フランシーヌの場合 .




1969年3月30日、日曜の朝
一人の女学生が亡くなりました。





フランシーヌ・ルコント(Francine Lecomte)を覚えていますか?
「フランシーヌの場合」と言えば思い出す方々もおられると思います。
1969年3月30日の日曜日、この日の朝女学生だったフランシーヌ嬢は
ベトナム戦争とビアフラの飢餓問題に抗議してパリで焼身自殺しました。
彼女は当時盛んだった学生運動に参加して反戦活動をしていました。
当時日本では新谷のり子さんが「フランシーヌの場合」という曲を唄い話題になりました。
私も当時小学生だったかと思いますが、ラジオでこのニュースを知りました。
とてもショッキングな事件でした。
この曲は日本で作詞・作曲されたものですが、
「フランシーヌの場合は・・あまりにもお馬鹿さん・・」と唄われています。
彼女がお馬鹿さんだったのか、それとも彼女のメッセージを忘れてしまう我々がお馬鹿さんなのか・・
それから30数年、今では彼女の事はほとんど語られる事も有りません。
日本では新谷さんが今も歌手活動を続けておられるようで、彼女のコンサートでは
「フランシーヌの場合」も唄われている様です。
当時の新聞記事によれば、彼女の家族いわく彼女は入院歴もあり精神を病んでいたそうです。
かなり思い詰めての行動という事でもあり、決して賛美出来る事ではありません。
1969年と言えばもちろんまだインターネットもありません。
個人がメッセージを発信する方法として、フランシーヌは「焼身自殺」という
方法を用いたのでしょう。
病んでいたとはいえ、彼女が命と引き換えに発信したメッセージが埋もれてしまい
忘れ去られてしまうとすればこれ程不憫な事はないでしょう。
今日確かにとうの昔にベトナム戦争は終結しましたが、また別な所で戦いが起き
未だひとときの平和も訪れた事がありません。

たまには彼女の事を思い出してあげてください。
また興味を持たれましたら彼女の事を調べてみてください。
(図書館にある古い新聞に当時のニュースが掲載されています。例:1969年3月31日付 朝日新聞夕刊)
ただ馬齢を重ねて生きている私にはネットでこういったページを作ることぐらいしかできません・・


彼女に関する情報や資料がございましたらご連絡ください。


「フランシーヌの場合」
1969年6月15日発売 日本コロンビア CD-24 唄:新谷のり子 作詞:いまいずみあきら 作曲:郷五郎
ジャケットの下半分のタイプ文字はフランス語で書かれた当時の新聞記事の様です。BiafraやVietnamといった記載があります。
曲の中では当時のニュースがフランス語で流れます。
このレコードは「反戦歌手」新谷のり子さんのデビュー曲になり、当時80万枚売れました。古レコード屋さんでは安価に入手出来るはずです。
新谷のり子さんは「フランシーヌ はたち」という本を出していた様で、この本にフランシーヌの記述があるものと考えられます。
一度読んでみたいものです・・。
また、「ビアフラ 餓死で亡んだ国」という本を伊藤正孝という方が出版されており、フランシーヌに関しての記述があるそうです。
こちらは比較的入手し易い様です。読んだ方からの情報では、本国フランスではこの本が出版された1984年当時既に忘れ去られていたそうな・・



長編記録映画「ベトナム」
日本で作られた記録映画です。1969年制作
総監督は山本薩夫氏。
当時の東京都知事の美濃部氏のコメントなども掲載されています。
「ディア・ハンター」や「地獄の黙示録」などは単なるエンターテイメントにすぎません。
あれらはかなり偏向して描かれていますから・・
米国がどうしてもベトナム(北)に勝てなかったのはなぜか?
歴史を紐解いてみるのも有意義かもしれませんね・・