☆☆ 『シンシア』の事が掲載された99年6月の新聞記事 ☆☆

★★ 6月 6日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★

「介助犬にも市民ケンを」−−支援体制づくり目指し、「国会議員懇談会」が発足へ

★★ 6月 6日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

公的認知目指し「介助犬」国会議員が後押し 田中真紀子氏ら十数人 法整備へ前進

 身体障害者をサポートする介助犬に関して、国の機関などと連動した支援体制づくりを目指す超党派の「国会議員懇談会」が、近く発足する見通しとなった。交通機関や店舗では介助犬がペット扱いされているため、障害者自身が同伴を直接交渉するなど過大な負担を強いられている。道路交通法で同伴が認められている盲導犬(全国で約830頭)に対し、法的に認知されていない介助犬は全国で約10頭が実働しているだけ。議員懇は、こうした現状を踏まえ、法整備を視野に置いて、研究者グループなどとも連携して対策を検討する。国会レベルでの動きが始まったことで、介助犬の「市民権」獲得に向けた動きが大きく前進する。 (22面に関連記事)
 9日に準備会を開いて旗揚げを正式に協議する。現在、衆院議員の小泉純一郎氏(自民)、田中真紀子氏(同)、鳩山由紀夫氏(民主)ら自民、民主、公明、共産、社民の各党から十数人が賛同し、懇談会に参加する予定だ。呼び掛けた中川智子衆院議員(社民)は「介助犬が社会に定着できるような制度づくりを考えたい」と話している。
 盲導犬の場合、「国家公安委員会が指定した団体が育成した犬」という基準を定め、育成補助やペット同伴規制の除外など行政の支援がある。一方、介助犬は民間団体や個人が育成しているだけで、公的な認知規定はない。盲導犬並みの認知には、認定基準▽トレーナーの養成や資格制度▽育成費の補助▽受け入れ拒否をなくすための通達や啓発――などの整備が課題だ。
 厚生省の研究助成を受けた「介助犬の基礎的調査研究班」(班長、高柳哲也・奈良県立医科大名誉教授)が昨年秋から認定基準の試案作りを進めている。議員懇では、研究班の動きも踏まえて、法整備を含め超党派で施策を検討する。
 介助犬への支援体制づくりは、最近になって京都府や兵庫県宝塚市などの自治体レベルで始まっている。国会でも今年2月、宝塚市在住の車いすの障害者、木村佳友さん(39)が介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、5歳)を連れて衆院予算委員会を傍聴し、理解が広がっていた。【山本真也】

★★ 6月 6日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

「介助犬」国会議員支援 「取り組み、国レベルで」 障害者らの期待大きく

 「あらゆる介助動物に光を!」。介助犬に関する超党派の国会議員懇談会が近く発足することが5日、明らかになり、介助犬と暮らす障害者は「公的支援の実現に向けた大きな一歩」と喜んだ。だが、道路交通法でバスなどへの同伴が認められている盲導犬ですら、いまだに拒否されるケースが絶えず、介助動物と障害者の前にそびえる壁は、まだ高く、厚い。この春、新潟県長岡市議に初当選し、盲導犬と「二人三脚」で活動を始めた全盲のしんきゅう師、藤田芳雄さん(51)は、介助犬への支援の輪の広がりについて「すべての介助動物を障害者の社会参加の権利とする制度作りに、国レベルで取り組んでほしい」とエールを送る。
 藤田さんは37歳で失明。昨年7月から盲導犬オパール(ラブラドール・レトリバー種、雌、2歳)と暮らし始め、生活が大きく変わった。失明以来初めて1人で外出できるようになり、多くの人と知り合った。半面、旅館やバスで「同伴拒否」の目に遭い、社会の受け入れが進んでいない現実にもさらされた。
 兵庫県宝塚市で介助犬シンシア(同種、雌、5歳)と暮らす木村佳友さん(39)の話を昨年、ラジオで聞き、「法的認知のない介助犬との生活では、自分よりもっと拒絶されて苦労されたんだろう」と感じた。
 市議に立候補したのもオパールがきっかけだ。外出するようになって、歩道や建物入り口の段差、放置自転車・看板など、街がいかにお年寄りや障害者に対するバリア(障壁)であふれているかを実感した。選挙では「すべての人にやさしい街をつくりましょう」と訴え、支持を得た。
 アメリカでは1990年に制定されたADA(障害を持つアメリカ人法)で、介助動物を持つことを障害者の権利と規定し、同伴を拒むことを禁じた。日本では盲導犬でも、同伴を拒むことへの罰則規定はない。
 介助犬の「市民権」を訴えてきた木村さんは「懇談会の結成は大変うれしい。藤田さんらと連帯して、障害者が安心して介助動物と暮らせる社会が実現できるように、運動の輪をさらに広げたい」と話している。【山本真也、野原靖】

■写真説明 車いすの木村佳友さんと国会の赤じゅうたんを進む介助犬シンシア=今年2月1日、加古信志写す

★★ 6月 7日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★

宝塚市、介助犬認定基準を策定へ 国に先駆けモデルケースに

 「介助犬シンシアのまち」を宣言した兵庫県宝塚市は7日、国に先駆けて介助犬の公的な認定基準を作ることを明らかにした。この基準に合格した犬を介助犬と認定し、支援策の拡充も検討する。国は介助犬について「現状ではペットとの区別があいまい」として、基準がないことを理由に援助を見送っている。関係者は「認定基準を持っている国は欧米にもない」としており、介助犬公的認知のモデルケースとなる。
 この日の市議会本会議で小倉実市議(公明)の一般質問に坂上元章助役が答えた。国の基準ができるまでの暫定的な措置としたうえで、知識と経験あるトレーナーに訓練されている▽障害者の自助機能をサポートできる▽公衆衛生や安全に支障がないように健康・行動管理ができている――などを基準として挙げた。
 介助犬は現在、民間の各育成団体が独自に認定。厚生省の助成を受けた「介助犬の基礎的調査研究班」(班長・高柳哲也奈良県立医科大名誉教授)が2000年春を目標に認定基準の試案作りを進めているが、国が採用するかどうかは見通しが立っていない。
 一方、研究団体「日本介助犬アカデミー」(代表、高柳名誉教授)が今年9月に暫定基準をまとめ、認定を始める予定で、同市はアカデミーと協力して市の基準を作る構想だ。
 正司泰一郎・宝塚市長は毎日新聞の取材に対し「介助犬を支援するためには定義付けが大前提だと判断した。国や県に介助犬の公的認知を働きかけたい」と話している。【田畑知之】

★★ 6月 8日 毎日新聞・朝刊(阪神版) ★★

宝塚市の介助犬支援さらに推進 正司泰一郎市長が「全国の先導役に」と決意/阪神

 宝塚市は7日開かれた市議会本会議で、今年7月末までとしていた庁内横断型組織「介助犬支援プロジェクトチーム」の設置期限を延長し、盲導犬や聴導犬を含めた介助動物と暮らす障害者に対し、さらに踏み込んだ支援を検討していくことを明らかにした。市は「何をもって介助犬とするか」という認定基準作りを国に先駆けて進めることも表明。正司泰一郎市長は「『介助犬シンシアのまち』として全国の福祉施策が前進するような先導的な取り組みをしたい」と改めて決意を述べた。【山本真也、野原靖】

 小倉実市議(公明)の一般質問に答えて、市側は今年3月に立ち上げたプロジェクトチームの取り組み状況を報告。このなかで▽商業団体などを通じて受け入れ要請をした結果、軒並み好意的な反応だったが、一部の飲食店では食品衛生法への抵触を心配する声が上がった▽法的な裏付けのある盲導犬でも、同伴を認めない店があり、同伴OKステッカーが張ってある店も少ない――などの問題点を説明。こうした点や基準作り、国・県への働きかけの必要から、プロジェクトチームを7月以降も継続したい、とした。
 このほか市側は、今年度から始めた「盲導犬・介助犬などへのハーネス(胴輪)助成」について、「『など』は、将来、聴導犬にも適用できるよう配慮したもの」(正司市長)と答弁。聴力に障害のある人に音源を知らせるなどする聴導犬も含め、市として広く介助動物支援に取り組む姿勢を示した。
 同市では、3月に行われた市議選で、車いすの井上聖市議(無所属)が当選。同市議会本会議場にも演壇へのスロープが付けられるなど「やさしいまち」への取り組みの機運が高まってきた。
 この日は同市在住のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(39)がシンシアとともに車いすで議会を傍聴。市側の前向きな答弁に拍手を送り、「シンシア、よかったね」と頭をなでた。木村さんは「今、最も必要なのは介助犬の基準作りで、地元の宝塚市が応援してくれれば、介助犬の認知が早まるのでは」と期待していた。

★★ 6月 8日 朝日新聞・朝刊(阪神版) ★★

介助犬認定、独自の基準 法的認知へ宝塚市 /兵庫

★★ 6月10日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

介助犬推進議員の会、月内にも旗揚げ 会長に田中真紀子氏内定

★★ 6月10日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★

[雑記帳]介助犬への支援策を超党派で検討し始めた国会議員のグループ

 介助犬への支援策を超党派で検討し始めた国会議員のグループが9日、組織設立のための準備会を東京都内で開き、月内にも「介助犬を推進する議員の会」を旗揚げすることを決めた。会長には田中真紀子衆院議員(自民)が内定した。今後、介助犬に関する法整備を視野に入れて取り組む。
 準備会では学術団体「日本介助犬アカデミー」(会長、高柳哲也・奈良県立医科大名誉教授)のメンバーが、介助犬に法的認知がないため、障害者が社会参加を妨げられている現状を説明。これを受け、準備会では公的認知の前提として、当面、介助犬の基準づくりや、認定制度の確立を支援していくことを決めた。

◆田中真紀子衆院議員の話 車いすの父(故・田中角栄元首相)を介護した経験もあり、障害者の社会参加の難しさを痛感した。犬と言葉は通じないが、心は通じる。介助犬が障害者の心身の支えとなれるように、少しでもお手伝いしたい。【山本真也、野原靖】

★★ 6月17日 毎日新聞・西部本紙・朝刊 ★★

介護犬を同伴の傍聴 県議会で全国初−−山口

 山口県議会は、介助犬を伴っての本会議傍聴を23日開会の6月議会から認める。県議会事務局によると、盲導犬を伴った傍聴例は全国であるが、障害者の日常生活を助ける介助犬が傍聴席に入るのは都道府県議会では初めてという。
 身体障害者で、車いすを使って生活している山口県岩国市の中嶋公仁子さん(30)が16日、介助犬と一緒の傍聴を申し出た。県議会傍聴規則にはこうしたケースの規定がなく、島田明議長が各会派の意見を聞き、了承した。
 中嶋さんは、2年前からラブラドールレトリバーの介助犬・ハニーと生活している。ハニーは、体を起こしたり、支えたりする日常生活の手助けのほか、車いすを引いたり誘導もする。中嶋さんは「ハニーと一緒に外に出て行くことで介助犬への公的支援や普及を促したい」と話している。
 「介助犬をそだてる会」(本部・京都市)によると、介助犬の普及は日本では始まったばかりで、国内に十数頭しかいない。【矢部明洋】

★★ 6月26日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

介助犬 兵庫県も認定基準 福祉計画に盛り込み 国への法整備申し入れも

 兵庫県は25日、介助犬を県の福祉計画に盛り込むとともに、県内の施設や商店などでの受け入れを促進するため、国に先駆けて独自に介助犬の認定基準作りに取り組むことを明らかにした。この日の県議会本会議で、貝原俊民知事は「障害者の自立と社会参加につながる」と介助犬の有効性を強調した。認定基準の策定は、介助犬「シンシア」の地元、同県宝塚市が準備を進めているが、府県レベルでは初めて。
 大野由紀雄議員(公明)の質問に答え、貝原知事は、県が策定した「障害者福祉プラン(障害者福祉新長期計画)」に、新たに介助犬の項目を加え、支援策や啓発活動を進めることを表明。法的整備についても近く近畿各府県に働きかけて、合同で国会に申し入れをすることを明らかにした。
 また、公共施設や飲食店への同伴について、他の利用者に理解してもらうためにも、基準などが必要であるとの考えを示した。【山本真也】

★★ 6月27日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

介助犬ビデオ“クランク・イン” 宝塚市で教材用に製作

 「介助犬シンシアのまち」を宣言した兵庫県宝塚市で26日、同市在住の車いすの障害者、木村佳友さん(39)を助けるシンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、5歳)のビデオ撮影が始まった。市内の小学校教諭らがスタッフで、同市教委が製作。年内にまとめ、市内のすべての公立小、中、養護学校で教材として使う。
 この日のロケは、木村さんが自宅で車に乗り込んだり、地元の生協で買い物する場面を撮影した。
 今後、木村さんとシンシアが電車に乗った様子なども撮影、20分ほどのビデオにまとめる。ビデオは約50本作り、学校に配るほか、一般の希望者にも貸し出す予定。
 木村さんは「介助犬のことを知ってほしくて講演しているが、私一人では限界がある。ビデオを通じて、全国のより多くの人に、介助犬について理解してもらいたい」と話した。 【田畑知之

■写真説明 木村さん(手前左)とシンシア(同右)をビデオ撮影する宝塚市の小学 校教諭ら =同市内の生協で

★★ 6月27日 神戸新聞・朝刊(阪神版) ★★

宝塚市の介助犬啓発ビデオ、撮影始まる

 体の不自由な人の生活をサポートする介助犬について理解を深めてもらうために宝塚市が制作する啓発ビデオの撮影が二十六日、同市内で始まった。県内唯一の介助犬シンシア号と暮らす同市内在住のプログラマー木村佳友さん(39)が全面協力し、買い物をする様子が収録された。
 今回のビデオ制作は、同市の「介助犬支援プロジェクトチーム」が五月にまとめた最終報告で、入店できる飲食店用のワッペン作り、学校用副読本の項目追加などとともに決定された。
 介助犬が日常生活の中でどのように役立っているかを紹介するビデオで、十五―二十分にまとめられる予定。年内の完成を目指し、小中学校・養護学校に教材用として配布される。既に市外からの問い合わせも寄せられている。
 この日は、同市安倉南四、コープこうべ安倉店で、一般客に交じって木村さんが日用雑貨品や食料品などを買い物する場面を撮影。握力が微弱なため、木村さんが選んだ商品を手で払うと、シンシアがくわえてひざの上乗せる様子などを収録した。
 木村さんは「ビデオ撮影に協力できてうれしい。宝塚の市民だけでなく、全国で観賞してもらえれば」と話していた。

★★ 6月27日 朝日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

コラム「青鉛筆」

 ▼交通事故で手足が不自由な飼い主と初めて国会に入った「シンシア」(ラブラドルレトリーバー種、メス、五歳)の活躍を伝える写真絵本「ありがとうシンシア−介助犬シンちゃんのおはなし」=写真=が講談社から出版された。
 ▼電話をとる、ドアを開ける、物を運ぶ――。兵庫県宝塚市のコンピューターブログラマー木村佳友さん(39)を助ける姿や、家族の一人としてくつろぐ様子を約60枚の写真にまとめた。
 ▼介助犬は盲導犬と違って統一的な認定基準がなく、レストランで入場を断られることも。木村さんは「本を通じて理解がさらに広がれば」と期待する。



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