Eメールをスペイン語で書くのには難しい設定はいりません。使用文字コードを ISO 8859-1 に設定すればいいだけです。具体的には、Outlook Express の場合はメッセージ作成の画面で、ツールバーから [書式]→[言語]→[欧文] と設定します。Netscape Messenger を使用している場合は、メッセージ作成画面でツールバーから [表示]→[文字コードセット]→[欧文(ISO-8859-1)] に設定します。後はキーボード配列をスペイン語にして、そのまま書いていきます。
書き終えたら送信する前に、メールのヘッダーの部分を確認してみてください。
Content-Type: text/plain; charset=iso-8859-1
Content-Transfer-Encoding: 8bit
のように、文字コードが ISO 8859-1 で8ビットエンコーディングになっているはずです。
あるいは2行目の部分が、
Content-Transfer-Encoding: quoted-printable
のように Quoted Printable に設定されている場合もあるかもしれません。
私の経験では、スペイン国内でのスペイン語のメールのやり取りでは、メール本文はアクセントのついた文字などでも
MIME エンコーディングせずにそのまま8ビットで流していました。ただ、中には8ビットを通さないメールサーバもありますので、どこでも問題なく通る7ビットの
ASCII 文字だけで書かれたスペイン語(逆さ疑問符・感嘆符は省略、アクセント記号は省くかあるいは
"a', e'" などのように書き、「エニェ」は
"n" や "n~" で代用するか、カタルーニャ語のように
"ny" もしくはポルトガル語のように "nh"
と表記する)のメールもまれにありました。
それに対して、メール本文にアクセント付きの文字を使っても、後で
Quoted Printable でエンコードすることで実際には7ビット
ASCII 文字だけに変換(例えはアクセント付きの
"o" が "=F3" になる)して送る方法は、私の知る限りではあまり使われていないようでした。(ものの本には
Quoted Printable はヨーロッパで広く用いられるエンコーディング方式と書かれいていますが・・・。スペインだけ事情が違うんでしょうか。)
そこで私も、スペイン国内で(私の知る限りで)広く通用している設定に従って、8ビットをそのまま流す設定にしていますが、日本とスペイン(もしくは中南米)の間でメールの交換をする場合、経路上に7ビットしか通さないサーバがある可能性を考えると少しリスキーかもしれません。(ただし7ビットしか通さないサーバに8ビット目を削除されてしまっても全く読めなくなるわけではない→ 例2. 8ビット目を削除されて7ビットになってしまったテキスト)
このリスクを回避することを重視するならば、Quoted
Printable エンコーディングを使う設定にしたほうがよいでしょう。またメールサーバによっては、メールを転送する際に次のサーバが7ビットしか通さないことを知ると、自動的に
Quoted Printable でエンコードしてしまうものもあるそうです。
このとき、受信側のメールクライアントが MIME
の Quoted Printable をサポートしていないと、意味不明の記号が混じったメールになってしまいますが、このエンコーディング方法では
ASCII 文字はそのままで、アクセント付きの文字や逆さ疑問符・感嘆符等だけを変換するので、メールの正確な意図は多少失われますが、なんとか読めないことはないでしょう(→
例3. デコードされていない
Quoted Printable テキスト)。
いずれにせよ、8ビットを通すメールサーバか、Quoted Printable をサポートするメールクライアントのどちらかが十分普及するまでは、スペインでの流通度とエンコーディングなしの簡便さをとるなら8ビットそのまま、ネットワーク経路上での安全性をとるなら Quoted Printable といった選択を、各々の必要に応じてしなければならないようです。
(以上が私の考えた結論ですが、このあたりの事情をよく知っている方がいたら教えてください。)
8ビット非透過のメールサーバのほかにも、インターネット上にはその環境によって、思わぬ制約があることがあります。
例えば、私がプロバイダとして利用している
NIFTY SERVE では、もともとがパソコン通信だったせいか、インターネットメールを送受信する際に文字コードを強制的に
JIS に変更する仕様になっていました。そのせいで以前は、アクセント付きの文字や「エニェ」を使ったスペイン語のメールの送受信ができず、不便でした。
しかし'98年10月21日よりこの仕様が変更になり、ISO
8859-1 で書かれたメールを送ることも、受け取ることもできるようになりました。(同時に、それまで最低限の部分以外はばっさりカットされていたヘッダーも、そのまま残されるようになりました。)
また、日本語とスペイン語を通常のテキスト形式のメールで混在させることは普通できません。ユニコード (Unicode) を使えばできないことはないはずですが、私の環境では、ユニコードの UTF-8 エンコーディングのメールを受け取った際、POP3サーバにそれを読みに行こうとすると、サーバからの反応がおかしくなる現象に遭遇しました。 私の環境が特殊だったのかもしれませんが、ユニコードに対応したメーラーもまだ少ないことですし、今の段階ではユニコードによるメール送信(少なくとも UTF-8 エンコーディングによる送信)は避けたほうがいいと思います。(なお、上記のNIFTY の仕様変更後は UTF-7、UTF-8 の両エンコーディングで送受信とも問題ないようです。)
HTML メールでも混在は簡単にはできないようです。試しに HTML の ISO 8859-1 文字実体参照 (character entity references) ※を使って、日本語の中にスペイン語の文字を混在させると、Outlook Express ではうまく表示できますが、Netscape Messenger ではスペイン語の部分が文字化けしてしまいました。いずれにせよ今のところ HTML メールはそれほど一般的ではないようですし、複数言語混在もうまく行かない場合があるので、やはりあまり使わないほうがいいでしょう。
※例えば、スペイン語の「エニェ」を"ñ"などのような表記法を使って記述します。
追記:
上で述べたスペインでのインターネット上の文字エンコーディング方法について、自分で少し調べてみました。あいにく私にはスペイン人のメール友達はいないので、かわりにメールとメッセージ交換の仕組みが似ているネットニュースを使いました。
ニュースグループの es.*、esp.* からメッセージをいくつか拾ってみたところ、
(ちなみに、Encoding: quoted-printable は見かけませんでした。)
の4種類がどのグループを見ても入り乱れており、どれかが飛び抜けて多いということはないという印象を持ちました。推奨される設定はどこかで決められているのかもしれませんが、実際には今のところ、どれが標準(もしくは事実上の標準)であると一概には言えないようです。
Windows 95/98 用のメーラー(メールクライアント、メールソフト、MUA〔メール・ユーザー・エージェント〕ともいう)には市販パッケージからシェアウェア、フリーウェアまでたくさんの種類がありますが、スペイン語でメールを書くのに使えるものはそれほど多くはありません。
ブラウザと一緒に無料で手に入るため、初心者などを中心に最近では一番利用者が多いと思われるマイクロソフトの
Outlook Express は、世界中に展開する企業の作るソフトだけあって、日本語、英語だけでなく、欧州諸語、中国語、韓国語やユニコードまでサポートするなど多国語対応の面では進んでいますが、いろいろと問題が多く、あまり評判が良くありません。
中でも問題とされるのが、文字コードをシフトJIS
や JIS (ISO-2022-JP) でも1バイトカタカナを使えるように設定できてしまう点、デフォルトで
HTML メールを送る設定になっている点など(未確認だが、他にも不正な
Message-ID を生成したりするらしい)です。
Netscape Communicator に付属の Messenger
も日、英、中、韓、欧州諸語やユニコード等をサポートし、多国語対応が進んでいますが、やはり設定によっては知らないうちに
HTML メールを送ってしまうことがあるなど、Outlook
Express 程でないしにろ多少の問題を抱えています。
今ひとつと(私には)思えた細かい操作性の面でも、バージョン4.5になって改善が見られましたが、他のシェアウェアのメーラーなどと比べるとまだまだ不十分な点が多いと言わざるをえません。
そこで、市販されているものやオンラインで入手できるものの中から選ぶことになるのですが、これらのメーラーには日本語と英語が扱えるのみで、ISO
8859-1 (Latin1) 等のほかの文字コードを使用することを考慮していないものが少なくありません。
私が知っているものの中では、Latin1
が使えるメーラーは付属ドキュメントで多国語対応を謳っていた
Becky!
だけでした。他のメールソフト、例えば最近評判の
Datula は使用する文字コード選択の設定がありませんし、その他のメーラーでもドキュメントに多国語対応の記載があるものはあまり見かけません(Eudora
なんかはできそうな気がしますがどうでしょうか。実際に調べたわけではないですけど。・・・最近
EdMax というメーラー(シェアウェアだがフリー版もあり)が
Latin1 を扱えるのを知りました。ただ、コードの切り替えが
Outlook Express や Becky! などのように簡単にできるというわけにはいかず、少し面倒です)。
Becky! は(有)リムアーツのシェアウェアですが、Windows 用のメールクライアントとしては最も人気の高いもののひとつです。機能も豊富でしかも使いやすく、また Outkook Express などの様におかしなメールを作ってしまうこともないので、安心して使用できます。日本語 (ISO-2022-JP)、英語 (US-ASCII) のほか、西欧・東欧諸語 (ISO 8859-1/2)、簡体字・繁体字中国語 (HZ-GB-2312/BIG5)、韓国語 (ISO-2022-KR) に標準で対応しています。
もちろん Outlook Express も Netscape Messenger もタダで手に入るのは大きな魅力ですし、注意して使えばほとんど問題はありません。しかしもし使い勝手の面等でこれらに不満を感じているならば、Becky! を試してみるといいと思います。