|
これは,分類学のプロもしくはハイ・アマチュアの方々を想定したかなり深い解説です.しかし,アマチュアや初学者の方々からでも質問があれば,誠意を持って回答・解説したいと思っています。 以下,動物命名法関連でよく使われる用語を中心に紹介します。 タイトルは「用語集」ですが,見出し語の並び順は,50音順やABC順ではなく,順番に読んだときに理解しやすいように並べてあります。50音順索引は,後日別途用意するつもりです。 少ない語数からスタートしますが,徐々に解説を追加します。 まずは暫定版です。書き殴ったので,読みにくいと思います。徐々に整備します。 |
|
後生動物のハパントタイプ
規約条文で明言されているように,ハパントタイプは原生生物タクソンの場合に限って適用しうるし,実際,そのように運用されてきた。粘液虫類 Myxozoaは長らく原生動物だと考えられていたために,その担名タイプはしばしばハパントタイプが用いられてきた。しかし,最近になって,粘液虫類は原生動物ではなく後生動物である刺胞動物のなかまであることが明らかにされた。 |
|
Dactylopodella Sars, 1905 Dactylopodella Remane, 1926 Dactylopodalia Remane, 1929 Dactylopodola Strand, 1929
海産腹毛動物分類の泰斗,A. Remaneはバルト海沿岸から多数の腹毛類を記載・命名した。Dactylopodella Remane, 1926はそのうちのひとつである。命名後まもなく,彼はこの学名がDactylopodella Sars, 1905(甲殻類のソコミジンコの仲間)の新参同名であることに気付き,新置換名Dactylopodalia Remane, 1929を提唱した。以来,この学名が長らく使用されていた。しかし,腹毛類研究者にはまったく知られていなかったのだが,Dactylopodalia Remane, 1929よりも3ヶ月早く,新置換名Dactylopodola Strand, 1929が提唱されていたことをd'Hondt (1970)が指摘し,この学名を用いた。1970年は国際動物命名規約第2版の時代であり,遺失名の規定はあったのだが,本件は規約が定める要件を満たさなかった。当時の腹毛類学者はd'Hondtの処置を激しく非難し,これに従わず,あいかわらずDactylopodalia Remane, 1929を使い続けた。しかし,腹毛類研究者も世代が変わり,現在ではDactylopodola Strand, 1929が用いられている。 |