(1) 英語は英語の発想でとらえなければならない
put offと言えばほとんどの人が「延期する」「消す」「止める」などの意味だと知っておられると思います。日本人にとってTwo-word
verbs、つまりイディオムといったものは、それらしき日本語訳を結びつけてそれを丸暗記するのが当然のことと考えられているようです。しかしそのような学習は、暗記しては忘れ、忘れては覚えるといった無限暗記地獄に陥るだけだと言えるでしょう。
このような悲惨な学習に陥るのはいわば当然のこと。原因は「英語は英語の発想でとらえなければならない」という本質的な視点が欠けているからです。putを「置く」、offを「から」などとこれまた安易な日本語を当てはめ丸暗記を強制された学校時代から、すでに私たちは英語音痴に追いやられたといっても言い過ぎではないでしょう。
それでは、どうしてput offが「延期する」といった意味となるのでしょうか。これを「置く」や「から」の発想からはこれをイメージすることはほとんど不可能だと思います。
英語の発想では、putは「あらしめる」、またoffは「急速離脱・中断」の意味を持っています。つまり「ある対象を急速離脱・中断の状態にあらしめる」ということです。そのある対象を「会議」とすれば、それは「延期する」という意味に、あるいはその対象が、火とすれば「消す」ということに、あるいはその対象がガスとすれば「止める」ということになります。しかし重要なことはこれは日本語の発想からの訳語に過ぎないことです。
あるいはこれだけではありません。次の例を見てください。これらは本書にあげられた例文です。
(1) Put
the light off!
明かりを消しなさい
(2) Please put me off
at the next stop!
次の停留所で降ろしてください!
(3) Anxiety put him
off.
彼は不安で(仕事などに)身が入らなかった
(4) The accident put
him off drinking.
その事故が原因で彼は酒を飲まなくなった
どれもが、「ある対象を急速離脱・中断の状態にあらしめる」ということになっていることがおわかりになると思います。
(1) 「明かり(the light)を急速離脱・中断の状態にあらしめる」
(2) 「私(me)を急速離脱・中断の状態にあらしめる」
(3) 「彼(him)を急速離脱・中断の状態にあらしめる」
(4) 「彼(him)を急速離脱・中断の状態にあらしめる」
「英語は英語の発想でとらえなければならない」というのは実はこのことなのです。