One Fine Day

晴れ上がった5月の午後、一人公園のベンチに座って空を眺めていた。

雲ひとつない、どこまでも澄んだ青い空。

ずっと見上げていたら、なぜだか分からないけれど、ふいに涙がこぼれた。




「フランソワーズ……? 泣いてるの?」

気がつくと、栗色の髪の少年が少し離れた所に立ったまま、じっとこちらを見つめている。

その少し陰を落としたような茶色の瞳に、ふいに胸が苦しくなるような感覚を覚えながら、私は頬を伝う涙もそのままに言った。


「あなたのことを考えてたのよ」

「えっ えぇぇっ?」
「……ぼ、ぼくが泣かせてるの?」

彼が急に慌てだす。


「違うわ、嬉しくなったのよ」

私は笑みを浮かべる。
すると彼はどうにも訳が分からないという顔になり、なんと声をかければいいのかも分からないのか、所在なげに頭をかいた。



爽やかな5月の風が通り抜けていく。

私はまた空を見上げた。



ねぇ、あなたは知らないでしょう?

あなたの声がどんなに心地よく私の耳に響くのか

あなたのその温かな瞳がどれほど私の心を満たしてくれるのか

ねぇ、ジョー、あなたは知らないでしょう?



新緑の匂い
頬を渡る風
遠くに聞こえる子供たちの笑い声

この全てを守りたいと思う。私に出来る全てを賭けて。

そう私に思わせてくれたのは、あなたなのよ。



「帰りましょうか。きっとジェットが今ごろお腹がすいた〜って文句を言ってるわ」

ポンと立ち上がり、まだ所在なげにしたままの彼の腕を掴んで、ぎゅっと腕組みする。
私が微笑みかけると彼はやっと安心したのか、私の大好きな、あのはにかんだような笑みをこぼした。


一筋の風が2人の間を通り抜け、微かに私の髪を揺らしていった。



Fin.




・・・えーと、どういうわけか書いてしまいました。。第2弾。
あ、あはははは。(笑うしかない)
実はAZUKIさんの「追憶の中の君へ」という作品にいたく感銘して書いた作品です。
ほんとうに事実は小説より奇なりというか、現実感をもって捉えられないような信じ難い事件が起きる世の中になってきているもので、平和って何かな〜とか考えながら書いたものです。
なーんていうのが恥ずかしいほど全然大したこともなく、またAZUKIさんのお話ほどのdetailsもない(涙)のでどうにも申し訳ないのですが、もしご迷惑でなければ、AZUKIさんのところで貰っては頂けないでしょうか・・・?
こんな稚文押しつけてすみませんです〜。

あこ

May.22. 2004




キリ番の女王として名高いあこさんに素敵なSSをいただきました。
わたくし、うっとりとしてしまいました。
穏やかな春の日ざしのもと、柔らかい微笑みを浮かべながら心に固い決意を秘めて未来を見つめるお嬢さんの姿が心に迫ってきます。
あこさんのSSを読んで、「お嬢さんが好きだ〜」という気持ちをあらためて確認しちゃいました。
あこさん本当に素敵ないただきものをありがとう。
そしていつも私の拙いお話に付き合っていただいて感謝!です。
(身に余るお言葉に嬉しいやら恥ずかしいやら……でも「追憶〜」を気にいってくださって本当に嬉しいです)

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May.27.2004