★★ 2月03日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
正司泰一郎・宝塚市長が引退へ 在任3期、身体障害者補助犬法成立を後押し−−兵庫県
兵庫県宝塚市の正司泰一郎市長(67)が、4月の市長選に立候補せず、3期で引退する意向を関係者に伝えていることが分かった。4日の臨時市議会で表明する見通し。
正司市長は、兵庫県議を経て91年の市長選で初当選。同市で介助犬シンシアと暮らす車椅子のコンピュータープログラマー、木村佳友さん(42)の社会参加を進めようと、98年12月、全国で初めて介助犬、盲導犬の「ハーネス(胴輪)」公費補助を表明。99年5月には「シンシアのまち」を宣言するなど身体障害者補助犬法の成立や啓発を地方から後押しした。同市長選には既に、自治会長で元会社員の沼田信夫氏(47)▽兵庫県議の渡部完氏(44)▽宝塚市議会副議長の芝拓哉氏(40)――の3氏が立候補を表明している。 【佐々木雅彦】
|
★★ 2月05日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
「地方からも中央へ発信」 正司泰一郎・宝塚市長が3期12年振り返る /阪神
宝塚市の正司泰一郎市長は4日、臨時市議会での引退表明後、記者会見し、「地方からでも中央へ発信できると実感した」と昨年の身体障害者補助犬法成立を振り返るなど、3期12年の感想を語った。
正司市長は「多選批判して初当選してから、3期が適当だと思っていた」と引退理由を説明。在任中に「宝塚というイメージに合った一流の都市づくり、市民が住み続けたいと感じるまちづくり、震災復興などは、おおむねできた」と、ほっとした表情を浮かべた。
補助犬法についても「木村佳友さんと介助犬シンシアの社会参加を助けようと98年から勉強を始め、障害者全体の問題としてプロジェクトチームをつくった。短期間で法律ができ、地方からでも中央へ発信できると実感した」と満足そう。
一方、市長室が架空融資交渉の場となった疑惑が浮上したり、職員が談合事件で逮捕されたこともあった。しかし、正司市長は「私自身の生き方を変え、制度を改革し倫理条例も制定した。改革のチャンスに恵まれたと解釈し、対応した」と語った。
また、長年市民らに親しまれてきた宝塚ファミリーランドが今春閉園することについては、「市にとって大打撃だが、それに勝る施設に生まれ変わると期待している」と、今後に夢を託した。 【佐々木雅彦】
|
★★ 2月15日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★
「シンシア像」作っては 引退する正司泰一郎・宝塚市長に聞く /阪神
4月の市長選に立候補せず、3期12年での引退を明らかにした宝塚市の正司泰一郎市長に、川口忠範・毎日新聞阪神支局長がインタビューした。正司市長は「『シンシアのまち』を全国に発信して身体障害者補助犬法もできた。今後も誇れるまちづくりを進めていってほしい」などと語り、介助犬シンシアの像を作ることや、宝塚から補助犬法の啓発を発信していくことなどを提案した。
――阪神大震災に直面して何を感じたか。
正司市長 あの日の風景は心に焼きついて離れない。10年は元に戻らないと感じた。しかし、再生を通して、一流の都市にしていけるとも考えた。まちづくりの総合プロデューサーとして、震災市長の使命感を持って動いた。歌劇を中心とした「宝塚」にふさわしいまちとして復興できたと思う。
――温泉利用施設「市立宝塚温泉」が赤字を抱え、宝塚ファミリーランド閉園も迫る。まちづくりは曲がり角では。
市長 宝塚のルーツは温泉。まちづくりは長期的視野が必要だ。ゆっくり育てていってほしい。ファミリーランド跡地も、新しい文化を発信する施設になると信じている。
――伊丹、川西、猪名川各市町と3年間協議していた「阪神北部広域行政研究会」が「合併の気運、熟成せず」と結論を出した。将来は宝塚はどんなまちに。
市長 住民調査で合併への意識が低いことが分かった。しかし、財政的には合併は効果的だ。将来は考えていかざるを得ないのでは。ただ、各市町の名や個性など独自性が残る仕組みは必要だ。
――昨年の身体障害者補助犬法成立は、数年に及ぶ宝塚市独自の取り組みが後押しとなった。
市長 木村佳友さんとシンシアが宝塚で暮らしていたからこそ、市民挙げての運動になった。その象徴として、シンシア像を作ってはどうか。法の精神は十分に広まっていない。補助犬シンポジウムなどを通し、このまちから発信し続けてほしい。
|
★★ 2月16日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★
企画特集・身体障害者補助犬法 支える犬たち、法で後押し
「身体障害者補助犬」を知ってますか? 障害者の生活を助けてくれる介助犬、盲導犬、聴導犬のことで、昨年から、3種類をまとめてこう呼ばれています。これまで、介助犬や聴導犬はペットとの区別があいまいで、障害者はレストランや電車で同伴するのをよく断られました。そんな現状を変えようと、昨年5月には「身体障害者補助犬法」もできました。この欄では、法律で何が変わったのか、補助犬はどんな仕事をするのかを紹介します。ぜひ、周りの人にも伝えて下さい。
◇物拾ったりドア開ける−−介助犬
手足が不自由な人に代わって、落とした物を拾ったり、ドアを開けたり、お店の棚から買いたい物を取ったり、車椅子を引っ張ったりします。介助犬は何を取ってきてほしいかを、ちゃんと聞き分けることができます。人が多く集まる場所では静かに飼い主に寄り添ったり、ずっと地面に伏せたりして、外出時のマナーも心得ています。
米国では1000頭以上の介助犬が活躍していますが、日本ではまだまだ歴史が浅く、実際に働いているのは30頭ほどしかいません。
◇一緒に歩き段差教える−−盲導犬
目の不自由な人が外出する時、寄り添って一緒に歩き、道や建物内の障害物や段差など注意すべき場所を教えてくれる犬です。時には、飼い主を体を張って守ることもあります。補助犬のなかでは最も歴史が古く、日本では1957年に初めての国産盲導犬が誕生しました。現在、全国各地で900頭近くが目の不自由な人を支え、活躍しています。でも、盲導犬を必要としている人は8000人近くいるといわれ、もっとたくさん育てる必要があります。
◇玄関や車の音知らせる−−聴導犬
耳の不自由な人に、時計のアラームや電話、玄関のインターホンなどの音が鳴っていることを知らせるのが仕事です。耳の不自由な人は、どこかで音が鳴っているのではないかと不安を感じることが多いのですが、聴導犬が近くにいれば安心して暮らせます。
外に出かける時も、車のクラクションの音などを教えてくれるので、心強いんです。この仕事は、音に敏感な犬でないとつとまりません。介助犬と同じように歴史は浅く、国内にはまだ約20頭しかいません。
◆介助犬と暮らして 木村佳友さん(42) =兵庫県宝塚市=とシンシア
27歳の時、交通事故で、胸から下がすべて動かせなくなり、車椅子の生活になりました。床に落としたものを拾えない。ドアも開けられない。電車では切符も、スーパーでは品物も取れない。シンシアは、そんな私の手伝いをしてくれます。車椅子から落ちて、倒れたままになってしまった時、携帯電話を持ってきてくれたので、助けを呼べたこともあります。
「落としたバッグを拾ってください」と誰かにお願いするのは勇気がいります。でも、シンシアなら、お手伝いの後に「グッドガール(いい子だね)」と声をかけ、頭を何度もなでてあげると、目を細めて喜んでくれます。遠慮せずに頼むことができるので、気持ちが楽になりました。
身体障害者補助犬法で、たくさんの人が利用する民間の建物や施設にも、補助犬が入れるようになります。でも、「入ってはだめ」と言われれば、罰則がないためそれまでです。補助犬法への理解が広まり、障害のある人もない人も、すべての人が優しい気持ちで生活できる世の中になることを願っています。
◇聞いてみよう補助犬法
――身体障害者補助犬法ができたおかげで、どこにでも行けるようになったのですか?
補助犬法は昨年10月に施行され、国や地方自治体が管理する施設(官公庁、公立学校、公営住宅など)、公共交通機関(電車、バス、タクシーなど)は、補助犬の同伴を拒めないことになりました。また、マンションに補助犬と一緒に住んだり、職場に連れていくのも、「拒まないように努めねばならない」ことになっています。今年10月からは民間施設(飲食店、スーパー、ホテルなど)でも受け入れが義務になります。これで、買い物や仕事、旅行などの社会活動に法律の網がかけられることになります。
ただし無条件ではありません。障害者は犬が他人に迷惑をかけないように行動を管理しなければなりません。補助犬は国が指定した団体などから認定を受ける必要がありますし、外出する時は補助犬であることをはっきり分かるように表示しなければなりません。補助犬の質を一定にして、社会に受け入れられるようにするためです。
■写真説明 木村さん(左)と車で出かける介助犬シンシア =兵庫県宝塚市内で、佐藤賢二郎写す
|
★★ 2月19日 読売新聞・東京本紙・朝刊 ★★
[生活スコープ]ワイド版 身体障害者補助犬法施行4か月 犬同伴、理解進む
|
★★ 2月26日 毎日新聞・朝刊・神戸版 ★★
「介助犬認定制度に適切に対応したい」 県議会本会議で井戸敏三知事 /神戸
身体障害者補助犬法による介助犬の認定制度について井戸敏三知事は25日、「検討委員会を設置して関係者の意見をうかがい、その結果を踏まえて適切に対応したい」と前向きな考えを示した。県議会本会議の一般質問で答えた。
昨年10月に施行された同法は、身障者の生活をサポートする介助犬などに法的地位をもたらし、官公庁などの公共施設や公共交通機関に補助犬(介助犬、盲導犬、聴導犬)の受け入れを義務付けている。介助犬の認定は、厚生労働相が指定した法人が行う。
また、介助犬の利用希望者の相談に関して井戸知事は「4月から身体障害者更生相談所(神戸市西区)に相談窓口を設置したい」と説明。「今後も介助犬の普及に積極的な役割を果たしていきたい」と述べた。 【森本宗明】
|