日本人が英会話に弱いのは、学校英語に問題があり、その延長で「それは日本人が英語を教えているからだ」と決めつけ、もっとネイティブを増やせばそれがすべて解決されるような風潮があります。
本当に、ネイティブさえ増やせば、問題がすべて解決するのでしょうか。
実は、私の著書の中でも教育文法を始めとする学校英語に対して批判をしています。それによって私が、英語の先生の敵と勘違いする人がいます。しかし決してそうではありません。
日本人の先生が、英語の発想をきちんと日本語で子供たちに教えるべきだと考えます。
確かに、会話力といったいった場面では、ネイティブの先生に負けるのは当たり前ですが、だからといって、すべての授業をネイティブが英語で行うのは単に子供たちをオウムにするだけのものです。
よく「話せる英語教育」と「受験英語」を対立したもの、あるいは二者択一のような考え方がありますが、私は決してそのようには考えません。
ただ、「受験英語」が「読解のためだけのもの」であれば、それが問題なのです。
学校や塾のプロ英語教師、あるいはこれから「話せる英語を教えたい」と思っている人と共に、「話せるための英語教育」というものを考えてみませんか。
そのための「たたき台」となればと考えています。
中嶋太一郎
中嶋 太一郎(なかじま たいちろう)
1947年兵庫県生まれ、立命館大学法学部卒業
後、学習塾経営、予備校講師を経て、現在「ファンクションメソッド英語研究会代表。
大学におけるTOEIC対策講座、英会話通信講座、ファンクションメソッド公開講座、多数のメールマガジンを発行している。
著書に「話せもしない英語学習に見切りをつけろ」「暗記では話せない」(以上、一光社)「英語はもっと話せる・使える」「話せる・使える英語のしくみ」「誰も教えてくれなかった英作文 逆転の発想法」「イメトレ英語学習法」(以上、日本実業出版社刊)などがある。
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「話せる英語をどう教えるか」
著者中嶋太一郎
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(不定期)
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中嶋:Kenny、君は長い間日本で英会話を教えてきたが、日本人の学習者について何か気がついたことがありますか?
Kenny:そうだね。ぼくが一番面食らったのは、日本人の初学者でも完成した文を話さないと絶対に通じないと思いこんでいることだね。ほとんどの人が何かを話す場合、まず頭の中で完成文を必死にもぐもぐとくり返している。だから、中嶋さんが「とにかくまずはワンフレーズでも自分の気持ちを表しなさい」という指摘は大切だと思うよ。多くの人が英会話はセリフの丸暗記と考えているのじゃないの。ある学校で体験したことだが、子供たちに次のような文を先生について一斉に読んでいたが、とても不気味な感じがしたよ。
A: How are you?
B: I am fine, thank you. And you?
A: I am fine, too. Thank you.
中嶋:まったくそうだね。対話者間では、まずは次のような会話でいいんだよね。
A: Fine?
B: Fine, too.
Kenny:ぼくたちもきちんとした表現をするときは、このFineを強く発音するんだ。日本人はひとつひとつの単語をきちんと発音することが多いが、まるで感情のないロボットみたいだ。
中嶋:実は、この「会話はワンフレーズから始めなさい」という考え方にはひとつの哲学があるんだ。あるとき完成文の中に、主体や時制を表すフレーズと、まったく客観的な状態を表すフレーズがあるということに気づいたんだ。
先の文でも、まずは基本的には「元気?」「元気よ」といったことが言いたいんだろ。この場合、Are youという「あなたは〜な存在か?」というフレーズも、逆に子供のI
amという「私は〜な存在だ」というフレーズはまずは必要がないということだよ。基本的にはFine?と聞かれてFine.でいい。
あるいはFeeling fine?にはFeeling fine.でいいんだ。客観的な状態を表すフレーズというのは、このようなものを指している。
一方、are youやI amは、主体や時制を表すフレーズを表して、ことばとしてはこれは後でついて来るものなんだ。
Kenny: 確かにそうだね。are youやI amをつけて表現する前に、きちんと、「元気?」「元気よ」などの表現が身についていなければならないということだね。このようなワンフレーズ表現が基本にってこそ、How
are you? I am fine, thank you.などの表現が生きてくるのにね。また指などで示して、犬のことをFine?と聞けば、Is
(s)he fine?やIs your dog fine?と聞いていることは理解できるものだよ。英語に始めて触れたときにそのように教える先生がいたら、日本人の英語はもっとちがった状況になっていると思うよ。