☆☆ 『シンシア』の事が掲載された99年8月の新聞記事 ☆☆

★★ 8月 4日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

「介助犬を推進する国会議員の会」が会合 厚生省「研究班が問題調査中」/阪神

 超党派の国会議員で作る「介助犬を推進する議員の会」(会長・田中真紀子衆院議員、78人)の会合が3日、東京都内で開かれ、厚生省や研究団体「日本介助犬アカデミー」(会長、高柳哲也・奈良県立医科大名誉教授)が介助犬の現状を説明した。
 厚生省の担当者が、昨年から3カ年の予定で同アカデミーの医師らでつくる研究班に調査を委嘱していることなどを説明。「研究班によって問題が整理されるのを待ちたい」とした。
 一方、同アカデミーは、介助犬が普及している欧米でも、統一の認定基準がなく、訓練が不十分な介助犬がトラブルを起こし、かえって障害者の行動が制約される問題が起きていることを指摘。高柳会長は「9月にも、暫定的な基準をまとめる予定だが、1日も早く公的な基準を整備する必要がある」と訴えた。【山本真也】

★★ 8月12日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

生きる気力シンシアと 木村佳友さんが堺市のライオンズクラブで講演/阪神

 大阪府堺市の「堺陵東ライオンズクラブ」(具足武会長)が11日、同市内のホテルで例会を開催。宝塚市のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(39)と介助犬シンシア(ラブラドール・レトリバー種、雌、5歳)を招き、講演を聞いた。同会は「バリアフリー社会実現の一助に」と、今年から来年にかけての社会福祉活動として「シンシア基金」への募金活動を実施している。
 シンシアを伴って講演した木村さんはフロッピーディスクや硬貨を拾うなどのシンシアの日ごろの介助ぶりを紹介。「事故で障害を負い、一時は生きる気力さえ失った時期もあったが、シンシアと社会に参加することで、生きがいを得た。シンシアと暮らして3年。理解が広がってきたが、まだまだ介助犬が認められるには問題も多い」と話し、介助犬への理解と支援を求めた。【野原靖】

★★ 8月18日 東京新聞・夕刊 ★★

ハロー!ペット ルポ「介助犬・シンシアとの生活 元・オテンバ犬が木村さんを変えた」

★★ 9月 1日 中日新聞・夕刊 ★★

動物・たのしい仲間 ルポ「介助犬・シンシアとの生活 元・オテンバ犬が木村さんを変えた」

 スーパー「ダイエー」が全店舗で同伴を認めるなど、介助犬の存在が少しずつ理解され始めている。まだ国内に10匹ほどしかいないが、体の不自由な人にとって、その役割は大きい。国会議事堂にも乗り込んで働きぶりをアピールした介助犬シンシアと飼い主の木村佳友さん(39)=兵庫県宝塚市=の生活を紹介する。

●転んだら大変
 「シンちゃん、テイク・フロッピー!」  床に落ちたフロッピー・ディスクにさっと駆け寄ったシンシアは、上手に口にくわえて、木村さんのひざの上に渡す。
 「シンシアがいなかったときは、バランスを崩して車いすから転げたら最後、妻が帰ってくるまで半日、床の上でした」。シンシアを褒めながら木村さんは話す。
 五歳になるメスのラブラドール犬シンシアは、木村さんの介助犬だ。下半身だけでなく手の指も動かず、車いすで生活する木村さんに代わって、いろいろな物を取ってきてくれる。電話、新聞はもちろん、冷蔵庫のジュースは、ドアに付けたひもを引いて開け、出した後は、ドアを鼻先で押して閉める。起き上がるとき体を支えたり、着替えを手伝ったりもする。
 木村さんのかけがえのないパートナー、シンシア。だが以前はオテンバないたずらっこで、飼い主を悩ませる存在だった。
 大手総合電機メーカーに勤める木村さんは、十二年前、オートバイで出勤途中、事故に遭い、頸髄(けいずい)を損傷。約三年半のリハビリを経て、嘱託として復帰し、在宅でコンピューターのプログラミングを始めた。木村さんの心の安らぎを願い、妻美智子さん(37)が子犬のシンシアを連れてきた。
 「物を運んできては散らかすし、そそうした上を車いすで踏んで家中ウンチだらけになったことも」
 しかし、そのシンシアの好奇心おう盛な性格が、物を運ぶ介助犬に向いていたのだ。
 東京・八王子市の介助犬協会の薦めで、シンシアは一歳から五カ月間家を離れてトレーニング。五十の言葉を覚えたシンシアを相手に、今度は木村さんが指示の練習をした。
 「ところが初めは、まったく無視されました。妻と違って、僕はシンシアと基本的なコミュニケーションができていなかったんです」
 木村さんは車いすでシンシアの散歩を始めた。すると近所の人たちがシンシアを通して声をかけてくることに驚いた。外での久しぶりの会話だった。
 二週間後、木村さんは自分で靴を履こうとして、床に落としてしまった。「テイク・靴、テイク・靴だよ、シンちゃん」。そばでごろんとしていたシンシアは、やがて状況を察したのか、起き上がり、靴をくわえた。介助犬シンシアの初めての仕事だった。
 定期的に会社に出る日、シンシアの同伴を願い出た。「ほえるんちゃうか」「トイレはどうするねん」。困惑していた会社の人も、おとなしいシンシアを見て、同伴出勤を許可した。木村さんとシンシアの世界は、少しずつ、広がっていった。
 阪急電鉄やJR西日本・東海は昨年、シンシアを「審査」、盲導犬と同様に「使用者の体の一部として無料で」同乗を許可。今年二月、新幹線に乗って東京に来た「二人」は国会を訪問した。
 「ヘルパーさんだったら、会話に気を使うし、買い物も店の人に付き添われたら、悪いからと急いでしまう。シンシアならマイペースでいける」と木村さん。
 介助犬一匹の育成に約二百万円。寄付とボランティアでまかなっている。「でも十年間、ずっと側にいてくれる介助犬は十分にペイできると思います」

 木村さんのホームページは「http://village.infoweb.ne.jp/~cynthia/」です。(宮晶子)

 *日本介助犬アカデミー((電)0422・76・2544)は、九月五日、都内で介助犬のあり方についてのシンポジウムを開催する。東京・新宿区の全国身体障害者総合福祉センター(戸山サンライズ)で、午後二時半より。参加費二千円。木村さんも出席する。

★★ 8月26日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

「宝塚まつり・サマーフェスティバル」に介助犬シンシア“初出演”−阪神競馬場/阪神

 夏の恒例行事「宝塚まつり・サマーフェスティバル」(宝塚市民フェスティバル協会主催)が25日夜、宝塚市の阪神競馬場で開かれた。
 今年は初めて、地元で活躍する介助犬シンシアのコーナーが設けられ、飼い主の車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(39)が、介助犬の役割を説明。シンシアは、子供たちに囲まれて大人気だった。
 木村さんらはオープニングのテープカットにも参加。コーナーでは本紙連載「介助犬シンシア」で写真を担当している神戸市の写真家、小田哲明さんの作品も展示された。
 また宝塚商工会議所と市商店連合会が介助犬の支援のためにチャリティーオークションを開催。収益金は毎日新聞社が介助犬の育成・研究のために設けている「シンシア基金」に寄託された。【山本真也】



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