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ピュンマから国際電話が入った。
ジョーが事件の事で協力を頼んでいたからだ。
「予想通りだね、ジョー。少女誘拐事件に関して情報を集めていたら、興味深
いものを見 つけたよ。」
PCに関してはピュンマの右に出るものはいない。
彼のもたらしてくれた情報は大きなものだった。
「美少女アニメのファンのサイトに気になる書き込みがあってね。今放映
されている『美 少女戦士フローリアン』というアニメに出てくる女の子を実際
に集めてみたいというも のなんだ。」
「実際に?」
「そう。現存する女の子を集めて、ね。全く僕には理解出来ないが、賛同する奴
もいたら しくてかなり盛り上がっていた。
もちろん秘密裏にされていた会話だったんだけど、まさかこうやって調
べられるとは 思ってなかったんだろうね、具体的に収集方法について議論
されていたみたいだ。
そしてそのサイトの主催者は……」
「ビンゴ」
ピュンマからの連絡を受け取ったジョーは確信を持った。
登録された車の車庫証明をとってある住所は横浜市内のマンション。
所有者の50代の男性の19歳の息子が問題のサイトの主催者だった。
自分たちの趣味の為に女の子を誘拐した。馬鹿げているがそれが事件の真相
だろう。
そしてフランソワーズは巻き込まれて一緒に連れて行かれた。
BG絡みではないのが救いだが、常軌を逸したその行動を考えれば彼女の身の
保証はない。
なんにせよ、すぐにでもそのマンションに潜入する必要がある。
「僕がマンションに潜入する。グレートは健太君と共にそのフォローを頼む。
張々湖はイワンと留守を頼むよ」
「健太も連れて行くアルか?ここで一緒にいたほうがいいアルよ」
「でも行きたいだろう?健太君。」
ジョーが健太を見つめて言った。
「連れて行くけどちゃんと僕らの指示にしたがうこと。 危
なくなりそうだったら置いて行くけど文句は言わない事。守れるね?」
健太が無言で頷く。
「じゃあ出発だ。じきに警察も動きだす。その前にフラン達を救出するよ」
『いいとこあるじゃないか、ジョー。健太の男を立ててやるなんて。』
グレートがニヤリとジョーに笑いかけた。
『9歳でも男だからな。惚れた女の危機を黙って見てるわけにはいかんわな』
『……気が付いてた?』
『当たり前だろう。人生経験豊富なこのグレート様の眼にかかれば、ってフラン
以外はみ んな気が付いてるだろうがね』
犯人とおぼしき人物の父親はよほど金回りがいいらしい。
横浜の一等地にそびえ立つ、高級そうな外壁の瀟洒なマンションの最上階が、問題の19才の息子の部屋だった。
セキュリティーもしっかりしているマンションだが、サイボーグ戦士の彼らにとっては侵入することなどわけもない。
道を挟んだ向かい側の雑居ビルの屋上に立った三人は、やや見下ろすように問題の部屋を見つめた。
事件から4時間近くが経とうとしている。
先程から脳波通信でフランに呼び掛けるが応答は返って来ない。
此処にはいないのか、それとも眠らされているのか。
最悪の事態はなぜか考えられなかった。
信じているからだけでなく、感覚的なものがフランは生きていると告げていた。
それでも早く救出できればそれに越したことはない。
フランだけでなく、誘拐されている少女達も気にかかる。
此処にいてくれればいいが……。
ジョーは後ろに立つグレートと健太の方に振返り、声も出さず視線だけで了解を得ると、助走も無しで隣のマンションの広いテラスに音も無く飛び下りた。
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