☆☆ 『シンシア』の事が掲載された2000年12月の新聞記事 ☆☆

★★ 12月1日 河北新報・朝刊 ★★

理解広がるか介助犬/兵庫県で登録制度など始動/総数少なく、育成に課題

 「シンシアが介助犬として活躍し始めた4年前は、一緒に行ける所は少なかった。最近ではホテルやレストランにも何事もなく入れてもらえます」。車いすに座りこう話すのは、兵庫県宝塚市の木村佳友さん(40)。重い障害を持つ人の手足となる介助犬をめぐり、全国初の利用促進要綱を9月に制定した兵庫県で、独自の登録制度や啓発キャンペーンが動き出した。
 木村さんは13年前、交通事故で首から下が不自由となり、車いす生活を余儀なくされた。1996年(平成8年)にペットだった雌のラブラドルレトリバー「シンシア」を介助犬協会(東京都)で訓練、半年余りで介助犬として使い始めた。
 自宅でコンピューターの仕事をしている木村さんだが、フロッピーディスクや書類を落としてしまうと、自分で拾えない。シンシアを呼ぶと、くわえて渡してくれる。「テイク電話」と言えば、コードレス電話も持ってくる。「わたしにとってシンシアは手足なんです」と木村さん。
 外出時もエレベーターのボタンを押してくれるなど、シンシアのおかげで、1人でいろいろな所に行けるようになった。が、当初は、スーパーなどは店の人に頼まなければ入れてもらえなかった。何をするにも、自分で一から交渉しなければならなかった。
 兵庫県の要綱は、県指定の学術団体が認定した介助犬を登録、使用者らに「登録カード」を交付する。県は同時に介助犬、盲導犬への認識を高めるキャンペーンに着手。約7万4000施設や店舗にも協力を呼び掛けた。今では、県内の多くの店に「介助犬同伴可」のステッカーが張られている。
 木村さんは「県が認めた犬なら安全と分かってもらえると思う。シンシアは有名なのでカードの提示を求められたことはないが、介助犬を飼う人が増えれば有益になる」と評価。これをモデルに全国に広がってほしいという。
 しかし、全国の介助犬総数はなお10匹程度。1000匹を超す米国とは大きな隔たりがある。本格的な利用拡大にはなお課題も多い。
 盲導犬は画一的な訓練が可能だが、介助犬は個々の障害者のニーズに合わせた訓練が必要だ。育成に手間と経費がかかり、介助犬協会の育成費は1頭当たり2〜300万円。行政の助成はなく、寄付などが頼りだ。同協会でも年間1匹、多くて3匹の育成で精いっぱいだという。

■写真説明 木村佳友さんが落としたフロッピーディスクを拾って渡す介助犬シンシア=兵庫県宝塚市の木村さん宅

★★ 12月2日 毎日新聞・朝刊・兵庫版 ★★

介助犬普及を支援 シャンソン歌手・月丘しのぶさんがチャリティーコンサート/兵庫

 シャンソン歌手の月丘しのぶさん=大阪府豊中市=が介助犬普及のためのチャリティーコンサート「月丘しのぶと午後のシャンソン」(毎日新聞社など後援)を9日午後0時半、大阪市中央区心斎橋筋1の心斎橋ミューズホールで開く。
 月丘さんは仕事のかたわら、約5年前からシャンソンの勉強を始め、年1、2回リサイタルを開いている。昨年、けがなどで3回も入院し、足を手術した。それ以来、エスカレーターがなかったり段差に足をとられるなど、街を歩いて不自由を感じた。
 毎日新聞の介助犬シンシアの報道などで、介助犬は社会的認知度が低く、入れない店や公共施設が多いことを知った。そこで、「もっと多くの人に介助犬を知ってもらい、介助犬が増えるお手伝いができれば」とチャリティーコンサートを企画。収益金は毎日新聞大阪社会事業団の「シンシア基金」に寄付する。また、今後開くリサイタルは介助犬のチャリティーコンサートにする。
 コンサートでは月丘さんが介助犬について説明。素人からセミプロまで、出演を希望した7人の女性が、半年間の練習の成果を披露。月丘さんが「群衆」「パリのお嬢さん」など約10曲を歌う。前売り4500円、当日5000円。問い合わせは同ホール(06・6245・5389)へ。 【松井宏員】

★★ 12月2日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

“愛の花”開け あす宝塚市で「第2回介助犬シンポジウム」/阪神

 宝塚市栄町3の「宝塚グランドホテル」で3日にある「第2回介助犬シンポジウム」会場で配られる新種のバラ「シンシアたからづか」が1日、宝塚ライオンズクラブ(和田義輝会長)に届いた。
 シンポは「もっと広げよう やさしさの輪を」をテーマに、午後1時から。県、同市、日本介助犬アカデミー、毎日新聞社の共催。無料。
 同市の車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(40)、米国の介助犬研究者のスーザン・ダンカンさん、同アカデミー事務局長の高柳友子さん、県健康福祉局の古西保信局長の4人が介助犬の現状や社会的な受け入れへの課題などを話し合う。木村さんを支える介助犬シンシアのほか、ダンカンさんの介助犬リンカーンも同席する。シンシアの写真を撮り続けているカメラマン、小田哲明さんの写真展示もある。
 この日、滋賀県の栽培業者からシンシアにちなんだバラ「シンシアたからづか」を受け取った宝塚ライオンズクラブのメンバーは、やや紫がかったピンク色のバラを見て「シンポの成功を期待します」と話した。同クラブはシンシアたからづかを販売しており、その利益を介助犬育成支援に寄付することにしている。 【田畑知之】

★★ 12月3日 毎日新聞・朝刊・大阪版 ★★

介助犬普及へ支援 シンシア基金チャリティチャペルコンサート 大阪・北区で/大阪

 介助犬の普及を目指す「シンシア基金チャリティチャペルコンサート」(毎日新聞大阪社会事業団後援)が2日、北区天満橋1の帝国ホテル大阪で開かれ、約100人がクリスマスソングなどを楽しんだ。収益金の一部は濃人賢二・総支配人から藤原健・毎日新聞大阪本社社会部長に手渡され、同事業団の「シンシア基金」に役立てる。
 音楽を通じて障害者と交流するローゼンビート音楽研究所(尼崎市)主宰の浜渦章盛さん(54)と仲間が同ホテル4階チャペルで、マイクを通さない生歌とピアノ演奏でクリスマスソングやオペラ、ミュージカルの名曲など10曲余りを披露した。中でも、浜渦さんが自作の手話の歌「花より花へ」を熱唱すると、盛んな拍手が送られた。
 会場では、介助犬シンシアと飼い主のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(40)=宝塚市=が鑑賞。また、「第2回介助犬シンポジウム」(兵庫県、毎日新聞社など共催)に出演する米国の介助犬研究者、スーザン・ダンカンさんと介助犬リンカーンも美声を楽しんだ。木村さんは「イベントを開いて頂き、感謝します」と話した。 【村瀬達男】

★★ 12月3日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

「第2回介助犬シンポジウム」 きょう、宝塚市で/阪神

 「もっと広げよう やさしさの輪を」をテーマに、「第2回介助犬シンポジウム」が3日午後1時から、宝塚市栄町3の宝塚グランドホテルで行われる。
 同市の車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(40)、米国の介助犬研究者のスーザン・ダンカンさんらが、介助犬の現状や社会的な受け入れへの課題などを話し合う。木村さんを支える介助犬シンシアのほか、ダンカンさんの介助犬リンカーンも同席。シンシアの写真を撮り続けているカメラマン、小田哲明さんの写真展示もある。

★★ 12月4日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

「第2回介助犬シンポジウム」 新世紀は介助犬とともに 認知運動さらに 宝塚市で

 「シンシアのまちたからづか」を掲げる兵庫県宝塚市で3日、「第2回介助犬シンポジウム もっと広げよう やさしさの輪を」(兵庫県、宝塚市、日本介助犬アカデミー、毎日新聞社主催)が開かれた。約300人が参加、シンシアを含めて3頭の介助犬が姿を見せ、「新しい世紀の前に介助犬の公的認知に向けた運動をさらに進め、『やさしさネットワーク』を全国に広げよう」という大会アピールを採択した。 (26面に関連記事)
 正司泰一郎・宝塚市長が「介助犬の法的整備に向けて国への要望や啓発活動に取り組み、介助犬への理解が広がっているのを実感しています」とあいさつ。木戸湊・毎日新聞大阪本社代表は「国も注目し、法制化を視野に入れた検討を始めた。この動きをさらに加速し、法律に基づいたものとして位置付けられることを強く望みます」と述べた。
 この後、シンシアと暮らす木村佳友さん、米国の介助犬専門家で使用者でもあるスーザン・ダンカンさんらによるパネルディスカッションが行われ、ダンカンさんは介助犬の普及が進んでいる米国の状況を報告した。 【田畑知之】

★★ 12月4日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★

「第2回介助犬シンポジウム」開催−−兵庫・宝塚

 「シンシアのまちたからづか」を掲げる兵庫県宝塚市で3日、「第2回介助犬シンポジウム もっと広げよう やさしさの輪を」(兵庫県、宝塚市、日本介助犬アカデミー、毎日新聞社主催)が開かれた。約300人が参加、シンシアを含めて3頭の介助犬が姿を見せ、「新しい世紀の前に介助犬の公的認知に向けた運動をさらに進め、『やさしさネットワーク』を全国に広げよう」という大会アピールを採択した。

★★ 12月4日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

第2回介助犬シンポジウム 京都市の栢下綾子さん「街全体で受け入れを」

 兵庫県宝塚市で3日開かれた「第2回介助犬シンポジウム」には、介助犬シンシアと暮らす車いすのプログラマー、木村佳友さん(40)ら日米の2人の介助犬使用者が出席。介助犬を使用する女性も客席に姿を見せ、3頭の介助犬が一堂に会した。参加者らに囲まれた3頭の周囲からは、シンポジウムのタイトル通り、やさしさの輪が広がった。
 米国・シアトルから訪れたスーザン・ダンカンさん(44)は、1991年から介助犬と暮らし、現在のリンカーンは3頭目。昨年1月にも来日し、木村さんやシンシア、シンポジウムでコーディネーターを務めた日本介助犬アカデミーの高柳友子・事務局長らと一緒に国会も訪れた。
 客席参加したのは、筋ジストロフィー症で車いすの栢下(かやした)綾子さん(38)=京都市伏見区=とジョイナー。昨春からジョイナーと暮らし始めた栢下さんは「買い物や映画など外出もしやすくなった」という。それでも、まだ飲食店などで同伴を断られることも多く、「木村さんの暮らす宝塚のように街全体で受け入れの雰囲気が出てくれれば」と願う。
 シンポの後、木村さんら3人は集まり、3頭の介助犬同士も時折、じゃれ合ったりしていた。参加者らもその周りを和やかに囲んだ。ダンカンさんは「木村さんの役割はとても重要。日本の介助犬使用のパイオニアとして、これからも頑張ってほしい」とエールを送った。 【鵜塚健】

■写真説明 「第2回介助犬シンポジウム」終了後、介助犬(手前からジョイナー、リンカーン、シンシア)とふれあう参加者たち=兵庫県宝塚市のホテルで3日午後、佐藤賢二郎写す

★★ 12月4日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

「第2回介助犬シンポジウム」 新世紀へ「やさしさの輪」 宝塚市で /阪神

 「もっと広げよう やさしさの輪を」をテーマに、宝塚市の宝塚グランドホテルで3日開かれた「第2回介助犬シンポジウム」(県、宝塚市、日本介助犬アカデミー、毎日新聞社の共催)。「すべての人にやさしい街づくりを、全国に向けて発信しよう」と誓った第1回シンポから1年。各地から約300人が参加し、その輪が着実に広がっていることを確かめ合った。新しい世紀に入る次の1年もさらに広げよう――。会場は終始、そんなムードに包まれた。 【亀田早苗、大森顕浩、鵜塚健】

 「シンシアのような介助犬が街中で活躍できるように啓発を進めている。シンポジウムが障害者の自立と社会参加をいっそう促進し、ノーマライゼーション理念実現への大きな歩みとなることを期待する」。シンポは、貝原俊民知事が寄せたメッセージで始まった。
 正司泰一郎・宝塚市長や日本介助犬アカデミーの高柳哲也会長もあいさつ。「介助犬を推進する議員の会」事務局長の中川智子・衆院議員が国会での取り組みを報告。県環境衛生同業組合連絡協議会の平井千代治会長は「介助犬の受け入れのため、県の取り組みに協力したい」と語った。
 会場ではシンシアの写真を撮り続けているカメラマン、小田哲明さんの写真を展示。介助犬育成などを目的にした毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金」用の募金箱も設けられ、2万2158円が寄せられた。
 また、シンシアにちなんだ新種のバラ「シンシアたからづか」の普及に取り組んでいる宝塚ライオンズクラブのメンバーらも参加し、バラを披露した。

 参加した市民らからは、さまざまな意見や感想が寄せられた。

◇もっと全体的な動きにするべき
 介護福祉士を目指す西宮市能登町、関西学院大社会学部福祉学科1年、坂東紗織さん(19)はメモをとりながら耳を傾け、「体の不自由な人が増えるなかで、介助犬がどんな役割を果たせるかを勉強に来た。『犬はヘルパーだ』と(パネリストの)スーザン・ダンカンさんが発言したのが印象に残った。イメージだけで理解していたが課題も多いことが分かった」と話していた。
 奈良市七条町の病院に入院中の田中雅人さん(21)は、外出許可を取って車いすで参加した。「奈良では介助犬の認知が遅れているので、おそらく店にも入れない。そうした働きかけなど、何か活動のお手伝いができたら」。
 犬のトレーニングに興味があるという神戸市北区小倉台4、武庫川女子大助教授、西嶋久雄さん(50)は「法制化を目指す動きが急だが、介護や医療、介助犬育成者などそれぞれのグループを巻き込んで、もっと全体的な動きにするべきだと感じた」と、問題を提起していた。

◇健常者と障害者共生社会実現を
 大阪市平野区喜連6、市立喜連中学2年、山本悠美子さん(14)は、初めてシンシアを見て感動したという。犬が好きで、将来は介助犬のトレーナーを目指したいといい、まもなく盲導犬の里親になる予定だ。「きょうの話はまだ難しかったけれど、これから勉強したい」。
 伊丹市鴻池1、主婦、今村恵子さん(41)は昨年に続き、シンシアに会いに来た。「犬が人間のために働いているところに共感を持っている。私も難聴なので、いつ悪化するか分からない。健常者と障害者が区別なく共生できる社会ができれば」と訴えていた。

 (シンポジウムの詳報は今月中旬ごろ、特集面で掲載予定です)

★★ 12月4日 朝日新聞・朝刊・阪神版 ★★

「介助犬の法的認知を」 宝塚でシンポジウム

 障害者の日常生活を助ける介助犬の支援活動をしている宝塚市で3日、「介助犬シンポジウム もっと広げよう やさしさの輪を」が開かれた。同市内で介助犬「シンシア」と生活しているコンピュータープログラマーの木村佳友さん(40)や米国で介助犬と暮らし、障害者の自立を支援しているスーザン・ダンカンさんを招いてのパネルディスカッションなどがあった。

 同シンポは介助犬を理解してもらおうと、県や宝塚市が主催したもので、昨年に続いて2回目。会場の同市内のホテルには、市民ら約300人のほか、9月に全国に先駆けて介助犬の認定・登録制度を設けた県の担当者も出席した。
 パネルディスカッションでは、介助犬を連れた木村さん、ダンカンさんのほか、進行役も務めた日本介助犬アカデミー事務局長の高柳友子さん、県の古西保信・健康福祉局長の4人が参加した。
 介助犬は盲導犬と違い法的に認知されていないので、ペットとみなされることが多い。木村さんは「シンシアのおかげで外出の際の不安がぐんと減った」としたうえで、飲食店などで入店を拒否された体験を披露。「介助犬は障害者の役に立っているが、法的な後ろ盾がないために外出が逆にバリア(障壁)になっている」と打ち明けた。ダンカンさん「米国では法整備が進んで、介助犬の社会的受け入れは大幅に改善されてきたが、まだ(使用者の)経済的負担が大きい。有効な助成制度の創設が必要だ」と指摘、「医師なども参加し、それぞれの障害者のニーズに合った、適切に訓練された介助犬を普及させるべきだ」と述べた。
 県の古西健康福祉局長は介助犬の認定・登録制度を定めた要綱の骨子を説明。同制度は予防接種の有無、性質や動作などを総合的に判断して介助犬に認定し、登録カードを発行するもので、「これで介助犬への理解が深まれば」と話した。高柳さんは、同制度やそのきっかけとなった宝塚市の支援策を画期的と評価、「介助犬に関する正しい知識が普及し、適切に訓練された介助犬が広まることが必要だ」と訴えた。
 会場では、シンシアを紹介するビデオや写真展もあった。また、介助犬の支援活動にと、宝塚ライオンズクラブが命名して販売している新種のバラ「シンシアたからづか」が参加者に1本ずつ贈られた。

■写真説明 介助犬の社会参加について木村さんらパネリストから提言が述べられた。壇上にはシンシアも姿も=宝塚市内で

★★ 12月5日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

[デスクです]心の扉を開き合う(藤)

◆介助犬の啓発活動で米国から来日中のスーザン・ダンカンさんに、チャリティーコンサートやシンポジウムの合間を縫って話を聞く機会がありました。今、日本でも介助犬を受け入れる施設は増えてきましたが、「心の扉を開き合うことが大切だと思います」と。そうですね。バリアフリーをいくら力説しても、心に壁があっては共生はかなえられません。他者への思いやり、やさしさが「扉」を開くきっかけでは。(藤)

★★ 12月7日 読売新聞・朝刊・阪神版 ★★

宝塚で9日「障害者の日」イベント=兵阪神

 「障害者の日」(9日)にちなみ、宝塚市は10日、同市小林2の市立西公民館で、障害者らによるコンサートなどのイベント「障害者の日記念事業」を開く。
 同事業には、同市で活躍する介助犬「シンシア」と飼い主でコンピュータープログラマーの木村佳友さん(40)も参加する予定。
 会場にはパネルなどで介助犬の仕事を紹介するコーナーのほか、お茶席やミニバザーなども設ける。問い合わせは、同市障害福祉課(0797・77・2077)へ。

★★ 12月9日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

あすは「障害者の日」 宝塚市でイベント 介助犬シンシアも参加/阪神

 「障害者の日」の10日、宝塚市小林2の市立西公民館で記念事業「なくそう心の段差」がある。障害者や健常者が一緒に演劇を披露したり、同市の車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さん(40)が介助犬シンシアとともに参加する。
 「考えようみんなで バリアフリーのまちづくり」がテーマで、同市などの主催。障害者が社会参加に向けた取り組みを広く知ってもらうのが狙い。午前10時半から、障害者や健常者でつくる劇団「おあや座」の初公演や障害者の楽器演奏などがある。
 また、午後2時半から、兵庫盲ろう者友の会の吉田正行会長が講演する。車いすの体験コーナーもある。
 無料。問い合わせは西公民館(0797・77・1200)。【田畑知之】

★★2000年12月14日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊★★

[特集]「第2回介助犬シンポジウム もっと広げよう やさしさの輪を」

 「第2回介助犬シンポジウム もっと広げよう やさしさの輪を」(兵庫県、同県宝塚市、日本介助犬アカデミー、毎日新聞社主催)が今月3日、宝塚市で開かれた。同市では、日本に十数頭しかいない介助犬のうち、シンシアが車いすの木村佳友さん(40)の生活を支えており、兵庫県や宝塚市は国に先駆け、法的に認められていない介助犬への支援策を打ち出している。毎日新聞も長期連載「介助犬シンシア」(兵庫県版、大阪版で掲載)などでこの動きを支援。国も法的整備に向け、歩み始めた。シンポでは、介助犬先進国・米国の現状や今後の課題について、専門家が具体例を交え、話し合った。



◇主催者あいさつ

◇真の福祉社会目指す
 貝原俊民・兵庫県知事(メッセージ代読) 兵庫県はだれもが生きる喜びを実感できる真の福祉社会の実現を目指し、シンシアのような介助犬が自由に活躍できるよう、啓発を進めています。このシンポジウムがノーマライゼーション理念の実現へ大きな歩みとなるよう期待します。

◇法的整備に取り組む
 正司泰一郎・宝塚市長 宝塚市は「シンシアのまち・宝塚」として介助犬の法的整備に向けて国への要望などに取り組んでいます。障害を持つ人も持たない人もともに平等に参加できる社会が実現するよう、皆様のご協力をお願いします。

◇介助犬定着へ努力する
 高柳哲也・日本介助犬アカデミー会長 介助犬をめぐる現状は問題が多いのが実情ですが、今春、私たちが介助犬の定義と基準を発表、それを兵庫県が採用しました。今後も、介助犬が定着するよう努力します。

◇「シンシア報道」今後も
 木戸湊・毎日新聞大阪本社代表 毎日新聞の「シンシア報道」は関西のマスコミ報道で最も優秀な活動に贈られる「坂田記念ジャーナリズム賞」を受賞しました。この報道の目指すところは、「やさしさネットワーク」を私たちの暮らしに生かすことです。私たちの「シンシア報道」は今後も徹底して続けていきます。



パネルディスカッション出席者(敬称略)

高柳友子(兼コーディネーター) 日本介助犬アカデミー事務局長
木村佳友・介助犬使用者・コンピュータープログラマー
スーザン・ダンカン 米国の介助犬の専門家で使用者
古西保信・兵庫県県民生活部健康福祉局長



○高柳さん まず、日本の介助犬の歴史を説明します。この5年で介助犬への取り組みが大きく変わりました。日本で介助犬の育成が始まったのは1990〜92年です。私たちは97年、介助犬の正しい認識を広めようとダンカンさんを初めて招きました。翌98年、厚生省が介助犬の実態把握に動き出し、研究者らによる「介助犬の基礎的調査研究班」に助成金を出しました。研究班の目的は、障害者のニーズにあった介助動作や介助犬の医学的有効性などを調べることです。
 一方、マスコミで介助犬が取り上げられるようになり、育成団体が増えました。また、京都府や京都市、宝塚市、兵庫県が独自の取り組みを模索し始めました。スーパーのダイエーなどが介助犬を受け入れ始め、国会議員による「介助犬を推進する議員の会」も発足しました。
 90年当時を思うと、こんな大きな動きが起きるとは予想できませんでした。盲導犬は育成から含めると50年以上の歴史がありますが、今でも道路交通法で触れられているだけです。一方、兵庫県や宝塚市は国に先駆けて今年、介助犬を定義づけ、認定しました。この施策は高く評価されています。
 まず木村さんに、宝塚市、兵庫県の施策で介助犬をめぐる状況がどう変わったか、お話ししていただけますか。

○木村さん 今までは介助犬の育成団体が「自分のところが育成した」という証明書を出しており、それを社会が受け入れるかが問題でした。レストランやホテルは民間団体の証明では受け入れてくれません。鉄道も書類提出や面接、試乗試験などがものすごい負担でした。今回の県や市の認定は公的な自治体の保証ですから、今までより交渉の負担が減りました。この動きが全国に広がればと思っています。

○高柳さん アメリカの現状は。

○ダンカンさん アメリカでは90年にADA法(障害を持つアメリカ人法)が制定され、生活に支障をきたす障害のある人は全員平等に障害者として認知されました。その法に、障害者を個別に補助するために訓練された動物「サービスアニマル」(介助動物)の規定があります。この動物を連れた人は公共施設や職場に入ることが保証されています。
 しかし、政府がどのように介助犬の育成を助成するかという問題は残ります。米国の3州は、育成にかかった費用をどう補償するかを検討しています。州の助成金で介助犬を養成するならば、公的資金ですので、品質保証が問題になります。基準に見合った介助犬を作らねばならないし、利用者が介助犬に問題を感じたら育成団体がバックアップする態勢が必要になってきます。

○高柳さん 日本では、盲導犬は国家公安委員会が指定した団体が育成しており、他団体は育成出来ません。でも、介助犬は法律がないので、いつでも、だれでも、どこでも出来ます。

○ダンカンさん 米国も同じで、だれでも出来るので、トレーニングの質が問われません。介助犬トレーナーになるための教育カリキュラムもだれも作っていませんし、どういう基準で介助犬を訓練すべきかも決まっていません。品質管理が問題になったために、トレーニングの基準やカリキュラムが必要になってきています。日本でも同じことが起こるでしょう。
 トレーナーは犬の扱いは出来るでしょうが、障害者のことをあまり知らない人が多い。この障害にはどう犬を使えば良いか、家族とのライフスタイルはどうかなど、障害者の生活全般の知識がほとんどありません。(米国では)利用者からの苦情は年間3万5000件以上あり、ほとんどがトレーニング方法に関するものです。地域住民や企業からも「商品を壊す行儀の悪い介助犬がいる。トレーナーのしつけが悪い」などの苦情が来ます。

○高柳さん 「介助犬は素晴らしい」という一点張りでなく、現実を知ってほしいと思います。さてそうした中、兵庫県があえて行政として取り組み始めたのはなぜでしょう。

○古西さん 障害者が住み慣れた地域で自立した生活をするには、地域の人々の理解や支え合いが必要です。それには啓発が必要。シンシアの活動で、県民の障害者や障害そのものへの理解が進むと思い、介助犬の施設利用を進めました。日本では制度化されていませんが、知事は「地方自治体がやって国を動かすべきだ」と判断したわけです。
 県が定めた要綱は、介助犬の定義を、肢体不自由者の日常生活の動作を介助するように訓練され、公衆衛生上で安全に管理された犬としました。県の責務は介助犬の知識の普及、県民の理解を進めることです。介助犬の認定と登録は、県が全国で初めて認定基準を作り、(介助犬と認定できる判断能力のある)団体を県が指定、団体が介助犬を認定します。県の認定基準に日本介助犬アカデミーの基準を用い、団体にもアカデミーを指定しました。
 認定基準は、予防接種など犬の健康衛生▽性質や動作などの介助犬の適性▽使用者の責任を示した管理基準の3点です。認定したら利用者が県に申請し、県が登録します。利用者が店などに入るとき、店で聞かれたら県の認定カードを示します。また、介助犬の胴衣に介助犬であるという表示をします。

○高柳さん 県による介助犬の認定や、アカデミーによる資格証明がなぜ必要かを説明します。最近は日本に介助犬が13〜16頭いるといわれ、育成団体も15前後あります。こうした中、ビジネスでやろうとしている人も増えています。しかし、介助犬が一定の質を持って障害者の社会参加に寄与できる保障が必要ですから、きちんとした専門家が訓練し、専門家のいる育成団体が認定した犬が介助犬であるべきだと考えます。こういう考えの背景には、介助犬使用者の声があります。

○木村さん 介助犬は障害者にとって本当に素晴らしい存在ですが、現状では課題もたくさんあり、育成団体もいろいろです。営利目的だったり、育成が不十分なまま障害者に渡し、かえって障害者が苦労することもあります。それでも使用者は介助犬を貸与してもらっている立場で、言いたいことも言えない。そんな声をよく聞きます。こうした使用者からの相談には、日本介助犬アカデミーのような中立団体が必要です。アカデミーには今後も適切な情報提供などを続けてほしい。

○高柳さん ダンカンさんの立場から介助犬の育成体制に望むことを話してください。

○ダンカンさん 強調したいのは、介助犬の使用者の評価に、もっと医学的な面が入らなければいけないということです。私の知人の多発性硬化症の女性は、視覚障害もあるため、トレーナーから盲導犬を与えられ、一緒に暮らしています。しかし、盲導犬は誘導のスピードが速く、ゆっくりとしか歩けないこの女性は転びそうになることもあります。彼女の障害からくるニーズを、トレーナーが全く理解していなかったのです。
 私は介助犬は大好きですが、介助犬はあくまで私のヘルパーです。その役割がなくなれば、他の犬に替えることも考えなければいけないでしょう。医療関係者は、障害者にとってどういう補助が必要で、介助犬がその役割を果たすかどうかについて一緒に考える必要があります。 ○高柳さん 介助犬の今後に期待することなどを。

○木村さん 私はシンシアのおかげで自立と社会参加が進み、介助犬の素晴らしさを実感しています。介助犬がもっと社会に受け入れられてほしいと願っており、使用者の立場から問題解決に取り組みたいです。

○古西さん 介助犬が今後、社会で活躍していく中で、障害者に社会参加をしていこうという意欲、希望を与えるようになってほしい。介助犬の活躍を通して、障害者に対する理解がさらに深まってほしいと思います。

○ダンカンさん 介助犬を使用している人が社会参加する場はどんどん広がっており、介助犬は職場、社会に復帰するためのかけ橋になっています。こうした中、介助犬に関する情報提供がとても大事です。

○高柳さん 会場に来られた皆さんは地域や会社で、介助犬について考える機会を作ってください。今の社会制度、法律がどうなっているのか、どんな課題があるかを考え、自分たちは介助犬をどのように受け入れるべきなのかを考えてほしい。



◇=シンポジウム・アピール=

 「シンシアのまち・宝塚」から発信された人々のやさしさの輪は今、兵庫県全体に広がっています。シンシアは、お年寄りや身体の不自由な人たちを含む多くの人々が共に支え合い、励まし合う街のシンボルです。新しい世紀を前に、介助犬の公的認知をさらに進め、「やさしさネットワーク」を全国に広げ、みんなの参加でもっとこころ豊かに暮らせる社会をつくりあげましょう。

■写真説明 介助犬のシンシア(手前)とリンカーンが“交流する”姿を笑顔で見守る木村佳友さん(右)とスーザン・ダンカンさん

★★ 12月20日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

[デスクです]介助犬をパートナーとする館林千賀子さんが同志社大学へ入学(原)

◆介助犬をパートナーとする館林千賀子さんが来春入学する同志社大学。バリアフリーのキャンパスづくりが進むでしょうし、館林さんを助けるネットワークも地元自治体や学生の間に生まれる勢いです。1人と1頭のペアが周囲を大きく変えることは、兵庫県宝塚市の木村佳友さんとシンシアとで実証済み。やさしさの輪がいくつもできて、それが相互につながる。人の営みのなかで最も大切なことですね。 (原)

◇この欄へのお便りを手紙(〒530―8251、住所不要)、ファクス(06・6346・1736)、メール(o.shakaibu@mbx.mainichi.co.jp)でお寄せ下さい。

★★ 12月20日 毎日新聞・朝刊・大阪版 ★★

リハビリテーションのあり方学ぶ 中央区でフォーラム 講師に木村佳友さん招き/大阪

 福祉現場の専門家らが地域におけるリハビリテーションのあり方について学ぶフォーラムが19日、中央区の府立文化情報センターで開かれた。講師として、兵庫県宝塚市に住むコンピュータープログラマー、木村佳友さん(40)と介助犬シンシアが招かれ、障害者が地域で自立した生活を送るために、介助犬への理解を深めることの重要性を訴えた。 【磯崎由美】

 障害者、高齢者の社会参加を促進できるように、府が継続的な福祉サービスを提供する「地域リハビリテーション推進事業」の一環。看護婦やケースワーカー約120人が参加した。
 交通事故で車いす生活となった木村さんは「駅や道路の段差などが障害となり、自宅にこもりがちになった。だが、シンシアを飼ったことで生活が変わった。一人で自宅にいて車いすから転倒した時には、近所の人に助けを求められるよう、電話機を持ってきてくれる。僕にとっては最高のヘルパー」と、日常生活を紹介し、バリアフリーを進めることの大切さを訴えた。最後に、木村さんが命じたものをシンシアが取り、木村さんに届けるデモンストレーションが披露された。
 参加した東住吉区の保健婦(41)は「シンシアは木村さんの日常とともに、心の支えにもなっている。これからのリハビリテーションや街づくりには、動物のぬくもりや癒しの力を取り入れていくことが大切だと考えさせられた」と話していた。

★★ 12月20日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

「シンシア基金」に100万円を寄託 西区の早瀬佐千子さん/神戸

 「シンシアへのクリスマスプレゼントに」と神戸市西区樫野台5、無職、早瀬佐千子さん(80)が19日、介助犬の育成・研究のための毎日新聞大阪社会事業団「シンシア基金」に100万円を寄せた。
 早瀬さんは毎日新聞の連載やテレビなどで介助犬を知り、そのやさしさや賢さに感動。阪神大震災で同市東灘区の自宅が全壊し、西区に移り住んでからボランティア活動を始め、介助犬にも何か支援をしたいと考えて寄付を決めたという。早瀬さんは「介助犬を指導する方は大変だと思います。育成も費用がかかるそうですが、多くの介助犬が活躍できるように願っています」と話した。 【辻加奈子】

★★ 12月21日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

京田辺市職員 介助犬の先進地”宝塚”見学 啓発活動の進め方学ぶ/阪神

 「介助犬シンシアのまち」を宣言し、介助犬の啓発活動を続けている宝塚市に20日、京都府京田辺市の職員が訪れ、宝塚市の啓発活動の進め方を調べた。京田辺市は来春から、介助犬アトムと暮らす館林千賀子さん=岐阜県川島町=が同志社大京田辺校地に通うことから介助犬の受け入れ施策を検討している。
 同市社会福祉課の小林政男課長らが訪問。宝塚市障害福祉課の土井伊佐夫課長が、市の各部局幹部で構成したプロジェクトチームを編成し、介助犬の普及啓発に寄与できる事業、施策を検討したことや介助犬シンポジウムを開催したことを説明。介助犬を独自に定義し、同市の車いすのコンピュータープログラマー、木村佳友さんを支えるシンシアを認定。まちぐるみで支えるため、商店連合会や商工会議所などにも啓発活動に参加してもらったことなどを紹介した。
 小林課長は「法的に認められていない介助犬を支えるために、基準をきちんと設けることの必要性や市として全庁的な対応を取ることが重要だと分った」と話した。【田畑知之】

■写真説明 宝塚市の職員(右)から介助犬支援施策の説明を聞く京田辺市職員ら



新聞記事の目次へ