり好きになれなかった。そうだな、今でもそんなに気に入ってはいないと思う。このアルバムに収録されている『Crazy Little Thing Called Love』(邦題:愛という名の欲望)の大ヒットを僕は認めたくなかったからだ。それは今でも同じだ。この曲だけは未だに抵抗がある。
このプレスリーばりのロカビリー調の曲は、世界中で大ヒットした。米国での大ヒットでようやく本国の評論家達もQUEENを認めだした。今でもイントロを聞いただけで「あぁ、アレね。QUEENの曲でしょ?」と答える人は沢山いると思う。だけど僕は嫌だった。こんな曲で認めて欲しくなかった。
曲の雰囲気はガラっと変わってブラック系になった。当然米国のブラック系チャートを勢いよく昇っていった。
アルバムも同様だ。とうとうアルバムクレジットから"nobody played synthesizer...again"が消えたのだ。
そう、とうとうシンセサイザーを導入したのだ。たしかにQUEENサウンドは相変わらずだが、デビュー当時の音が好きだった僕としては、何とも言えないものがこみ上げていたのだった。
何と言ったらいいのだろう?それまでは、アルバムトータルとしての作品が好きだったのだが、このアルバムにはトータル性が感じられ無いのだ。ひとつひとつの作品は朱曲揃いだと思う。確かにシングルヒット目白押しだが…
唯一QUEENらしかったのが「Sail Away Sweet Sister」「Save Me」だ。この二曲があったからこそ聞いてこれた。これからまだ数十年QUEENのアルバムを聞き続けるが、おそらくこのLPだけはターンテーブルに乗る回数も通しで聞く回数も少ないだろう。
冗談のようなニュースが舞い込んできた。QUEENが映画のサントラを手掛けるという話しだ。僕は興味半分愛想尽かし半分の気分だった。だってねぇ(笑)既に相当不信感を抱きはじめた僕には、その話題はあまり歓迎出来なかったのだ。
'80年12月。映画フラッシュゴードンのサントラ版『FLASH GORDON』が発売された。内容は案の定だった(笑)
「これがサントラってェの?」僕は笑った。僕が聞いているアルバムは、どう聞いても挿入歌というよりも効果音に限りなく近かった。曲としてはあまりにも中途半端な作品ばかりの寄せ集めにしか聞こえなかった。
せめてもの救いは『The Wedding March』だ。ここ最近滅多に聞けなくなったBrianのギターオーケストレーションによる結婚行進曲が聞くことが出来る…わすか56秒間だがね(笑)
81年2月4度目の来日を果たす。『The Game』『FLASH GORDON』と、二度も裏切られたショックは結構尾を引いていたようだ。二年ぶりだというのに、昔程気持ちが高ぶらない。しょーがないんだろうな。
'81年10月『QUEEN GREATEST HITS』が発売された。最近のQUEENに幻滅していた僕は、欲求不満を解消するかのようにレンタルレコード店でレコードを借りた^^;そうなのだ。この頃初めてレンタルレコード店が出来たのだった。相当不信感を抱いていた私は、買わずにまず借りて聞くことにしたのだった。
結果はやはり満足出来るものではなかった。同じような気持ちを持った方は沢山いたと思う。特にデビュー当時から聞いていたファンはガッカリしただろう。だって初期の作品が殆ど無いのだ。デビュー曲「KEEP YOURSELF」すら収録されていないのだ。おいおい、悲し過ぎるじゃねぇかい?
結局Freddieが生きている間にこのアルバムを買うことも聞くことも無かった。今僕の手にあるのは'92年に発売されたLD版だ。
どうして初期の作品が収録されなかったか、その謎が解けたのは94年頃だ。答えは何とも単純なコトだ。アルバムタイトルをもう一度見て欲しい。『QUEEN GREATEST HITS』と書かれている。そうなのだ、ヒット曲集なのだ。シングルヒットした曲を集めたアルバムであって、ベスト版では無いのだ。
こんなの有りかよォ〜フレディ?
とうとう僕がQUEENと決別する時がやって来た。'82年5月に発表した『HOT SPACE』だ。
またまたレンタルレコードを借りて聞いた。「何だこりゃ?」2度、3度と繰り返し聞いたが感想は同じだ。そして最後に出たセリフは「終わったな…」だった。
この「終わった」とはQUEENに対してもそうだが、自分とQUEENの関係が終わったという意味合いの方が強かった。まるで汚い物を排除するかのようにレコードを返した。そしてそれから数年間QUEENのアルバムに針を落とすことは無くなった。
このアルバムは98年12月現在でも持っていない。これから買う予定も今のところ無い。QUEENのアルバムを無理に揃えようとは思っていない。聞きたくなったら聞くつもりだ。事務的に買い揃えて聞いても得るモノは無いだろうからね。数年前までは、一生聞かなくてもいいとさえ思っていた。しかし歳をとったのだろうか?最近妙に聞きたくなっている。きっと聞く時はそう遠くないだろう。
それを思うと妙にワクワクしている自分がここにいるのだ。
82年10月5度目の来日。来日の数が増す度に公演回数が減っている。
しかし、既に心離れた僕にはQUEENの来日など、もうどうでも良くなっていた。