ページ内目次 ホソウスヒザラガイ ウスヒザラガイ オオセスジヒザラガイ エゾヤスリヒザラガイ ヤスリヒザラガイ カブトヒザラガイ クサズリガイ オオクサズリガイ ヒザラガイ リュウキュウヒザラガイ コザネヒザラガイ オニヒザラガイ ニシキヒザラガイ アヤヒザラガイ ババガセ ウスベニヒザラガイ ヒトデヒザラガイ ヒメケハダヒザラガイ ケハダヒザラガイ ビロードヒザラガイ オオケムシヒザラガイ ケムシヒザラガイ

多板類 Polyplacophora

ホソウスヒザラガイ


[和歌山県白浜]
Ischnochiton (Ischnochiton) boninensis Bergenhayn, 1933(ウスヒザラガイ科)
 ウスヒザラガイの種内変異とされたことがあるが,別種。ウスヒザラガイよりも細長く,甲が高く,肉帯の小鱗片が小さく,その鱗片に縞模様があることでウスヒザラガイと区別できる。ウスヒザラガイ同様に色彩変異が多いので色や模様では判別は困難だが,本種では肉帯を取り巻く同心円紋があるが,ウスヒザラガイでは肉帯の斑紋はつねに放射状である。

ウスヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1989.5.4]
Ischnochiton (Haploplax) comptus (Gould, 1859)(ウスヒザラガイ科)
 岩礁海岸潮間帯の普通種。ヒザラガイが潮間帯の岩上など干出して乾いてしまうような場所にいるのに対して、本種は潮間帯中部以下〜水深数mに住み、潮間帯に出現するときはタイドプール内の転石の下面など乾燥しないところにいる。ヒザラガイ類の中ではとくに歩く(?)のが速い。

オオセスジヒザラガイ


[和歌山県白浜]
Stenoplax (Stenoplax) alata (Sowerby, 1841)(ウスヒザラガイ科)
 沿岸浅海の転石下にすむ細長いヒザラガイ類。殻に微細な文様がある。

エゾヤスリヒザラガイ


[北海道産標本]
Tripoplax albrechtii (von Schrenck, 1862)(ウスヒザラガイ科)

ヤスリヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1989年5月]
Lepidozona coreanica (Reeve, 1847)(ウスヒザラガイ科)
 ウスヒザラガイに似るが、殻を指で触るとザラザラしている。これは本種の殻に細かい指状突起の列があるからである。同様にウスヒザラガイに似たオオクサズリガイの殻にも突起列があるが、オオクサズリガイの突起は指状ではなく低い瘤条であるため、さわってもザラザラはしない。

カブトヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1986.5.27]
Callistochiton jacobaeus (Gould, 1859)(カブトヒザラガイ科)
 写真では分かりにくいが,甲が高くカマボコ状。潮間帯〜浅海の転石下に棲む小型のヒザラガイ類で,多くはない。

クサズリガイ


[和歌山県白浜, 1989.5.3]
Chiton (Rhyssoplax) kurodai Is. & Iw. Taki, 1929(クサズリガイ科)
 ウスヒザラガイに似る。慣れないと判別は難しいが、ウスヒザラガイやホソウスヒザラガイがやや「下ぶくれ」の体形であるのに対して本種は「下ぶくれ」ではないこと、本種やオオクサズリガイでは肉帯上の鱗片が大きく整然としている印象を受けるのに対してウスヒザラガイやホソウスヒザライでは鱗片が小さくあまり「整然と並んでいる」という印象を受けない。慣れれば一目で判別できる。
 Rhyssoplaxを属と考える場合はRhyssoplax kurodai (Is. & Iw. Taki, 1929)。

オオクサズリガイ


[和歌山県白浜, 1987.4.17?]
Chiton (Rhyssoplax) komaianus Is. & Iw. Taki, 1929(クサズリガイ科)
 本州南岸に分布するヒザラガイ類のうち,一見,ウスヒザラガイに似ているものには,ホソウスヒザラガイヤスリヒザラガイクサズリガイオオクサズリガイなどがある。本種は,殻に低い丸いイボが並んだ放射肋があることで,多種と区別できる。色彩変異が多く,色彩や模様では種同定できない。中には鮮やかな黄緑色一色の個体もある。
 Rhyssoplaxを属と考える場合はRhyssoplax komaiana (Is. & Iw. Taki, 1929)。

ヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1988.11.7]
Acanthopleura japonica (Lischke, 1873)(多板類、クサズリガイ科)
 日本沿岸の岩礁海岸でもっとも普通に見られるヒザラガイ類。南日本ではによく似たリュウキュウヒザラガイも同所的に分布する。さらに南西諸島には,キクノハナヒザラガイA. tenuispinosaコザネヒザラガイオニヒザラガイといった近縁種が分布する。
 鰓付近にしばしばカイヤドリヒラムシが寄生(共生?)している。
 原名はChiton japonicus Lischke, 1873。その後Liolophura Pilsbry, 1893に移された。現在、Acanthopleura Guilding, 1829に含めるのが一般的だが、Liolophura japonica (Lischke, 1873)のままとする意見もあるようだ。

リュウキュウヒザラガイ


[慶良間群島嘉比島, 1988.6.14 ? 安室島, 1988.6.16]
Acanthopleura loochooana (Broderip & Sowerby, 1828)(クサズリガイ科)
 原名: Liolophura loochooana Broderip & Sowerby, 1828。南日本の太平洋岸でヒザラガイと混生する。肉帯上の棘の大きさが,ヒザラガイではほぼ均一であるのに対し,本種では大小のものが入り交じる点で区別できる。確実に鑑別するには尾板をはずしてみる。尾板の内面後縁が平滑ならばヒザラガイ,櫛状の突起に縁取られていれば本種である。

コザネヒザラガイ


[沖縄県与那国島, 遊佐氏採集標本]
Acanthopleura miles (Carpenter in Pilsbry, 1893)(クサズリガイ科)
 ヒザラガイ属Acanthopleuraに属するが,肉帯上に棘ではなく鱗片がある。沖縄地方の潮間帯に分布する。なお,沖縄地方に分布するヒザラガイ属は,本種の他,オニヒザラガイリュウキュウヒザラガイ,キクノハナヒザラガイA. tenuispinosa (Leloup, 1939)(もしくはLiolophura tenuispinosa Leloup, 1939)である。
 本種をSquamopleura Nierstrasz, 1905に含め、Squamopleura miles (Carpenter in Pilsbry, 1893)とする場合がある。

オニヒザラガイ


[慶良間群島嘉比島, 1988.6.14 ? 安室島, 1988.6.16]
Acanthopleura gemmata (Blainville, 1825)(クサズリガイ科)
 琉球列島以南の暖海に分布し、琉球列島では潮間帯中〜上部の普通種。同属のリュウキュウヒザラガイ、キクノハナヒザラガイ、コザネヒザラガイと混生するが、のように見分けることができる。
 少し古い図鑑ではAcanthozostera gemmata (de Blainville, 1825)とされている。

ニシキヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1989.5.4]
Onithochiton hiraseiPilsbry, 1901(クサズリガイ科)
 肉帯の表面は目立った鱗片や棘がなく皮革状。タイドプールに棲む。

アヤヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1987.4.17?]
Lucilina interplicata Bergenhayn, 1933(クサズリガイ科)
 ニシキヒザラガイに似るが,それよりも小型で,甲がやや高い。しかし,いちばん明確な違いは,尾板の形である。本種では尾板の中央が高く,真横から見るとほぼ直角に見えるが,ニシキヒザラガイの尾板はほぼ扁平である。本種の近縁種複数種が,本州南岸や沖縄地方などに分布しているようである。

ババガセ


[和歌山県白浜, 1986.12.30]
Placiphorella stimpsoni (Gould, 1859)(ヒゲヒザラガイ科)
 肉食性。潮間帯下部の岩礁に棲む。非常に扁平な円盤状の体で,ほとんど移動しない。夜になると体前半部を高く持ち上げ,獲物を待ち,ヨコエビ類などが迷い込んでくると,持ち上げていた部分をパタンと閉じて獲物を捕らえる(→ババガセ(動画))。

ウスベニヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1986年7月]
Notoplax dallii Is. & Iw. Taki, 1929(ケハダヒザラガイ科)
 潮間帯下部〜浅海の転石下や岩の割れ目の奥などに棲む。多くない。

ヒトデヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1988.7.31]
Notoplax conica Is. & Iw. Taki, 1929(ケハダヒザラガイ科)

ヒメケハダヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1988年1-3月]
Acanthochitona achates (Gould, 1859)(ケハダヒザラガイ科)
 ケハダヒザラガイは殻がごく小さく,肉帯が広いが,本種はヒザラガイと似たような体形である(やや身が厚い)。潮間帯岩礁に棲む。

ケハダヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1988.11.7?13]
Acanthochitona defilippii (Tapparone Canefri, 1874)(ケハダヒザラガイ科)

ビロードヒザラガイ


[静岡県産標本]
Acanthochitona dissimilis Is. & Iw. Taki, 1931(ケハダヒザラガイ科)

オオケムシヒザラガイ


[沖縄県黒島, 野村氏採集標本]
Cryptoplax larvaeformis (de Blainville MS, Burrow, 1815)(ケムシヒザラガイ科)
 沖縄地方のサンゴ礁には大型のケムシヒザラガイ類が少なくとも2種棲息する。写真はそのうちのひとつ。

ケムシヒザラガイ


[和歌山県白浜, 1989.5.4]
Cryptoplax japonica Pilsbry,1901(ケムシヒザラガイ科)
 ケムシヒザラガイが踏みつけにしているのはウスヒザラガイ

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