携帯できない携帯電話
(雑感からの転載です)
携帯電話が、水に浸かって壊れたという話、よく耳にします。
水に浸かると言っても、沖縄の海に潜ったというような話ではありません。
雨に降られるとか、洗面台に落としたとか、その程度のことです。
あるいは、汗に濡れただけでも壊れてしまいます。
そういう時、携帯電話のサービス窓口に持ち込むと、「水濡れ判定シールが反応している」とか言って、修理を受け付けてくれません。
買って短期間しか経過していないために、新規契約時の値段とは比べ物にならないほどの端末購入費用を請求されるのです。
国民生活センターは、1999年9月に『携帯電話機の「水濡れ」にご注意!』と題する記者発表資料を公開しています。
水に濡らした覚えが無いのに、水没と決め付けられ、修理を拒まれる相談が多いことから、通常の使用状況でありうる「水濡れ」の故障が起きるかどうかを調べ、注意を呼びかけたものです。
これによると、携帯電話端末を汗で湿ったポケットに入れるシチュエーションを作り、何回も携帯するテストを繰り返したところ、テストの終了時にはすべての機種で水没判定シールが反応し、半数の機種は使用不能になったそうです。
この実験により、「水没」のようなケース以外でも水濡れ判定シールが濡れることがあることが確認され、携帯電話機の不具合を業者に申し出た場合、店頭で水濡れ判定シールによって水濡れと判断されて、保証期間内であっても買い替えや有償修理となり、使用者の費用負担が生じていることが問題であるとしています。
そして、業界側には、水濡れ判定シールのみで水没と断定しないことや、使用実態に応じた保証対応の実施、また、携帯電話端末の構造改善を求めています。
一方消費者には、水没させなくても、ポケットに入れて携帯するだけで水濡れ判定シールが反応したり、故障することがあるので、使用には注意を払うよう呼びかけています。
この記者発表は3年も前のものですが、残念ながら店の対応や電話端末の構造には改善が見られていないようです。
携帯電話が、有線電話に代わる主要な通信手段になりつつある現在、被害者は益々増えるばかり。もはや何らかの強制力がなければ、問題は解決されないのではないかと危惧します。
携帯電話の『携帯』とは、『携えて帯びる』こと、すなわち身に付けて持ち運ぶことを意味しています。
腕時計の防水構造は当たり前になっていますが、ダイビングをする人などは少数です。これは、人が日常の生活において携帯するために、防水構造が不可欠であることを意味しています。
一方の携帯電話は、少々の水分も許されないといいます。
腕時計と携帯電話に、利用環境の違いは無いはずです。これを改善しないのは、業界の怠慢と断定できます。
「この車は壊れやすいから、故障しても仕方が無いです。」
これで納得するのは、一部の輸入車マニア(自分も?)だけでしょう。この理屈を、携帯電話業界はすべての消費者に強要しているのです。
(記・15年1月)