Camille Technical Research Institute On World Wide Web /2nd season

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004

鉄道模型その1

H14.09.15

ペーパー車両製作法(前編)

 


はじめに
▼ペーパー車両とは何か? これは、日本の鉄道模型の1/80車両の自作法として広く用いられている物で、普通の紙を切り出し、サフェーサーと呼ばれる下 地塗料を染み込ませて固化させて作るものです。 
この方法にもいろいろと「流派」みたいなものがあって、基本的に私のやり方はロコモデルの製作法を元にしています。 ペーパー車専門の模型店(すでに活動 終了)「ロコモデル」のキットとその製作法に関して知りたいという方は、エムズコレクションの1ブランドとして活動する展望舎がご参考になるか と思います。

▼ペーパー製車両の基本的構造は、側板及 び妻(正面&連結面)の一番外側になる紙に大まかな穴をあけ、窓枠 やドアの窓を表現する内ばりを貼りあわせ、それに角材を貼り付け補強。 それを箱型に組み合わせて電車の形を作ります。 そのままだと表面が仕紙のままで そのまま塗装しても荒れたままです。 また紙なので水を吸ったりして変質したり、それでなくても強度自体も走行や保管などに適さないほどに弱いので、サー フェーサーと呼ばれる下地仕上げ用の塗料を染み込ませて固め、また表面もツルツルに磨きます。

材料
▼紙ですが、以前(’95〜’00)はmarumanの版下台 紙、品番S940を使っていました。 これは厚くて光沢のあるアイボリー紙です。 最近これが入手難となっていて、代替品を探しているところです。 (東 急ハンズで売っていた「アイボリーケント」を確保済み)補強用に3×3&3×10のヒノキ棒(どこの模型店にもある)を使います。

工具
▼以下のものを主に使っています。 

1はデザインナイフ、これはオルファやNTカッター田宮模型などから 出されている細かい作業向きのナイフです。 刃は交換式で、30度の物を使っていま す。 

2は最近使い始めた「曲線切りデザインナイフ」。 先がくるくる廻る ようになっていて、曲線の切り出しをしても刃が欠けないので気に入ってます。 商品名 はNTカッターのSW‐600P。

3は「てん刻」用の角刃、刃といっても粘りのある金属で出来ていてほ とんど針みたいなものですが、ケガキに重宝しています。 中国物産展(中国からの輸入 雑貨を扱う店)で 購入。

4は鶴首ピンセット 細かい作業に使います。 5はピンセットペンチ で、例えばケガキをした後に細かい物を曲げるような作業を行う時に使います。 ヤット コを使えないような繊細な作業に向いているかも。 4と5は田宮模型から出ているので普通の模型店で買えます。

6は彫刻刀の丸刀、ばら売りされている1本500円の物。 窓やドア の角のRを抜きます。 1.5ミリと3ミリの2本を使用。 東海村原八さんの「模型の王国」サイトに集まるモデラーの間では「パワーグ リップ」が良く使われているらしいのですが、以前僕は1.5ミリを使っていて刃がぽきり、手首に刺さりそうになった経験があり、それ以後これを使っていま す。

7はポンチ。 ライトその他の真円の穴をあけるときに使います。 左 は工具店で買った直径1.5ミリ、右は手芸店で買った直径3ミリのもの。 
下に敷いてあるのは切断作業用のマット、定規は普通の三角定規とステンレススケールを併用しています。 ステンレススケールの裏側には滑り止めのビニール テープを貼ってあります。

ケガキ
▼紙を切り出すためにあらかじめスケールに応じた寸法を出し、それを紙に写して工作時のガイドとする「ケガキ」と呼ばれる作業が必要です。  最近は完全 にこの作業をCADで行う人が多く、CADで作図したものを紙に直接プリントアウトしたり、以外にインクがサフェーサーと相性が悪いので、印刷の簡単な薄 い紙にプリントアウトした後に仮止めして切り抜く人も居ます。 下の図では実物と同様に穴が空いている「外ばり」とペーパー車両ならではの「内ばり」があ りますが、先に外ばりの作業を済ませてから紙に貼り、それから窓枠を抜く方法でしたら、「内ばり」のケガキは省略することも出来ます。

紙 の目
▼紙は繊維が走っている方向を上手く使ってやると曲げやすいと言う性質があり、これを知ってペーパー車両に 使うと屋根や車体のカーブをきちんとすることが出来ます。 一般的には、外ばりを横、内ばりを縦にするのが「鉄則」と呼ばれています。 そうすると、 経年変化で車体がゆがむのを避けられると考えられているからです。

▼TMS(「鉄道模型趣味」誌のこと) に、小林信夫氏がペーパー小型車両の記事をしばしば書くようになった平成 3年から5年ぐらいが、ちょうどワタシが鉄道模型を再開した時と重なったのですが、記事を参考にして普通のケント紙、PC9821シリーズのパンフレット などのいろんな紙と木工、工作あるいは厚紙用とし て売られている接着剤を組み合わせ色々とつくってみました。 しかし、そのどれもがサフェーサーを吹いた時にせっかく曲げたボディの丸みやペーパー屋根な どが著 しく曲がると言う現象に悩まされました。 組んだ後にサフェーサーを吹くと、各部のヒノキ棒の補強をものともせずに昔のヘリ コプター「パイアセッキ」みたいなバナナ状にゆがみが発生って感じです。作っては歪みの繰り返しで数年間を費やし、飽きてしまって鉄道模型をやめたほどで す。

▼95年にTMSの記事で知った版下台紙 を買ってきて、同時に接着剤も「発泡スチロール用」に変えました が、それでもサフェーサーを吹いた時に激しく曲がるので、最後には両方とも横にしました。 先に挙げた「鉄則」に反していますが、この96年&97年に 作った車両はボディ部分が非常に堅牢であるという皮肉な結果になりました。

▼今は何故か普通の木工用ボンドを 買ってきて縦・横で作ってもその歪みが全く出なくなりました。 今後 も経年変化には注意を払いたいと思っています。

▼長くなってしまったので、後編に続く。



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