★★ 6月2日 西日本新聞・朝刊 ★★
【春秋】兵庫県宝塚市に住む木村佳友さん(40)は、十三年前、…
兵庫県宝塚市に住む木村佳友さん(40)は、十三年前、オートバイ事故で手足が不自由になった。死のうと思ったこともあるという▼「シンシア」と出会わなかったら、悲しい人生のままだったかもしれない。いつもそばにいてくれる。電話が鳴ると、さっと受話器を取る。冷蔵庫から飲み物も運ぶ。靴下を脱がせることだってできる▼シンシアは七歳。雌の介助犬。ラブラドルレトリバー種。最初はペットとして飼った。介助犬を育てる人たちがいることを知って、五年前に半年間預けた。車いす生活の木村さんは、奥さんが外で働いている間も、自宅でコンピューターの仕事ができるようになった▼木村さんはシンシアと冒険もした。どんどん外に出かけるのだ。店での買い物を断られたり、電車に乗るのを拒まれたり、いろいろと経験した。盲導犬は法律で認知されているけれど、介助犬はペット扱いされることが多い▼チャレンジは続けた。「シンシアは生きがいをくれた。一人でも多くの障害者が、介助犬と生活できる社会になってほしい」。思いは通じ始めた。宝塚市が作った「介助犬同伴OKステッカー」を付ける所が増加中▼先日、NHKテレビの「週間こどもニュース」が紹介していた。介助犬は全国で十五匹しかいないという。うれしいニュースを一つ。来春から使われる中学一年の英語の教科書の一部に、木村さんとシンシアのことが登場するそうだ。
|
★★ 6月8日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
「介助犬法案」9月にも提出 今国会見送り、来年10月の施行目指す−−推進議員の会
超党派の国会議員でつくる「介助犬を推進する議員の会」(会長・田中真紀子外相、108人)は7日、議員立法「介助犬法案」を参院選後の臨時国会(今年9月の見通し)に提出、来年10月の施行を目指すことを決めた。全党一致で提出し、可決・成立する見通し。介助犬と暮らす障害者が待ち望んだ法制化がようやく実現する。
議員の会は今年3月に法案づくりの実務を担当するワーキングチームを設置。先月まとめた骨子案では、国などの指定法人が認定した介助犬、盲導犬、聴導犬を「身体障害者補助犬」と位置付け、施設への同伴など社会参加の保障を盛り込んだ。今国会(今月29日まで)での提出を目指していたが、衆院厚生労働委員会の審議日程が過密になっていることなどから、次期国会で提案を決めた。
また、ワーキングチームは、介助犬などを育成する団体の都道府県への届け出義務を骨子案に追加。知事が育成団体の運営について著しく不当と認めた場合は、改善勧告・命令を出せるとし、違反した場合の罰金規定も設けることにした。今月末には最終的な法案をまとめる。
兵庫県宝塚市に住む車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(41)と介助犬シンシアの活動が今回の議員立法のきっかけとなった。ワーキングチーム代表の中川智子衆院議員は「法案提出前に、小泉純一郎首相がシンシアに会う機会をつくりたい」と話している。 【山本真也】
|
★★ 6月8日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★
介助犬法案、9月の臨時国会に提出 来年10月施行へ−−超党派議員の会
超党派の国会議員でつくる「介助犬を推進する議員の会」(会長・田中真紀子外相、108人)は7日、議員立法「介助犬法案」を参院選後の臨時国会(今年9月の見通し)に提出、来年10月の施行を目指すことを決めた。全党一致で提出し、可決・成立する見通し。介助犬と暮らす障害者が待ち望んだ法制化がようやく実現する。
議員の会は今年3月に法案づくりの実務を担当するワーキングチームを設置。先月まとめた骨子案では、国などの指定法人が認定した介助犬、盲導犬、聴導犬を「身体障害者補助犬」と位置付けた。
|
★★ 6月11日 共同通信・配信 ★★
「特集」遅れる介助犬の法整備 「認定制度で質確保を」 独自支援の自治体も
体の不自由な人を助ける介助犬や聴導犬を盲導犬とともに「身体障害者補助犬」と位置付け、その育成・普及を促進する議員立法のスケジュールが遅れている。
「聴導犬は私の耳。『今日は耳を使わないから、外して家に置いていこう』と言う人はいないのと同じ」
五月中旬、衆院第二議員会館で開かれた超党派の「介助犬を推進する議員の会」総会。しば犬を連れた東京都在住の女性(31)は法制化に期待を込めて訴えた。
しかし、議員の会が目指す法案の今国会提出は困難な情勢。田中真紀子会長が外相に就任したのに加え、関係省庁との調整に手間取っているためだ。
介助犬と聴導犬は現在、国内にそれぞれ十匹前後とされる。車いす生活の人のために、落ちた物を拾ったりペットボトルのふたを開けたり、文字通り手足となるのが介助犬。聴導犬は室内でインターホンが鳴ると、耳の不自由な人に飛び付いて来訪者を知らせる。外では自転車のベル音を聞いて危険を伝える。
目の不自由な人が外出する際の同伴が道交法で定められている盲導犬に対し、介助犬と聴導犬には法的な位置付けがなく、受け入れ態勢も未整備。
大手私鉄十六社が加盟する日本民営鉄道協会は「盲導犬は全社同伴できるが聴導犬、介助犬は法的な規定がなく、原則的には禁止している」と説明する。
関西では、JRや近鉄など一部私鉄が介助犬の同乗を認めたが、前提となる同乗試験は個々に行われ、運賃も自己負担。ある介助犬使用者は「肉体的、精神的、経済的に負担が大きい」と話す。
宿泊施設の壁も厚い。「盲導犬は百パーセント受け入れている」という日本ホテル協会は「聴導犬と介助犬は基準が何もない。他の利用客に対するマナーやルールなど訓練を受けているか、こちらは知りようがない」と受け入れに及び腰だ。
法制化が遅れる中で、独自に介助犬や聴導犬を支援する地方自治体が出てきた。兵庫県は昨年九月、独自に介助犬の定義・基準を作成。介助犬と認定した犬に登録カードを発行し、「介助犬同伴可」のステッカーを飲食店などに張ってもらうなど、利用しやすい環境づくりを進めている。
長野県は四月から、地元の聴導犬育成団体に対し、年間三匹を上限に一匹三十万円の育成委託費用を給付している。
介助犬の資格証明試験を実施している日本介助犬アカデミー(東京都三鷹市)の木村佳友理事は「介助犬の統一基準がないために質のばらつきが生じ、トラブルも起きている」と指摘。「法的な認定制度を早急に設けるのと同時に、育成側の社会的責任を明確にするなど、使用者が円滑に社会参加できる法律が必要だ」と話している。
|
★★ 6月11日 共同通信・配信 ★★
「インタビュー」中川智子社民党衆院議員(介助犬を推進する議員の会事務局長) 法制化で補助犬に市民権 育成と認定機関を別に
|
★★ 6月14日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
[社告]軟式野球オールスターゲーム 介助犬の普及などPR 大阪ドームで /阪神
介助犬の普及や動物愛護をPRする大阪軟式野球協会の「オールスターゲーム2001」(毎日新聞大阪社会事業団など後援)が17日午後6時から、大阪市西区の大阪ドームで開かれる。収益金の一部は介助犬普及のために設けられた同事業団「シンシア基金」に贈られる。
大阪ドームでの同ゲームは一昨年に続き2回目。前回もシンシア基金に寄付された。大阪の軟式野球リーグ、スカイリーグとオーシャンリーグの選抜メンバーが対戦する。試合終了後、動物福祉団体elf代表で女優の田中美奈子さんらが参加したトークフェスティバルを開催。捨てられた犬や猫の里親運動などについて話す。また収容施設にいる動物たちを写した「動物たちの叫び」写真展もある。
入場料900円。問い合わせは大阪軟式野球協会事務局(06・6572・2454)。 【山本真也】
|
★★ 6月16日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
介助犬シンシア特集 木村佳友さんをサポート 「介助犬法案」へ実る
兵庫県宝塚市に住む車椅子の障害者、木村佳友さん(41)とその介助犬シンシアの周囲は、笑顔と温かいまなざしがあふれている。介助犬となったシンシアと暮らし始めた5年前。外出すればぶつかる多くの壁。そんな時に支えてくれたのが、地域や職場、友人にできた支援の輪だった。そして3年以上にわたる毎日新聞のキャンペーンなどを通じ、“やさしさのネットワーク”は自治体や国会議員にも広がった。「介助犬法案」がいよいよ9月予定の臨時国会に提出される。「みなさんにもらったやさしさをお返ししたい」。木村さんはシンシアと一緒に介助犬認知の活動に全力疾走を続けている。 【山本真也、佐々木雅彦】
◇「恩人」の 故星見享さん−−社会的認知の種をまく
今月8日、シンシアの「恩人」が3回目の命日を迎えた。58歳で病死した元大阪ガス部長、星見享さん=大阪府豊中市。シンシアが介助犬としてデビューした5年前。「介助犬って何?」と言われた時期に、啓発ビデオを制作したり、講演会を開催したりと、社会的認知の“種”をまいた一人だった。
会社で企業ボランティアの草分けといわれる「小さな灯運動」に20年近く参加。96年春、所属する異業種交流サークルの活動で、木村さんと知り合い、公私にわたる支援を始めた。
「とにかく多くの人に介助犬を見てもらいましょう」。休日に木村さんを誘って、サークルの仲間といろいろな所に出かけた。観光地の寺院、ホテルのレストラン、コンサート……。薪能の会場では、主催者から「犬はとにかくだめ」と断られ、全員が途中で引き返したこともあった。そんな時、「これからもいろんな嫌なことがあると思います。でも一緒に頑張っていきましょう」と励ました。
シンシアは「えさが欲しい」とか「怒られるから」ではなく、ただ木村さんの喜ぶ顔が見たくて仕事をしている。その姿が星見さんらの心をとらえたのだ。
96年10月、大阪市内で、講演会「グッドガール! シンシア」を企画した。タイトルは、モノを拾った時などに木村さんがシンシアに掛ける褒め言葉からとった。新婚間もない27歳でオートバイ事故に遭い、障害者となったこと、いたずらっ子のシンシアに手を焼いたこと、そして介助犬となったシンシアが身体の一部になったこと……。木村さんの話と傍らで静かに寄り添うシンシアの姿が、約350人の参加者の心を打った。
星見さんの死から3年。介助犬の認知は当時と比較にならないほど高まった。法制化も目前に迫り、まいた種は大きな花を咲かそうとしている。妻の夫美さん(59)は「主人は裏方に徹し、汗を流す人でした。生きていたらどんなに喜んでいたでしょう」と話している。
◇中学3年生4人
車椅子の木村さんに代わって、シンシアを近所の公園で走り回らせる「お散歩ボランティア」。97年に地元の宝塚市立中山五月台中学校の生徒が始めた。現在は3代目にあたる、中山名奈子さん、渡辺彩さん、日野かおりさん、塚本真菜さんの4人が務める。みんな犬好きの3年生だ。
シンシアはもともと外を飛び回るのが大好き。介助犬の訓練としても続ける必要があった。4年前に、男子生徒3人が自発的に散歩の手伝いを買って出た。2代目が中山さんと渡辺さんの姉たち4人。受験勉強で忙しくなるころに、後輩たちへ“たすき”をつないできた。
中山さんたちは週1回、吹奏楽部の練習を終えた後、公園で待ち合わせる。シンシアがボールをくわえて矢のように戻ってくる「ボール投げ」や、常に人の左側を歩かせる訓練などに約1時間をかける。木村さんの車の乗り降りも手伝う。4人とも「好きなことをやってボランティアになるならうれしいし、知らなかったことをやれて楽しい。何よりも、学校でしんどかった時でもシンシアが元気にしてくれる」と口をそろえる。
◇「介助犬同伴OK」の店を広げる
車椅子や介助犬、盲導犬同伴で利用できる宝塚市内の飲食店をまとめた冊子「おいしさ やさしさ 宝塚」を昨春、出版した「まちづくり市民グループあゆみ」代表の中村文子さん(57)。拒否する店の説得を続ける中で「障害者の目線が分かるようになった」と話す。
福祉ボランティアの仲間7人と、宝塚市内の昼間営業の飲食店672軒に実際に足を運んで調べた。介助犬の同伴を拒否する店と粘り強く話し合い、251店が受け入れを表明した。市や商店団体の呼びかけも促した。町中の店に「介助犬同伴可」のステッカーが張られるきっかけになった。中村さんは「シンシアのおかげで、車椅子が通りにくい歩道の段差、荷物置き場がない障害者用トイレの不便さなどに自然と目が向くようになった」と言い、介護や障害者関係など約10のボランティア活動に飛び回っている。
◇会社の同僚−−木村さんの講演活動支援
木村さんの休日は、講演会のスケジュールでいっぱいになっている。木村さんが勤務する三菱電機北伊丹事業所(兵庫県伊丹市)の同僚、勇崎恭子さん(40)は、ボランティアとして忙しい講演活動を支えている一人だ。
不案内な場所で車椅子を押したり、手の不自由な木村さんに代わってマイクを持ったり。「手伝っているという気は全くないんです。木村さんの人柄とシンちゃん(シンシア)の可愛さに魅せられて、ただ楽しいからやっているだけなんです」と言う。
会社は4年前にシンシアの同伴を認めた。木村さんは在宅勤務だが、月1、2回、打ち合わせのためにシンシアを連れて出社する。建物の入り口にスロープができたり、介助犬育成の社員募金が始まったりと、社内でも障害者や介助犬への理解が進んだ。中学2年と小学6年の2人の娘がいる勇崎さんは「木村さんたちを見ていると、子育ての参考になるんですよ」と話す。木村さんは、体罰は一切使わず、ひたすら褒める。講演会でビデオを上映している間、シンシアの頭をそっとなでている。「いつも愛情を示すことを忘れない、その姿が大好きなんです」
|
★★ 6月16日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
[デスクです]大阪・学校乱入殺傷事件(藤)
◆大阪教育大付属池田小の事件について、介助犬シンシアと暮らす兵庫県宝塚市の木村佳友さんからもメールが届きました。事件から1週間。信じられないような動機や事実が明らかになり、それだけに「亡くなった児童のご家族の方の悲しみは、想像できないほどにつらいものでしょう」。
◆障害を持つ人の社会参加への道が広がる介助犬法案がまとまり、9月の臨時国会にも成立の見込みです。「やさしい街に」を願う本紙のキャンペーンの成果ですが、この事件はそんな願いまでを踏みにじってしまいました。「とても悲しい」とお書きの木村さん。私たちも同じ思いです。 (藤)
|
★★ 6月20日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
[社告]第77回高野山夏季大学 8月3日から メーンテーマ「新しいあゆみ」
「新しいあゆみ」をメーンテーマに第77回高野山夏季大学を開催します。
【会期】8月3日(金)〜5日(日)
【会場】高野山大師教会本部大講堂(和歌山県高野町)
【講師(敬称略)と日程】
◇第1日 開講式(15時20分)▽「多文化の時代と日本文化の可能性」国立民族学博物館名誉教授・佐々木高明▽「龍馬が手紙で伝えたかったこと」霊山歴史館学芸課長・木村幸比古
◇第2日 お授戒▽「名監督は聞き上手」元NHK解説委員・西田善夫▽「これからのアジアと日本」元首相・村山富市▽山内見学(奥の院)、写経会▽「宝塚・私が歩んだ40年」元宝塚歌劇団員・岸香織▽「介助犬と生きて・シンシアがくれた希望」コンピュータープログラマー・木村佳友
◇第3日 「言葉と生命」高野山真言宗宗務総長・土生川正道▽「蕪村曼陀羅」京都府立大文学部教授・藤田真一▽写経奉納式、閉講式、修了証書授与(正午ごろ終了)
【聴講料】1万3000円【定員】先着700人【宿泊】希望者には宿坊をあっせん。2泊5食付きで1万6000円(申込書参照)
【申し込み方法】所定の申込書を送りますので、80円切手を張り、あて名を明記した返信用封筒を封書で送ってください。申込用紙2枚以上の場合は90円切手が必要▽送付先=〒530―8251 毎日新聞大阪本社総合事業局、高野山夏季大学係(06・6346・8377)
◇主催 毎日新聞社 ◇総本山金剛峯寺
|
★★ 6月26日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★
「介助犬法」の最終案を承認 9月に臨時国会へ提出−−介助犬を推進する議員の会
介助犬や聴導犬の法制化を目指す議員立法「介助犬法」の最終案がまとまり、26日、東京で開かれた「介助犬を推進する議員の会」(会長・田中真紀子外相、108人)総会で承認された。9月に予定される臨時国会に提出する。
また提出前に、介助犬シンシアと暮らす車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(41)=兵庫県宝塚市=らが、小泉純一郎首相に面会する場を設けることで意見がまとまった。
法案は、新法「良質な身体障害者補助犬の育成及びその利用の円滑化に関する法律」と障害者基本法、社会福祉法、身体障害者福祉法の一部改正から成る。新法は来年10月から施行。介助犬、盲導犬、聴導犬のうち国などの指定法人が認定した犬を「身体障害者補助犬」とし、公共施設や交通機関への同伴を保障する。
|
★★ 6月26日 毎日新聞・東京本紙・夕刊 ★★
「介助犬法」最終案を承認−−議員の会
介助犬や聴導犬の法制化を目指す議員立法「介助犬法」の最終案がまとまり、26日、東京で開かれた「介助犬を推進する議員の会」(会長・田中真紀子外相、108人)総会で承認された。9月に予定される臨時国会に提出する。
また臨時国会への提出前に介助犬シンシアと暮らす車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(41)=兵庫県宝塚市=や、盲導犬、聴導犬使用者が小泉純一郎首相に面会する場を設けることで意見がまとまった。
|
★★ 6月26日 共同通信・配信 ★★
介助犬育成法案を提出へ 超党派で秋の臨時国会に
|