★★10月 1日 毎日新聞・朝刊 ★★
シンシアのページ「JamJam」に掲載 県外の読者にも紹介 /兵庫
地域面で連載中の「介助犬シンシア」のバックナンバーが、毎日新聞のインターネットホームページ「JamJam(ジャムジャム)」内で紹介されることになり、閲覧が始まった。シンシアの姿を追い続けている写真家、小田哲明さん(53)=神戸市兵庫区在住=の写真も同時掲載。連載3回程度を1画面で掲載しており、連載の流れを手軽に振り返ることができる。
「介助犬シンシア」は、県内全域の地域面で、原則週3回連載。現在シンシアと飼い主の木村佳友さん(38)=宝塚市在住=が鉄道に乗車できるようになるまでの経過を紹介している。しかし、県外の読者からも「読む方法はないか」などの問い合わせが寄せられていた。
「JamJam」には、ニュース速報や特集記事などが掲載されているが、原則的に地域面の記事は掲載されない。そのため、介助犬シンシアのページを特設して、バックナンバーを随時、掲載していくことにした。【野原靖】
「介助犬シンシア」のページにアクセスするには、毎日新聞のホームページ「JamJam」(http://www.mainichi.co.jp/)を表示させた後、ページ内の「サイバー編集局」をクリック、さらにその中の「西方見聞録」のページにある「介助犬シンシア」のページを指示する。
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★★10月11日 毎日新聞・朝刊 ★★
介助犬、シンシア シンシアの目線で撮影−−写真家・小田哲明さん
木村さん夫婦とシンシアへの支援の輪が、だんだんと広がってきた。
神戸市兵庫区在住の写真家、小田哲明さん(53)は木村さんとシンシアの交流をフィルムに収め続けている。雑誌の取材で木村さんらと知り会った小田さんは、木村さんの講演や旅行に密着。「シンシアの目線」でシャッターを切り続ける。個展には必ず木村さんたちの写真を展示している。
人気ドラマで俳優の木村拓哉さんが着て「キムタクのTシャツ」として有名になった神戸の「百番目のTシャツ」社も、シンシアのイラスト入りのTシャツの発売を始めた。売り上げは一部を介助犬育成団体に寄付している。
木村さんの職場の三菱電機も昨年4月から、介助犬連れの出社を認めた。今ではシンシアは会議にも堂々と“出席”するまでに。
とはいえ、介助犬を取り巻く状況はまだまだ厳しい。現状は、介助犬の有効性がようやく世間に認知され始めたところだ。今後、各育成団体の横の連帯や介助犬の資格、基準づくりが焦点となって来るだろう。
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★★10月11日 毎日新聞・朝刊 ★★
介助犬、シンシア 車いすの人の生活を手助け
11年前、オートバイ事故で車いす生活になった兵庫県宝塚市のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)は、今、介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、4歳)と暮らす。目の不自由な人のための盲導犬は全国に約800頭いるが、介助犬はまだ10頭未満という「マイナー」な存在だ。法的な保護もなく、飲食店やホテルを利用する時は、事前に「ペットと違うんですよ」と説明し、個別に交渉しなければならない。断られることだって、しばしばある。それでも、前向きに生きる木村さんや懸命に介助するシンシアは、その姿に接した多くの人をひきつけ、理解や支援の輪を広げている。こんな犬がもっともっと増えたらいいと思いませんか? 【山本真也、野原靖】
◆木村佳友さんの手記
私は11年前の冬、通勤途中にオートバイで転倒して頚椎(けいつい)を骨折し、胸から下の運動機能と感覚、さらに手の指の機能も失いました。前年に結婚したばかりの27歳のときでした。事故後3年半の入院とリハビリを経て、私は車いすながら、ようやく自宅での生活を始めました。
自宅での暮らしに馴(な)れたころ、シンシアと私は「飼い主とペット」として出会いました。譲り受けた子犬はいたずらざかり、そのやんちゃさにほとほと手を焼いていたちょうどそのころ、雑誌で「介助犬」の記事を見つけたのです。早速、激励の手紙を書き、「うちにもいたずらばかりしている子犬がいます」と添えました。それがきっかけとなり、私のペットが介助犬のトレーニングを受けることになりました。
シンシアが介助犬として私の不自由な生活の手助けをするようになり、はや2年。今では物が落ちる音がすると駆けつけ拾ってくれるまでになりました。しかし障害者と一頭の犬が信頼関係を培い、互いに歩み寄れるまでには紆余曲折(うよきょくせつ)、時間がかかりました。
また、介助犬とともにに一歩家の外へ出ると、さまざまな障壁があることも思い知らされました。介助犬を連れて列車に乗るためには数カ月にわたる交渉をし、さらに試験乗車して問題がないかを試され、ようやく許可がおりるといった具合に、ことあるごとに事前にお願いをして許可を得なければならないのです。レストランやお店、ホテルもしかりです。介助犬と一緒に出かけるばかりに、かえって行動を制限されてしまうこともあるのです。
社会の受け入れが進まない原因に、介助犬が法的にはなんらペットと変わらない「法的裏付けのない犬」であることがあげられます。そんな中、今まで介助犬についてノーコメントだった厚生省から、介助犬の研究班に研究助成金がおりることになったようです。また、今秋から毎日新聞の地域面で「介助犬シンシア」と題して連載も始まりました。このように新聞に掲載されることは、肢体障害者を助ける「介助犬」のより広い認知につながると大変うれしく思っています。連載には、雑誌の取材がきっかけでシンシアを撮り続けてくれているカメラマン小田哲明さんの写真が掲載されています。シンシアのお陰で、想像もしなかった方々と知り合い、介助犬の普及を応援してくれる輪が広まりつつあるのも事実です。
まずは、多くの人に介助犬というものを知ってもらうこと、そして理解へと進んでくれたら……。それが私とシンシアの願いなのです。
◆介助犬
物を拾って渡す、ドアを開ける、車いすを引くなど肢体不自由者の日常動作を介助できるように訓練された犬。日本では1990年代に育成が始まったばかりだが、20年を超越える歴史があるアメリカには1000頭以上いる。1頭の介助犬を育てるのに諸経費を含めると100万円〜200万円が必要とされるが、育成団体のほとんどは資金を民間寄付に頼っており、希望者に行き渡るのは程遠い状態。道路交通法に明文化されている盲導犬と違い法的裏付けや行政の支援はないが、関係者の要望に応え、今秋、ようやく厚生省が、その研究に助成金を出すことが決まった。
◆毎日新聞大阪社会事業団は、介助犬の普及、支援を目的に「介助犬育成のためのシンシア基金」を設けています。
〒530―8251 大阪市北区梅田3の4の5、毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金」係(郵便振替00970・9・12891)。通信欄には「シンシア基金」とお書き下さい。
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★★10月11日 毎日新聞・朝刊 ★★
介助犬、シンシア ホームページで紹介しています
毎日新聞のインターネットホームページ「JamJam」(ジャムジャム)では9月末から、地域面の連載記事「介助犬シンシア」のバックナンバーを順次、特設ページで紹介している。
JamJam(http://www.mainichi.co.jp/)内に設けられた「サイバー編集局」の中に「西方見聞録」というコーナーがあり、その中に「介助犬シンシア」のページがある。3回(1週間分)を1ページにまとめてある。小田哲明さんの写真も掲載している。
また、木村さんも、自分とシンシアの歩みを記録するホームページ「シンシア日記」を開いている。子犬だったシンシアの成長の記録や、講演予定などが紹介されている。アドレスは「http://village.infoweb.ne.jp/〜cynthia/」。
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★★10月31日 読売新聞・朝刊(都民版) ★★
[やさしい時代・街にみる]日本介助犬アカデミー まだ数頭「やっと入り口」
◆新幹線、ホテル…社会の理解訴え
新聞を持ってくる。げた箱から靴を出す。ドアを開け閉めする――。電動の車いすに乗った野口利男さん(49)(瑞穂町)の自宅で、ラブラドールレトリバーの雄犬「グレーデル」(6歳)は、手足となって働いている。このように、障害者の生活を支える「介助犬」は、日本には数頭しかいない。野口さんとグレーデルも出席して七月、民間非営利団体「日本介助犬アカデミー」が都内で設立され、介助犬の役割を伝える活動を展開している。
港区で行われた総会には約二百人が集まり、設立の準備を進めてきた常任理事の高柳友子さん(32)(東京医科歯科大大学院生)は、「介助犬の存在をアメリカで知ってから十年。やっと入り口に立てた」と表情を引き締めた。
会場には雌のシンシア(4歳)も、理事で車いすに乗った木村佳友さん(38)(兵庫県宝塚市、コンピュータープログラマー)と姿を見せた。
木村さんは一九八八年、通勤途中のバイク事故で頚椎(けいつい)を傷め、「シンシアは、僕の生活になくてはならないパートナー」という。シンシアはもともとは木村さんのペットだったが、二年前、「介助犬協会」(八王子市)で基礎訓練を積み、京王線の電車に乗ったり雑踏を歩いたりする特訓も受けた。
総会では介助の実演もあった。おとなしく脇(わき)に伏せていたシンシアは、木村さんが車いすのブレーキを外すカシャンという音に立ち上がり、しっぽを振る。「アップ、シンシア」と声を掛けられてひざに乗り、首輪を外してもらう。「テイク、リモコン」で、テーブルの上のリモコンを口にくわえて木村さんに届けた。
筋ジストロフィーと闘う野口さんも「グレーデルは、仕事はもちろん精神的な安らぎを与えてくれる社会との懸け橋」と信頼する。
介助犬協会は今年四月、都内と横浜にある八十三のホテルに介助犬の受け入れ体制について聞いた。三十のホテルから返答が来て、館内の全施設で受け入れると答えたのは十一だった。
今回、木村さんが上京する際も、新幹線に介助犬を同伴するのは試乗扱いだった。ホテル探しも苦労したが、泊まった京王プラザホテルは受け入れ実績があり、同ホテルでは「盲導犬と同様に、レストランもご利用いただけます」と話す。
日本では、何を基準に介助犬とするのか、だれが訓練するのかなども未整備で、社会的な認知度も低い。七〇年代から介助犬の育成団体が出来た米国では、九〇年に「介助動物」を法で規定し、現在、介助犬は約千頭が活躍している。
国産の介助犬を増やす取り組みが出始めたのを受け、厚生省は今年度、日本介助犬アカデミーの有志ら十七人で作る研究班に基礎研究の補助金一千万円を出した。大学院で医動物学を学ぶ高柳さんは「介助犬を取り巻く状況を透明にして社会の理解を得たい。行政、医療、育成団体のシステム作りにも、あせらず取り組みたい」と話している。
写真=グレーデルに新聞を届けてもらう野口利男さん(瑞穂町の自宅で)
写真=スーパーでシンシアと買い物する木村佳友さん(小田哲明さん撮影)
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