十三

「ティア、お願い……」
「……(ぶくぶくぶく)」
「アタシの子、産んで?」
「いやーーーっ! 誰か、誰か男の人呼んでーーーっ!」
 真顔で言われたもんだから、ティアナは恐ろしくなってスバルを突き飛ばした。
 それでもスバルの目の色は変わらない。瞳の黄色が熱を持って動いた。
 ティアナの硬い舌は余計に硬くなった。
 ――このままだとレイプされるっ!
 ティアナは走って逃げた!
「待ってよティアーー!」
 しかしスバルがそれを追う。
 逃げたといっても、スバルの足の速さに勝てる気はしない。
 だからティアナはある程度身近で、迷惑をふっかけても問題なさそうな人の元に逃げ込んだ。
「ユ、ユーノさん!」
 ティアナはユーノを上司として軽く見ていた。
 少なくとも軽くヘンタイだとは思っていた。
 それにヴィータよりは恩に厚いと。
「え、あ。どうしたのティアナ、そんなに慌てて」
「慌てるも何も! スバルがなんかめちゃくちゃで!」
「……いつものことじゃない?」
「そうですけど! 今日は特別で! 特に嫌なほうに特別で!」
「なぁんだティア。ここにいたんだ」
 説明する暇もなく、スバルがやってきた。
 ティアナは腰を抜かしながらも必死に逃げて、ユーノの体にしがみついた。
 するとユーノはあることに気がついた。
 ティアナの口元に、白いケーキがついていたのだ。
「ティアナ。もしかして食べた、ケーキ……?」
「え、え? スバルがユーノさんからもらったってやつですか?」
「もらった? そんな。僕は捨てようとしてたのに」
「す、捨てよう?」
「ファンの子とかにはいるみたいなんだ。贈り物に、変なの混ぜたりする人が。だからあんまり食べ物は食べないようにって言われてて」
「変……、なの? 変なのって?」
「危ない薬とか、いろいろ混ぜるて贈る人とか……」
「それをスバルが勝手に持ち出して、食べたって……?」
「確証はないけど、さっきスバルが欲しいって言って臭い嗅いでみたら変だったし」
「ねぇティア、ユーノせんせーも一緒がいいってこと?」
「うわっ! ちょっ!?」
 スバルが今度はユーノを押し倒した。
 硬い絨毯の上で、押さえつけられる細い体。
 スバルはその上で、ティアナに笑顔で手招きをした。
 いつもなら毛嫌いして逃げ出すティアナだったが、この時ばかりは留まった。唾を飲んでじっくり考えてしまった。
 このままユーノを餌にして、逃げ出してしまうのがいいだろう。
 しかし合体したい。
 そして今ならできる。
 欲求が理性を圧し、大きな戸惑いを作り上げてくる。
 どさくさに紛れて、急にずうずうしくなりはじめたティアナだった。
「こ、これはユーノさんが悪いんですからね。そんなケーキもらってくるから!」
「いや僕は捨てようとしてて、持ち出したスバルが……、い、いやちょっとっ!」
「男として責任取るべきですよ!」
「いやーーーっ! 誰か、誰か男の人呼んでーーーっ!」
 ティアナとスバルはユーノのスカートに手を突っ込んで、下着を腕力によって引き裂いた。普段息の合わない二人による始めての共同作業だった。これはのちに始まる二人の伝説の芽生えだったのかもしれないが、まず後世に語られることはないだろう。
 ぼろんっ。
 現れるユーノのデバイス。
 実物を見て、さすがに一瞬正気に戻りかけたティアナだったが、無理矢理服を脱がすという行為に妙な興奮を覚えてしまったので、欲求は強くなるばっかりだった。
 それをスバルが真っ先に押さえた。そうして口を近づけると、ねばっとした唾を残した舌を出しながらゆっくりと頭を上下に動かした。
「はん……。ちゅる、じゅる」
 ――少しはためらうものじゃないの。
 ティアナは積極的なスバルに驚いた。
 しかし清純ぶって仲間はずれにされるのも嫌だったので、便乗するように同じく肉棹に舌を当ててみた。特に味はしかなった。
 二つの舌がからみつく。
 じゅぷじゅぷと淫靡な音が立って唾液が垂れると、スバルは大きく口を開けて、それと肉幹を丸ごと吸い立てた。
「ん……ぅ。せんせー、だんだんおっきくなってきてる……」
「じゅる……。これ終わったら、ユーノさんの番ですからね」
「ぼ、僕の番って?」
「やってあげてるんですから、やってくださいよ」
 ティアナの口から、つぅっと透明な唾液が垂れて、ユーノの肌に落ちた。
 その間もいじくられる幹は、じょじょに硬くなり、いよいよスカートを自分で持ち上げるぐらいにまでなった。
 ティアナはそびえ立つモノを見て、また唾を飲んだ。
 さすがは一流の指導官とさえ思った。
「スバル、じゃんけん!」
「じゃんけんポン!」
「ポン! アタシの勝ちよ!」
「えーー」
 限りなく息の合う二人は、なんの障害も生まず、次の段階へと進んだ。
 子供のように胸を高鳴らせながら、ティアナはユーノの上にまたがった。けれども恥ずかしさはあったので、顔を合わせないよう、お尻を向けて座った。
 我慢に我慢を重ねた結果の下着には、もう液が染み込んでいる。
「こ、これは……、薬のせいであって、断じてやましい気持ちを普段から持ってるわけではなく……。し、仕方無しにやるんですからね。そこ注意してくださいよ」
「あ、はい……」
「挿れ……、ます……」
 ろくに脱ぐこともせず、ティアナは下着を横にずらしただけでそそり立つモノを秘唇に当て、戸惑うことなく奥までねじ込んだ。
 ついに叶った合体。
 奥まで丁度良く突き上げてくるモノに、ティアナは深い満足感を得た。
「んっ……、あっ……」
 動いてヨシ。自分にヨシ。うん、ヨシ。
 ティアナの腰がモノをきつく締めながら、がむしゃらに動く。
 今まで溜まっていたうっぷんという泥が、綺麗に流れていく感覚がした。
「んっ、な、なにして。スバル、ちょっとっ!」
「ティアってあわてんぼーさんなところあるよね」
 そのティアナの服を、スバルが丁寧に脱がした。
 上着を脱がされ、胸を隠すブラも取った。
 白い肌に置かれる二つのふくらみ。スバルはそれを楽しそうに揉みほぐしてみた。
「や、やめな。……ん、んぁ。やめなさいよっ!」
「ティアやらかーい」
「ほ、ほんと、怒る、わ……っ!」
 意気込みながらも、快楽の高ぶるティアナはさらに激しく動き、股の間でじゅぶじゅぶと音を立て続けた。
「っくぅ。んっ!」
 ティアナのからだがびくっと跳ねて、硬直する。
「ユーノさん、も、動いてくださ……。あ、はぅ。んっ!」
「……ティアナ、なんだか変にのってない?」
「そ、そんなこと、ないです。これは薬のせい。そう、薬の……、んっ! あぁああ!」
 体をのけぞらせて、ティアナの声が部屋に大きく響いた。
 気持ちいい場所だけを好きに突いたから、絶頂までもそう時間がかからなかった。
「はぁ……、んっ……」
 腰を浮かせて、肉幹を抜く。
 心地良さに酔うティアナだったが、ガチガチになって反り返ったモノは、まだ足りない様子で秘唇に全身をつけていた。
「ちゃんと最後までやってあげないと。ティア、そのままね」
 後ろ手をついて息を整えているティアナに向かって、肌を全て晒したスバルが足を広げて体重を預けた。
 割れ目と割れ目が重なる間で、硬くなりきった肉棹が圧される。
「ティアはそのまま。アタシが、ん、動くから……、ね」
 スバルは腰を少し浮かして、上下になぞって棹を圧した。
 裏スジを、柔らかい秘肉でなぞられる。
 そうやって潰されて、さらに反り返れば、今度はティアナの割れ目に押さえ込まれる。
 幹は二人の恥丘の間から、どっちにしろ逃げられなかった。
 じゅく。じゅく。
 愛液のまとわり付くモノに、細かい泡が立った。
「せん、せー、どう? きもち、いい? ん、ふぁ。出ちゃう?」
「あ、うん……、いやその、お、重い……、よ……」
「こんなことしてあげてるのに、そんなこと言うんですか」
 手の空いたティアナが、むき出しの亀頭を指でこねる。
 硬い棹と違って、ここだけはぷにっと柔らかく、触っていて面白かった。
「う、ぁ……、それは……」
 ユーノの口から、熱い声が漏れた。
「ティアナ、もう、抑えて……」
「別にいいですよ、出しちゃって。アタシだってそのぐらい知ってますから」
「あの、だから……っ!」
 びゅっ。びゅく。びゅくびゅく。
 一つがデシリットルはある塊が、何度もティアナの全身にかかった。こればかりはティアナも知らないできごとだった。
「……なんですかこれ」
「え、えっと、体質というか。その……」
「こんなに溜まってるってことは、まだまだ平気ってことですよね」
「え……?」
「良かったですねユーノさん。スバルもまだだし、アタシもまだまだって気分ですから」
 振り向いたティアナの体から、べっとりと精液が垂れた。
 その時覗けたティアナの瞳は、スバルと同じように黄色く焦点があっていなかった。
 これもそれも、あのケーキのせい。
 と思っていたのだが、事の真相はまたティアナがまたがった時にわかった。
「これもユーノさんが、悪いんですからね……」
「そんなこと言っても、持ってたのはスバルが……!」
「貰っていらないならすぐ捨てる、当たり前じゃないですか」
「そりゃおとといもらって、忘れてたっていうのもあるけど」
「え。お、おととい?」
「……そうだけど?」
「2日間も常温に置いてたら酸化するのも当たり前じゃないですか! だいたいフルーツタルトだなんて、一番腐りやすいものを……っ! 酸っぱい味がするのも当然です!」
「あ、ぁ。……そうだね」
「じゃあスバルが変だったのは……!?」
「だからスバルが変なのはいつものことで……」
「いやぁ、なんか二人でいるとムラムラしちゃって。……でもじゃあどうしてティアはせんせーとえっちしてるの?」
 スバルの一言で、ティアナの腰がぴたりと止まった。
 つまり薬のせいでもなんでもなく、ただ自分が合体したかったから合体しているだけだった。
 ティアナの額から出てくる汗は、冷たく、ねばっこかった。
 一瞬で現実に戻されたティアナは、震える唇でこう言った。
「え、えっと……。すいませんでした……」
「いや、この状態で謝られても……」
 そりゃそうだ。

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