日頃見かける変な綴りの日本語を集めて、少し意地の悪いコメントをつけてみた。
新庄 (現ニューヨーク・メッツ) の阪神時代のユニフォームに記された名前。野球にはあまり興味がないので伝聞情報だが、一部では有名な話のようだ。メッツではちゃんと「SHINJO」に直したみたいだけど、「こっちのほうがかっこいいから」って問題ではないだろう。前のはただの間違いだったんだってば。
某通販業者のドメイン名 (雑誌掲載の広告より)。意図した読みは /ジュXー/ のようだが、インターネットが普及するにつれ、こういう間違いがもっと増えるんだろうな。前の例もそうだが、ヘボン式なら「じゅ」は「ju」でいいはずなのに、他の行の拗音の綴りからの類推で小さい「ゅ」に対応する「y」を入れたくなるんだろうか。それともなにか他の方式のつもり?
NHK の学校教育関係サイトの URL より。「高校」のことだと思うが、この手のオ列長音のローマ字綴りに関する誤解は非常に多い。他にも、「佐藤」さんが「Satou」と名乗っていたりする例はネット上に山ほどある。思うに、ローマ字綴りと、ローマ字入力における「かなからローマ字への翻字法」との区別がついていない人が多いのではないだろうか。それとも、俺の名前は /サトー/ じゃなくて /サトウ/ と読むんだ、という主張――強弁とも言う――なのか?
オ列長音ついでに、最近ついにパスポートでも h で長音を表すのを簡単に認めることにしたみたいだけど――以前は面倒な手続きが必要だったらしい。関連資料リスト参照――、個人的にはこれ、どうも好きになれない。ハ行の子音にも使われる文字をわざわざ導入するぐらいなら、母音をもうひとつ重ねるとかすればいいのにと思う (「Satoo」のように)。それじゃあ「サトゥー」と読まれてしまうという反論もあるかもしれないが、それはそう読む英語話者が悪い。「Satoh」さんとか、オ列長音に使うことに固執する人はいるけど、「Yuhji」/ユージ/ のように、ウ列長音 (やその他の列) に使う人はなぜかあまりいないみたいなのも不思議。王貞治のユニフォームに書かれた「OH」でこの表記を覚えた人が多いからかとも思うが、どうだろう?
これもオ列長音だが、でどころはまたもや NHK でドラマ「陰陽師」のタイトルより。こういう間違いって恥ずかしくないかね? 「公共放送」ともあろうものが。そもそもこの綴りが正しくないという認識はまったくないのかしらん?
日本漢字能力検定協会のサイトの URL より。これは正確には間違いとは言えないが、ひとつの URL に訓令式 (あるいは日本式) の「syo」とヘボン式の「ji」が混じってしまっている。こういうみっともない不統一も、全然気付かずにやってるんだろうな。
「リォ」? どう発音するんだ、いったい。「フィーリョ」じゃないんか?
テレビ朝日の番組 (新聞のテレビ欄より)。普通常識的には「ネイチャリング」だろう。そういえば、角川文庫に「シァーロク・ホウムズ」なんてのもあったな。なぜ「シャーロック」じゃいけないんだ?
カメラやプリンタで知られるこのメーカー名は、「キャノン」ではなく、こう表記することになっているらしい――新聞や雑誌でも大抵そうなっている。そう書くなら /キャノン/ ではなく /kiyanon/ と読まなければいけないはずだが。どういう理由があるのかは知らないが、いいかげんこういう「○○と書いて××と読む」みたいな、ただでさえ複雑な日本語の表記体系を余計ややこしくするようなことはやめたらどうか。まあ少なくとも、自社でそういうロゴタイプ的な表記を使うのは勝手にしろ、よそまでそんな勝手に付き合う必要はないだろう。――とここまで書いて気がついたが、これってもしかして旧かなづかい?
昔から有名なバャリースの「バャ」。「ビャ」でもないし「バヤ」でもない――が、普通は
/バヤリース/ と呼ぶことが多いようだ。もとの綴りが分からないので――調べりゃいいんだけどね
:-P ――、それが正当な読み方なのかどうかは不明。
[追記]
というわけで近所のスーパーで調べてみました。"Bireley's"
という綴りをみると、ほんとは「バイアリーズ」じゃないかという気もするが、カタカナ表記を見てみると「バヤリース」に。いつのまにか常識的な線に改められたらしい。
フジテレビの「ツール・ド・フランス」の放送より、地名「L'Alpe d'Huez」のカタカナ表記。「ドュ」ってなんだ。/dyu/ の音を表すなら普通「デュ」だろうが。ほかにも「バルルドュック」なんてのが出てくるのを見ると、フジテレビにはこういう綴りになんにも疑問を感じないようなのが多いらしい。このぶんだと、例えば「デュエット」とかも平気で「ドュエット」なんて書いてたりしかねないな。
ここで変な綴りから少し脱線して、ちょっとした――でも結構恥ずかしい――言い/書き間違いを取り上げる。
「何々をフューチャーした…」なんて言ってるのをよく耳にするけど、「未来した」って何?
「何々フューチャリング誰々」てのも聞くけど、「誰々を未来イング」ってどういう意味なんだろ?――なんてとぼけてみましたが、これは明らかに「フィーチャー/フィーチャリング」の間違いですね。「フュ」より「フィ」のほうがはるかに発音しやすいはずだと思うけど、普及度が高い「フューチャー」につい引きずられるのか?
[追記] こーいうのはアホなラジオの DJ
あたりに特有な間違いかと思っていたら、活字メディアでも「夏の映画を大フューチャー」なんてやっているのを発見。それぐらいちゃんとチェックしとけよ、TV
ブロス。
…って、感染するんかい――ってのは冗談だが、実際の文字列としてこれを目にすることはほとんどないにしても、口頭ではしばしば出会う。正しくは「ウィリス」。
ネット上に非常に多い。もとは「意外に」のただの誤変換だろうが、誤りに全く気がついていないのではと思われる例も少なくない。見落としというよりも、そう書くんだと信じきっているのかも。
意地悪が過ぎて、なかにはただの揚げ足取りになってしまったものもあるかもしれないが、お許しを。
インターネットの普及率が高まるにつれ、変なローマ字綴りのドメイン名 (やパス名) を目にする機会はますます増えることが予想される。変換ミスに起因する変な漢字綴りも、同様に増加の一途をたどるだろう。
カナについては、きちんとした綴り方を知らず無頓着な表記をしてしまう人が増えているような気がする。外国語から新しい単語が日本語にどんどん入ってきている今、カタカナでの外来語の綴り方を、きちんと教育する必要があるのではないだろうか。一方逆に、過度にもとの外国語の音にこだわった結果、妙ちくりんなカタカナ表記を生み出してしまう人もいるようだ。最後に、そういう人たちに向けて次の言葉を贈りたい。
「ゲョエテとはおれのことかとゲーテ言い」
ともあれ、これからもまた新たな変な綴りに遭遇したら、ここで報告することにしたい。
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