☆☆ 『シンシア』の事が掲載された2002年9月の新聞記事 ☆☆

★★ 9月2日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★

本紙連載童話「グッドガール! シンシア」を宝塚市立光明小学に240部配布

 介助犬シンシアをテーマにした本紙の連載童話を使って、やさしい街づくりについて学んでもらおうと2日、兵庫県宝塚市光明町の市立光明小学校(脇舛●子校長、全児童281人)に、毎日新聞社と住友生命が製作した「グッドガール! シンシア」(文・寺田操、絵・太田朋)240部が贈られた。同市内では、小中学校や幼稚園、養護学校などに計1万5000部が贈られており、2学期から総合学習や読書の時間などに教材として活用していく。
 光明小ではこの日、始業式が終わって教室に戻った1年生32人に、福本徳子教諭が「グッドガール! シンシア」を紹介。早速始まった道徳の授業で福本教諭が読み聞かせた。
 「グッドガール! シンシア」は、宝塚市に住む車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(42)とシンシアの歩みをわかりやすく子ども向けに脚色。介助犬認知キャンペーンを続けてきた毎日新聞社と、アシスタントドッグ支援に取り組む住友生命が本に仕上げた。 【補助犬取材班】

■写真説明 笑顔で「グッドガール! シンシア」を読む児童ら=兵庫県宝塚市の市立光明小で2日午前、佐藤賢二郎写す

★★ 9月2日 毎日新聞・東京本紙・朝刊 ★★

[小さな便り]介助犬と絵本原画展鑑賞−−兵庫

 【兵庫県】西宮市大谷記念美術館(同市中浜町)で開催中の「02イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」(毎日新聞社など主催)に、車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(42)=兵庫県宝塚市=が訪れ、介助犬のシンシアを伴って絵本原画の鑑賞を楽しんだ=写真。
 木村さんが同展を見学するのは5年連続。川辺雅美・学芸課長が98年、毎日新聞の記事で介助犬を知り、木村さんとシンシアに招待状を送ったのがきっかけだった。シンシアが床に落としたチケットを口で拾い上げる場面もあった。

★★ 9月4日 毎日新聞・朝刊・丹波版 ★★

[やさしい街に]和田山高3年2組の生徒34人、介助犬普及へ“東奔西走” /但馬

 和田山町枚田岡の県立和田山高校(青山忠勝校長)3年2組の生徒34人が、介助犬の普及活動に取り組んでいる。夏休み中、町内外の商店に「介助犬同伴可」のステッカー添付を依頼したほか、介助犬の役割などの勉強も続けている。こうした活動の成果を、4日の同校文化祭で発表する。 【吉川昭夫】
 介助犬は、車椅子などを使う障害者を助けるよう訓練された犬で、盲導犬、聴導犬とともに補助犬と言われる。今年5月に身体障害者補助犬法が国会で可決され、10月から不特定多数が利用する施設や店舗は補助犬同伴を拒めなくなる。
 普及活動への取り組みは7月、生徒が学校の玄関に張られた盲導犬と介助犬の「同伴可」のステッカーに気付き、興味を持ったことから始まった。東京の「日本介助犬アカデミー」などに問い合わせたり、毎日新聞の記事などで勉強した。
 この結果、介助犬は、新聞などを障害者に運ぶ▽前足でドアの取っ手を操作する▽服などをくわえて脱衣の手助けをする――など30種以上の動作をすることが分かった。また、「実際に役立つ活動を」と、同アカデミーからステッカーを送ってもらい、商店を回って添付を依頼した。
 4日は、活動内容などを長さ20メートルの紙に書き、ステッカーを張った118店の一覧表とともに展示する。また、午前11時と午後1時の2回、京都の「介助犬を育てる会」の訓練士らを招き、介助犬の実演などを計画。さらに、介助犬育成に役立てる募金箱も設置する。
 小野山祐一君(17)は「これからも活動を続け、介助犬の社会的認知度を盲導犬並みに高めたい」と意欲を見せる。担任の佐々木浩二教諭は「生徒たちの活動と熱意が介助犬の普及につながればうれしい」と話している。

★★ 9月4日 読売新聞・東京本紙・朝刊 ★★

このステッカーあれば補助犬同伴OK 県管理381施設に掲示へ=富山

★★ 9月8日 読売新聞・東京本紙・朝刊2部 ★★

[うた物語]名曲を訪ねて 翼をください=下
  鎮魂、希望…力をくれる


◆震災でW杯で歌い継ぐ
「どうやって生きていったらいいんだ」
 十五年前。日本介助犬アカデミー理事、木村佳友(42)は、病院のベッドで天井を見つめながら、絶望のどん底にいた。
 当時二十七歳。オートバイのスリップ事故で頚椎(けいつい)を切断、健康なサラリーマンが、突然、首から上しか動かせなくなった。
 いっそ死んでしまいたいが、首つり、窓からの飛び降りは体が動かず、はなから無理。息を止めてみた。苦しい。すぐ息をしてしまった。
 やがて、頭の中に『翼をください』の旋律が浮かぶ。かすかに希望の光が見えてきた。
 中学の時、フォークギターを弾きながら歌った大好きな曲だ。卒業式でも歌った。三年生全員で一曲合唱することになり、生徒のアンケートの結果選ばれたのが、この歌だった。
 高校、大学時代は、陸上部の苦しい練習の最中、この歌を思い浮かべた。一番の詞を何度も繰り返し口ずさむと、必ず少し気が楽になった。
 「しんどい時、つらい思いをした時、いつも励みになってくれた歌です」

 木村は、三年半に及んだ入院・リハビリ生活の苦しみに耐え抜いた。やがて愛犬・シンシアに訓練を受けさせ、身障者の日常動作を助ける介助犬にする。盲導犬ほど知られておらず、乗り物や公共施設に同伴できないことが多かった介助犬への理解を広める活動に熱心に取り組む。今年五月の身障者補助犬法成立に大いに貢献した一人だ。
 シンシアが介助犬の認定を受けた九六年、介助犬普及のためのイベントが開かれた。木村の講演などの後、最後に会場全体で『翼をください』を歌った。もちろん木村の選曲だった。

 フォーク・グループの赤い鳥は七四年に解散、紙ふうせんとハイファイ・セットの二グループに分裂した。シングルのB面だっただけに、『翼…』は、当時、フォークやポップス・ファンの間では有名であっても、だれもが知る曲、というわけでもなかった。事情が変わるのは、この三年後、中学の音楽教科書に載るようになってから。以後、小、中、高校の教科書に載り続ける。
 勇ましい運動部的な曲ではないが、人を励ます、新しいタイプの応援歌としても注目されるようになった。佐賀県のJリーグ・チーム、サガン鳥栖の前身の鳥栖フューチャーズのサポーターが歌い始め、やがてワールドカップの日本代表を応援する曲になった。
 九五年一月十七日早朝。兵庫県西宮市に住む紙ふうせんの後藤悦治郎、平山泰代夫妻は、自宅で阪神大震災の直撃を受けた。家の中はぐちゃぐちゃ、水道、ガスが何か月も復旧しない。歌どころではない。三日間は、ヘリコプター、救急車の心を不安にする音ばかりが響いた。「歌の力なんかちっぽけなものだ」。後藤も気落ちしていた。
 が、四日目の朝、小鳥がチチチとさえずるのが聞こえた。
 「歌を忘れてはいかん」。小鳥に教えられた。春、被災者のための無料コンサートを開いた。心に傷を負った聴衆の真剣な目。『翼をください』の深さが初めてわかった。
 「生きて行く以上、悲しいことが時々、あるいは連続して起きる。『悲しみのない自由な空へ』。そうだ、これは透明な生死観を歌っている。希望の歌だけでなく、レクイエムにもなるんだ」
 若き日の後藤には、航空機事故にショックを受けはしても、犠牲者に捧(ささ)げて歌おうという発想はまったくなかった。多くの人に支持される本当の理由。それが腑(ふ)に落ちるまで、四半世紀近くたっていた。(敬称略)    (浅見恭弘)

★★ 9月13日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★

介助犬シンシアの歌「あなたの風になりたい」完成 「紙ふうせん」がCD化

 身体障害者補助犬法の来月1日の施行を前に、フォークデュオ「紙ふうせん」が、法律制定に大活躍した介助犬シンシアなどの歌2曲を完成させた。飼い主の障害者、木村佳友さん(42)=兵庫県宝塚市=の心のマストをなびかせる“風”にシンシアをなぞらえた「あなたの風になりたい」(作詞・作曲、後藤悦治郎)と、身体障害者補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)をテーマにした「補助犬トリオ」(作詞・作曲、平山泰代)。「冬が来る前に」などのヒット曲で知られる紙ふうせんの2人は「心のバリアフリーを広げるために歌い続けたい」と話している=写真・北村隆夫、左が木村さん。(11面に関連記事)
 来月12日、大阪市北区のサンケイホールで開くコンサートで披露し、来年にはCD化を予定している。(28日朝刊「補助犬法施行」特集面で2曲の全歌詞と楽譜を掲載します) 【補助犬取材班】

★★ 9月13日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

「紙ふうせん」介助犬シンシアの歌 風に乗り広がる願い 「口ずさみ、補助犬理解を」

 歌手として歌で心のバリアフリーをつくりたい――。介助犬シンシアと補助犬を歌にした、フォークデュオ「紙ふうせん」の後藤悦治郎さん、平山泰代さん夫妻。きっかけは毎日新聞に掲載された飼い主の車椅子の障害者、木村佳友さん(42)=兵庫県宝塚市=の「法律ができても補助犬の受け入れには心のバリアフリーが必要」という言葉だった。木村さんとシンシアに実際に会って心を突き動かされた2人の手で、二つの歌が完成した。
 「シンシアがすごく透明な存在に見えた」。そう話す後藤さんが作詞・作曲した「あなたの風になりたい」はフォークロック調のさわやかな歌。木村さんは「シンシアは確かに僕が一歩踏み出す時に押してくれる『風』のような存在です。ちょっとおてんばですが……」と照れくさそう。
 毎日新聞の兵庫、大阪面で長期連載中の「介助犬シンシア」の愛読者でもある平山さんが作詞・作曲した「補助犬トリオ」は、すぐに口ずさめる親しみやすい歌。「制服着た時は そっと見ててね」など補助犬に出会った時のマナーを織り込んだ。木村さんは「子どもでも補助犬がどんな存在なのか分かってもらえる歌ですね」と喜んでいた。
 公立施設や交通機関で補助犬の受け入れを義務付ける補助犬法は、来月1日に施行される。同伴を拒否した時の罰則はなく、どれだけ法が理解されるかがポイントだけに、紙ふうせんの2人は「歌を口ずさんでもらって理解が広がってほしい」と熱い願いを込め、コンサートなどあらゆる機会に歌っていくつもりだ。
 2曲を披露するコンサート「うたあふれるままに」は来月12日午後7時、大阪市北区梅田2のサンケイホールで開演。補助犬同伴の入場が可能で、手話や字幕スーパーのほか、耳の不自由な人のための体感装置も用意する。補助犬を同伴したり、車椅子の場合は、事前に企画制作紙ふうせん(0798・65・6040)まで連絡が必要。 【補助犬取材班】


「あなたの風になりたい」
 いつも あなたが さがしてる
 希望の星が雲にかくれる時
 いつもあなたの 風になり
 悲しみ色の雲を 吹き飛ばそう
 きこえる あなたの声が
 シンシア シンシア
 グッドガール グッドガール
 あなたは 心のマストを上げて
 私はあなたの 風になりたい

「補助犬トリオ」
 僕らは イヌ科の 動物に生まれた
 人間が 大好き いつでも どこでも
 自慢の鼻と耳 走れば風のよう
 言葉覚えて レッスン重ねたら
 僕達 働く スリーナイスドッグ
 盲導犬 聴導犬
 介助犬 補助犬トリオ

 ※歌詞はいずれも1番

■写真説明 補助犬法成立をきっかけに開かれた介助犬、盲導犬、聴導犬使用者の交流会。社会参加の重要なパートナーだ=東京都港区で今年7月20日、根岸基弘写す

★★ 9月13日 読売新聞・東京本紙・朝刊 ★★

[やさしい社会保障]身障者補助犬法 行動範囲広げ自立を促す

★★ 9月14日 毎日新聞・朝刊・評語版 ★★

「介助犬シンシア」連載が400回 8歳、充実の時期 活躍これからも/兵庫

 「介助犬シンシア」が400回を迎えました。連載が始まったのは4年前の98年9月。当時、4歳だったシンシアは8歳に。人間でいえば30歳そこそこから、いよいよ50代の仲間入りをする年齢になりました。散歩での運動量が減り、人間の白髪のような白い毛が口の周囲に出始めるなど、少しずつ老化が始まっています。
 でもシンシアは元気です。食欲はおう盛で、最近も新しいお仕事を覚えました。携帯電話を意味する「ケイタイ」という言葉を理解し、木村佳友さん(42)の「テイク、ケイタイ!」の指示で、別の部屋からちゃんと取って来るようになったのです。一般電話の子機とちゃんと区別もできます。
 木村さんは「落ち着きが加わり、介助犬としては一番充実した時期だと思います」と言います。
 4年前と一番大きな違いはペット扱いされていた介助犬が法的認知を受けたということ。身体障害者補助犬法がいよいよ来月から施行されます。法を社会に生かすために、木村さんとシンシアの活躍はまだまだ続きます。 【山本真也】

★★ 9月20日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

[支局長からの手紙]川口忠範・阪神支局長 スリーナイスドッグ/阪神

 10月1日から、電車やバスなどの交通機関や公共の施設で、補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)の同伴を拒否できなくなります。今年5月にできた身体障害者補助犬法が施行されるからですが、今改めて大切なのは、「心のバリアフリー」だと感じています。
 といいますのは、フォークデュオ「紙ふうせん」の後藤悦治郎さん、平山泰代さん夫婦と車椅子の障害者、木村佳友さん(42)のあるやりとりを間近で見たからです。
 2人が介助犬シンシアをテーマにした「あなたの風になりたい」(後藤さん作詞・作曲)などの歌2曲を作ったことは今月13日夕刊で紹介しましたので、ご存じの方も多いと思います。でも、実は平山さんが作詞・作曲した「補助犬トリオ」という歌は完成直前に、歌詞が一部変更されたのです。木村さんから「お願い」があったためですが、プロの平山さんが詞、曲とも、何度も練り直した末だったので、偶然そばに居合わせた私は息をのんで成り行きを見守りました。
 木村さんは、本当に申し訳なさそうに切り出しました。歌詞の中に出てくる「僕たち 働く スーパードッグズ」というフレーズのうち、「スーパードッグズ」という言葉に対する思いでした。
 「シンシアやほかの介助犬も、決してスーパードッグではありません。訓練されているので、仕事中に『ワン』『ワン』とほえ続けることはありませんが、何かの拍子に1度くらい『ワン』とほえることはあります。スーパードッグと世間に思われることが負担になり、障害者は『犬が失敗したらどうしよう』と外出しにくくなるのです」と静かに話されました。
 これに対する平山さんの返事は「おっしゃって下さって本当によかったです」というものでした。そして、一晩考え抜かれて出来上がった歌詞は、「スーパードッグズ」が「スリーナイスドッグ」に変わり、次のようになっていました(1番のみ)。

[僕らは イヌ科の 動物に生まれた/人間が 大好き いつでも どこでも/自慢の鼻と耳 走れば風のよう/言葉覚えて レッスン重ねたら/僕達 働く スリーナイスドッグ/盲導犬 聴導犬 介助犬 補助犬トリオ

 ご覧のように、とても親しみやすく楽しいものです。私も一度で好きになりました。でも、初めて聞かせていただいた時、「スーパードッグズ」という言葉に何の違和感もありませんでした。むしろ、私自身、介助犬とは普通の犬がとてもまねすることのできないスーパードッグそのもの、と思っていたからです。
 地域面での「介助犬シンシア」の連載は400回を超え、少しは障害者や介助犬のことを勉強しているつもりでした。でも今回のことで、まだまだ障害者の気持ちが分かっていない、と痛感させられました。
 法律が施行された後、仮に補助犬の同伴を拒否したからといって、罰則があるわけではありません。それだけに法の趣旨がどれだけ一般の人に理解されるかにかかっているのです。「紙ふうせん」の2人は、「歌で心のバリアフリーをつくりたい」と来月12日午後7時、大阪市北区梅田2のサンケイホールで開かれるコンサート「うたあふれるままに」を皮切りに、あらゆる機会に2曲を歌っていくそうです。本当に素晴らしい助っ人です。【阪神支局長・川口忠範】

★★ 9月22日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

木村佳友さん、介助犬シンシアと講演 宝塚市の動物愛護フェアで /阪神

 人間と動物が共生する街を実現させようと21日、宝塚市の武庫川河川敷公園で「動物愛護フェア」(県獣医師会阪神支部主催)が開かれた。介助犬の紹介コーナーでは、同市在住で車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(42)が介助犬シンシアとともに、10月1日に施行される身体障害者補助犬法について講演し、理解を求めた。 【内田達也】
 木村さんは、補助犬法の施行に伴い10月1日から公立施設や交通機関、不特定多数の人が利用するレストランや百貨店などでの補助犬(介助犬、聴導犬、盲導犬)の受け入れが義務付けられたことを説明。「(介助犬の同伴を)拒否した場合、罰則はないが、皆さんの優しい心で『心のバリアフリー』を実現し、障害者の社会参加を応援してください」と訴えた。
 この後、シンシアが、木村さんの指定した物を取って来る“お仕事”を披露。テレビのリモコンなどを間違えずに持ってきたシンシアに観客から拍手がわいた。
 このほか、同フェアでは、しつけ教室や動物健康相談などがあり、参加者が熱心に説明を聞いていた。

★★ 9月28日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

身体障害者補助犬法、来月施行 「紙ふうせん」が補助犬の歌2曲作る

 「冬が来る前に」などのヒット曲で知られるフォークデュオ「紙ふうせん」(後藤悦治郎さん、平山泰代さん)が、補助犬の歌をつくった。介助犬シンシアを歌った「あなたの風になりたい」と3種類の補助犬をテーマにした「補助犬トリオ」の2曲。コンサートやCDなどを通じて、補助犬の理解を深めたいと言う。紙ふうせんの2人に思いを語ってもらった。

◇平山泰代さん
 毎日新聞で長期連載中の「介助犬シンシア」(兵庫、大阪面)をずっと読んでいて、介助犬に関心を持っていました。そんな折、補助犬法が成立した時の新聞に、飼い主の障害者、木村佳友さん(42)の「法律ができても、受け入れ側の心のバリアフリーがないと、社会参加はできない」という内容のコメントが載りました。
 「歌手として、心のバリアフリーのために歌いたい」と心を動かされました。作詞、作曲した「補助犬トリオ」は、子どもたちでもすぐに歌えるような親しみやすい歌です。口ずさむうちに自然に補助犬の役割や出合った時のマナーを理解してもらえたら、うれしいです。

◇後藤悦治郎さん
 「なんて透明感のある犬なんだ」。今年7月、曲作りのため木村さん宅を訪ねた時のシンシアの印象です。ぼくら人間の心はいろいろなものが塗りたくられているけど、シンシアは純粋で惜しみない愛を木村さんに注いでいる。障害を乗り越えてきた木村さんも同じ愛で応えている。そのにごりのない関係を歌にしようと思いました。
 シンシアはいつも木村さんのそばにいて、そっと後押しする「風」のような存在だと考え、「あなたの風になりたい」を作詞、作曲しました。歌にはあえて「介助犬」という言葉は入れませんでした。初めて聴いた人が、「シンシアって何だろう?」と、関心を広げて、介助犬のことを知ってほしいと願っています。

■写真説明 木村さんに歌詞について説明する紙ふうせんの2人 =兵庫県宝塚市の木村さんの自宅で、北村隆夫写す

★★ 9月28日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

身体障害者補助犬法、来月施行 日本介助犬アカデミー「当たり前に受け入れて」

 「身体障害者補助犬法」が来月1日に施行される。補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)を使用する身体障害者は、しばしば飲食店や乗り物で同伴を拒否され、長い間つらい思いをしてきたが、これからは“お願い”や“交渉”なしに利用できる。しかし、同伴拒否に対する罰則はない。それだけに、法律が本当に浸透するかどうかは社会の理解にかかっている。フォークデュオ「紙ふうせん」が補助犬をテーマにした歌をつくるなど、理解を求める輪は少しずつ広がっている。 【補助犬取材班】

「補助犬はどこまで入れたらいいんですか」
「普通にお客さんが入る所までは同伴できます。つえや車椅子と同じと考えてください」

 研究・啓発団体の「日本介助犬アカデミー」(東京都三鷹市)には施行を前に、企業や業界団体、自治体からの問い合わせが相次いでいる。
 10月1日から、役所、図書館、公立学校などの公的施設と、電車、バス、タクシーなどの公共交通機関で補助犬の同伴が自由になる。「犬が嫌いな客がいる」「営業方針」というだけでは断れない。レストラン、ホテル、スーパーなどの不特定多数が利用する民間施設も来年10月から適用される。その代わり、同伴する障害者には補助犬の行動・衛生管理の責任が課せられる。
 ただ、罰則がなく、受け入れ側の自主性に任せられる部分が大きい。同アカデミーは「受け入れの意思を積極的に表明してほしい」と入り口に掲示する「介助犬同伴可」ステッカー2万枚以上を無料配布してきた。「(介助犬)シンシアのまち」を宣言している兵庫県宝塚市では、小、中学校などで2学期から毎日新聞で連載したシンシアの童話を活用した授業を始めている。
 厚生労働省は啓発用のポスターとパンフレット各10万枚を作成し、全国の自治体や交通機関に配布する。同省の社会参加推進室は「断る理由を探すのではなく、受け入れるのが当たり前と考えてほしい」と指導する。

◇補助犬法施行までの経過◇
 1957年  国産盲導犬第1号が誕生。
  70年代  介助犬の育成がアメリカで始まる。
   78年  道路交通法の改正で、盲導犬が盛り込まれる。
  90年代  国内で、介助犬や聴導犬の育成が始まる。
96年 7月  シンシアが介助犬となる。
98年 9月  毎日新聞で地域面連載「介助犬シンシア」開始。
        介助犬研究に厚生省(現厚生労働省)の助成決定。
   12月  兵庫県宝塚市が自治体初の介助犬・盲導犬の胴輪補助を表明。
99年 2月  シンシアを同伴しての国会傍聴が認められる。
    5月  宝塚市が「シンシアのまち」を宣言。
    7月  介助犬を推進する議員の会結成。
        ダイエーグループが介助犬の受け入れ開始。
2000年6月 厚生省の「介助犬に関する検討会」発足。
     9月 兵庫県が介助犬認定制度をスタートさせる。
  01年3月 議員の会ワーキングチームが法案作りを始める。
    12月 議員立法「身体障害者補助犬法案」を国会提出。
  02年5月 補助犬法が参院本会議で全会一致で可決、成立。
    10月 補助犬法施行。



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