★★ 10月4日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★
職員の介助犬同伴勤務、一転「OK」 自治体で初−−千葉市
千葉市は3日、車椅子で生活する千葉市職員、山口亜紀彦さん(29)に、介助犬同伴での勤務を認める方針を決め、山口さんに通知した。同市によると、介助犬同伴勤務を認めるのは全国の自治体で初めて。2年間の山口さんの要望が実った。
山口さんは23歳の時に交通事故で下半身がまひ。現在は同市花見川区役所市民課に勤務している。98年10月、介助犬育成団体に登録、翌年10月にパートナー候補の犬が見つかり、市に同伴勤務を申請した。しかし、市は「必要性が理解できない」と認めず、犬は別の待機者に回った。
今年6月、「オリーブ」(ラブラドールレトリバー、雌・1歳9カ月)という候補犬が見つかり、同伴勤務を再度申請。市はこの時も「役所は不特定多数の人が訪れ、犬が苦手な人もいる」などと難色を示したが、9月下旬に毎日新聞がこれを報道した後、方針を一転。3日、山口さんに「申し出を認めることを前提に、訓練実施を許可する」と回答した。
記者会見した竹内茂雄総務部長は「介助犬は盲導犬と異なり法的な位置づけがされていないが、立法化の準備が進められている。訓練で犬の適格性などを見て正式導入に移行していく」と説明。今月10日から1カ月間訓練者が付き添い、問題がなければ同伴勤務を認めるという。
念願がかなった山口さんは「まだ実感がわかないが、うれしい」と話した。【友田綱樹】
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★★ 10月4日 朝日新聞・朝刊・千葉版 ★★
全国初、介助犬と区役所勤務 千葉市、同伴認める /千葉
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★★ 10月4日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
住友生命がチャリティーコンサート 木村佳友さんが聴衆に介助犬の役割説明/阪神
アシスタントドッグ(介助犬、盲導犬、聴導犬)育成支援活動をしている住友生命(本社・大阪市中央区)は3日夜、同区のいずみホールで、ロシア出身の国際的女性バイオリニスト、アナスタシアさんを招いてチャリティーコンサートを開いた。介助犬シンシアと暮らす車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(41)=宝塚市=も参加。約700人の聴衆に、実演を交えて介助犬の役割を説明した。
コンサートに先立ち、ステージに立った木村さんは「障害者は全国に約300万人といわれるが、サポートする犬の総数は1000頭にも満たない。一頭でも多く行き渡るようにご支援をお願いします」と訴えた。シンシアはジュース缶や鍵などを探して取って来る介助を実演し、大きな拍手を受けた。
94年のチャイコフスキー国際コンクールで最高位を獲得したこともあるアナスタシアさんが、カルメン幻想曲(サラサーテ)などを熱演。澄んだ音色が響き渡るなか、シンシアは木村さんの足元で、おとなしく伏せていた。
住友生命は今夏から、創立75周年の社会貢献事業の一つとして、支援活動を開始。5年間かけて、アシスタントドッグの育成やそのトレーナーの養成をサポートする計画を立てている。会場には、支援活動の募金箱を設置。アシスタントドッグのパネルも展示した。 【山本真也】
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★★ 10月6日 毎日新聞・朝刊・千葉版 ★★
介助犬、花見川区役所に“初登庁”−−同伴勤務許可の千葉市職員と/千葉
車椅子で生活する千葉市職員、山口亜紀彦さん(29)が全国の自治体で初めて介助犬の同伴勤務を認められたのを受け、山口さんを介助する候補犬「オリーブ」(ラブラドールレトリバー、雌・1歳9カ月)が5日、山口さんの勤める花見川区役所に“初登庁”した。
オリーブは10日から毎週末、山口さんの自宅で訓練を積み、11月下旬には役所に同伴勤務できる見通し。この日は秋元孝雄区長ら山口さんの上司と、介助犬協会に所属するトレーナーが、職場での犬の扱い方や留意点について打ち合わせをした。
初めて勤務先でオリーブに接した山口さんは、「まだ一緒に生活したことはなく不安もあるが、おとなしい犬。全国に先駆けて許可してくれたことを市の職員として誇りに思い、より一層仕事に励みたい」と話していた。【友田綱樹】
■写真説明 初登庁したオリーブと山口さん(後方はトレーナー)=千葉市花見川区役所で5日午後2時半ごろ
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★★ 10月6日 読売新聞・東京本紙・朝刊 ★★
同伴勤務よろしく 千葉・花見川区役所職員の山口さん、介助犬と対面=千葉
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★★ 10月7日 毎日新聞・朝刊・兵庫版 ★★
「井植文化賞」表彰式 木村佳友さん、西垣敬子さんが受賞/神戸
県内で活躍する人や団体に贈られる「井植文化賞」表彰式が6日、神戸市内であり、社会福祉部門で介助犬シンシアと生活する車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(41)、国際交流部門で宝塚・アフガニスタン友好協会代表の西垣敬子さん(66)=いずれも宝塚市=がそれぞれ受賞した。
木村さんは「介助犬の存在を知らしめ、福祉全体への理解を深めた」と評価された。
西垣さんは毎年、タリバンに就学を禁じられた少女たちの「隠れ学校」運営費用や学用品を直接手渡している。
同賞は今年で25回目。他の受賞者は次の通り。文化芸術部門でジャズミュージシャンの小曽根實さん▽科学技術部門で神戸大農学部の大塚紘雄教授▽報道出版部門で季刊誌「Bancul」▽特別賞を神戸都市問題研究所の新野幸次郎理事長。【小林祥晃】
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★★ 10月8日 毎日新聞・朝刊・大阪版 ★★
バリアフリーの「こもだ」藤井寺が内覧会 介助犬シンシアも招待 */大阪
全国的にも珍しいバリアフリーの料亭「こもだ」(藤井寺市御舟町)が8日のオープンを前に、市内の高齢者や障害者を招いて内覧会を7日、開いた。介助犬シンシアと暮らす車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(41)=宝塚市=も招待され、「障害者が飲食店に入るのは苦になることが多いですが、こうした店ができてうれしく思います」と話した。 【松井宏員】
同店は、以前から料亭を経営していた菰田定祐社長(59)が「高齢者や障害を持つ人が楽して来てもらえる店を」と新築した。3階まである店内は段差がなく、宴会場は座敷に座れない障害者や高齢者も一緒に楽しめるよう、テーブル席も設けた。トイレは手すり付きで、車椅子用トイレの扉はスライド式折りたたみで使いやすくなっている。また、車椅子のために廊下も広く取っている。介助犬や盲導犬も同伴可。
この日は藤井寺市老人クラブ連合会の約80人と市身体障害者福祉協議会の約30人が食事を楽しんだ。木村さんは同協議会のメンバーの前で、介助犬を取り巻く現状を説明。シンシアが缶ジュースを取るなどの介助の実演を披露した。木村さんは「単に段差がないだけでなく、テーブルの高さが車椅子に合わせて調節できるなど、よく考えられている」と話していた。同店は0729・55・4948。
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★★ 10月10日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
企画特集「アシスタントドッグ」 座談会 障害者の社会参加へ 犬も成員
障害者のパートナーとして、その生活を支える「アシスタントドッグ」(介助犬、盲導犬、聴導犬)。住友生命は今夏、社会貢献事業の一環として、アシスタントドッグ育成の支援活動を始めた。障害者が待ち望んでいる「介助犬法案」の国会提出が迫る中、法制化後の支援活動にはどのような課題があるのか。横山進一・住友生命社長と林良博・東京大学農学部長(獣医学)、介助犬認知のキャンペーンに取り組んでいる藤原健・毎日新聞大阪本社社会部長が話し合った。アシスタントドッグは絶対数が不足しており、住友生命の支援に障害者から大きな期待が集まる。横山社長は「行政や他の企業とも連携し、障害者の自立のため、継続的な支援をしていきたい」と語った。
藤原社会部長 「介助犬法案」が開会中の臨時国会に提出されます。そういう絶妙のタイミングで住友生命がアシスタントドッグ支援活動に乗り出すということに意義を感じます。社長が発案されたそうですね。
横山社長 生命保険会社の活動は「人のいのちを預かる」がテーマです。今年は創立75周年にあたり、社会貢献事業をしたいと考えました。50周年の時は救急車を寄贈しているんです。わが社は、99年度から他社に先駆けて介護保険商品(らぶシリーズ)を開発し、約175万件のヒット商品になったという経緯もあり、「社会貢献と介護」というキーワードで、日本で一番遅れている分野をやろうと考えました。その一つがアシスタントドッグでした。
林農学部長 私も大変よいタイミングだと思っています。なぜなら、今、「犬の社会化」と「障害者の社会進出」という二つの動きが、ちょうど重なった時期だからです。昔は番犬でよかったのですが、日本ではすでに1000万もの世帯で犬を飼っています。もう欧米並みに社会の一員として位置づけられるべきです。そのためには同伴できる交通機関、ホテル、公共施設を増やさなければなりません。一方で、障害者の社会参加は、恩恵として与えられるのではなく、権利として認められ、それを社会がサポートしていく義務があるというのが、世界の流れとなりつつあります。
藤原 最初は「犬が可愛い」で関心を持っていいと思うんですが、これはバリアフリーの問題です。同伴を拒む場合に、「犬が嫌いな人がいるから」という説明がよく使われます。でも肢体不自由の障害者にとって介助犬は「犬」ではなく「車椅子」と同じなんです。
横山社長 そうですね。アシスタントドッグは人間と一体、切り離せない存在です。その意味で、同伴して社会にアクセスすることを法律できちんと保障するというのは意義あることです。昔は障害者や要介護者は家庭の中で保護するという考え方が主流だったのですが、社会参加や外出することで状態がよくなるということがだんだんと分かってきました。私たちもそうした自立を支援したいと考えています。障害があっても犬は差別しない
林学部長 6年前に「ヒトと動物の関係学会」という市民参加型の学会を作りました。そこでも話し合ってきたんですが、犬は障害者と非常に相性がよいのです。犬は、障害があるからといって絶対に差別しない。周りの人も犬がいるとすごく話しかけやすいんです。
藤原 もうすぐ介助犬や聴導犬は法制化されますが、それはすべての前提だと考えています。良質な犬の育成、トレーナーの人材育成のシステム作りはまだまだこれからです。また、それは使用する障害者の立場に立ったものでなければなりません。
横山社長 その通りですね。ドッグイヤーといわれますが、犬の寿命は短い。アシスタントドッグの育成も継続的にやっていかなければならないと思っています。
林学部長 トレーナーの育成は大切だと思います。対象が視覚障害に限られる盲導犬はレディーメードでいいですが、介助犬の場合は障害が多岐にわたり、進行性の病気もあるため、より高いレベルの育成技術が求められます。
藤原 私たちは約3年半前に兵庫県宝塚市で、介助犬シンシアと暮らしている車椅子の障害者、木村佳友さんに出会い、ホテルも乗り物も当たり前に利用できない現実に驚き、キャンペーンを始めました。同時に介助犬普及支援のための「シンシア基金」を設けました。基金はわずか半年で1000万円を超えましたが、募金の中心になったのは阪神大震災の被災地に住む人たちでした。
林学部長 阪神大震災から介助犬認知の運動が広がった理由がわかる気がします。震災では1万匹の犬と猫が被災し、避難生活でペットを手放した人が多くいました。ところが翌年には、ペットと暮らす人が前年を上回ってしまったそうです。「モノ」が一瞬にして崩れ去るのを目の当たりにした時、人は「心」に行くんだなと感じました。人はなぜ犬に癒(いや)されるのか。触れた時の温かさ、毛触り……いろいろあるんでしょうが、それは「名画がなぜ人を魅了するのか」と同じように、人のDNAに刻み込まれたものだと思います。
横山社長 今回の支援活動の一環として社内募金を呼びかけたのですが、1カ月余りで全国の役職員から1300万円も集まり、予想外の反応に驚いています。それだけ障害者支援やアシスタントドッグに社内の共感が高いんですね。
藤原 宝塚市が「シンシアのまち」を宣言して介助犬を認知し、法制化につながっていった今回のキャンペーンに対し、ある学者から「市民と行政の接着剤になった」との評価をいただきました。何かを実現するには、行政に対して問題点は指摘しつつも、連携していくことは非常に大事だと分かりました。私たちは宝塚市と介助犬のシンポジウムを開催したり、トレーナー教育の場作りを進めていきたいと考えています。そうした中に住友生命さんも入って、よい形の「やさしさのネットワーク」がつながったらうれしいのです。
横山社長 具体的な支援については、林先生をはじめとする普及委員会のご意見を参考にさせていただくわけですが、既にこの分野を手がけている宝塚市やNPO、他の企業と連携するのは大事だと考えています。よいことに関しては企業の壁を超えてやる。これこそ21世紀型の連携だと思います。
(山本真也がまとめました)
◇育成費用の負担も重く
【アシスタントドッグの現状】日本では肢体不自由な障害者の手足となる介助犬、視覚障害者を歩行誘導する盲導犬、聴覚障害者に音源を知らせる聴導犬がいる。18歳以上の肢体不自由者は約165万人、視覚障害者は約30万人、聴覚障害者は約35万人いるが、介助犬は19頭、盲導犬は875頭、聴導犬は十数頭しか実働していないのが現状だ。
普及が進まない理由として、犬を持つことで、マンションに住めない。乗り物に乗れないといった制約を受ける▽自家繁殖で、遺伝病(股関節(こかんせつ)形成不全など)の問題が出ており、適性を持った犬を大量に繁殖・入手できない▽福祉やリハビリ医療などの幅広い知識を持ったトレーナーが不足している▽1頭の育成に100万〜300万円の費用がかかるが、寄付に頼っている育成団体が大半で、育成費を障害者が負担しなければならないケースがある――などの点が挙げられる。
◇「身体障害者補助犬」と総称
【介助犬法案】超党派の国会議員108人が参加した「介助犬を推進する議員の会」(会長・田中真紀子外相)がまとめた議員立法。新法の「良質な身体障害者補助犬の育成及びその利用の円滑化に関する法律」と「障害者基本法」「社会福祉法」「身体障害者福祉法」の3法の改正案から成る。新法は介助犬、盲導犬、聴導犬を「身体障害者補助犬」と総称。使用者、育成者の責任を明確にし、交通機関や公共施設、公営住宅が受け入れ拒否することを禁じている。法的に認知されていなかった介助犬、聴導犬については認定制度も規定した。既存法の改正で、育成団体が税制上有利な社会福祉法人になったり、都道府県が犬を無償貸与する道も開く。欧米でも例のない法案で、新法は来年10月の施行を予定している。
◇住友生命が育成支援活動−−有識者7人で普及委員会を設置
【住友生命のアシスタントドッグ育成支援活動】今年から5年間にわたって、トレーナー養成▽海外から優秀な繁殖犬の導入▽育成団体の支援▽研究助成▽啓蒙(けいもう)活動▽行政との協力――を骨子に従来にはない、大規模な支援システムをつくる。
支援についての助言を受けるため、今年7月には獣医学、福祉、法律などの分野の有識者ら7人で同育成普及委員会を設置した。現在、アシスタントドッグの役割を紹介した啓発ビデオ(15分間)を製作中で、全国の図書館や教育委員会などに配布する予定。支援活動を紹介したホームページ(http://www.assistant‐dog.com)も開設している。
◇アシスタントドッグのあゆみ◇
1957年 国産盲導犬第1号が誕生。
70年代 介助犬の育成がアメリカで始まる。
78年 道路交通法の改正で、盲導犬が盛り込まれる。
92年 アメリカから介助犬を初導入。国内でも少しずつ育成が始まる。
96年7月 シンシアが介助犬となる。
98年4月 毎日新聞がキャンペーン開始。
「介助犬の基礎的調査研究班」に厚生科学研究費の助成決定。
12月 兵庫県宝塚市がハーネス(介助犬の胴輪)補助を表明。
99年2月 シンシアを同伴しての国会傍聴が認められる。
5月 宝塚市が「シンシアのまち」を宣言。
7月 介助犬を推進する議員の会結成。
ダイエーグループが介助犬の受け入れ開始。
2000年4月 介助犬ステッカーの掲示運動始まる。
6月 厚生省(現厚生労働省)の検討会発足。
9月 兵庫県が介助犬認定制度をスタートさせる。
1万4000店が加盟する「兵庫県環境衛生同業組合連絡協議会」が受け入れを表明。
01年3月 議員の会ワーキングチームが法案作りを開始。
5月 介助犬、盲導犬、聴導犬の法案骨子固まる。
7月 住友生命のアシスタントドッグ育成普及委発足。
◇横山進一・住友生命社長 よこやま・しんいち 59歳。住友生命副社長時代にアシスタントドッグ育成支援活動を提唱。今年7月に社長に就任。
◇林良博・東京大学農学部長 はやし・よしひろ 55歳。99年4月に東京大学農学部長に就任。ヒトと動物の関係学会会長。アシスタントドッグ育成普及委員会の代表幹事を務める。
■写真説明 アシスタントドッグ育成の意義などについて語り合う(左から)林良博・東京大学農学部長、横山進一・住友生命社長、藤原健・毎日新聞大阪本社社会部長 =東京都中央区の住友生命で、石井諭写す
■写真説明 スーパーの商品陳列棚から、指示された品物を取って木村佳友さんに渡す介助犬シンシア =兵庫県宝塚市のダイエー宝塚中山店で、大橋公一写す
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★★ 10月14日 朝日新聞・朝刊・岡山版 ★★
介助犬の現状を実演交え紹介 きょう岡山市で動物愛護フェス/岡山
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★★ 10月16日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
新聞週間特集 介助犬キャンペーンから
◇私たちに何ができるか
21世紀を迎え、新聞の果たす役割は何か。毎日新聞は79年から「世界子ども救援キャンペーン(旧『飢餓・貧困・難民救済キャンペーン』)」を続け、98年からは「介助犬キャンペーン」を展開してきた。対象は、戦争によって住む国を追われた人々であり、社会へのアクセスの手段を閉ざされてきた障害者だ。こうした人々に目を向け、少しでも手助けできるよう読者と共に考えてきた。忘却と無関心から、やさしさと共感へ。それが新聞の進むひとつの道だろう。そして読者に対して開かれた新聞であることも求められている。キャンペーンを続けてきた記者の思いや、読者に公開してきた内部の紙面研究会の試みを紹介する。
【介助犬キャンペーン】
◇介助犬シンシア
◆やさしい街への共感、国を動かすうねりに
障害者が待ち望んでいた「介助犬法案」がいよいよ議員立法として開会中の臨時国会に提出される。私たちが兵庫県宝塚市に住む車椅子の障害者、木村佳友さん(41)とその介助犬シンシアと出会って始めた“介助犬キャンペーン”は今年で4年目に入った。当初は「介助犬って何?」という反応ばかり。乗り物も店も同伴できず、法律が出来ることなど、はるかかなたの目標だった。
それが目前に迫った今、「思いを持って書き続けること」の大切さを実感している。
私たちは介助犬の認知に向け、1面や社会面にさまざまな記事を発信してきた。だが、キャンペーンの核となったのは兵庫・大阪の地域面の連載「介助犬シンシア」だった。週2回、写真付き6段の囲み記事。阪神支局の地域面では先月、355回で第6部を終えた。
27歳で肢体不自由となった木村さん。その目線で、立ちはだかる社会の壁、支える家族や周囲の人たち、そして掛け替えのないパートナーになったシンシアとの歩みを描いてきた。行間に込めたのは「障害者にとって、街はやさしいのか」という問いかけだった。
連載と同時に設けた介助犬普及のための大阪社会事業団「シンシア基金」には読者から浄財が次々と寄せられ、半年で1000万円(現在は1750万円)を超えた。人のきずなを身にしみて知る阪神大震災の被災者からの募金も多かった。私たちが記事に込めた思いが通じたと感じた。
「木村さんとシンシアが普通に歩けるやさしい街に私たちも暮らしたい」。1組のペアに寄せられた人々の共感が、自治体や国を動かすうねりとなっていった。
法案は介助犬、盲導犬、聴導犬を「身体障害者補助犬」と総称し、育成や使用者の責任を明示したうえで、同伴しての社会参加を保障する世界でも例のないものになった。
だが犬の絶対数はまだまだ少なく、育成システムも整っていない。
「バリアフリーが実現するまで、『シンシア』に終わりはない」。阪神支局長時代からキャンペーンの指揮をとり続ける藤原健社会部長は叱咤(しった)激励する。
今年は、国内外で大きな事件や事故が相次いでいる。関心の移り変わりは早い。そんな中で「やさしい街」を目指して、連載の第7部はまもなく始まる。 【山本真也】
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★★ 10月18日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
シンシア基金などにチャリティー収益80万円を寄付 国際ソロプチミスト宝塚 /阪神
宝塚市の女性団体「国際ソロプチミスト宝塚」(原田美加会長)が17日、毎日新聞大阪社会事業団の「シンシア基金」に30万円、「介助犬協会」(東京都)に50万円をそれぞれ寄付した。
寄付したのは、この日開催したチャリティーゴルフコンペの収益の一部。贈呈式には、シンシアのパートナー、木村佳友さん(41)の妻美智子さん(39)と山名康弘・毎日新聞阪神支局長が出席。美智子さんは「必要とされている方に無償で介助犬を渡すために役立ててほしい」、山名支局長も「介助犬法案が国会に提出されるまでになったのは、支援者皆さんのおかげ」と話した。 【佐々木雅彦】
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★★ 10月31日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
「介助犬の訓練基準に関する検討会」が初会合 厚生労働省で
「介助犬法(身体障害者補助犬法)」の施行に合わせ、介助犬の全国統一の訓練基準を作るために厚生労働省が設けた「介助犬の訓練基準に関する検討会」(座長、初山泰弘・国際医療福祉大学大学院長)の第1回会合が30日、同省で開かれた。介助犬シンシアと暮らす車椅子の障害者、木村佳友さん(41)=兵庫県宝塚市=や育成団体関係者、学識経験者ら17人が出席した。
法案は超党派による議員立法として今国会に提出され、来年10月から施行できるよう準備を進めている。この日の会合では、今後の検討課題やスケジュールなどを話し合った。
また同日、木村さんら「日本介助犬使用者の会」(今崎牧生会長、12人)のメンバー7人が、衆参両院の厚生労働委員などに法案の早期成立を求める要望書を提出した。 【山本真也】
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