★★ 12月 2日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
介助犬の胴輪購入費を補助 宝塚市が1万円
兵庫県宝塚市は1日、介助犬と暮らす障害者に対し、来年度から介助犬のハーネス(胴輪)購入費を支給する方針を明らかにした。
市内には介助犬が1頭しかおらず、ハーネスも1万円程度のものだが、行政が介助犬を“認知”し、支援する全国でも初の措置。正司泰一郎市長は「わずかな額だが、公的認知の第一歩となる。厚生省にも、介助犬の地位向上を働きかけたい」としている。
同市在住で車いす生活のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)を、介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、4歳)が助けて活躍しており、この日の市議会本会議で小倉実市議(公明)が介助犬の公的支援について質問した。
坂上元章助役は、重度障害者に入浴補助具など生活用具の購入費を支給している実績を踏まえ、「介助犬、盲導犬のハーネスも来年度から補助対象に加えたい」と答えた。
道路交通法に明文化されている盲導犬と違い、介助犬は法に基づく保護のラチ外にいる。兵庫県議会でもこの日、同党議員が介助犬の扱いについて質問。後藤武・健康福祉部長は「盲導犬と同様に法制度として整備することを国に要望し、民間施設でも受け入れができるように働きかけたい」と答弁した。
木村さんは「自治体の認知をきっかけに、国も公的支援に動いてくれるよう期待したい」と話している。【山本真也、田畑知之】
◆基金にご協力を
毎日新聞社は、介助犬の育成や研究に役立てるシンシア基金を設けています。寄金の申し込み先は郵便番号530―8251 大阪市北区梅田3の4の5、毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金」係(郵便振替00970・9・12891)です。通信欄にシンシア基金とお書き下さい。
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★★ 12月3日 神戸新聞・朝刊 ★★
◎介助、盲導犬の胴体装着/誘導具の購入に助成/来年度から宝塚市
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★★ 12月 4日 毎日新聞・朝刊(阪神版) ★★
[支局長からの手紙]藤原健・阪神支局長 「シンシア」が行政を動かしました/阪神
とってもうれしいことがありました。
連載「介助犬シンシア」は回数を追うごとに反響の輪が広がっていますが、今度は連載をきっかけに行政が動きました。宝塚市が介助犬と暮らす障害を持つ人に対し、来年度から介助犬のハーネス(胴輪)購入費を支給することになったのです。これは朗報です。これまで法律の保護も受けられず、社会的な認知もなかった介助犬を、宝塚市が独自に行政として支援する全国初の試み。支給額は約1万円ですが、額そのものよりも、支援の姿勢を示した精神に意味があると思います。
取材した山本真也記者と田畑知之記者は「小さな1歩だけど、その意義は限りなく大きい」と、月面に初めて降り立ったアポロ11号の船長ばりの熱いことばで今回のことを評しています。
◆ ◆ ◆
この動きは、宝塚市議会の質疑で明らかになり、2日付の1面に特報しました。
質問した小倉実市議は連載を読み、「介助犬の公的支援は必要」と思ったそうです。道路交通法に明文化されている盲導犬と違って介助犬は、障害を持つ人にとって“命綱”であるにもかかわらず、どの法律もその存在を想定してきませんでした。宝塚市在住の木村佳友さん(38)とシンシアの苦闘は、その矛盾を私たちに示しています。これを何とかしたい。できないか。連載を始めた、そんな思いが市議会の質疑にも届いたのでしょう。小倉市議に応えた市側の説明は、こうでした。
重度の障害者には厚生省の通達で入浴補助具など約40品目について支給されることになっており、この通達に基づいて宝塚市は独自に9品目を追加支給してきた。これにもう1品、盲導犬と並んで介助犬のハーネスも来年度から補助対象に加えたい……。
法律はないけれど、こんな運用もある。行政に厳しい姿勢で臨むのは、納税者の立場に立ったとき、新聞の見識ではあります。だから、やたらに持ち上げるのは、「目」が曇ることにもつながりかねません。でも、今回の宝塚市の措置は弱い立場にある人の側で考えた、という点で評価していいと思えます。そして、望みたいことは、この初めての介助犬認知を国にも働きかけ、最終的には法律で保障するところまで動いていくことです。
◆ ◆ ◆
シンシアの問題は、その助けを必要としている障害を持つ人を、行政や私たちの社会がどう見ているのか、ということに突き当たります。ノーマライゼーション、つまり、障害を持つ人たちを特別視することなく共に生きる社会の実現のためにも、不当なこと、弱い立場に立たざるを得ないことはみんなの力で排除すべきだし、法的な保障もすべきなのです。これは、世紀の変わり目で劇的に変化していく私たちの国で、最も求められていることの一つだと思います。
連載は年を越しても、まだまだ続きます。多くの人たちの共感を得たうえで、同時進行的に「小さな1歩」が2歩になり、3歩になってくれたら……。そんなことを思いながら、年の瀬を迎えました。【藤原健・阪神支局長】
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★★ 12月10日 毎日新聞・朝刊(阪神版) ★★
介助犬シンシアの写真展 外山厚志さん、店を提供・企画−−西宮市/阪神
車いすで生活する宝塚市中山台1、コンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)を助けて活躍している介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、4歳)を紹介する写真展が、西宮市南昭和町、公同教会総合ビル1階の「ブックス・アンド・カフェ シオサイ」で9日、始まった。31日まで。
報道などでシンシアのことを知り感激した同店経営者の外山厚志さん(47)が「一人でも多くの人に介助犬の存在を知ってもらいたい」と企画した。
◆「シンちゃんグッズ」販売も 売り上げは基金に
店内の喫茶コーナーに、シンシアの仕事ぶりや普段の生活を撮影し続けている神戸市の写真家、小田哲明さん(53)の写真20点のほか、毎日新聞で連載中の「介助犬シンシア」の記事を展示。震災以降、障害者支援の活動を続けている「百番目のTシャツ」(神戸市兵庫区)が作成したポストカードやカレンダーなどの「シンちゃんグッズ」も展示・販売される。グッズの売り上げの一部は、介助犬の育成や研究活動に役立てるため創設された毎日新聞大阪社会事業団の「シンシア基金」に寄付される。
大の犬好きという外山さんは「まだまだ知らない人も多いと思うので、もっと多くの介助犬が活躍できるよう、その一助になればと。展示期間後も機会あるごとにアピールしていきたい」と話している。
同店(0798・64・8552)は午前10時から午後8時まで。月曜定休。【木下洋子】
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★★ 12月12日 毎日新聞・朝刊(阪神版) ★★
シンシア、あす宝塚市で活躍披露 “お手伝いの様子”見て/阪神
車いすで生活する宝塚市中山台1のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)の日常生活を助けている介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、4歳)が13日、同市山本南2の市立東公民館で行われる障害者の日記念事業「なくそう心の段差 障害者の自立に向けて」に参加する。介助犬の実態を知ってもらい、理解を深めてもらうことが目的。
シンシアと木村さんは午前10時から午後3時半まで、同公民館3階303研修室の「介助犬コーナー」に参加。午前と午後の2回、床に落ちたフロッピーディスクをひろったり、新聞を持って来るなどの介助作業を約15分ずつ行う。
同コーナーには、シンシアを撮影し続けている神戸市の写真家、小田哲明さんの撮ったシンシアのパネル約40点も展示される。
木村さんは「実際にシンシアを見てもらうことで、介助犬を理解してもらい、普及に協力してもらうことを期待している」と話しおり、多くの人の参加を期待している。【田畑知之】
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★★ 12月15日 毎日新聞・朝刊(阪神版) ★★
シンシアの介助実演に参加者感動 宝塚市で障害者の日記念行事/阪神
介助犬シンシアと車いすの木村佳友さんが13日、宝塚市山本南2の市立東公民館であった障害者の日記念行事に参加、くつを脱がすなどの介助作業を実演した=写真。参加者のほとんどは介助犬を見るのは初めてで、「シンシアが木村さんにとって、かけがえのない存在であることがよく分かりました」などと話した。
シンシアはこの日、木村さんから「テイク」と呼び掛けられると、床に落ちたフロッピーディスクを口にくわえて木村さんに渡すさまなどを実演した。
木村さんは、宝塚市が来春、全国に先駆けて介助犬のハーネス(胴輪)代の支給を決めたことを報告し、「介助犬が少しずつ認知されつつあります」と話し、「シンシアは私にとっては手足の代わりであると同時に、生活に潤いをもたらしてくれるかけがえのないパートナーです」と介助犬の意義を説明した。
参加者の主婦(31)は「シンシアが木村さんの命令に喜んで従うことに、木村さんとシンシアのきずなを実感し、感動した。介助犬の公的認知に協力できることがあれば参加したい」と話した。【田畑知之】
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★★ 12月15日 毎日新聞・朝刊(阪神版) ★★
シンシア基金に寄付 オークションで13万円を集める−−久保田商事 /阪神
毎日新聞連載中の介助犬・シンシアを支援しようと、飲食店の企画・設計などプロデュースを手がける「久保田商事」(本社・西宮市樋之池町、久保田健社長)は14日、チャリティーオークションで集めた13万7760円を毎日新聞大阪社会事業団「介助犬育成のためのシンシア基金」に寄付した。
同社は障害者らを支援するオークションを11年前から続けている。今年は13日夜、介助犬育成のため、同社で開催。参加者45人が家庭用品などを持ち寄った。
参加した西宮市のイベント会社「悦企画」の松本悦三社長は「介助犬の活動に理解が広がってほしい」と話していた。【山田英之】
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★★ 12月17日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
「介助犬も公的認定を」 小渕恵三首相・3大臣あて意見書可決−−宝塚市議会
兵庫県宝塚市議会は16日、小渕恵三首相と厚生、運輸、法務大臣あての「介助犬の公的認定を求める意見書」を全会一致で可決した。議会は傍聴席への介助犬の入場を全国で初めて認め、同市在住の車いす障害者、木村佳友さん(38)が介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、4歳)と傍聴した。同市では来年度から、介助犬のハーネス(胴輪)購入費を補助することを決めており、介助犬に対し、全国に先駆けて自治体としての支援体制づくりを進める方針だ。(28面に関連記事)
意見書は議員提案されたもので、(1)介助犬の公的認定基準と法的位置付けの明確化(2)育成施設や訓練士の法的資格の整備(3)普及促進(4)交通機関や公共施設の利用についての盲導犬と同様な扱い――を求めている。
道路交通法で明文化されている盲導犬は全国で約800頭いるが、介助犬は10頭足らず。シンシアは、木村さんの手足となった活躍ぶりが講演や本紙などで紹介され、理解が広がっている。【山本真也、田畑知之】
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★★ 12月17日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
[解説]介助犬の「市民権」の獲得へ前進
兵庫県宝塚市議会が介助犬の公的認定を求める意見書を可決、障害者に介助犬同伴の傍聴を認めたことは、介助犬の「市民権」獲得に向けた大きな前進だ。
厚生省は関係者の要望に応え、今年秋、初めて介助犬の研究班に1000万円を助成した。しかし、盲導犬並みの支援をするには、研究班が3年後に出す有効性に関する研究結果を待つことが前提としている。
介助犬の育成には100万円単位の費用がかかるが、活躍できるのは体力的に10年程度といわれる。現状では、介助犬と暮らす障害者は数年後には新しい介助犬を育てるため、再び多大な費用を出し、交通機関の乗車も一から個別交渉しなければならない。
アメリカは1990年に「障害を持つアメリカ人法」を制定し、介助動物を持つことを障害者の権利として規定した。福岡県議会でも10月に同様の意見書が採択されており、自治体からの動きがさらに大きなうねりとなり、介助犬の法的認定に結びついてほしい。【山本真也、野原靖】
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★★ 12月17日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
介助犬シンシア 懸命な働きが議会動かす−−宝塚
シンシアの懸命な働きぶりが、議会を動かした――。国に介助犬の公的認知を要望する意見書を可決した16日の兵庫県宝塚市議会。傍聴席でほほ笑み合う車いすの木村佳友さん(38)と、妻の美智子さん(36)の足元には、この日もじっと「伏せ」の姿勢を守ったままのシンシアがいた。
議会傍聴のきっかけになったのは、今月1日の市議会で正司泰一郎市長が「市内の公共施設で、介助犬の出入りを制限するつもりはありません」と答弁したこと。これを知った木村さんは、意見書案が審議される本会議を「この目で見たい」と思ってやってきた。
シンシアが家に来るまでは閉じこもりがちだった木村さんだが、最近は、「介助犬が障害者にとってどんなに大切かは、実際に見てもらうしかない」と、床に落としたものを拾わせるなどの実演や講演を各地で行っている。
傍聴席には卒論のテーマを介助犬に決め、カナダで実態調査してきた関西学院大総合政策学部4年の浜口千絵子さん(23)=兵庫県川西市=の姿もあった。
浜口さんは「カナダでは介助犬はガイドアニマル法できちんと位置づけられている。意見書が日本での法的認知への一歩になれば。市議会の動きを卒論に盛り込みます」と話した。
本会議終了後、木村さん夫妻はシンシアと一緒に、議長室に松崎哲育議長を訪ねた。松崎議長は「よかったね」と、夫婦に寄り添うシンシアに声をかけた。
■写真説明
介助犬のシンシアと宝塚市議会を傍聴する木村佳友さん=16日午後7時、山下恭二写す
◆毎日新聞社は、介助犬の育成や研究に役立てるシンシア基金を設けています。〒530―8251 大阪市北区梅田3の4の5、毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金」係(郵便振替00970・9・12891)へお寄せ下さい。
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★★ 12月20日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
介助犬、児童にも共感の輪 市内の23校に支援のお願い文−−川西市の東谷小学校
「介助犬を必要とする人たちが、たくさんいます。盲導犬と同じくらい大切な役割をするのに、レストランに入るのを断られたりもするそうです。みんなに介助犬のことを知ってもらいたいと思います」――。こんな「お願い文」を、兵庫県川西市立東谷小学校の児童会(783人)が、市内23の全公立小・中・養護学校に配った。学校へ来た介助犬シンシアとの出会いをきっかけに、「シンシア基金」への募金箱を校内に設置、支援に取り組んでいる。シンシアへの共感の輪は子供にも広がり始めた。
同校はPTAと共催で今年11月10日、シンシアと飼い主の木村佳友さん(38)=同県宝塚市在住=を招いて講演会を開催。児童は車いすの木村さんに新聞などを拾って運ぶシンシアの姿に驚いた。
「ぼくらも何かできることをしたい」と、校内にシンシア基金への募金箱を設置。シンシアを描いた介助犬への理解を呼びかけるポスターを各クラスが作り、校内に張った。そして「他の学校にも協力を呼びかけよう」と児童会が自発的に「お願い文」をまとめた。
この動きに、辰巳昌男校長も今月初めの校長会で各校に理解を訴えた。父母らも地域の文化祭でチャリティーバザーを開くなど児童、教師、PTAが力を合わせた取り組みになった。
児童会の中心になっている6年生の岸本宏一君(12)は「シンシアは木村さんの大切な友達。生きるために必要なんだと思った」と話し、同級生の住田祥君(12)も「介助犬がもっと増えるといいのに」。 【山田英之】
■シンシア基金にご協力を
毎日新聞社は、介助犬の育成や研究に役立てるシンシア基金を設けています。郵便番号530―8251 大阪市北区梅田3の4の5、毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金」係(郵便振替00970・9・12891)へお寄せ下さい。
■写真説明
シンシア基金の募金箱を置いている兵庫県川西市立東谷小学校の児童たち
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★★ 12月22日 毎日新聞・朝刊(大阪版)★★
[撮りみんぐ]北区梅田の本社1階集合 介助犬の現状を考える/大阪
今週の「撮りみんぐ」は22日午後2時半、北区梅田3の毎日新聞大阪本社1階ロビーに集合です。介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、5歳)の飼い主の木村佳友さん(38)=宝塚市在住=から、介助犬を取り巻く現状などについて話を聞きます。
木村さんは11年前、交通事故がもとで下半身が不自由になりました。介助犬は、物を拾って渡したり車いすを引くなど、肢体不自由者の日常動作を介助する犬ですが、盲導犬と違って法的な保護がなくペットと同じ扱いです。このため、乗り物や飲食店、ホテルの利用などにも多くの障壁があります。木村さんの話とともに、実際にシンシアを見て、理解や支援の輪をさらに広げたいと思います。
今回は会場の都合上、参加は先着100人までです。なお、毎日新聞大阪社会事業団は「介助犬育成のためのシンシア基金」(〒530―8251 大阪市北区梅田3の4の5、郵便振替00970・9・12891、通信欄は「シンシア基金」)を設けています。ご協力をお願いします。
毎日新聞大阪本社は、JR大阪、福島駅か阪神福島駅から徒歩10分前後です。【斉藤貞三郎】
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★★ 12月23日 毎日新聞・朝刊(大阪版)★★
[撮りみんぐ]毎日新聞大阪本社 介助犬への社会の理解もっと/大阪
◆22日午後2時半
「1人では買い物や散歩にも行けなかった生活をシンシアが変えてくれた。介助犬は障害を持つ人の自立や社会参加にメリットがあります」。介助犬シンシアの飼い主の木村佳友さん(38)=宝塚市=は、介助犬に対する社会の理解を呼びかけた。
盲導犬は、公共施設やレストランなどに対し、入るのを拒否しないよう行政通達も出されているが、介助犬には法的な後ろ盾はない。「JRや阪急電車は試験を受けて乗れるようになりましたが、シンシア以外の介助犬は同じような試験を受けなければなりません」。木村さんが話している最中、シンシアはじっと伏せたまま、カメラのストロボにもまったく驚かない。
後半では日ごろの介助ぶりを披露。木村さんの「テイク、新聞」などの掛け声とともに、てきぱきと木村さんの手元へ運ぶ姿に参加者から拍手がわいた。
木村さんは最後に、「ハーネス(胴輪)をつけている時に触ったりすると、集中力をなくして事故につながりかねません。静かに見守ってあげて下さい」と協力を求めた。
◇ ◇ ◇
参加者は約40人。シンシアと同じラブラドール・レトリバー種の犬を飼っていた宝塚市の安井千佳子さん(46)と望さん(16)親子は「介助犬が世間で認められるように応援したい」と話していた。
◆次の開催場所、時間は毎日新聞と毎日放送ラジオの「おはよう川村龍一です」で当日朝、お知らせします。
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★★ 12月23日 毎日新聞・朝刊(大阪版)★★
[記者ノート]シンシア(斉藤貞三郎)/大阪
「これが、あのシンシアですか」。「撮りみんぐ」で本社を訪れた介助犬シンシアが飼い主の木村佳友さんとともに社内を見学▼あちこちで人の輪ができる人気ぶりで、騒音のひどい印刷工場でも全く動じず感心させられた。しかし、社会ではペットと同じ立場という「マイナー」な存在だ▼「認知度は徐々に高まっています」と、木村さんは今後に期待をかけていたが、もっとも社内にも「シンシアが来た」と聞いて、「えっ、南沙織?」と言った記者もいたようで……。 【斉藤貞三郎】
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★★ 12月30日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
今年の重大ニュース トップは介助犬シンシア
介助犬シンシア、犬の重大ニュースに登場――。車いすで暮らす兵庫県宝塚市のコ
ンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)の生活をサポートしている介助犬、
シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、5歳)の活躍ぶりが、愛犬家雑誌に相
次いで取り上げられている。
「市民犬(市民権)獲得へ――」と報じたのは、月刊誌「愛犬の友」(誠文堂新光社)12月号。「1998年ほのぼの新聞」と題し、報道された犬の活躍12題を取り上げた。
99年2月号(1月14日発売)でラブラドール・レトリバー種の特集を組む予定の月刊誌「Wan」(ペットライフ社)も、仕事を持って活躍する犬の一例として、盲導犬や麻薬探知犬などとともにシンシアを写真つきで紹介するという。
こうした動きについて木村さんは「私が『介助犬』の存在を知ったのも、愛犬家雑誌に載った広告でした。犬好きの人の間で介助犬の理解が広がれば、公的認知にもはずみがつく」と話している。
ちなみに「愛犬の友」誌に見る「今年、ニュースになった犬」は……。岡山市保健福祉会館で、交通事故で負傷した犬の応急手当てがスタート(9月)▽大分県に、妊娠した牛に付き添い、出産を知らせる犬がいる(9月)▽神奈川県鎌倉市の育成団体が、処分を待つ子犬を、耳の聞こえない人をサポートする聴導犬に訓練する活動に取り組んでいる(4月)▽仙台市の女性音楽家が、愛犬の鳴き声と自分のピアノ演奏のCDを制作(1月)――など。 【野原靖】
毎日新聞社は、介助犬の育成や研究に役立てるシンシア基金を設けています。郵便番号530―8251 大阪市北区梅田3の4の5、毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金」係(郵便振替00970・9・12891)へお寄せ下さい。
■写真説明 木村佳友さんと介助犬シンシア
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★★ 12月30日 毎日新聞・朝刊(阪神版)★★
[記者が行く]’98年末 介助犬シンシアの5歳の誕生会で/阪神
12月19日。本紙連載でお伝えしている介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌)が5歳になりました。人間でいえば30代後半。まだまだ働き盛りです。飼い主の車いす障害者、木村佳友さん(38)の宝塚市の自宅でその夜、誕生会が開かれました。集まったのは木村さん一家のほか主婦、会社員、写真家、小中学生……と、職業も年齢もバラバラな15人。私も同僚の野原靖記者とお祝いに駆けつけました。ケーキの上の5本のキャンドルを囲んだ面々の笑顔。それを見ていると介助犬の役割というのは決して、介助するという物理的な「機能」だけではないんだという思いを深くしました。【山本真也】
集まったのは、シンシアを散歩に連れて行ったり、木村さんの講演の送り迎えをしたりと、みんなシンシアをきっかけに木村さんと知り合いになった人たちです。「ボランティアをやっている」という肩ひじ張った雰囲気はだれにもありませんでした。自分が楽しんでいるのです。これは、シンシアの独特の魅力がそうさせているように思えます。
落とした物を拾ったり、ドアを開けたり、コードレス電話を持ってきたり、木村さんの指示でおとなしく床に伏せたり。素晴らしく賢いのですが、シンシアはロボットではありません。ハーネス(胴輪)を着けていない「仕事」以外の時は、寝そべって甘え、時にはいたずらもします。
介助動作は、体罰やえさで釣られ、覚えたのではありません。ひとつマスターするごとに頭をなでられ、ほめて、ほめて、ほめられて覚えたのです。だから介助を無理やりやらされているような悲壮感がないのです。
私がシンシアに出会ったのは今年4月。木村さんの講演会の案内を見て、「介助犬って、何だろう?」と取材したのがきっかけです。その時まで介助犬という言葉は知りませんでした。
以来、お付き合いを続けて感じるのはシンシアの「無防備さ」の魅力です。人にいじめられた経験がないため、人に敵意や警戒心をむき出しにしたところを一度も見たことはありません。黒目がちの瞳には、すべての人が善人に映っているように思えます。接していると、なぜかほんわかした温かい気持ちになってくるのです。
介助犬を中心に人間関係が広がり、障害者の生活が豊かになる。これはデータや数字で表しにくいことです。公的支援の前提として、「介助犬の有用性の科学的な証明」を求めている厚生省が、こうした点をどれだけ評価するかは未知数です。「ペットだって同じではないか」と言われるかもしれません。
でも、シンシアが木村さんの社会参加を手助けすると同時に、周囲の人たちを心豊かにしてくれる特別な犬であると、私は取材を通して感じています。
◇ ◇ ◇
「シンシア。おめでとう」。いつもはドッグフードを食べているシンシアが、この日は特別にケーキを一切れ口にしました。尾を振って参加者の間を回り、楽しそうでした。この犬の不思議な魅力を来年も連載でお届けしたいと思います。
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