こぼ造が選んだBEST 3
1.DOING ALL RIGHT :英国らしい叙情的なサウンドから一転してヘビメタへの展開は、まさにボヘラプの原型です
2.LIAR :イントロに1分25秒も使う贅沢さがクイーンでしょ(^^ゞ
3.MODERN TIMES ROCK AND ROLL :ロッケンロー最高(>o<)/
このアルバムほど悲運なアルバムは無い、と思うのは私だけなんだろうか…
1973年アルバム発売当時の英国評論家達のコメントも、現在インターネット上で沢山のファンによって語られる感想も、私には大差なく聞こえる。
73年アルバムリリース当時、英国の音楽評論家達は従来のカテゴリーに収まりきらないクイーンの音楽に対し、辛口どころか「グラム・ロックの末裔とか"Zep"の物まね」と酷評を重ねていた。保守的とでもいうのだろうか(いや80年代初頭のパンクムーブメントを考えると違う)、主流(ブリティッシュロック等)は支持し、その他(他の要素を含んだ音楽)については否定する。ということだろうか。
そして今に至っては、沢山のファンによりQUEENのアルバムプレビューが行われているが、どれもこれも成功を収めた後のクイーンと比較して「荒削り」との感想ばかり。これも主流(オペラ座以降の彼らの音楽)を支持しその他(以前のアルバム)は否定する。
30年近い時を挟んで時代背景は相反するが、このアルバムが抱える状況は酷似しているとは思わないか?
もちろん、これらの評価や感想はある程度は理解できるが、純粋に73年当時の彼らの音楽性や方向性を評価した感想は、当時も今もごく一部の評論家やファンサイトにしか見当たらないのも認識しておきたい。
この悲運なアルバムは、以降のアルバム製作とは全く異なる環境で制作されている。
アルバム制作に必要なレコーディング・スタジオはまとまった時間を確保されておらず、他のアーティストが使わない空き時間に少しづつ使うという過酷な条件だった。
レコーディングした曲も前身のバンド「スマイル」時代や、デビュー前の下積み時代に作られ演奏されていた曲を中心に収録されている。従って、プロ意識で作った曲というよりはアマチュア時代に作った曲だ。このようにして生み出された曲であれば、当然、好みのアーティストに似ているのは人情だし、いわゆる「クイーンサウンド」と呼ばれるものと質が違うのも当然だと思う。
私はこのアルバムが大好きだ。
あばたもエクボと言われれば返す言葉も無いが、このアルバムの雰囲気が大好きなのだ。
…雰囲気、そう私には70年代の英国の香りが漂うこのアルバムがたまらなく大好きなのだ。
針を落とした瞬間、(人によっては飽きるようだが)ギターで始まるオープニング。今のデジタルなディストーションでは再現出来ない太い弦を弾く生々しいサウンド。全員、自分たちの成功を信じて演奏しているのがよく伝わってくる。
A面、B面とも短調に終わらずに曲毎に雰囲気が変わる構成。そして、極めつけはハードロック・アルバムであり、デビューアルバムであるにも関わらず最後を飾る曲が1分少々で終わるインストゥルメンタル。今でこそ音楽ジャンルはボーダーレスとなったが、70年代当時、しかも新人バンドがこんな大胆な構成のアルバムを作るなんていったい誰が予想できただろうか。
結局、サービス精神に溢れ様々なジャンルのエッセンスを盛り込んだアルバムだが、多くの評論家には誤解され、現在でも多くのリスナーはポップなクイーン・サウンドを求めている。
このデビューアルバムについて熱く語られることは少ないが、私は「このアルバムがあったからこそ、後のクイーンが」では無く、単純にひとつの作品としてこのアルバムは素晴らしいと頻繁に聞いている。
2002/07/07
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