錦林多摩記
2007年9月


9月2日(日)
陰暦 七月廿一日

 八王子の長崎屋がポイントカードを始めた。始めたというか、前からやっていたのかもしれないけれど、昨日八王子に肌着を買いに行って気がつきました。100円で1ポイントなのでデパートとしては普通だと思うけれど、土曜日は5%付く。しかもすごいのが、本の喜久屋書店でもポイントカードが使えるところ。これは本好きには有り難い。

 しかもその喜久屋書店、専門書のそろえがすごくいい。こりゃあ老舗の熊沢書店もうかうかしていられませんよ。

 
「魔法の天使 クリィーミーマミ」から綾瀬めぐみさん
 カクテルドレスです。デザインは自分でやりました。
 クリィーミーマミのライバル。ツンデレのはしりみたいなキャラでした。  声は愛する島津冴子さんです。



9月3日(月)
陰暦 七月廿二日

 今日は一週間ぶりに陽がさしました。

 何だか仕事で疲れたので、お絵描きはパスします。
 靴を修理に出して、そのかわりに例の外反母趾養成シューズを履いているからか、どうも頭が痛い。やはり夏休みに修理に出すべきであったと今更ながら後悔。



9月5日(水)
陰暦 七月廿四日 【旧地蔵盆】

 先月の二十五日に身延線と相模線に乗ってきました。

 朝の六時のつもりが、五時には目が覚めてしまい、もう一度寝るには時間が足りないので起きることにしました。目をこすりながら時刻表をチェックすると、予定より一本前の電車に乗れそうであることが分かったので、三十分早く出発。

 高尾までは数分おきに走っている中央線も、そこから先は一時間に一本程度。夏休み最後の土曜日であるためか、早朝にもかかわらず甲府行きの列車は混雑していました。山登りや釣りに行くらしい身なりをした中高年が多かったです。

 勝沼ぶどう郷を通り過ぎると、眼下に甲州盆地が広がります。沿線にはびっしりとぶどう園が迫っていました。八時半に甲府に到着。早くも強い日差しが照りつけています。ここから身延線に乗り換え。



 身延線の車両。甲府駅にて。バックは甲府城


 甲府の街は思っていたよりも広く、笛吹川を渡るまで三十分弱続いていました。甲斐住吉から向かいの席に小学二年生くらいの女の子が親戚の家に一人旅でしょうか、家族に見送られて列車に乗り込みました。駅名が書かれたメモ紙をそわそわした顔付きで読んでいます。人生最初の大冒険。

 朝が早かったので九時を過ぎた頃には腹が減って目が回ってきました。身延での待ち合わせの間にアンパンを買って齧り付きました。土曜日であるからか、結構お客さんが乗っています。身延での乗り降りは少なかったので、必ずしも身延山に登るわけでもないようで、静岡県に出掛けるために日常的に使用している風でした。

 甲斐と駿河の国境は明瞭ではありませんでした。両国は富士の裾野で連続的につながっていました。これは今川と武田の関係への認識を改めなければならないなと思いました。

 十一時半に富士に到着。駅の食堂でチャーハンを昼飯にします。隣の席では小さな男の子が、おじいちゃんとおばあちゃんを相手になにやら特急の名前や列車の行き先を滔々と話しています。前途有望です(笑)

 東海道線は何度も通っているので飛ばして、茅ヶ崎から相模線に入りました。多摩に住んでいながら、まだ一度も乗っていません。宮山駅で降車して、相模國一宮の寒川神社に参詣。かなり立派な山門でした。中の本殿もがっちりとした作りでした。火難除けのお守りを求めました。



※決して女子高生を撮そうと思って急いでカメラを構えたわけではない。




 これまた歴史のある神社によくあることで、祀られているのが誰だかよく分からない。しかし高座郡ですので、高句麗系帰化人の神社であることはほぼ間違いないでしょう。丘陵地を小川が流れ、畑や果樹園が並ぶ、帰化人の入植地に共通する風景です。

 相模線も撮したのですが、逆光で真っ黒に(^^;一時間外を歩いただけで朦朧としてきました。今年の夏の日差しは危険です。五時頃には八王子に到着。丁度半日の旅でした。



9月7日(金)
陰暦 七月廿六日

 一昨日から頭痛がひどく、纏足靴のせいかと思っていたところ、隣に座っている人が「風邪気味だ」と言い出したのでどうやら夏風邪らしいことが分かりました。

 昨日の午後は座っているのがやっと、今日は起きるのもつらく、頭も朦朧としてきたので半日で切り上げて午後は爆睡しました。夏の疲れが出たのでしょう。熱は出なかったけれど、何だかへんてこりんでサイケな夢を見ました。


 「味楽るミミカ」

 一ヶ月ぶりに新作。秋の風物詩運動会。私が子供の頃は運動会というと十月に開くものでしたが、中学生になった頃から学校の運動会は早くなって、いつの間にか九月になっていました。それと同時に温暖化が始まって、運動会は炎天下の中で開くものになってしまいました。先週も高校生が倒れています。十月に戻した方が良いのではないかと私は思います。

 それは兎も角、隣のクラスの担任"猪頭プルコギ"が登場。これまたかぶり物をした濃いキャラ、しかも猪だなんて今年にしか通用しないネタじゃありませんか。いつも背水の陣、ギリギリのギャグ、それが味楽るミミカ。そのバイタリティーに乾杯!

 あ組とい組がほぼ同点で最終種目ミラクルレースに突入。クラスで協力して、ジャガイモ料理を作ろうというもの。お題はコロッケ。第一走者が薯の山を運び、第二走者は下ごしらえ、第三走者が火を通して、第三走者が仕上げます。

 第二走者以降は手を繋いで走るというルール、組み合わせは図ったかのように(図ってるんですが)若だんなXあがりちゃん、リンリンXマルコ、ミミカX真之介、の三組。うまくいけば百倍の力を発揮するけれども、歯車が狂うと大崩壊する危険性を孕んだカップル達です。小学生諸君は心をときめかせて見てくれているのでしょうか。

 案の定、あがりちゃんに手を握られた瞬間に若だんなが石化。パン子ちゃんが薯運びでつけてくれた差を埋められてしまいます。しかし、玉葱のみじん切りで神速を見せて回復。でも帰りもカチンコチンで結局戻ってきた時には他のクラスと一緒でした。

 第三走者のリンリンとマルコが一番少女漫画っぽくて萌え萌え(*^_^*)
 マルコはリンリンの性格をしっかり読んでいます。相思相愛ですね、お幸せに。

 リンリンの爆走で差をつけてアンカーにバトンが渡ろうかとしたその時、い組の成上さんがこれまた少女漫画的イジメをミミカに!少女漫画のイジメは靴に関するものが多いと思う。靴を吹っ飛ばされてミミカピンチ!食い物以外では全く融通を利かせられないミミカちゃんは緊急事態にただおろおろするばかり。そこを男真之介が力業でミミカを引っ張って料理場まで走ります。ラブラブ感を出すために、おんぶでも良かったと思うんだけれど、スピード感を重視したのでしょう。

 ミミカと真之介は肉とジャガイモを混ぜて衣をつけて油で揚げる役割。ここで決まります。このまま完成させてもつまらないと言うことで、ミミカちゃんがハート形にコロッケを作り、衣にはコーンフレークや角切りにした食パン、胡麻などを混ぜてオリジナリティーを出しました。これまた高カロリーですが、美味しそうです。新しい料理ですね。すごいぞ味楽るミミカ。

 最後はい組のインチキをミミカさんの伝説の舌が見破って、プルコギ先生が馬脚を曝してあ組の優勝。今回も爽やかお腹一杯、味楽るミミカは素晴らしい番組です。



9月8日(土)
陰暦 七月廿七日 【白露】

「八高線撮影紀行」

 風邪もままならないというのに天気がよくなったので飯能へ八高線を撮影に出掛けました。青春十八切符の期限が迫っている以上やむをえまい。本当は高崎から乗って八高線を乗り潰す予定だったのですが、調子が悪いので止めました。しかしこの炎天下の下、東飯能から金子まで歩き通すことの方が考えてみれば体に堪えたかもしれません。明日はじっくり寝よう(^^;

 なぜ東飯能かというと、阿岩橋を渡る列車を撮影したかったから。八高線に乗るたびにあの鉄橋から見渡せる狭山丘陵に魅了されてきました。あれだけ遠くまで見渡せるのだから、きっと下から鉄橋を撮せば絵になるに違いないとずっと思っていました。

 幸い手元にある「東京多摩地図」に飯能の地図も入っていました。飯能は高麗の隣であり、かつては高麗郡に属していました。それだけに帰化人系の史跡があるわあるわ、もう目白押し。白髯神社、八幡神社、金子神社がそこら中にあります。特に白髯神社は場所によっては「くだら神社」とよむこともあるくらいで、これは百済系渡来人が故郷の祖先信仰をよりどころとして入植地を作った名残です。高句麗神社の「大将軍碑」もその一形態。祖先は厳つい顔をした髯の豊かな老人として表されることが多いです。一種のトーテムポールと思っていただければいいでしょう。

 相模國と武蔵國を作ったのは帰化人と言っても過言ではないのです。

 東飯能駅に近い白髯神社は鳥居のすぐ前に踏切があるのでこんな写真が撮れました。


 西武6000系と白髯神社。


   神社側から撮った西武9000系(多分)。

 鳥居前に見える自転車は近所の子供の。境内で友達とカードゲームをしていました。家から持ってきたりんごをかじって一休み。続いて河岸段丘を下りて阿岩橋へ。


 先日の台風九号による増水で逆巻く怒濤と化した入間川、怖いですねえ・・・

 阿岩橋のたもとには犬の公園があって、そこの駐車場を拝借して列車を待ちます。ところが、着いてすぐに一本通り過ぎて、これはものにならず、そのあとがなかなか来ない。待つこと三十分、やっと来ました。



 やや逆光気味なのが玉に瑕、ですが、まあまあのでき。

 そろそろ熱射病になりつつ、これから金子駅まで一山超えなければなりません、しかし犬も歩けば棒に当たる、山道で一枚、



電線の影さえなければ完璧な一枚。写真って難しいなあ...

 桂の里というそば屋で一服。蕎麦の味は相変わらず私にはよく分からないのですが、天麩羅が非常に美味しかったです。

金子から狭山市に入ります。関東有数のお茶の産地です。ここも電車から一面の茶畑が見渡せるので、お茶畑の中を疾走する209系を撮そうと思いました。





 電車が来る三分前に逆光であることに気がつき、全速力で反対側まで渡って死にかけながら撮した二枚。撮した時は今日の中では一番しょぼそうだと思ったのに、帰ってから見てみたところ、一番良く撮れていたのは不思議でした。(トリミングには苦労したけれど)

 味気ないアルミ製車両も茶畑のはっきりとした緑の中では意外と映えます。今度秋にまた撮りに行こうと思いました。



9月9日(日)
陰暦 七月廿八日

 「プリキュア5」は面白いことは面白いですが、何だか普通のアニメになってしまったのでもう毎回のようにレビューを書くのは止めにします。一言だけ感想を言うと、先生と女子中学生が本気で恋をしているんですが、これでいいんでしょうか!?(^^;私はこういうのは好きだから一向に構わないのですが、「プリキュア5」の二年目があるかどうか心配でなりません。

 最近神話を読むことが流行っているようで、八王子の本屋にも世界中の神話の本が沢山並んでいます。この前は北欧神話の話をしました。あの後三人目のヒーロー"トール"が登場しました。トールはオーディンの息子であり、正義感は強いのですが、喧嘩っ早く、人情に脆い英雄です。雷神であり、日本神話で言うと素戔嗚尊とよく似た性格を持っています。

 トールは二人の人間の兄妹を従者としており、オーディンやロキと比べてだいぶ人間に近づいています。あとになってから生まれた神様なのかもしれません。トールは神々と敵対する巨人の成敗のため四方八方に派遣されます。これまたヘラクレスや素戔嗚尊や大国主命に似ています。

 ここら辺になってくると、家長に留まらない、数十人から数百人の部族を束ねる指導者との理想像がそろそろ神様に付与されてきます。最終的に神々は突如陰湿さを増したロキの策略によって最終戦争に突入してしまうのですが、これはどうやら後世になってから詩人が書き足した挿話であるらしいです。

 続いて「ケルトの神話・伝説」フランク・ディレニー著、鶴岡真弓訳、創元社を読みました。

 第一印象は、とにかく酒が出てくる、こんなに酒まみれの神話は初めて見ました、さすがは"sober as Irish"※です(笑)

 ケルトの神話はゲルマン神話と比べて洒脱さがあり、どこかおかしみを誘います。ゲルマン神話が敵をぶち殺して終わることが多いのに対して、ケルト神話では敵はへこまされて面目を失うけれども、命を取られることは少ないです。まあ雑魚キャラは死にまくるのですが。ここら辺、ケルト人のおおらかさが現れていると言えそうです。

 大変に驚いたのは、アイルランドには「國譲り神話」があって、最初にアイルランドを切り開いた魔法使いの部族(ダヌ族)は、ケルト人がやってきた時、小競り合いはあったものの、最後には話し合いがもたれて、ケルト人は地上を、ダヌ族は地底をそれぞれ領土とする取り決めがなされ、平和の内にダヌ族は地底に去っていったとされているのです。國譲り神話も、日本に固有のものではなく、世界的に分布しているのでしょう。出雲と大和の戦いと服属に留まらない、もっと普遍的な意味があるのだと思います。

 他にも浦島太郎(龍宮城のかわりに出てくる西方の常若の国の描写はどう考えてもアメリカ大陸としか思えない)や桃太郎もいます。神話の普遍性には大いに驚かされます。

  ※アイルランド人は無類の酒好きで有名。soberとは"しらふ"のことだか、これは英国人お得意の皮肉である。



9月11日(火)
陰暦 八月朔日 【二百十日】【旧八朔】

 蒸し暑いですね。汗をかくのに洗濯物が乾かないのでこういう天気が一番参ります。一日だけザーッと大雨が降るのは好きなんですが、このように半月も降り続くと食べ物も腐りやすくなるし、空気もかびくさくなって風邪を引きやすくなる。

 明日は午後から晴れるようなので、これから三日ぶりに洗濯です。

 どうも冴えない日記ですみません(^^;A



9月13日(木)
陰暦 八月三日

 相変わらず冴えない空ながらも久々に雨の降らない一日でした。夏と冬になると聖なる祭典が開かれる場所に調べ物に行っていました。そのお祭りとは何の関係もありませんが。

 今度はインディアンの神話を読んでいます。今までの中で日本の神話や昔話に一番近いと思います。けれども、ところどころに聖書の影響が見られたり、スペイン人によってその部族にもたらされたはずの玉蜀黍の起源が創世神話に加わっていたりと、神話というものがほんの数百年でかなり改変を受けると言うことも分かります。

 日本の話ですが、民俗学である地方の古来からの習慣とされていた特殊な相続制度が、宗門改め(戸籍)の研究から、江戸末期に飢饉を乗り切るために新しく発生した風習であることが確認された例もあります。

 民俗学を金科玉条のように扱うのも考え物です。

 
エミちゃん。「魔法のスターマジカルエミ」
海に行きたい行きたいと言い続けて早十年、今年も行けなかった私は負け組(T T)
来年こそは海へ行くぞ!



9月16日(日)
陰暦 八月六日 【鎌倉鶴岡八幡宮流鏑馬】

 茨城の田舎に帰っていました。

 どうも夏の疲れや、躁鬱による寝不足などが相まって不調です。

 今週は更新頻度が下がると思いますがご了承下さい。



9月17日(月)
陰暦 八月七日
 仕事はできるけれど、一日九時間寝ないと活動ができない状態です。パソコンの強制終了のごとく眠ってしまいます。今までになかったタイプの鬱です。勤め仕事に体が何とか適応しようとして編み出した術かもしれません。

 絵が描けるようになるまでもうあと丸一日くらいかかりそう。



9月18日(水)
陰暦 八月八日

「リオグランデの素兎」
 小さくか弱い動物が強くて獰猛な動物を出し抜いて海や川を渡るという神話は、太平洋周辺で広く見られる神話であるそうです。日本の「因幡の素兎」もその中の一つです。

 「アメリカ先住民の神話伝説」(R・アードス、A・オルティス編、松浦俊輔、中西須美、前川佳代子ほか訳、青土社)で紹介されている神話の中にその一類型がありました。神話というものがどのように変化しながら伝わっていくかを知る丁度良い手がかりになります。

 それはテワ族の「熊の脅し方」という話です。


 <赤大岩の丘>に住んでいた小さな兎は、ひらうちわサボテンの実が大好物でした。リオグランデ川の東岸沿いのサボテンの実をあらかた食べ尽くしてしまった兎は、川向に渡ろうとします。そこで川の精霊に願うと、精霊は快く向こう岸まで兎を渡してくれました。

 そこに<熊のお兄さん>が現れて、兎の首飾りを欲しがります。熊と兎は翌日に勝負をすることを約束します。

 明くる朝、兎は古ぼけた鈴を拾います。そして川の精霊に頼んで向こう岸に渡してもらいます。勝負というのは、野原の中に円を描いてその中に座り、何があってもそこから動かないというものです。始め、兎が円の中に座り、熊が森に隠れて恐ろしい声を上げたり、木を倒したりして兎を脅かそうとしますが、兎は動じません。

 次に、熊が円の中に座ります。兎は森の影で鈴を鳴らしながら声を張り上げます。鈴の音を初めて聞いた熊は恐ろしくなって逃げ出してしまいます。兎は賭けに勝利しました。


 とても牧歌的な話ですね。これだけでは短いのでいまいちよく分かりませんが、推測するに元々は、熊がサボテンを独り占めして兎に食べさせようとしなかったなどの挿話が付いていたはずだと思います。そうでなければ兎が熊と勝負をするメリットがあまりありません。鈴も、水の精霊に貰ったものかもしれません。


 さて「熊の脅し方」の組み立てを簡略化すると、
兎ーサボテンー川ー川の精霊ー渡るー熊ー賭けー鈴ー兎の勝利
 となります。

 本朝の「因幡の素兎」の方はどうかというと、
兎ー海ー鰐(鮫、または鯱)ー賭けー渡るー兎の失敗ー大国主命ー蒲ー兎の復活
 となります。


 物語の部品を分析すると、
(1)弱い動物・・・兎
(2)水・・・リオグランデ川、日本海(沖の島ー気多岬)
(3)保護者・・・川の精霊、大国主命
(4)怖い動物・・・熊、鰐
(5)賭け・・・円から外に出ない、兎と鰐の数を比べる
(6)復活アイテム・・・鈴、蒲
 となります。その順序が
 「熊の脅し方」では1→2→3→渡る→4→5→6→兎の勝利
 「因幡の素兎」では1→2→4→5→渡る→兎の失敗→3→6→兎の復活

 となっています。つまり「熊の脅し方」と「因幡の素兎」は"(3)保護者"の登場順序が入れ替わっているだけであることがわかります。それだけで、こんなにも様相の変わる話になっています。

 保護者を先に登場させた「熊の脅し方」では兎が順調に熊に勝ちました。保護者を後に登場させた「因幡の白兎」では、そのために兎が一度敗北する必要がありました。話の混み具合からすると「熊の脅し方」の方が原形に近く、「因幡の素兎」の方が後から手が入っているのでしょう。

 その理由はすぐに分かります。「熊の脅し方」では主人公は兎ですが、「因幡の素兎」は大国主神話の一つとしてこの神話が出てくるので、主人公が兎から大国主命に入れ替わっているからです。

 このように神話というのは、その土地土地の事情を取り入れて、順序を変え、登場人物を変え、主役と脇役が入れ替わり、海が川になりというような入れ替えをしながら広がっていくのです。



9月20日(木)
陰暦 八月十日 【彼岸の入り】【寒川神社例祭】

ジブリを支えた背景職人
 鬱で動くと吐き気がするのですが、有休を取って病院へ行ったついでに都立現代美術館の男鹿和雄展を鑑賞しに深川まで出掛けました。

 この前の日曜に、茨城から帰る途中に寄ったのですが、スペースマウンテン並みの待ち時間に恐れをなして逃げ帰ってきたリベンジです。今月で終わりなので、平日に行くチャンスは今日だけ。それでも待ち時間三十分。大変な人気です。

 感想は、素晴らしいの一言に尽きます。

 スペインリアリズム絵画のような濃密な描き込みに圧倒されました。芸術として世界に十分に通用する絵を仕事として量産していたなんて、日本のアニメーターはすごすぎです。私は日本のアニメは職業芸術家が到達した芸術の頂点の一つと思っています。

 私はやはりトトロの背景が清新な感じがして良いと思いました。幻魔大戦の背景も終末的な雰囲気と廃墟から神々しさが出ていてよかったです。三階にはアニメの撮影技法の紹介コーナーもあって、勉強になりました。

 会場には背景を引き伸ばした写真がいくつかあり、そこでは撮影もできます。五月とメイの世界の住人になることができます。アニメオタクならずとも一度は見ておくことをお薦めします。常設展の岡本太郎の壁画「明日の神話」も必見です。

 期間は九月三十日まで。



9月22日(土)
陰暦 八月十二日

 やっとお絵描き再開。といっても紙の方です。

 これから少し画風を変えます。

 あとアニメに似せるのはこれからは止めます、といっても元々あんまり似てませんが。

 「ぷるるんしずくちゃん」の後番組は「なかよし」連載の漫画「しゅごキャラ!」になったらしいです、

 自分の隠れた性格を引き出すという変則的な変身物らしい。作者は「ローゼンメイデン」のPEACH-PIT先生。2007年上半期は数年ぶりの大不作でした。しかしそれを取り返してくれそうな予感がします。なんといっても老舗の「なかよし」が「ぴちぴちピッチ」以来二年ぶりに送り出すアニメですから。

 「ミルモでポン」が終わって以来空席のままで来た少女向けアニメの穴を埋められるか(でもキラレボがあったか、しかしキラレボは少女漫画と言うよりはコロコロの漫画っぽいので除外)、絵もきれいだし、PEACH-PIT先生は発想が良いので、期待したいです。しずくちゃんは日曜日に異動して二年目に突入のよし。



9月24日(月)
陰暦 八月十四日

 ただいま画風の改造中。

 ここ二回のプリキュア5は面白かった。特に先々週は絵が非常にきれいであった。案の定作画監督は篁磐先生。この人は本当に毎回毎回仕事が丁寧で感心してしまう。

 「ガンバランスダンス」の復活にはさすがにズッコケる。まだ夢が捨てられないのか!じゃなくって、確かに良い歌ですから、いいんじゃないでしょうか、歌には罪はありませんよ(^^;



9月25日(火)
陰暦 八月十五日

 うう、何だか最近仕事が忙しくて頭が疲労しています。

 絵の方は割と順調。目指せコミケ。

 もうアニメキャラの絵を描くのはやめようかな...



9月26日(水)
陰暦 八月十六日 【彼岸明け】

 神話は実に面白いですね、今度はエジプト神話の抄訳を読みました。今はマヤ・アステカ神話を読んでいます。

 アステカ文明では、方位の色があって、東は赤(太陽)、北は白(冷気)、西は黒(日没)、南は黄色(暖気)、だったと書いてありましたが、これなんか色のズレはあるけれど、まるっきり五行説と同じです。

 清めのために、四方に向けて矢を射るなんてところは神道と同じ。

 ケッアルコアトルのデザインは古代支那の饕餮紋に酷似しています。テスカトリポカとケッアルコアトルが原始の怪物を倒して、引き裂き、天地を作った下りは、羌族の神話にでてくる女か(女咼)と伏羲の神話によく似ている。二神を絡み合う蛇として表現させるところまで同じ。

 中米には古代支那人が流れ着いたのかもしれないと想像したくなります。



9月28日(金)
陰暦 八月十八日

 本当の中秋の名月は来月ですが、今日の月はとてもきれいです。

 だいぶ調子がよくなってきました。仕事の方は峠を越えました。まだ大変だけれど、後は工数さえかければ解決する仕事です。頭を使うのは終わり。

 ミャンマーで日本人記者が射殺されました。マスコミは嫌いだけれど、日本人はこれにもっと怒っても良いと思う。



9月29日(土)
陰暦 八月十九日

 これから「出雲國譲りの真相」漫画版のキャラクターデザインをここで発表していきます。

 大分慣れてきたので、第一部から書き直そうかと考慮中です。

 

 これは邪馬台国の中の一国イワバルの少年"ヒトマロ"です。

 小説の中でにはでてきませんが、漫画ですので子供キャラを表に出したいのと、狂言回しが必要だろうという私の考えから、加えたキャラです。名前は原作者のdragon_suplexさんがつけてくださいました。

 この少年、実は孤児で、出身地はイワバルではありません。どこで拾われたかはまだ秘密ですが、ムラの顔役であるヨサミ老人に拾われて育てられました。ヒトマロが天之日矛艦隊の襲来を発見したところから物語はスタートします。短弓の名手。ナルメと幼馴染みです。

この少年には自由を象徴させたいと思っています。



9月30日(日)
陰暦 八月廿日

 「出雲國譲りの真相」キャラクター紹介第二弾

 

 この女の子はヒトマロの幼馴染みの"ナルメ"です。

 イワバルの生まれで、巫女の見習い。二代目火神子(豊玉姫)の下で本格的に修行に出ようとした矢先に、オモイカネのクーデタに巻き込まれてしまいます。小さいけれどなかなか活動的で物怖じしない性格。小説にもちらっと登場します。

 小説で唯一邪馬台国と出雲を繋ぐ役割をしていたので、ここを膨らませたいと思って今回照明を当てることにしました。



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