★★ 5月15日 毎日新聞・朝刊・千葉版 ★★
介助犬同伴の勤務、千葉市が正式許可−−山口亜紀彦さん、全国初 /千葉
介助犬同伴での勤務を要望し、昨年10月に同伴勤務を前提とする訓練開始を認められた千葉市花見川区市民課職員、山口亜紀彦さん(30)に対し、同市は14日、正式に同伴勤務を認めた。山口さんは16日、全国の自治体で初めて、介助犬を伴って出勤する。
交通事故による下半身まひで車椅子で勤務する山口さんは、99年から市に同伴勤務を再三要望。市は「不特定多数の人が出入りする役所には犬が苦手な人もいる」と不許可にしていたが、毎日新聞が報道したことや、超党派の国会議員が促進法案上程を検討したことなどで昨年10月、一転して訓練実施を許可。山口さんは候補犬「オリーブ」(ラブラドルレトリバー、雌・2歳4カ月)と休日の区役所や自宅で訓練を重ねてきた。
市はこれに合わせ、車椅子の障害者らが介助犬を同伴して社会活動することを支援するため「介助犬同伴利用促進事業実施要綱」を施行した。介助犬同伴での施設利用促進のため市が市民への啓発・広報を行うことや、介助犬の登録制度などを規定する。登録申請や問い合わせは市障害保健福祉課(電話043・245・5173)へ。【坂井隆之】
|
★★ 5月15日 読売新聞・東京本紙・朝刊 ★★
千葉市、介助犬利用促進要綱を制定 あす車いすの職員同伴開始=千葉
|
★★ 5月16日 朝日新聞・朝刊・千葉版 ★★
千葉市が介助犬登録制、施設の入場認める 職員に同伴勤務も/千葉
|
★★ 5月16日 毎日新聞・東京本紙・夕刊 ★★
介助犬と初の出勤−−千葉市職員
全国の自治体で初めて、介助犬同伴での勤務を認められた千葉市職員、山口亜紀彦さん(30)が16日朝、介助犬「オリーブ」(ラブラドルレトリバー、雌・2歳4カ月)を伴い、花見川区役所に初出勤した。山口さんは「国に先駆けて認められうれしい」と話した。
交通事故による下半身まひで車椅子で生活する山口さんは、99年から市に介助犬の同伴勤務を要望。国会に「身体障害者補助犬法案」が上程される見込みになったことから、市は昨年10月、許可した。【坂井隆之】
■写真説明 山口さんの机の下で待機する介助犬「オリーブ」=千葉市の花見川区役所で16日午前8時23分、佐々木順一写す
|
★★ 5月16日 読売新聞・東京本紙・夕刊 ★★
[話の港]千葉市職員が介助犬伴い初出勤
|
★★ 5月17日 毎日新聞・朝刊・千葉版 ★★
「オリーブはかけがえのない存在」 介助犬と一緒に山口さん初出勤/千葉
「オリーブは体の一部。かけがえのない存在です」――。16日、全国の自治体で初めて介助犬を伴い出勤した千葉市花見川区職員、山口亜紀彦さん(30)は、足元に寄り添う介助犬オリーブを見やり感慨深げに語った。
山口さんは23歳のとき、交通事故でせき髄を損傷、車椅子生活になった。障害者のため代わりに物を取ったり、動作を補助する介助犬を知ったのは97年ごろ。育成団体に登録し99年にパートナー候補の犬が見つかったが、市は「落とし物なら拾ってあげる」などと同伴勤務を認めなかった。
山口さんは「みんな優しく接してくれるが、忙しいときはささいなことほど頼みづらい。独立した一人の職員として働きたい」と粘り強く要望を重ねた。この間、毎日新聞がこのことを報道したことや、超党派の国会議員が「身体障害者補助犬法案」上程を検討したことで昨年10月、訓練開始が認められた。山口さんの要請は市を動かし、今年4月、市民の介助犬への理解を促進するための「介助犬同伴利用促進事業実施要綱」制定にもつながった。
オリーブは窓口で市民に応対する山口さんを見やりながら机の下で大人しく待機。指示されると機敏に駆け寄り、山口さんと一体となった動きを見せた。山口さんは「国に先駆け認められたのはうれしいが、法案も一日も早く成立してほしい。これを機に介助犬への理解が広がれば」と期待を込めた。【坂井隆之、田中義郎】
■写真説明 山口さんの指示に反応する介助犬「オリーブ」=花見川区役所で、佐々木順一写す
|
★★ 5月21日 毎日新聞・東京本紙・夕刊 ★★
身体障害者補助犬法案、あす成立
衆院を通過した議員立法「身体障害者補助犬法案」が21日午前、参院厚生労働委員会で審議に入り、全会一致で可決された。22日の参院本会議で可決・成立する。
提出者の一人、山本幸三議員(自民)が「障害者が補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)を同伴して円滑に社会参加するのが目的」との提案理由を説明。施行される10月から公共交通機関などで補助犬の受け入れが義務化されるのに伴い、広報啓発や補助犬の認定システムについて質疑が行われた。
同法案は、介助犬や聴導犬の法的地位を明確にする内容。車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(41)=兵庫県宝塚市=と介助犬シンシアが先頭に立って運動の輪を広げ、法制化のきっかけをつくった。超党派の議員連盟「身体障害者補助犬を推進する議員の会」(会長・橋本龍太郎元首相、102人)が昨年12月に提出。4月に衆院で可決された。【山本真也】
|
★★ 5月21日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★
身体障害者補助犬法案を可決 参院厚生労働委員会
衆院を通過した議員立法「身体障害者補助犬法案」が21日、参院厚生労働委員会で審議に入り、全会一致で可決した。22日の参院本会議で可決・成立する。施行に伴い、国は厚労省と各都道府県に補助犬の相談窓口を設置する方針を明らかにした。
提出者の一人、山本幸三議員(自民)が「障害者が補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)を同伴して円滑に社会参加するのが目的」との提案理由を説明。施行される10月から公共交通機関などで補助犬の受け入れが義務化されるのに伴い、広報啓発や補助犬の認定システムについて質疑が行われた。
同法案は、介助犬や聴導犬の法的地位を明確にする内容。車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(41)=兵庫県宝塚市=と介助犬シンシアが運動の輪を広げ、法制化のきっかけをつくった。超党派の議員連盟「身体障害者補助犬を推進する議員の会」(会長・橋本龍太郎元首相、102人)が昨年12月に提出。先月、衆院で可決された。 【山本真也】
|
★★ 5月22日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★
補助犬法、きょう成立 励まされ不登校克服−−兵庫・理学療法士目指す石川智昭さん
◇シンシアとボランティア仲間に感謝
介助犬に法的地位を与える「身体障害者補助犬法案」が22日、国会で成立する。中学生時代に介助犬シンシアの散歩ボランティアを務めた兵庫県宝塚市の専門学校生、石川智昭さん(18)は、シンシアとその周囲の人たちに支えられた3年間を改めてかみしめている。理学療法士への道を歩み始めた石川さんは「夏休みにボランティア仲間と再会し、法制化を祝おう」と心に決めている。
石川さんは中学時代、飼い主の木村佳友さん(41)の代わりにシンシアを散歩させるボランティアを週2回続けた。しかし高校2年生の春、クラブ活動でひざに大けがを負うなどして不登校に。校風に違和感も覚え、中退した。
目標を見失った時、シンシアのボランティアで知り合った人に誘われ、お年寄りの入浴を手伝った。障害者の支援施設に行ったり、木村さんの講演会の運営も手伝ったりするうちに、「自分は一人ではない」と勇気づけられた。
ひざのリハビリを担当し、精神的に支えてくれた理学療法士にひかれ、神戸市内の理学療法士専門学校に入学。木村さんからも「障害者の社会復帰には欠かせない仕事。石川さんがなってくれたらうれしい」と励まされた。
補助犬法が成立するのを前に、石川さんは「介助犬認知のために奮闘する木村さんとシンシアにずっと励まされてきた。一日も早く、みんなで『おめでとう』を言いたい」と話している。【山本真也】
■写真説明 不登校を乗り越え、理学療法士の勉強を始めた石川智昭さん(右)。木村さん(左)とシンシアに「励まされ続けた」と振り返る=山本真也写す
|
★★ 5月22日 毎日新聞・朝刊・愛媛版 ★★
公的施設に「同伴可」ステッカー張り出す 「介助犬」に理解深めて 新居浜市/愛媛
体が不自由な人の動作を助ける「介助犬」への関心を市民に高めてもらおうと、新居浜市は近く、介助犬同伴で入場できることを示すステッカーを、市内の公的施設約30カ所に張り出す。大手スーパーなどにも協力を呼び掛けていく方針。
介助犬は、物を拾ったり、ドアの開閉など障害者のニーズにあった作業訓練を受けた犬。公共交通機関などでの同伴拒否を禁じる規定などがある介助犬法(身体障害者補助犬法)案が今年4月、衆院で可決され、参院に付託された。盲導犬などと共に補助犬の一つとされた介助犬を、法律施行前に市民にPRし、介助犬が受け入れられる町づくりを進めるのが狙い。ステッカーは「介助犬同伴可」と書かれ、介助犬の啓蒙活動をしている研究団体「日本介助犬アカデミー」(東京都三鷹市)から100枚取り寄せた。 【藤原弘】
|
★★ 5月22日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★
身体障害者補助犬法が可決、成立 10月に施行 参院本会議
身体障害者補助犬法と、改正障害者基本法など関連する改正3法が22日午後、参院本会議で可決、成立した。施行は10月1日。不特定多数が利用する施設や店舗では来年10月から、障害者の補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)同伴を拒めなくなる。障害者の社会参加に向けて大きな一歩が踏み出された。(9面に視点、10面に関連記事)
一方、厚生労働省は、補助犬普及の地域格差解消のため、各地のリハビリ専門施設を補助犬の訓練や認定機関として活用する方針を固めた。同補助犬法では介助犬、聴導犬は「厚労相の指定法人(公益法人、社会福祉法人)が一括して認定する」と規定。現在、複数の育成団体が指定法人となる準備を進めている。しかし、遠隔地の障害者が訓練や認定を受けるには負担が大きいため、多様な障害に対応できる医療スタッフがおり、各都道府県や政令指定都市にあるリハビリ専門施設を活用するプランが浮上した。
障害で入院した患者が介助犬と一緒に訓練すれば、精神的な効果も期待できる。法人でない公立や事業団の施設もあるため、厚労省は省令で新たな位置付けや補助犬トレーナーとの連携の方法を検討している。
また、同省は来年度から介助犬、聴導犬の育成に盲導犬同様の助成制度(1頭約150万円)を実施。都道府県を通して、障害者に無償貸与する方針も固めた。
法制化は兵庫県宝塚市に住む車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(41)と介助犬シンシアが、運動の輪を広げたのがきっかけとなった。毎日新聞が長期連載などで全面支援。兵庫県宝塚市が「シンシアのまち」を宣言、ダイエーグループが介助犬受け入れを始めるなどの動きの中で、国会議員が超党派で議員立法を進めた。 【山本真也】
■写真説明 身体障害者補助犬法の成立を見届けるため国会に向かう木村佳友さん(中央)とシンシアたち =22日午前11時35分、松田嘉徳写す
|
★★ 5月22日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★
補助犬法案成立 拒否の壁崩れる 傍聴の20人、顔紅潮
日本で最初の盲導犬が生まれて45年。身体障害者補助犬法が成立した22日、障害者と補助犬の歴史が大きな節目を越えた。本会議が開かれた参議院には、喜びの瞬間を見届けようと、法制化の運動を続けてきた補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)のパートナーたちが集まった。「お客さん、『ペット』は困ります」と冷たく拒否され続けた社会の無理解の壁。それを突き崩そうと、訴え続けた3年余だった。
傍聴席には補助犬使用者や支援者約20人が、議場に視線を注いだ。成立の瞬間、「よかったね」と顔を紅潮させた。
介助犬シンシアと暮らす車椅子の障害者、木村佳友さん(41)=兵庫県宝塚市=が国会を傍聴したのは2度目。99年2月に介助犬使用者として初めて傍聴席に入り、超党派の議員連盟「介助犬を推進する議員の会(今年2月に身体障害者補助犬を推進する議員の会に改称)」設立のきっかけをつくった。
木村さんは「介助犬となったシンシアと暮らして6年。最初は法律ができるなんて夢みたいでした。毎日新聞をはじめ、皆さんと一緒にキャンペーンをやり、その声がついに国会を動かしたんですね」と感激した様子。
今月16日から正式に千葉市役所に介助犬オリーブと出勤している同市職員、山口亜紀彦さん(30)=千葉市=も「どんどん介助犬の数が増えてほしい」と声を弾ませた。
昨年5月、国会議員の勉強会で「美音(みお)は私の耳。私にとって『犬を連れて入るな』というのは、耳を切り離せというのと同じ」と訴えた、聴導犬の美音をパートナーにしている主婦、松本江理さん(33)=東京都練馬区=も喜びをかみしめた。 【山本真也、野原靖、脇田顕辞】
|
★★ 5月22日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★
補助犬法案成立 米の介助犬専門家、スーザン・ダンカンさんに聞く
米国では、90年に制定された障害を持つアメリカ人法(ADA)で補助犬の法的地位が認められ、日本の20倍を超える2万頭以上が活躍する。身体障害者補助犬法を日本社会に生かすためには、どんな取り組みが必要なのか。米国の介助犬使用者で、医療や社会福祉に詳しいスーザン・ダンカンさん(45)に提言してもらった。 【山本真也】
法律を実効あるものにし、補助犬の質を保証するには五つのポイントがあります。第一に、補助犬が障害者の生活に必要だということが国民に理解されることです。第二に訓練士のため公的な教育と資格(開業免許)が必要。訓練士は、障害の知識や候補犬の選択法、人道的なトレーニング法、使用者の教育方法をマスターし、補助犬に問題が生じた場合、その解決方法も知る必要があります。
第三に、使用者に対する教育制度の確立です。指示の方法や飼い方を学ぶべきです。障害者が良質な育成団体を選択できるような情報開示も求められます。育成団体への不満やトラブルを仲裁したり、育成団体に活動内容を報告させる機関を設置すべきです。第四に医師、獣医師、理学療法士などへの教育制度も必要です。補助犬との生活を望む患者に対し、どの程度の介助が必要か、犬との生活が適切なのかといった見極めが大切です。
最後に、補助犬に関係する人すべてが、法律が定めた権利と義務について知っていなくてはなりません。問題に直面した時にそれを申告し、責任を持って対応する機関をつくることが急務です。
◆スーザン・ダンカン 神経性疾患で歩行などが不自由となり91年から介助犬と暮らす。看護師の資格を持ち、大学講師や介助犬のコーディネーターとしても活躍してきた。99年2月には木村佳友さんと一緒に国会を訪問した。
|
★★ 5月22日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★
[視点]補助犬法案成立 市民への広報と啓発活動が不可欠
兵庫県のホテルで4月下旬、介助犬を同伴した男性が宿泊の予約を断られた。同県は介助犬シンシアの地元で、「介助犬同伴可」ステッカーを公共施設や店舗約3万カ所に張り出すなど理解が進んでいるとみられていた。県ホテル協会を通じて、各ホテルへ協力要請が出ていただけに、この男性の落胆は大きかった。
このホテルは取材に対し「フロント係の勘違い」とし、拒否を撤回した。補助犬法が成立しても、業界団体に通達を流す程度では、とても従業員まで徹底できないだろう。施行まで4カ月余り。市民への広報と啓発活動が必要になってくる。
今回のケースは、報道機関に訴えなければ、使用者は泣き寝入りしていた。補助犬法は同伴を拒否した場合でも罰則規定はない。裁判所に訴えても手間と時間がかかる。使用者からの相談を受けて権利を回復したり、補助犬の入手法や訓練などについて情報提供できる機関が必要だ。
21日の参院厚生労働委員会でもこうした問題が取り上げられた。補助犬法を実態の伴わない“ザル法”にしてはならない。 【山本真也】
|
★★ 5月22日 読売新聞・東京本紙・夕刊 ★★
参院に6匹のワンチャン 身体障害者補助犬法案の成立見守る
|
★★ 5月22日 朝日新聞・東京本紙・夕刊 ★★
施設同伴に“お墨付き” 障害者補助犬法、午後に成立
|
★★ 5月22日 中日新聞・夕刊 ★★
盲導犬 介助犬 同伴拒否ダメ 公共施設、スーパーなど 身障者補助犬法が成立
|
★★ 5月22日 神戸新聞・夕刊 ★★
「補助犬法」午後に成立/公共施設など同伴可能に/10月施行
|
★★ 5月22日 共同通信 ★★
身障者補助犬法が成立 公共施設は同伴拒否できず 民間ホテルやスーパーも
|
★★ 5月22日 共同通信 ★★
補助犬法のポイント
|
★★ 5月22日 共同通信 ★★
「堂々と街を歩ける」 補助犬法成立喜ぶ障害者ら
|
★★ 5月22日 共同通信 ★★
急がれる介助犬の養成 社会へ浸透の前提条件
|
★★ 5月23日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★
身体障害者補助犬法が成立−−参院本会議で
身体障害者補助犬法と、改正障害者基本法など関連する改正3法が22日午後、参院本会議で全会一致で可決、成立した。(社会面に関連記事)
|
★★ 5月23日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
身体障害者補助犬法成立 党派超え心一つ 木村佳友さんら興奮と喜び
介助犬や聴導犬の法的地位を初めて規定した「身体障害者補助犬法」が成立した22日、参院本会議の傍聴席では、介助犬3頭、盲導犬2頭、聴導犬1頭の計6頭と、その使用者7人が採決をじっと見守った。議員立法を推進してきた「身体障害者補助犬を推進する議員の会」(会長・橋本龍太郎元首相)や補助犬使用者は、興奮と喜びに包まれて衆院第1議員会館で記者会見した。
会見では、まず橋本元首相が、集まった補助犬を見ながら「自分の父親が肢体不自由だったこともあり、こういうパートナーがいたらどんなによかったろうとしみじみ思う」と目を細めた。続いて、議員の会発足に奔走した同会事務局長の中川智子衆院議員は「党派を超え、心を一つにしたことで今日を迎えられた」と目を赤くした。
介助犬シンシアと暮らし、法制化の運動の先頭に立ってきた木村佳友さん(41)=兵庫県宝塚市=は「今後は使用者も心して、良質な補助犬の普及に努めたい」。盲導犬ティップとともに傍聴した全日本盲導犬使用者の会の清水和行会長(41)=広島市=は「盲導犬が認められて長いが、いまだに拒否にあう。法がいらないほど受け入れが進んだ社会になってほしい」と期待を込めた。【山本真也、野原靖、脇田顕辞】
◇「心の豊かさを目指す人間」のための法律だ 藤原健・社会部長
重要法案が目白押しで与野党の対決が続くなか、身体障害者補助犬法が22日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。衆院の委員会・本会議、参院の委員会もすべて全会一致で通過するという、きわめて珍しいケース。それだけ多くの人が待ち望んだ法律だったのだ。
「補助犬」は盲導犬、介助犬、聴導犬の総称で、その名から「犬のための法律」との印象を抱かれがちだ。もちろん、十分に訓練され、障害を持つ人たちの「補助具」と位置づけられた犬について法律は明記する。しかし、それは、バリアフリーの掛け声のなかで、実際は不自由な生活を強いられてきた障害者の社会参加の機会を保障するためのものだということを、改めて確認しておきたい。
バリアフリーの実現は、障害者やお年寄り、子どもなど弱い立場にある人たちへのいたわりを法的に裏付けすることから始まる。そして、その共生社会は、人間相互を尊重し合いながら、動物や自然との共生にも結びつく。この意味で、今回成立した法律は心の豊かさを目指す21世紀に生きる人間のための法律として、大きな意義を持つことになろう。
■写真説明 身体障害者補助犬法の成立を受け会見する「議員の会」のメンバー(手前は木村さんと介助犬シンシア)=衆院第1議員会館で22日午後2時20分、野原靖写す
|
★★ 5月23日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★
「身体障害者補助犬法」成立 これからどこでも一緒だよ−−パートナーと共に
◇パートナーと共に、傍聴席へ
介助犬や聴導犬の法的地位を初めて規定した「身体障害者補助犬法」が成立した22日、参院本会議の傍聴席では、介助犬3頭、盲導犬2頭、聴導犬1頭の計6頭と、その使用者7人が採決をじっと見守った。議員立法を推進してきた「身体障害者補助犬を推進する議員の会」(会長・橋本龍太郎元首相)や補助犬使用者は、興奮と喜びに包まれて衆院第1議員会館で記者会見した。
会見では、まず橋本元首相が、集まった補助犬を見ながら「自分の父親が肢体不自由だったこともあり、こういうパートナーがいたらどんなによかったろうとしみじみ思う」と目を細めた。続いて、議員の会発足に奔走した同会事務局長の中川智子衆院議員は「党派を超え、心を一つにしたことで今日を迎えられた」と目を赤くした。
介助犬シンシアと暮らし、法制化の運動の先頭に立ってきた木村佳友さん(41)=兵庫県宝塚市=は「今後は使用者も心して、良質な補助犬の普及に努めたい」。盲導犬ティップとともに傍聴した全日本盲導犬使用者の会の清水和行会長(41)=広島市=は「いまだに拒否にあう。法がいらないほど受け入れが進んだ社会になってほしい」と期待を込めた。【山本真也、野原靖、脇田顕辞】
■写真説明 身体障害者補助犬法が可決成立したのを受け、傍聴席でパートナーとともに笑顔を見せる体の不自由な傍聴者ら=参院で22日午後1時40分、松田嘉徳写す
|
★★ 5月23日 毎日新聞・朝刊・兵庫版 ★★
身体障害者補助犬法成立 その瞬間、感激の涙 */神戸
身体障害者補助犬法が成立した22日、国会には“その瞬間”を見守ろうと全国から補助犬使用者や支援を続けた研究者、ボランティアが集まった。可決後に開かれた記者会見と交流集会では、これまでの苦労を振り返り、感激で涙ぐむ人も。地域面で続いている連載「介助犬シンシア」など、一連のキャンペーンは既に4年を数えている。「よかったね」「よくここまできたね」と互いの頑張りを励ます言葉がいつまでも交わされた。 【山本真也、野原靖、脇田顕辞】
衆院第1議員会館で開かれた「身体障害者補助犬を推進する議員の会」の交流集会には、約50人が集まった。参加者の声を紹介したい。
【日本介助犬使用者の会事務局長の木村佳友さん=宝塚市】
私が介助犬のシンシアと初めて国会に来てから3年が過ぎました。その間、国会議員の方々の理解が広がり、ついに補助犬を同伴したアクセス権が認められました。しかし、この法律には罰則がありません。受け入れてくれるみなさんの心のバリアフリーが必要です。
【「身体障害者補助犬を推進する議員の会」事務局長、中川智子衆院議員】
数え切れない人の支援のおかげで今日の法成立があったのだと思います。これからも障害者が生きやすい社会をつくるため協力してください。私たちも国会で頑張ります。
【日本介助犬アカデミー専務理事の高柳友子さん=東京都】
私はおりこうなワンちゃんのためにこの法律をつくろうと思ったのではありません。障害者の社会参加のために必要だから。そして私が仮に障害者になっても、木村佳友さんのように介助犬の力を借りて自立したいと思っているからです。
【聴導犬美音(みお)と暮らす主婦、松本江理さん=東京都】 美音と暮らして約7年、街に出ても入れない店がたくさんありました。これで堂々と街を歩くことができます。この日、この瞬間を美音と迎えられてこんなにうれしいことはありません。
【全日本盲導犬使用者の会会長の清水和行さん=広島市】
私たちが犬の力を借りて移動することが保障されました。同時に使用者としての管理責任が課せられました。私たちも自立した人間としての役割を果たしていくことにこの法律の意義があると思います。この法律の趣旨をさらに社会に訴えていきたいと思っています。
【盲導犬ジェニーとともに訪れた田中島義一さん=埼玉県】
長い道のりだったけど、ようやく法案成立までこぎつけ、本当によかった。これで時代が変わった、という印象です。ただ、本当に大変なのはこれから。補助犬の使用者がマナーを守ってしっかり犬を管理していく必要があります。
【介助犬アルファと暮らす荒井正之さん=長野県】
とにかくうれしい。今後はアルファをきちんとコントロールできるように頑張ります。
【介助犬オリーブと同伴で出勤している千葉市職員、山口亜紀彦さん=千葉市】
介助犬の頭数が伸び悩んでいると聞いているので、法制化後は増えるように頑張っていきたい。
【補助犬議連の中心メンバー、大島慶久参院議員】
法が成立した以上、運用面をさらに充実し、役立つ法律になってほしいと思っています。
|
★★ 5月23日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
身体障害者補助犬法成立 正司泰一郎・宝塚市長インタビュー/阪神
身体障害者補助犬法が22日、参院本会議で可決、成立した。「シンシアのまち」として、介助犬を軸にして福祉の街づくりを進める宝塚市の正司泰一郎市長に、これまでの取り組みや今後の方針などを聞いた。市長は「こんなに早く法律ができるとは思っていなかった」と喜びながらも、「障害者らの社会参加はまだまだ進んでいない」と啓発活動に積極姿勢を示した。 【阪神支局長・川口忠範】
――補助犬法ができましたが。
正司泰一郎市長 市民や新聞、国会議員、行政、企業が一つになって、取り組んだ結果だと思う。素晴らしい成果だ。これまでは、国など上からの意思でことが進んでいたが、今回は21万人の宝塚市からの発信。すごい力が発揮できるんだと自信を持ちました。
――介助犬支援に取り組むきっかけは。
正司 新聞の記事で、木村さんとシンシアのことは知っていました。そこでは、介助犬は公的に認知されていないのでペット扱いされ、社会参加ができにくいことが問題になっていました。その木村さんは宝塚市民です。これは、木村さん1人だけの問題でなく、障害者全員の問題だと。庁内の5部でプロジェクトチームを作って、総合的に取り組んできました。
――法律は、地方自治体に対して、補助犬の教育・広報活動への取り組みの努力義務を定めていますが。
正司 昨年スタートした、市の第4次総合計画の重点施策の一つに「シンシアのまち プロジェクト」があります。これは総合的なもので、高齢者や障害者の社会参加を進めていきます。介助犬は育成が大きな課題で、トレーナーの育成など、課題を整理しながら育成の仕組みを宝塚でできればいいと思っています。
――今後は、どんな取り組みを。
正司 社会参加について、まだまだ理解できていない面があります。これは周囲の理解が不足しているからです。だから、12月に行っている「介助犬 シンポジウム」はこれからも続けていきますし、啓発活動は必要です。社会は「やさしい心のネットワーク」を求めており、木村さんとシンシアはその象徴なのです。
|
★★ 5月23日 産経新聞・東京本紙・朝刊 ★★
補助犬法が成立 参議院で可決
|
★★ 5月23日 北海道新聞・朝刊 ★★
補助犬法が成立*介助犬、聴導犬*公共施設へ同伴可能
|
★★ 5月23日 神戸新聞・朝刊 ★★
補助犬法成立/「心のバリアフリーを」/障害者ら 意識改革呼び掛け
|
★★ 5月23日 神戸新聞・朝刊 ★★
社説/障害者補助犬法/自立と社会参加の一歩に
|
★★ 5月24日 朝日新聞・東京本紙・朝刊 ★★
天声人語「身体障害者補助犬法成立」
|
★★ 5月24日 読売新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
介助犬同伴OK 新居浜市の公共施設にワッペン 民間施設にも協力求める=愛媛
|
★★ 5月24日 北海道新聞・朝刊 ★★
<卓上四季>障害者補助犬法案の成立
|
★★ 5月25日 毎日新聞・朝刊・岡山版 ★★
[やさしい街に]哲多新砥小、木村佳友さんと手紙交流 /岡山
◇介助犬シンシアの読み語りきっかけに――
「シンちゃん元気ですか」――。哲多町の町立新砥(あらと)小学校(川上二朗校長、44人)3年の児童が、本紙BS面に掲載中の「読んであげて」に今年1月連載された「グッドガール!シンシア」を読み、モデルになった介助犬のシンシアと木村佳友さんに手紙を送った。学校での「読み語り」をきっかけに児童の間に優しい気持ちが広がっている。
手紙を書いたのは名越正文君、春日一成君、持田珠実さん、吉川李恵子さん、隠地和也君、横田達也君の6人。2年の3学期に担任(当時)の石川三紀恵教諭(29)が「本を読む楽しさと介助犬のことを知ってほしい」と「グッドガール」を本紙のホームページから印刷し、始業前などに読み語りしてきた。
介助犬のことをよく知らなかった児童たちだが、物語にすぐに引き込まれ、目を輝かせて楽しむようになった。石川教諭はシンシアも木村さんも実在していると教え、介助犬関連の単行本や写真なども児童に紹介。
そのうちに「シンちゃんに手紙を書きたい」と持田さんと吉川さんが切り出し、石川教諭がクラスで呼び掛けると全員が賛同。「シンちゃんはいろいろなことができるんだね」「シンちゃんと遊びたいな」などの思いやイラストを書いた手紙を3月中旬に送った。
4月に木村さんから手紙のお礼と「介助犬のことをみんなに教えてあげて下さい」と書かれた、シンシアの写真入りの絵はがきが届いた。「体が不自由なのに、頑張って書いてくれたんだ」(隠地君)と児童は大喜び。
障害者への意識も変わり、「車いすの人を見かけたら、勇気を出して声をかける」と児童は口をそろえる。石川教諭は「童話をきっかけに、皆が優しい気持ちを持ってくれてうれしい」と話している。【水津聡子】
|