第3章 パターンで身につける展開型ファンクションフレーズ
〜たった3つの動詞フレーズのパターンをあやつる英語発想〜

第1節 問題は非時制動詞フレーズをどう使うかが問題だ!

★時制動詞フレーズの2つのタイプとその意味

(1) 現在形動詞フレーズ (現在の行為・状態などの事実・習慣を表す)
   (am, are, is) happy
   call(s) her
幸せだ
彼女に電話する
(2) 過去形動詞フレーズ (過去の一時点の行為・状態)
   (was, were) happy
   called her
幸せだった
彼女に電話した

★非時制動詞フレーズの3つのタイプとその意味

(3) 原形動詞フレーズ (頭に思い浮かべたひとまとまりの行為・状態)
   be happy
   call her
幸せであること
彼女に電話すること
(4) ing形動詞フレーズ (頭に思い浮かべた継続的な行為・状態)
   being happy
   calling her
幸せである
彼女に電話しながら、しがらのこと
(5) ed形動詞フレーズ (頭に思い浮かべた過去の行為・状態)
   been happy
   called her
幸せであったこと
彼女に電話したこと

ファンクションメソッドでは、動詞の原形で始まる「ひとまとまりの行為や状態」を原形動詞フレーズと呼んでいます。これを説明する場合に最も適当なのは命令形です。例えば、相手に向かって次のように言ったとします。

Call her!
彼女に電話しなさいよ

こう言われた相手方は、「彼女に電話する」というひとまとまりの行為を頭に浮かべます。この場合、間違って次のように相手方に言ったとします。この時、相手方はどんなイメージを頭に描くかといったことを比較すると興味あることがわかります。

Calling her!
Called her!

前者では、ネイティブは「彼女にて電話している状態」を頭に描きます。もちろんどんな調子で表現するかに差がありますが、「〔あなた〕彼女に電話してるの?」「〔あなた〕彼女に電話してるんだね」といった意味でとらえるのが普通です。また後者では「〔あなた〕彼女に電話したの?」「〔あなた〕彼女に電話したんだね」と過去のイメージでとらえます。つまり原形動詞フレーズの意味のイメージは「ひとまとまりの行為を頭に描く」ということであり、それは〜ing形動詞フレーズの「〜しながらの状態」でも、〜ed形動詞フレーズの「〜した過去の行為」といったイメージでもありません。
教育文法にくわしい読者には、非時制動詞フレーズの3つのタイプを「これは不定詞だ、現在分詞だ、動名詞だ、過去分詞だ」などと説明できる人もおられると思います。しかしそんな文法的な説明よりも大切なことは、その意味や使い方ではないでしょうか。ネイティブもよほど文法に興味を持っていなければこんな文法用語も知らないのが普通です。しかし彼らは英語を話しています。私たちも同様です。カ行変格動詞だとか、サ行変格動詞だなどとわからなくても日本語を話しています。「会社に行くのがいやだ」を「会社に行きのはいやだ」とは表現しません。しかしこれが文法的に間違っているからと説明できる人はほとんどいません。私たちもそろそろ文法的にこうだから間違っているといった学習法を止めるときがきたのではないでしょうか。そうではなくて、例えば、call herがcalling herやcalled herとなったら意味が違ってくるととらえるほうがよほど理解しやすい。文法の学習はそれを理解してからでいいのです。

CLOSE