☆☆ 『シンシア』の事が掲載された2002年12月の新聞記事 ☆☆

★★12月2日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

補助犬法の意義語り合う シンポジウムに500人参加 兵庫・宝塚市で

 「第4回身体障害者補助犬シンポジウム〜法を活(い)かすものは シンシアのまち宝塚から〜」(兵庫県・同県宝塚市・毎日新聞社主催、日本介助犬アカデミー協力)が1日、宝塚市内で開かれた。身体障害者補助犬法施行後、初めてのシンポで、約500人が参加。介助犬、盲導犬、聴導犬の3種類の補助犬の使用者が「障害者がどこにでも社会参加できる世の中を」などと思いを語った。 (28面に関連記事)
 シンポジウムでは、介助犬シンシアと暮らす木村佳友さん▽盲導犬ウインクと暮らす中山君江さん▽聴導犬美音(みお)と暮らす松本江理さんの3人のパネリストが、藤原健・毎日新聞大阪本社編集局次長のコーディネートで、補助犬法の意義の啓発の必要性などを議論した。
 また、フォークデュオ「紙ふうせん」が自作した補助犬の歌などを披露。最後に「みんなのやさしさに支えられた『バリアフリーの街』づくりを更にすすめましょう」とのアピールを採択した。 【補助犬取材班】

(シンポジウムの詳報は後日、掲載します)

★★12月2日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

身障者補助犬シンポジウム 心のバリアフリー進めて 使用者3人呼び掛け 宝塚市で

 身体障害者の社会参加の促進を願い、兵庫県宝塚市で1日開かれた第4回身体障害者補助犬シンポジウム(兵庫県、宝塚市、毎日新聞社主催)。10月に施行された補助犬法で補助犬と定められた介助犬、盲導犬、聴導犬とともに、パネルディスカッションに臨んだ3人の使用者は、実体験を紹介しながら「心のバリアフリーを進めて」と呼び掛けた。 【補助犬取材班】
 補助犬法制定に大きな役割を果たした介助犬シンシアと宝塚市で暮らす木村佳友さん(42)は「介助犬を使い始めたころは入店を断られてばかりで家に閉じこもりがちになることもあった」と体験を紹介。施行後も法の施行を知らない人が多いことを実感するといい、「障害者の社会参加に有効な法律になるよう広まってほしい」と要望した。
 聴導犬美音(みお)のパートナー、松本江理さん(33)=東京都練馬区=は「聴覚障害者は周りの人から障害者だと気づいてもらいにくい。話すことが困難な人も多く、他人に説明するのが難しい」と社会参加する際の問題に理解を求めた。松本さんは、健常者と同じように普通に店に入れる社会になってほしいと話した。
 盲導犬ウインクと宝塚市で暮らす中山君江さん(52)も「店に行って同伴拒否されるのは、『目を外に置いて入れ』と言われているのと同じ。普通にどこでも行けて、帰って来られる世の中になってほしい」と力を込めた。

■写真説明 シンポジウムに参加した補助犬。手前左から聴導犬の美音、盲導犬のウインク、介助犬のシンシア =兵庫県宝塚市で1日、小関勉写す

★★12月2日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

宝塚市で「第4回身体障害者補助犬シンポジウム」 補助犬法活かそう /阪神

 障害者の社会参加と補助犬の普及を願う人々が一堂に会し、宝塚市で1日開かれた「第4回身体障害者補助犬シンポジウム」。参加者は、介助犬シンシアと一緒に参加した木村佳友さん(42)ら補助犬使用者の言葉を真剣な表情で受け止め、障害者にも補助犬にも健常者にもやさしいまちづくりへ理解を深めた。

□補助犬使用者
 盲導犬・ヤスミンと参加した大阪市平野区の永岡輝子さん(72)は「制度ができたこれからが大変ですが、きっとすぐに世間に受け入れられると思いますし、信じています」と期待を込めた。
 車椅子の京都市山科区、堀池将夫さん(67)は介助犬・Bess(ベス)と参加。ベスはホテルに入ったのも初めてだったが、堀池さんは「みなさんの話に勇気付けられました」と満足そう。

□子どもたち
 パネルディスカッションを前に宝塚市立宝梅中の生徒が補助犬をテーマにした劇を披露した。同中2年、藤田奈津美さんは「『シンシアのことを知ってほしい』というメッセージが少しは伝わったと思う」。
 シンポの最後にアピール文を読み上げた、同市立山手台小5年、大塚真友子さん(10)は「昨夜、何回も練習したけど、ちょっと失敗しちゃった」と話しながらも笑顔だった。

□紙ふうせん
 後藤悦治郎さんと平山泰代さんによるフォークデュオ「紙ふうせん」はシンシアと同じ白の衣装で登場。補助犬をテーマにした「補助犬トリオ」と「あなたの風になりたい」を熱唱。
 後藤さんは「今日は男性が多いのがうれしかった。生きていればいろいろなバリアフリー(の必要性)を感じる。補助犬もその一つだし、ぼくたちは日常で感じたバリアフリーを歌にして伝えたい」。

□会場で
 会場に展示されたシンシアの写真を見ていた大阪市淀川区の動物看護師、植田早奈恵さん(21)は「もっとたくさんの補助犬が育成されて、障害者の社会参加を進めてほしい」と話した。
 シンポの参加者全員には新種のバラ「シンシアたからづか」がプレゼントされた。また、会場の募金箱には1万8214円が寄せられ、シンシア基金に贈られた。

□補助犬集いの会
 シンポ終了後、市民グループ「宝塚補助犬支援の会」が主催し、3頭の補助犬の使用者と関係者らが交流する「補助犬集いの会」が開かれた。話が弾み、同会の中村文子会長は「補助犬や障害者の住みやすい街は、私たちにとっても住みやすい。いろんな人の思いや知恵を集めて、そんな街を作りたい」と話した。

★★12月2日 神戸新聞・朝刊・阪神版 ★★

「補助犬は体の一部」/法施行でシンポ/木村さんら思い訴え/宝塚/(写真付き)【阪神版】

★★12月6日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

[支局長からの手紙]川口忠範・阪神支局長 シンシアのまちで /阪神

 「私は介助犬を『生きた自助具』と考えています。車椅子と同じで福祉器具の一部です」――。宝塚市で今月1日開かれた「第4回身体障害者補助犬シンポジウム」で、パネリストの木村佳友さん(42)は、淡々とした口調でこう訴えました。介助犬シンシアを心の底から大切に可愛がる車椅子の障害者、木村さんにとって、それでもシンシアは「社会参加」のためにどうしても必要な道具のようなものなのです。
 今回のシンポジウムから、タイトルの介助犬が補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)に変わったことに気づかれたでしょうか。今年5月、身体障害者補助犬法が成立し、10月から施行されたからです。私たちは98年9月、阪神面でシンシアを中心とした介助犬の公的認知を求めるキャンペーンを始め、法制化で一応、目的を達しました。これからは、盲導犬、聴導犬を含めた次の段階に進まなければなりません。
 「一応」と書きましたのは、法制化で介助犬の公的認知は達成されたものの、10月以降も補助犬同伴を認めない公共施設が北海道にあるなど、理解がまだまだ深まっていないからです。この法律は罰則がないだけに、これからはどのようにして血の通ったものにするかが問われているのです。
 シンポはその一環で、パネリストには、木村さんのほか、盲導犬使用者で同じ宝塚市在住の中山君江さん(52)と、聴導犬を使う松本江理さん(33)が東京から参加しました。3種の補助犬が一堂に会し、使用者がそれぞれの立場から意見を述べました。
 中山さんは「盲導犬は私の目の代わり。犬がいなければ今も家の中にいたでしょう」といいます。でも、盲導犬がいれば即、自由に外出できたわけではありません。中山さんが16年前に盲導犬ヴィッキーに出会った当時、バスに乗ろうとすると、「犬を乗せたらアカン」「口輪ぐらいしたらどうや」など、ずいぶんとひどい言葉を投げかけられたそうです。
 木村さんは「シンシアが介助犬になった6年前、入店を断られることが多く、かえって閉じこもりがちになった」と打ち明けました。聴導犬・美音(みお)を使う松本さんは、東京ドームを訪れたとき、「盲導犬以外はダメ」と、断られました。
 補助犬法の施行で、法的には、官公庁、図書館などの公共施設と電車、バスなどの公共交通機関は補助犬を拒否できません。来年10月からは、飲食店やホテル、スーパーなども義務化されます。しかし、現状は違います。このことは3人だけの問題では決してありません。私たちもいつ事故に遭い、障害を負うかもしれませんし、年を取れば何らかの障害が出てくるでしょう。それに何より、障害者が社会参加しにくい社会は貧しく、冷たく、住みにくい社会です。健常者も居心地が悪く、隣人との間にギスギスした関係しか築けないでしょう。
 シンポで宝塚市立宝梅中2年の生徒たちは、介助犬を自分たちの問題として劇にして訴えました。補助犬についての情報発信拠点作りを進めているグループ「宝塚補助犬支援の会」のメンバーの現状報告からは、改めて市民の立場から活動していく決意が伝わってきました。
 また、補助犬をテーマにした歌をつくったフォークデュオ「紙ふうせん」の2人は、ボランティアでミニコンサートを開き、「補助犬トリオ」「あなたの風になりたい」をはじめ、5曲を熱唱しました。そして、後藤悦治郎さんと平山泰代さんは「歌を通して補助犬を応援していきたい」と宣言。約500人の参加者が集まった会場は、大きな感動に包まれました。
 補助犬法は障害者が社会参加するための法律であって、決して犬のための法律ではありません。会場が一つになれたのは、木村さんら3人の姿からこのことを自然と実感できたからだと思います。 【阪神支局長・川口忠範】

★★12月7日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

「障害者の日」で催し 木村佳友さんと介助犬シンシアも参加 あす、宝塚市で /阪神

 「なくそう心の段差」をテーマに、第11回宝塚市障害者の日記念事業が8日午前10時、同市小林2の市立西公民館で開かれる。同市内で木村佳友さん(42)と暮らす介助犬シンシア、中山君江さん(52)と暮らす盲導犬ウインクに会える啓発コーナーもある。
 毎年、同市などが障害者の日(12月9日)の前後に開催。笑福亭瓶太さんが司会を務め、シルバー世代で作る劇団おあや座による公演「ああ!家族」▽県立こばとろう学校卒業生と市立光明小学6年生によるコーラスと和太鼓▽障害者ら4人によるショートスピーチ――などがある。また、バザーや、福祉施設や障害者団体などのPRコーナーもある。【佐々木雅彦】

★★12月12日 中日新聞・朝刊 ★★

みんなの本 介助犬を知る 肢体不自由者の自立のために 働きぶりなど紹介 高柳哲也さん編

【愛知県】近年、ペットブームの盛り上がりとは別に、災害救助やセラピー、麻薬探知など、犬が活躍する場は随分広がった。介助犬を公共施設や交通機関など、社会に受け入れられるようにする「身体障害者補助犬法」も、この秋から施行されている。
 本書は介助犬を「生きた自助具」と位置付け、介助犬に関するあらゆる事柄を紹介した日本初の概説書。「障害者の日常動作を助ける犬」という漠然としたイメージの介助犬が、実際にどのような働きをするのか。日本での現況から犬の育成・遺伝病・社会の理解など今後の課題、補助犬法、外国の状況まで幅広く取り上げる。
 執筆者は医師、法学部教授、獣医師、リハビリ・福祉関係者、現在介助犬と生活する人など多岐にわたり、かなり専門的な内容だが、介助犬を総合的に考える上で、参考になることも多いだろう。

 A5判、342ページ、2800円+税。名古屋市千種区不老町1、名古屋大学出版会=電052(781)5027=発行。

★★12月14日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

[デスクです]愛の手チャリティーオークション(氷)

◆「愛の手チャリティーオークション」を大阪本社で開きました。大阪地域面などで連載中の里親探しキャンペーン「あなたの愛の手を」の一環で、社会部が33年前から続けている歳末の恒例行事です。収益は里親運動を担う家庭養護促進協会に寄贈します。
◆セレッソ大阪のサッカーグッズや「介助犬シンシア」の“足形”色紙などの逸品が次々と競りにかけられました。取材で知り合った落語家やちんどん屋さんも飛び入り参加し、盛り上げ役に。チャリティーは多くの善意に支えられ、今後も続けていきます。(氷)

 記事、コラムへのお便りを手紙、FAX(06・6346・8187)、Eメール(o.shakaibu@mbx.mainichi.co.jp)でお寄せ下さい

★★12月14日 北海道新聞・全道・夕刊 ★★

<道新小学生新聞フムフム ほん>介助犬(かいじょけん)*介助犬協会(きょうかい) 監修(かんしゅう)

★★12月19日 毎日新聞・朝刊・大阪版 ★★

補助犬支援に100万円寄託 現代絵画チャリティー大入札展の売上 近鉄百貨店/大阪

 近鉄百貨店阿倍野店(阿倍野区阿倍野筋1)は18日、「現代絵画チャリティー大入札展」(同店主催、毎日新聞社など後援)の売上金の一部100万円を「身体障害者補助犬支援に」と、毎日新聞大阪社会事業団に寄託した=写真。
 同大入札展は盲導犬や介助犬、聴導犬の社会的理解を深め、障害者の自立と社会参加の促進を目的とする「身体障害者補助犬法」支援のため8月22〜28日に開催された。
 身体障害者補助犬法は10月に施行されたが、同店の高垣勝販売推進部長は「今後も補助犬育成支援の活動を進めたい」と話している。次回の大入札展は20〜24日、近鉄アート館(近鉄百貨店阿倍野店9階)で開かれる。問い合わせは同店美術画廊(06・6625・2588)。 【宮本巳代治】

★★12月20日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★

身体障害者補助犬育成支援チャリティー展−−大阪・阿倍野区の「近鉄アート館」

 障害者の自立と社会参加の促進を目的に、盲導犬や介助犬、聴導犬の育成・普及を図る「身体障害者補助犬法」施行(10月)に合わせ、補助犬の育成を支援する「現代絵画・工芸品チャリティー大入札展」(近鉄百貨店主催、毎日新聞社など後援)が20日、大阪市阿倍野区の近鉄百貨店阿倍野店9階「近鉄アート館」(06・6625・2588)で始まった。
 日本画「朝暾(ちょうとん)」(堂本印象)、洋画「バラ」(鈴木信太郎)、版画(シルクスクリーン)「朝陽砂漠」(平山郁夫)=写真手前・石井諭=など約500点を出品し、売上金の一部は補助犬育成などに役立てられる。24日まで。入場無料。

★★12月23日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

読者とともに未来へ発進 毎日新聞西梅田移転10年/2 身体障害者補助犬法

◇シンシア通じ広がった心の輪 連載開始から4年 法に結実
 「わたしたちのまちから始まったやさしさの輪が全国に広がりました。たくさんの人が力を合わせ、すばらしい法律ができたのです」――兵庫県宝塚市で1日、開かれた「第4回身体障害者補助犬シンポジウム」で、地元の小学5年生、大塚真友子さんが読みあげた。その法律「身体障害者補助犬法」はこの10月から施行されている。障害者の自立と社会参加を前進させるため、公共施設や乗り物に補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)受け入れを義務づけた日本で初めての法律だ。兵庫県の地域面で介助犬シンシアの連載を始めてから4年余り(その後、大阪の地域面でも掲載)。毎日新聞が懸命に後押ししてきた法律でもある。

 毎日新聞阪神支局(兵庫県尼崎市)に1枚のファクスが届いたのは98年の春。「ホテルで介助犬使用者の講演会がある」との内容だった。「介助犬?」。支局員の山本真也は意味が分からず、講演する宝塚市の木村佳友さん宅を訪ねた。山本の報告を聞いた支局長の藤原健(現・大阪本社編集局次長)は、山本と支局員の野原靖に継続取材を命じ、地域面で毎日粘っこく連載するよう注文した。第1部「新幹線に乗った」が9月4日にスタート。それが、今400回を超える「介助犬シンシア」である。
 数日後、木村さん夫妻がシンシアと支局にやってきた。「シンシアは法的にはペットと同じなんです」という木村さんの訴えに、藤原は「法律が必要だ」と強く感じた。その年の暮れ、地元の中川智子・衆議院議員が、藤原の仲介で木村さん夫婦、シンシアと初めて会った。中川さんは議員立法を決意する。だが、容易ではない。ましてや、中川さんは野党(社民党)だ。ただ、バリアフリーという基本方向に表立って反対できるはずはない、きっと道は開けるという思いはあった。
 国会議員の心を動かしたのは、やはりシンシアの「仕事ぶり」だった。99年2月1日、木村さんとシンシアが国会を傍聴。国会史上初めて、議場に介助犬が入った。木村さんの指示以外は、どんなにざわついてもじっと伏せている姿に多くの議員が心を動かされた。「今日の出会いが歴史的な日になるよう進んでいきましょう」。伊藤宗一郎・衆院議長(当時)も激励した。この日、シンシアは30人近い国会議員と会う。そして、超党派の「介助犬を推進する議員の会」が7月に結成された。
 地元は先駆的な動きを見せていた。宝塚市は全国で初めて介助犬、盲導犬の「ハーネス(胴輪)」の公費補助を決定。99年5月には「シンシアのまち」を宣言した。一方、ダイエーグループが介助犬同伴の買い物の受け入れを決めるなど、民間の理解も広がる。木村さんは各地の学校に講演に出かけ、現状を訴えた。シンシアを入試問題に取り上げる学校も出た。現実が法より先を進み始めた。
 ただ、法案づくりは一筋縄ではいかなかった。国土交通省、警察庁など省庁間の調整も手間取ったが、最も難儀だったのは「何をもって介助犬と認定するか?」という問題だった。補助犬の育成団体はさまざまで、どの程度訓練した犬を使用者に渡しているかも異なっていた。認定が国の指定法人にしかできないとすることに反発する育成団体があり、意をくんだ議員が反対した。
 木村さんには、このことが最も気がかりだった。認定基準が甘くなり、補助犬が中途半端な訓練で世に出て社会に迷惑をかけることがあったら、せっかく法が出来ても、社会的認知という最も大事な部分が失われるからだ。しかし、結局は、納得できる線でまとまった。反対議員は自民党の先輩議員が説得した。
 「議員の会」が「補助犬を推進する議員の会」に名称変更した今年2月、会長に就いた橋本龍太郎・元首相は話した。「私の亡父は障害者だった。介助犬を連れた人を見たらうらやましがったろう。法案成立に全力を尽くす」。そして5月22日、補助犬法は満場一致で成立した。
 12月1日の補助犬シンポでは、うれしいことが重なった。毎日新聞の連載を愛読していたフォークデュオ「紙ふうせん」が特別出演。補助犬のために作詞作曲した「補助犬トリオ」と「あなたの風になりたい」を披露してくれたのだ。「これからも歌を通して法律を広めたい」とリーダーの後藤悦治郎さんは語った。
 地域面で始めた連載が、人と人との輪を広げ、法律として花開いた。毎日新聞は、これからも、法が社会に自然と根付くまで、応援していく。「補助犬法は犬のための法律でなく、障害を持つ人が社会参加するための法律である」という基本を忘れずに……。【社会部副部長・氷置恒夫】

■写真説明 第4回身体障害者補助犬シンポジウムには初めて「補助犬トリオ」がそろった。左から聴導犬の美音と松本江理さん、盲導犬のウインクと中山君江さん、介助犬シンシアと木村佳友さん =兵庫県宝塚市で1日、小関勉写す

★★12月24日 読売新聞・東京本紙・朝刊 ★★

身障者補助犬法施行3か月 施設・交通機関の受け入れ義務化、進まぬ周知

★★12月27日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

[支局長からの手紙]川口忠範・阪神支局長 来年もよろしく/阪神

 いつ抜けるとも知れない不景気という暗いトンネルの中で、今年も暮れようとしています。特にイラクに対し米英が武力攻撃を掲げ、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本人拉致事件や核問題を抱えたままの年越しになりそうですから、明るい展望などどこにも見当たりません。それでも、悲観ばかりしていられません。1歩が無理なら、せめて半歩でも前に進みたいものです。
 今年の経験を来年に生かすためにも、阪神支局に着任した4月以降の日々を振り返ると、まず思い浮かぶのは「報徳学園高校のセンバツ優勝」です。この支局が振り出しの私にとっては思い出深い高校で、81年夏の甲子園で優勝した時はチーム担当としてアルプススタンドを走り回ったことを覚えています。
 また、最終的には4位に終わったものの、阪神タイガースも星野監督を迎えて勝ちにこだわるチームに生まれ変わり、「尼崎中央・三和・出屋敷商業地区」などでは、買い物客と一緒になって大いに盛り上がっていました。来年のさらなる躍進を今から楽しみにしています。
 特筆すべきは何といっても、当支局が98年9月から取り組んでいますキャンペーン「介助犬シンシア」でうれしい報告ができることです。そうです。5月22日に身体障害者補助犬法が成立し、10月から介助犬、盲導犬、聴導犬の3種を対象とした補助犬法が施行されたのです。
 議員立法を推進してきた「身体障害者補助犬を推進する議員の会」(会長・橋本龍太郎元首相)をはじめ、正に法制化の先頭に立ってきた車椅子の障害者、木村佳友さん(42)、「シンシアのまち」を宣言し木村さんとシンシアを支援してきた宝塚市、数多くのボランティアなど、実に多くの人の力が合わさって勝ち取った大きな成果です。
 この中には、「この法律には罰則がありません。みなさんのバリアフリーが必要です」と話す木村さんの新聞記事を読み、「あなたの風になりたい」と「補助犬トリオ」の歌2曲をつくったフォークデュオ「紙ふうせん」の後藤悦治郎さん、平山泰代さん夫妻もいます。コンサートなどの際、2人は「歌で心のバリアフリーを広げたい」と、必ずこの2曲を歌っています。
 しかし、北海道に補助犬の同伴を認めない公共施設があるなど、法律の精神が浸透しているとはいえない面があります。まだまだ、やるべきことはたくさんあります。
 また、扇千景国土交通相の発言をきっかけに大阪(伊丹)空港の機能縮小や第2種空港への格下げ問題が議論されましたが、結論は先送りされそうなので、今後の動きを見守っていこうと思っています。
 最後は、46万市民の住む尼崎市の今後です。全国最年少の女性市長となった白井文さん(42)は、少数与党で議会運営も大変なようですが、傍聴席には定員(106席)を上回る市民が訪れるなど、多くの市民が注目しています。単にヤジが飛び交うだけでは寂しい限りです。実り有る議論を期待しています。
 来年がどんな年になるのか、浅学の私には全く予想もつきません。「甘い」といわれるかもしれませんが、物事をあまり悪く考えず、前向きに取り組んでいこうと思っています。それでは、皆様、良いお年を。 【阪神支局長・川口忠範】



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