☆☆ 『シンシア』の事が掲載された2003年03月の新聞記事 ☆☆

★★ 3月15日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

FM宝塚に毎日新聞阪神支局の川口忠範支局長が出演 記者の仕事ぶりを紹介 /阪神

 FM宝塚(宝塚市逆瀬川1、83・5メガヘルツ)の番組「たからづかシティインフォメーション」のゲストコーナーに14日、毎日新聞阪神支局の川口忠範支局長が出演。パーソナリティーの河西鈴子さんの質問を受けながら、新聞記者の仕事ぶりなどを語った。
 「記者にとって大事なことは」との質問に、川口支局長は「人間が好きで体力があること」を挙げ、市内で暮らす木村佳友さんと介助犬シンシアに触れて「身体障害者補助犬法を周知する記事を、今以上に宝塚から発信していきたい」と語った。 【佐々木雅彦】

★★ 3月22日 毎日新聞・大阪本紙・朝刊 ★★

身体障害者補助犬法 教材化で進む補助犬理解 学校での取り組みを紹介

 介助犬シンシアと車椅子の木村佳友さん(42)が暮らす兵庫県宝塚市や周辺のまちでは、子どもたちが補助犬問題を教材として、住みよいまちづくりについて学んでいます。昨年できた身体障害者補助犬法では、法律への理解を深める教育をしていこうと定めました。木村さんたちも「子どもが理解すれば親も素直に耳を傾け、世の中全体に広まっていくはず」と期待しています。学校でどんな取り組みが行われているのか、紹介します。

◇劇に 文化祭で「介助犬シンシアの劇」を上演
 宝塚市立宝梅中学校2年の約30人は、昨秋の文化祭で「介助犬シンシアの劇」を上演しました。車椅子の障害者のまさお君が店で介助犬の同伴を断られたことをきっかけに、級友たちが町内を回って理解を訴えるストーリーでした。
 「よりよい町に宝塚を」をテーマに、自分たちのまちを知る総合学習の一環の劇で、演じ終えた生徒たちは「芝居を通して介助犬のことを詳しく知りました」「補助犬の入店が断られないようにしたいと思います」と話していました。

■写真説明 中学生らが上演した「介助犬シンシアの劇」。木村さん(手前右)もシンシアと観賞した=兵庫県宝塚市立宝梅中で

◇絵本に 「グッドガール! シンシア」で総合学習
 宝塚市は4年前から、シンシアを教材としてきました。盲導犬と介助犬を紹介した小中学生用福祉副読本や、木村さんとシンシアの暮らしぶりを紹介したビデオを作り、「シンシア絵画コンクール」も開きました。
 昨秋からは、毎日新聞の連載童話をまとめた絵本「グッドガール! シンシア」を使った総合学習や、幼稚園での読み聞かせが盛んです。

■写真説明 笑顔で「グッドガール! シンシア」を読む児童 =兵庫県宝塚市立光明小で

◇講演に 木村佳友さん、豊中市の小学校で講演
 補助犬を通した授業は宝塚市だけではありません。大阪府豊中市の市立大池小学校では1月、人権教育学習として、木村さんが4〜6年生約350人に、シンシアと一緒にお店に入ることを拒否されたこと、シンシアのおかげで前向きに生きられるようになったことなどを話しました。
 子どもたちから「一番苦労したことは」「シンシアがいてよかったことは」と質問が相次ぎ、「介助犬が入れる店が増えたらいいのに」との感想もありました。3学期には「自分たちにできることは何か」を文章にまとめることに挑戦しました。

■写真説明 木村さん(手前右)から、シンシアとの暮らしぶりを熱心に聞く児童ら =大阪府豊中市立大池小で

身体障害者補助犬法 補助犬法Q&A

――正式に介助犬や聴導犬と認められた犬は、何頭いるんですか?
 実は、まだ一頭もいません。昨年できた身体障害者補助犬法では、厚生労働大臣が指定した法人が認定することになっています。しかし、その認定団体は、まだ決まっていません。

――なぜですか?
 障害者の持つ障害はそれぞれ違い、必要な手助けの内容も違います。十分な訓練を受け、障害者が必要とする手助けをきちんとできる犬を認定するため、いろいろな準備に時間がかかっているからです。もちろん、既に活躍している介助犬や聴導犬は、法律上の手続きを待っているちゃんとした補助犬と理解すべきです。

――正式な介助犬や聴導犬が誕生するのはいつごろになりますか?
 厚労省は「4月中にも数団体が認定団体として指定される見込み」としています。現在活躍している約30頭の介助犬、約20頭の聴導犬も順に認められていくはずです。ただ、補助犬を求めているたくさんの障害者がみんな補助犬と一緒に暮らせるようになるには、もう少し時間がかかりそうです。

★★ 3月24日 毎日新聞・朝刊・阪神版 ★★

介助犬との生活を紹介 小学生ボランティア体験教室で木村佳友さん−−三田市 /阪神

 三田市の子どもたちが補助犬や障害のないまちづくりを学ぶ「小学生ボランティア体験教室」が23日、同市総合福祉保健センターであった。参加者らは、宝塚市に住む車椅子の木村佳友さん(42)や、市民グループ「宝塚補助犬支援の会」のメンバーから、介助犬シンシアとの暮らしぶりやボランティア活動について話を聞いた。
 同会は、身体障害者補助犬法を広く知ってもらおうと啓発活動を行っている。今回、同市ボランティア活動センターが同会に相談し、体験教室が実現した。
 この日、子どもたちは木村さんの講演を聞いた後、「家にはどんな工夫があるの」などと質問。木村さんは「車椅子で通れるよう段差をなくし、電気のスイッチも手の届く高さに下げました」と答えていた。その後、同会のメンバーがボランティアについて説明した。 【佐々木雅彦】

★★ 3月31日 毎日新聞・大阪本紙・夕刊 ★★

ドラマ「シンシア〜介助犬誕生ものがたり〜」 富田靖子さんに聞く 5月5日放送

 毎日新聞が98年以降、長期キャンペーンとして取り上げている「介助犬シンシア」を毎日放送がテレビドラマ化。5月5日午後3時から90分の特別枠で放送する。コンピュータープログラマー、木村佳友さん(42)夫妻を描いたドラマスペシャル「シンシア〜介助犬誕生ものがたり〜」。木村さんの妻、美智子さん(40)の視点で見た障害者と介助犬、そして夫婦の物語である。撮影は既に兵庫県宝塚市でクランクイン。キャンペーンの推進役で、原作「介助犬シンシア」(毎日新聞社刊)の著者の一人でもある藤原健・毎日新聞大阪本社編集局次長が、美智子さんを演じる女優の富田靖子さんに、ドラマへの意気込みを聞いた。 【まとめ・西村浩一】

◇こもる深い思いいい作品になる

――富田さんは既に何回も木村さん夫妻に会われていますね。

富田さん (初めての出会いは)今月初めの神戸での舞台の後でしたが、ご夫婦の足元にシンシアがごく普通にいたのが印象的でした。「役作りのヒントにならないか」と美智子さんを見ていると、年下の私がいうのも変ですが、非常にバランスのとれた方だと感じました。前に出ないけれどきっちりと自分を持っておられる。同じ女性としてあこがれですね。シンシアもかわいかったです。

――今回演じられるのは歴史上や小説の人物でなく、今、生きている人ですね。

富田さん 本人にもお会いし、シンシアも実際に見て、演じる側としてはなかなかきついですね。でも、だれにも今やらなければいけないことってあると思います。私でいい、と木村さんに言っていただいたのですから、難しいからと目をそむける訳にいきません。

――ドラマの背景には阪神大震災の経験があります。あの時以来、阪神地区に住む人たちは打算のない助け合いを大切にし、いっそうやさしくなったような気がします。私は「やさしさネットワーク」と呼んでいるのですが、そういう広がりが2人を支えたように思います。ドラマの完成を待っている人もたくさんいるんですよ。

富田さん 私は今年でデビュー20年になります。そういう時にこのドラマにめぐり合えて本当にうれしいです。いろんな人の思いが深いものほど、不思議といい作品になるものです。クランクインの前で、これだけ多くの人がかかわって、深い思いを込めている物語ですから、絶対にいい作品になります。

◇神様が用意したすてきな出会い

――ドラマの中に出てくるトレーナーや、近所の女の子はすべて実在のモデルがいます。

富田さん 木村さんがシンシアと出会って、そのシンシアの介助犬としての適性を見抜くトレーナーが現れたこと。そして介助犬となったシンシアと木村さんの相性も良かったこと。まるで奇跡のようですね。「神様ってすてきな出会いを用意してくれているんだなあ」って思いました。近所の女の子も登場すべくして登場したような存在ですね。木村さんが自分の指示を聞かないシンシアに困っている時、木村さんに「努力足りひんのと違う」なんて。よく言ったなあ、すごいなあ、と感心しました。あの年齢の女の子が言ったから、直球で胸に届いたんだろうと思いました。

――脚本を読まれて一番心に残った場面はどこですか。

富田さん ドラマの最後で、すべて打ち解けて美智子さんが「やさしくうなずく」場面があります。そこで私がどんな笑顔を見せることができるか。今はまだ想像できませんが、その場面のためにこのドラマがあるというシーンです。

――とてもよく木村さん夫妻のことを理解されています。木村さんはよく、どんな時でも「ありがとう」と言うことから交流が始まると話されています。それを包み込むような美智子さんの笑顔ですね。まさにそのシーンこそ「やさしさネットワーク」なんだと思います。ドラマの完成が今から楽しみです。

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◇対等な関係に感動 プロデューサーの日高英雄さん

 介助犬シンシアをめぐる一連の動きについては以前から新聞の連載や本を通じ、ずっと注目してきました。でも、最終的にドラマにしようと決めたのは、木村さんとシンシアにお会いしてから。びっくりしたのは、木村さんとシンシアの関係です。「命令するものとされるもの」の関係でなく、対等なパートナーに思えたからです。
 例えば、木村さんが「テーク グローブ」というと、シンシアは、ちゃんと木村さんを見て、それから行動に移る。車椅子の横を歩く時でも、自立したように着実なテンポを刻む。これまで犬が出てくるドラマや映画はたくさんありましたが、ほとんどは人間と従順に仕える犬という関係でした。木村さんとシンシアを見て、私は感動しました。
 そんな感動を第三者的な人の目を通して視聴者に伝えたいと、ドラマでは美智子さんを主役にしました。富田さんに頼んだのは、美智子さんの人間としての懐の深さを彼女ならうまく表現してくれると考えたからです。富田さんとは10年以上前、いっしょに仕事をして「いつか骨太なドラマをやろう」と話していました。彼女は二つ返事で今回の役を引き受けてくれました。

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◇ドラマのあらすじ―――脚本・清水有生(ゆうき)

 結婚から1年足らず、兵庫県宝塚市内に住む臨床検査技師、木村美智子(富田靖子)と会社員の夫、佳友(金山一彦、写真左上)の夫婦に突然、不幸が訪れた。佳友が交通事故で自力歩行できない身になってしまったのだ。佳友はふさぎこみ、美智子にあたる。
 2人を見かねた車椅子の老人(笑福亭松之助、同右上)が「早く一人前の障害者になりなよ」と励ましたのをきっかけに、佳友はリハビリに取り組み出す。情報処理一種試験に合格し在宅で勤務。そんな時、美智子は近所の女の子、大塚真友子(明石泰葉、同左下)と犬のふれあいを見て犬を飼いたいと言い出した。やってきたのはラブラドルレトリバー種の犬。「シンシア」と名づけた。悪さをして困っていた時、テレビで介助犬の存在を知り、「シンシア」をトレーニングに預けることになった。
 トレーニング中、阪神大震災が発生する。「シンシア」はその後、4カ月のトレーニングを経て戻ってきた。シンシアとトレーナーの矢沢知枝(中山エミリ、同右下)、佳友、美智子の合同トレーニングが1カ月間続く。動物と人間が心を通わせ、パートナーとなるために、悪戦苦闘の連続だった。しかしその努力がやがて、介助犬が認知されない社会への訴えへと広がりを見せていく。 =敬称略

■写真説明 木村佳友さんと車で出かける介助犬シンシア =兵庫県宝塚市内で、佐藤賢二郎写す

■写真説明 ドラマスペシャル「シンシア〜介助犬誕生ものがたり〜」に出演する富田靖子さん =大西達也写す

■写真説明 抱負を語る富田靖子さん(左)。聞き手は藤原健・毎日新聞大阪本社編集局次長 =大西達也写す



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