★★ 10月9日 毎日新聞・朝刊・大阪版 ★★
大阪リバーサイドホテルがシンシア基金に30万円寄託/大阪
大阪リバーサイドホテル(都島区中野町5)が8日、介助犬の育成・研究のための毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金」に30万円を寄せた。
同ホテルはこの日、創業30周年記念とシンシア応援チャリティーとして、健康を書とイラストで表現している漫書家、黒田クロさんの講演会を開催。樋口三江子社長が入場料など30万円を、橋本博行・毎日新聞大阪社会事業団常務理事に手渡した。樋口社長は「シンシアの活躍を知り、30年、商売をさせていただいたお返しになればと思い、寄付をしました」と話していた。
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★★ 10月14日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
新聞週間特集
前文 記者の思い
2000年度の新聞協会賞(編集部門)に、1997年の「片山隼(しゅん)君事故」をきっかけに事件事故被害者の権利と支援策の確立を追求し続けた毎日新聞のキャンペーン報道(代表=東京本社社会部・江刺正嘉記者)が選ばれた。また、阪神支局が98年から、介助犬の社会的認知を目指して取り組んできた「シンシア」報道も今年、関西の優れた報道活動を顕彰する「第7回坂田記念ジャーナリズム賞」を受賞するなど、大きな共感の輪を広げている。二つのキャンペーンに共通するのは「弱い立場の人に目を向け、思いやりのある社会の実現」という視点だ。報道にあたった記者はどのような思いでこのキャンペーンに取り組んだのか、報告する。
介助犬シンシア報道 坂田記念ジャーナリズム賞受賞
地域面での270回を超える連載など、地道なキャンペーンが自治体や国を動かし、介助犬の認知を高めることになった「シンシア」報道。そのきっかけは1998年4月。兵庫県尼崎市にある阪神支局に届いた1通の封書だった。
シンシアの飼い主で、車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(40)=同県宝塚市=が尼崎市内のホテルで、シンシアとともに講演会を開くという案内だった。「介助犬って何ですか?」。電話で問い合わせた私に木村さんは、介助犬の説明を丁寧にしてくれたうえで「シンシアと一緒にホテルに入れたことは、ほとんどないんです」と話した。
木村さんは27歳の時、オートバイ事故で首の中枢神経を損傷し、手足がまひ。在宅でコンピュータープログラミングの仕事をしている。握力がないため、フロッピーディスクをよく落とすが、拾うことはできない。車いすから転倒しても、自力で起き上がることはできない。だから、妻美智子さん(38)が勤務先から毎日、何度も電話し、夫の安否を確認していた。
だが4年前にペットだったシンシアが訓練を受け、介助犬となってから暮らしは一変した。
シンシアは木村さんの「テイク!」の指示で、落とした物を口にくわえ、木村さんに渡してくれる。コードレス電話も運んできてくれるので、転倒した時、すぐに助けが呼べるようになった。
外出も常に一緒だ。エレベーターのボタンを押したり、緩い坂道では車いすを引いてくれる。
だが「犬はだめです」とレストランや電車で、同伴を断られることがよくあった。介助犬はペットと区別する法律の規定が何もない。道路交通法で位置づけられている盲導犬との大きな違いだ。米国では1000頭以上いる介助犬が、日本では十数頭しかいない。シンシアがホテルに入れることが、当時は「画期的」なことだったのだ。
木村さんに会って、そんな話を聞いた私は初めて、「介助犬に『市民権を』」という記事を社会面に書いた。そしてその年9月に兵庫、翌年1月に大阪の両府県内地域面で連載「介助犬シンシア」がスタートした。
◇ ◇
介助犬問題を書き続けてきた背景には、阪神大震災の被災地で働いているという、支局員全員の思いがあった。
「読者は、つらい体験のなかで経験した『人へのやさしさ』を身に刻んでいる。その人たちと一緒に考え、ぬくもりと勇気を感じ合える紙面をつくれないか」「困った人を目の前にして傍観者ではだめだ」
木村さんとシンシアの“二人三脚”の歩みをつづった週2、3回の連載は、私たちの予想をはるかに超えて続いた。そして読者の反響は大きなうねりとなって、国や自治体、企業、国会議員らを動かしていく。
厚生省が介助犬研究費を助成▽超党派の国会議員が「介助犬を推進する議員の会」結成▽ダイエーグループや阪急百貨店が介助犬の受け入れを表明▽宝塚市が「シンシアのまち」を宣言▽厚生省が介助犬公的認知に関する検討会を設置▽兵庫県が介助犬の認定制度をスタート……。
記事を書くだけでなく、キーパーソン同士を結びつけ、行政にさまざまな提案をした。昨年12月には介助犬シンポジウムを宝塚市と共催。毎日新聞大阪社会事業団に「シンシア基金」を設けた。これまでに約850件、計約1200万円の浄財が寄せられ、全国の飲食店などに今年4月から張り出された「介助犬同伴OK」ステッカーの製作費などに充てられている。
「こんなになるなんて3年前は想像もしませんでした」と木村さんは振り返る。キャンペーンは坂田記念ジャーナリズム賞のほか、99年度日本新聞労働組合連合(新聞労連)大賞特別賞も受賞した。また連載を基にした単行本「介助犬シンシア」(木村さんとの共著)は増刷を重ねている。印税はすべて介助犬支援のために充てる計画だ。
だが、まだ道は半ば。私たちが目指すのは介助犬の法整備であり、さらには、障害者もお年寄りも外国人も、誰(だれ)もが障壁なく暮らせる「やさしい街」の実現に一歩でも近づくことなのだから。キャンペーンはさらに続けていく。 【山本真也】
◇関西の優れた報道顕彰
坂田記念ジャーナリズム賞は、毎日放送社長を務めた故坂田勝郎氏の「報道を通じ関西の文化発展を」との遺志を継ぎ、1994年に創設。坂田記念ジャーナリズム振興財団が運営し、関西を拠点とした優れた報道活動を顕彰する。介助犬シンシア報道は第1部門(スクープ、企画)新聞の部で受賞。「小さな舞台からの発信ながら(介助犬の)法整備に向けて自治体、国、社会に不可欠な課題を提起した」「シンシアの存在と丹念な取材活動が、親しみをもって身障者問題への理解と共感をもたらした」と評価された。
■写真説明 木村佳友さんとパートナーの介助犬シンシア
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★★ 10月19日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
宝塚市の女性団体とラーメン店が毎日新聞大阪社会事業団のシンシア基金に寄付/阪神
介助犬シンシアが活躍する宝塚市の女性団体「国際ソロプチミスト宝塚」(井関博恵会長)と同市湯本町の「ラーメン工房 あ 宝塚店」(川原清多店長)が18日、毎日新聞大阪社会事業団の「シンシア基金」にそれぞれ寄付し、介助犬の普及、啓発に善意の手を差し伸べた。
国際ソロプチミスト宝塚はこの日、同市のゴルフ場でチャリティーゴルフ大会を主催、その収益の一部20万円を寄せた。贈呈式にはシンシアと飼い主の木村佳友さん(40)が出席。井関会長は「今後も介助犬の普及に協力したい」とあいさつ。山名康弘・毎日新聞阪神支局長が「お寄せ頂いた善意は公的認知に向けた運動に使います」と話し、木村さんも「介助犬が公的認知されるよう頑張ります」と話した。同宝塚はこの日、木村さんが会員となっている「介助犬協会」(本部東京)にも寄付した。
一方、「あ 宝塚店」は、店内に介助犬、盲導犬を受け入れており、木村さんも訪れたことがある。「介助犬の普及に協力したい」と今年5月下旬からレジ前に募金箱を設置した。客が釣り銭などを募金してくれ、4カ月ほどで満杯となったという。額は1万4089円だった。川原店長は「お釣りを受け取ったお母さんに、『シンシアを応援しようよ』と訴える子どももおり、市民の間でシンシアが受け入れられているのを実感した」と話した。 【田畑知之】
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★★ 10月20日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
関学大で介助犬の現状を講義 シンシアと暮らす木村佳友さん/阪神
宝塚市で介助犬シンシアと暮らす車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(40)が19日、西宮市上ケ原一番町の関西学院大で介助犬の意義や現状などについて講義した。「障害者問題」という連続講義の一環。
木村さんは昨年から関学大非常勤講師を務めている。「障害者問題」は障害者が置かれた現状を学ぶ講座で、木村さんは昨年もこの講座で話した。
この日、木村さんは約300人の学生を前に、オートバイ事故で障害者となった経緯、介助犬との同伴を拒否する飲食店などがある現状や介助犬の普及が進まない実態などをビデオやスライドを用いて話した。シンシアが介助動作の実演で、テレビのリモコンなどをくわえて渡すと学生から拍手がわいた。
この講座担当の神田健次・神学部教授は「具体的な内容で、学生に介助犬を取り巻く問題点がきちんと伝わったと思う」と授業内容を評価。木村さんは「落ち着いて話せた。学生さんが熱心に聞いてくれたのがうれしい」と話していた。
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★★ 10月25日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
「介助犬を推進する議員の会」の総会 40人多い105人が参加表明/阪神
超党派の国会議員でつくる「介助犬を推進する議員の会」(会長・田中真紀子衆院議員)の総会が24日、東京・衆院第2議員会館で開かれ、宝塚市の車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(40)がパートナーの介助犬シンシアと出席した。今年7月の衆院改選後、初の総会で、設立時よりも約40人多い105人が参加を表明。介助犬の公的認知へのバックアップをさらに進めていくことを誓った。【山本真也】
議員の会は昨年7月に発足。これまで研究団体「日本介助犬アカデミー」(会長、高柳哲也・奈良県立医科大名誉教授)との勉強会を重ねるとともに、厚生省に介助犬の公的認知に向けた検討会の設立を要望。その結果、同省は今年6月に有識者を集めた検討会を作り、認定制度のあり方などの討議を始めている。
総会では、新しいメンバーが増えたため、木村さんが改めて介助犬の役割を説明。シンシアに落としたフロッピーや硬貨を取ってもらう実演を披露した。議員からはシンシアのかわいらしい動作に、拍手や笑い声が起き、なごやかなムードに包まれた。木村さんは「私たちが暮らす兵庫県や宝塚市では、独自の認定制度を作っていただいたが、一歩、県外に出れば障壁がたくさんある。全国どこでも行けるように、早く法律で認めてもらえるよう協力をお願いします」と訴えた。
議員の会は法整備も視野に入れており、この日は、青木人志・一橋大学大学院法学研究科助教授から介助犬に関する世界の法律について意見を聞いた。
議員の会事務局長の中川智子衆院議員(社民)は「100人を超える議員が集まったのは木村さんやシンシアの活躍などで国会にも介助犬認知が広まった証拠。公的認知に向けて、今ようやく三合目という所で、しっかりした制度作りに精力的に取り組んでいきたい」と話していた。
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★★ 10月28日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
[やさしい街に]介助犬シンシアのビデオが全国自作視聴覚教材コンクールで入賞/阪神
宝塚市の教員らが介助犬の役割や意義を子どもに知ってもらおうと作製したビデオ「介助犬シンシア〜人と犬との新たなふれあい」(21分)がこのほど、「全国自作視聴覚教材コンクール」の社会教育部門で入賞した。入賞を記念し、ビデオは11月24日、県立嬉野台生涯教育センター(社町下久米)である社会教育研究大会で上映される。【田畑知之】
ビデオは宝塚で暮らす車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(40)と介助犬シンシアを題材にしている。木村さんとシンシアが電車に乗り込んだり、シンシアが木村さんの生活を支えている姿をとらえた。宝塚市教委はこのビデオを教材として同市の小中学校などで活用している。
全国コンクールは、財団法人「日本視聴覚協会」(本部東京都港区)が主催し、全国から129本の応募があった。コンクールでシンシアのビデオは、「バリアフリー(障害のない状態)の時代、人間と介助犬のかかわり方を考えさせる」と高く評価された。
製作に当たったメンバーは「介助犬の教育的意義が評価され、うれしい」と話している。
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★★ 10月29日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
[デスクです](原)
◆小社刊の「介助犬シンシア」は6版を重ね、多くの方々から読後のお便りが続いて。先日は、動物文学を講じる東京の女性教師から「障害者を助けるシンシアを囲む人たちの善意と、これを支援している毎日新聞が行政を動かし、大きな力になったんですね」と。シンシアのいる兵庫県と、大阪府の地域面連載を軸にしたキャンペーンですが、途中でまとめた本を通じ、そのメッセージは全国に広がってきました。 (原)
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