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ファンクションメソッド英語研究会
中嶋太一郎
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団塊の世代による団塊の世代のための英会話やり直し

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私が中学生であった昭和30年代の初期には、学校には蓄音機はあっても、英会話学習用のレコードはなかった。蓄音機の時代はすぐに去り、次に登場したのはレコードプレイヤーであった。今となっては死語となったが、当時LPということばがあり、これはLong playの省略で、蓄音機の98回転から33回転となり、より多くの音声情報を1枚のレコードに蓄えることができた。この開発によって、英会話の学習教材が市販におかれることになった。当時とても高価なものであり、これを購入できる人は限られた人だと思うが、たまたまお金持ちの友人が手に入れ、それを借りたことを覚えている。

「ああ、これがネイティブによる生の会話が、これを聞いていれば、英会話ができる」

私は、そう確信した。
しかし、すぐに後を追うように、オープンリールのテープレコーダーが開発され、学校にも設置された。これが、自分の声を聞いた最初の体験だった。これは、ラジオの英会話番組も録音できるし、もっと手軽に「いつでも」聞ける、またもや私は「これで英会話ができる」と確信した。
もちろん当時テープレコーダーは高価なもので、庶民が簡単に手に入れることができるものではなかったが、次に登場したカセットレコーダーの出現でこの学習法は現実となった。

「くり返し、くり返し何度も聞ける、これで英会話ができる」

ビートルズやカーペンターズの歌詞を何度も聴けば、リスニングもスピーキングもできる、と耳にすればそれを購入し、CDやDVDで洋画を見れば、とそれにも挑戦された方も多いと思う。

でも英会話はそんな甘いものではなかった。

しかしどうやら、還暦を迎えも、の覚えも苦痛になってきた、私たちはそんな世代だ。

私たちにまったく欠けていたのは、私たちが幼い頃に体験した親などによる「オウム返しによる言葉の習得だった。

 ケーキを食べている幼い子どもに「このケーキはおいしいですか?」と聞く人はいません。たいていの人は「おいしい?」と聞き、彼らが「おいしい」と答えるのを期待します。あるいは、幼い子どもに「あなたは大丈夫ですか?」と聞くのではなく、「大丈夫?」と聞き、子どもが「大丈夫」と答えたことで安心します。

 もちろんこのことは英語のネイティブスピーカーもまったく同じで、Good?と聞きGood.と答えさせ、All right?と聞きAll right.と答えさせます。このようにことばの修得の基本は、「おいしい?」「おいしい」とか「大丈夫?」「大丈夫」といったワンフレーズ表現によるオウム返しにあります。そしてこのような表現が基本にあるから、Is this cake good?と聞かれたらYes. it's good.や、 Are you all right?と聞かれたら、Yes. I am all right.といった表現へと自然に展開させていくことができます。つまり言葉の表現というのは小から大へと進むもので決してその逆ではありません。

 日本人が英語音痴だとされる大きな原因の一つに、このようなワンフレーズ表現をまずきちんと身につく学習をしてこなかったことがあります。このブログで展開する「オウム返し英会話学習法」は、そんなワンフレーズでのオウム返しを基本にして、それを「きちんとした表現」へと展開させていく学習法です。

 「Give me してんか?」

 日本が第二次世界大戦で敗北し、アメリカの占領を受けた時代があった。この時代こそが、多くの日本人が初めて「生きた英語」に向き合った時代であったと言えるだろう。
 「日米英会話手帖」という英会話の本がベストセラーになったり、ラジオでも「カムカム・イングリッシュ」という英会話を教える放送が流れた。「英語が話せること」は、進駐軍の物資を横流すための生活手段の一つであったりしたが、多くの日本人にとってはアメリカの華やかな文化や生活へのあこがれや夢となり、今日までそれがDNAとして引き継がれている。
 「右のポッケにゃ夢があり、左のポッケにゃチューインガムと、当時の子供たちは夢を見たのだ。アメリカ兵を見れば、Give me chocolate!と叫ぶ。あるいは、Chocolate, please!とか、Give me!と叫んだだけで、気まぐれな米兵からチョコレートを手にした子どももいただろう。あるいは「ギブしてんか! ギブ! ギブ!」と叫んだ子どももいただろう。それこそが「生きた英語」だったのだ。
※子どものセリフは大阪弁です。

● Give me!と言えないものが、どうしてSVOOの文型だ

 焼け跡で「生きた英語」のいったんに触れた子どもたちが、目を輝かせて学校に戻ったとき、彼らを待ち受けていたのは明治時代から続く伝来の英語教育だった。

S +  V   + O + O
〜ハ 〜スル 〜ニ 〜ヲ

 英語教師は自信を持って声を張り上げる。

「これは第4文型の文で、主語(S)は They、動詞(V)は give、直接目的語(O)が me、間接目的語(O)は chocolate だ。意味は「〜ハ、〜ニ、〜ヲ、〜与える」と訳せ。またこの第4文型は第2文型に書き換えることができ、They give chocolate to me.となる。わかったか?」

 彼ら英語教師にとって、書かれ静止した文の解明はお手のものだ。しかし彼らに欠けているのは「生きた英語」の姿だ。
 子どもたちに「giveしてんか?」と言われたアメリカ兵には何を意味しているかわかる。あるいは Give me!と言われても基本的に同じことだ。

誰も「命をgiveしてくれ」などとは思わない。

 つまり私が指摘したいのは、言葉の習得には、舌足らずでもワンフレーズから始まり、きちんとした表現に高めていくプロセスがあることだ。そんな英語の発想も教えないで、単に単語が無機的に並んでいるような文型を持ち出して解明させようとする手法は、「生きた英語」とはほど遠いものだ。


Give, please.
Chocolate, please.
Give me, please.
Give chocolate, please.
Give me chocolate, please.
Give me chocolate, will you?
Give me chocolate, won't you?
Will you give me chocolate, please?
Won't you give me chocolate, please?
Would you give me chocolate, please?
Would you mind giving me chocolate, please?

以上、拙書「イメトレ英語学習法」日本実業出版社刊よりの抜粋

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