☆☆ 『シンシア』の事が掲載された99年3月の新聞記事 ☆☆

★★ 3月 8日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

介助犬シンシア基金オールスターゲーム 野球大会で介助を実演−−大阪ドーム

 大阪軟式野球協会の「大阪市長杯介助犬シンシア基金オールスターゲーム」(毎日新聞社など後援)が7日、大阪市西区の大阪ドームで開かれた。
 車いすで生活する兵庫県宝塚市のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)がシンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、5歳)と開会式に出席した。本塁付近でシンシアが新聞紙や硬貨を拾う介助を実演=写真・大崎幸二写す。約1000人の観客から大きな拍手が起きた。
 オールスターゲームが5回目を迎え、同協会は入場料800円のうち500円分を、毎日新聞社が設けた「シンシア基金」に寄付することを決定。この日、前売り分の54万円が贈られた。
 ドームではシンシアの写真展もあり、中下英樹・同協会代表は「今後も介助犬を支援していきたい」と話した。【山本真也】

◆基金にご協力を
 毎日新聞社は介助犬の育成や研究のためのシンシア基金を設けています。〒530―8251 大阪市北区梅田3の4の5、毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金係」(郵便振替00970・9・12891)へお寄せ下さい。通信欄には「シンシア基金」とお書き下さい。

★★ 3月 8日 毎日新聞・朝刊(阪神版) ★★

木村佳友さん、西宮市で講演 シンシアの介助に園児ら「えらいなぁ」/阪神

 介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、5歳)と暮らす車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)=宝塚市在住=が6日、西宮市浜脇町の浜脇公民館で講演した。参加した浜脇小学校の児童や浜脇幼稚園の園児らは、初めて目にするシンシアの働きぶりに「えらいなぁ」と驚いた様子だった。
 講演は、浜脇幼稚園の保護者らが企画。児童ら約200人が参加した。木村さんは「介助犬と生きて〜シンシアがくれた希望」と題し、シンシアが心の支えにもなっていることや、シンシア自身も楽しく仕事をしていることなどを説明。まだまだ一緒に受け入れる電車やレストラン、ホテルなどが少ない現状を訴えた。
 木村さんの声に反応し、シンシアが物を運んできたり、落ちたフロッピーディスクを拾ったり、靴下を脱がせたりするたびに、児童らは大きな拍手。「飼い主以外の言うことも聞いてくれるの?」など子どもらしい質問も。5年生の吉田佳織さん(11)は「かわいかった。大きくなって店長とかになったら、絶対店に入ってもらいたい」と話していた。【木下洋子】

★★ 3月12日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

介助犬支援へ始動 宝塚市がプロジェクトチーム発足 独自ルール作り取り組み

 兵庫県宝塚市は11日、介助犬や盲導犬の啓発・普及の支援方法を研究する庁内組織「介助犬支援プロジェクトチーム」を発足させた。法的裏付けのない介助犬に関し、国に先駆けて支援体制を確立するのが目的で、自治体が介助犬についてこうした組織をつくったのは全国初。この日の初会合には、介助犬「シンシア」(ラブラドール・レトリバー種、雌、5歳)と同市内で暮らす車いすの障害者、木村佳友さん(38)が出席し、支援を訴えた。
 チームは、福祉や教育、観光など各部局の幹部らで構成し、石田英司・企画財務部長がリーダー。7月末まで、介助犬や盲導犬の社会的理解や公共施設での受け入れなどについて調査し、国への提言や独自のルール作りに取り組む。
 シンシアとともに初会合に出席した木村さんは「飲食店やホテルを利用する際、電話で介助犬同伴でと申し込むと断られてしまうことも多い。公的認知への過渡期の今、ぜひ独自の啓発やルールづくりに取り組んでほしい」と訴えた。【山本真也、野原靖】

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 毎日新聞社は介助犬の育成や研究のためのシンシア基金を設けています。〒530―8251 大阪市北区梅田3の4の5、毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金係」(郵便振替00970・9・12891)へお寄せください。通信欄には「シンシア基金」とお書きください。

★★  3月12日 朝日新聞・朝刊(阪神版) ★★

介助犬支援で初会合を開く

 宝塚市は11日、身体の不自由な人の生活を手助けする介助犬の支援プロジェクトチーム(座長・石田英司企画財務部長)を立ち上げ、初会合を開いた。福祉や教育、観光・商工関係の担当者ら9人で構成。今後、啓発活動や国への要望、独自の支援制度などを検討していくことにした。
 同市内には介助犬「シンシア」と飼い主のコンピュータプログラマ木村佳友さん(38)が暮らしている。市議会は昨年12月、介助犬の公的認定と普及促進を求める意見書を採択。市も新年度の暫定予算に介助犬のハーネス(胴輪)購入に1万円を補助する費用を盛り込んだ。
 石田部長は「介助犬は法的な位置づけも社会的な認知もまだされていない。市内のどこでも受け入れられるようなまちづくりを考えたい」としている。

★★  3月12日 読売新聞・朝刊(阪神版) ★★

介助犬受け入れ 宝塚市体制整備 チーム発足

★★  3月12日 産経新聞・朝刊(阪神版) ★★

介助犬の活動支えます  宝塚市がプロジェクトチーム

★★  3月12日 神戸新聞・朝刊 ★★

介助犬に理解を 宝塚市の支援プロジェクトが初会合 PR活動や独自支援策探る

★★  3月16日 毎日新聞・朝刊(阪神版) ★★

[選挙]宝塚市長選 当選の正司泰一郎市長に聞く 阪神支局長インタビュー/阪神

 正司市長に15日、藤原健・毎日新聞阪神支局長がインタビューし、3期目の抱負などを聞いた。市長は三期目のテーマを「創造的復興」と表現し、21世紀に耐え得るまちづくりに意欲を見せた。また、介助犬の支援制度確立への積極姿勢を示した。

――選挙戦を振り返っていかがでしたか。 正司 これまで宝塚市の各種選挙で4万7000票という大量票を得た人はいません。たくさんの支持をいただいた重みを感じています。

――市議会の百条委設置がきっかけになった批判票もかなり出ましたが。
正司 批判者が増えることを恐れて何もしないより、市民のため、まちの未来のため、勇気を持って取り組んでいます。きしみがあっても改革することで批判を受けた方がいい。今は激動の時代。皆さん、明治維新、戦後に続く「第三の改革」の時期という認識をお持ちだと思いますが、実行する人は少ない。我々が率先して変革に挑まなければ、と思います。

――3期目はこれまでの仕上げにとりかかる時期ですね。
正司 1期目は基盤整備。2期目は震災復興に追われました。これからは「創造的復興」の仕上げ。世紀末から21世紀という時代の架け橋の中、すべての面が大転換の真っただ中にある時に市政を担うことができ、大変やりがいがある。未来の宝塚のまちづくりに向けた計画をつくっていきたい。

――具体的には。
正司 市の第3次総合計画が2000年で終了します。21世紀のまちづくりをにらんだ第4次総合計画作りです。10年単位の計画なので、20年も30年も先のことを考えなければなりません。課せられた課題を考えると大きな宿命のようなものを感じます。行財政改革にも取り組みます。ただ単に厳しいからやる、というのではなく、新しい仕組み作りとしてやらなければ。だから、これからの4年間は重要です。

介助犬支援の制度確立も努力
――宝塚市で活躍している介助犬シンシアは福祉のシンボルになりつつあります。市は介助犬のプロジェクトチームを結成して独自の取り組みを始めましたね。
正司 シンシアと暮らしている木村佳友さんが積極的に啓発に協力してくれているので、宝塚の人の心に福祉の灯がともっています。市としても市民の意識を高めるほか、介助犬の制度確立の問題も考えたいと思います。

◇宝塚市長略歴
正司泰一郎(しょうじ・たいいちろう) 63 無前(3)
 前市長、市文化振興財団理事長(県議、県市町村職員退職手当組合長、福祉法人理 事長)雲雀丘、米・オハイオ州立大大学院=[自][由]

★★  3月17日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★

[記者の目]介助犬シンシア=山本真也(阪神支局)

 ◇進む社会の受け入れ−−地位確保へ法整備を


 1頭の犬が人々の心を動かしている。介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、5歳)。兵庫県宝塚市で車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)とともに暮らす。昨年4月、この犬に出会い、阪神支局は「介助犬に『市民権』を」というキャンペーンを始めた。地域面での連載は70回を超えたが、「応援したい」との読者からの声の多さに驚いている。出会ったころはペット扱いされ電車にも乗れなかったシンシアが、この2月、国会への同伴が認められるまでになったのも、そんな後押しがあってこそだ。「人はだれでも、やさしさを持っている」。何をいまさらと思われようが、私はシンシアを介して、それを目の当たりにした。
 シンシアは木村さんのために物を拾ったり、ドアを開けたりする。それは、えさが欲しいからでも体罰が怖いからでもない。木村さんは介助を受ける度に「グッドガール(good girl)!」と頭をなでてやる。木村さんが大好きで、ほめられるのが何よりもうれしいのだ。
 それは、1年8カ月の訓練の成果だ。元々、ペットとして木村さん宅にやって来たシンシアは、木村さんの食事を横取りするほどいたずら好きだった。しかし、生後約11カ月で東京の育成団体に預けられ、トレーナーや木村さんが寝食を共にして心のつながりを築いた。指示に従う度に「グッド!」とほめてほめてほめまくる。しかる時は体罰は使わず、目を見据えて「ノー!」と言うだけだった。
 外出時にハーネス(胴輪)をつけたら「仕事」の時間と割り切り、レストランや新幹線の車中では、じっと床に伏せている。国会に行った時も、衆院予算委員会の傍聴も含めて約3時間、一声も発せず、木村さんに寄り添った。
 だが、ロボットではない。ハーネスを外すと、じゃれついたり、甘えて、でれでれする。国会訪問ではこんな場面があった。シンシアに出会った民主党の鳩山由紀夫・衆院議員が頭をなでようと腰をかがめると、近づいた顔をペロペロとなめ始めたのだ。鳩山議員は苦笑し、周囲がどっとわいた。
 シンシアを介して、木村さんには新しい仲間が次々とできた。神戸市の写真家、小田哲明さん(53)は「介助犬を少しでも知ってもらいたい」と手弁当でシンシアの写真展を開いている。木村さんの近所に住む男子中学生3人は約1年半前から週2回、シンシアの散歩を手伝ってきた。木村さんが週末に学校などで開く講演会の送り迎えをする主婦もいる。みんな、何の肩ひじも張らず自然体だ。
 私は、かつてこんな人たちにたくさん出会ったことを思い出す。1995年1月の阪神大震災。全壊の家から引っ張り出した炊飯器のご飯を近所の3軒で分け合って食べていたおじさん。避難所で黙々と救援物資の仕分けをしていた茶髪の青年。あの時、被災地にいた人たちは「やさしさ」を表すのに、何の飾り気も照れもなかった。そして、全国から被災地に支援の手が差し伸べられた。
 あれから4年、震災の記憶が風化する半面、不況は厳しさを増した。暮らしや仕事に追われ、人々は心の余裕をなくしているように見える。
 「いや、そんなことはない。あの時の気持ちをみんな忘れていなかった」と思い直させてくれたのが、シンシアを支える人たちであり、介助犬キャンペーンに賛同してくれる人たちの応援だった。介助犬の育成・研究のために毎日新聞社が毎日新聞大阪社会事業団と設けた「シンシア基金」にも、多くの善意が寄せられている。
 介助犬キャンペーンは、障害者の社会参加の運動だ。米国で90年に制定された「障害を持つアメリカ人法」(ADA)は、健常者が普段利用できるあらゆる施設で、介助動物の同伴を拒むことを禁じた。日本にこの種の法律はなく、盲導犬でさえ道路交通法で法的地位を保っているに過ぎない。法整備を急ぐべきだ。
 しかし、宮下創平厚相は国会で、介助犬の有効性を認めながらも全国でまだ7、8頭と定着していないことを挙げ「現状では課題が多い」と慎重姿勢を示した。厚生省は、昨秋できた「介助犬の基礎的調査研究班」(班長、高柳哲也・奈良県立医科大教授)が2年後に出す調査結果を待つ姿勢だ。
 だが、私は悲観してはいない。一地域で始まったこのキャンペーンに共鳴してくれる人が全国に広がったことに励まされる。法律より先に、社会での介助犬の受け入れはどんどん進んでいくだろう。そして、「健常者も障害者も動物も、みんなが楽しく暮らしたい」というシンシアに託した人々の思いは、やがて、日本版ADAなど、新しい法律づくりに、きっと結びつくに違いない。

■写真説明 木村佳友さんの代わりに買い物袋を受け取るシンシア=小田哲明さん写す

メールアドレス kishanome@mbx.mainichi.co.jp

★★  3月19日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★

シンシア、卒業式に招かれる 基金協力の小学校 贈る言葉はありがとう−兵庫・川西市

 兵庫県川西市見野2、市立東谷小(辰巳昌男校長)で19日あった卒業式に、介助犬シンシアと、飼い主のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)=同県宝塚市在住=が来賓として招かれ、児童の晴れ姿を見守った。
 同校では昨年11月、木村さんを招いて行った講演会でシンシアを知った児童たちが、市内23の全公立小・中・養護学校に「シンシア基金」への募金を呼びかけるなど、学校ぐるみで介助犬への支援を行ってきた。児童から「卒業式を見てほしい」との声が上がり、木村さんが応えた。
 卒業生は147人。卒業式会場の体育館に入った児童らは「シンちゃんが卒業式に来た!」と大喜び。来賓あいさつで木村さんは「まだ、認知されていない介助犬を快く受け入れてくれてありがとう。今の気持ちを大切に、中学生になっても頑張って下さい」とお祝いの言葉を贈った。【野原靖】

■写真説明 卒業生にあいさつする木村さんとシンシア=兵庫県川西市の市立東谷小で19日午前10時40分、尾篭章裕写す

◆基金にご協力を
 毎日新聞社は、介助犬の育成・研究に役立てるシンシア基金を設けています。〒530―8251 大阪市北区梅田3の4の5、毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金」係(郵便振替00970・9・12891)へお寄せ下さい。通信欄に「シンシア基金」とお書き下さい。

★★  3月20日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

介助犬の「法的認知」求めて 兵庫県議会も意見書可決

 兵庫県議会は19日、超党派の議員20人が提出した「介助犬の法的認知と普及に関する意見書」を全会一致で可決した。意見書は「(介助犬への)社会的理解や普及への体制づくりを求める動きが相次いでおり、国民にも機運が高まっている」などとし、小渕恵三首相や厚生大臣らに、盲導犬並みの法的認知や育成施設、トレーナーの法的資格の整備などを求めている。
 国内の介助犬は10頭足らずだが、同県宝塚市ではラブラドール・レトリバー種の「シンシア」(雌、5歳)が車いす障害者のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(38)の手足となって活躍。同市議会も昨年12月に同様の意見書を可決している。 【山本真也】

★★  3月21日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

京都府施設で介助犬の同伴OK 都道府県で初めて

 京都府は4月から、病院を含めた府の施設で、障害者らの日常行動を助ける介助犬の同伴を認めることを決めた。法的な位置づけのある盲導犬に対し、介助犬は社会的に認知された制度がなく、交通機関や宿泊施設で利用を断られるケースが多い。
 市民団体によると、都道府県が介助犬に施設への立ち入りを認めるのは初めてという。
 府は現在、介助犬の識別▽施設使用時の注意などについて検討するため、介助犬の育成団体などから情報を収集するなど、実施に向けた準備作業を進めている。

◆府内で5頭活動
 介助犬の育成や普及に取り組んでいる京都市の市民団体「介助犬をそだてる会」が昨年9月、公共施設での介助犬同伴を府に要望。荒巻禎一知事が2月に府議会で、府施設での介助犬同伴を前向きに検討すると答弁していた。同会によると、全国の介助犬は約10頭で、うち5頭が京都府内で活動している。【中村美奈子】



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