先週の日曜日、浜松から、伊藤浩一さんがいらっしゃいました。
今回も、神戸の田口さんのときと同様、大西がレポートさせていただきます。
まず、伊藤さんと内容について相談。田口さんはシンプルに、という希望でしたが、
どうせなら派手な方がいい、ということで、風景を入れることにしました。

高砂糊(純金粉に糊を混ぜたもの)を
引きます。柄は伝統的な桜です。
手伝っているのは、弟子の出野さん
です。

刷毛で風景を描いていきます。1本の刷毛に
複数の色の顔料をつけて、一気に描きます。
これが日本広しといえども、裕峰さんにしか
できない技です。ーー注:大西

細筆で、遠景の杉を描きます。

いったん休憩
集中力がいるので、長時間続けるのは
無理があります。
もう歳かもーー注:大西

近景の杉を描いていきます。
遠景の森を描いたのと、全く同じ
刷毛と顔料を使っています。

右下に、純金粉を吹き付けます。

松を描いています。
これも同じ刷毛、同じ顔料です。
何回見ても、描き方も同じに
見えるのですが・・・ ーー注:大西
このあと、筆で、特殊樹脂を丁寧に塗り重ねます。
間に、真珠貝やメキシコ貝の螺鈿(らでん)、純金箔、レーザー箔
などを置きます。詳しくは、田口さんの2400c製作過程を見てください。
樹脂にも細かい純金が混ぜてあるので、角度によって、
にじ色に輝きます。
写真ではわからないのがおしいです。ーー注:大西

完成です。

今回、久しぶりに裕峰さんが風景を描くのを見ました。何度か見せていただいて
いるのですが、何度見ても感動します。
なんで同じ刷毛、同じ顔料、同じ描き方で、遠くの森になったり、杉になったり、
松になったりするのか聞いたことがありますが、「森、森、と思いながら描けば
森。杉、杉、と思いながら描けば杉。松、松、と思いながら描けば松になる。」
という、なんともいいかげんな答えでした。
ふだんは「気のいいおじさん」ですが、刷毛を持たせるとすごい!
(私は「神の手」と呼んでいます。)
作品もそうですが、描くところも、1度見に来る値うちはありますよ。
取材:大西