| ダム師対バサー(1) |
| 風屋ダムはここ数年ブラックバスを狙う若者が増えた。 |
| 特に、好き勝手にエンジンボートを乗り回しているにわかバサーが目立つ。 |
| 釣りというより、まるで競艇選手をめざしているようだ。 |
| エンジンボートなので、こちらが何を言っても聞こえない。 |
| 一度釣りをしているとき、猛烈な勢いでこちらに向かってくるボートがあった。 |
| このままではまずいと思い、立ち上がって止まれ〜!と手を振って叫んだが |
| 向こうも手を振り返してそのまま過ぎ去っていった。 |
| 次の瞬間大波が押し寄せズボンがビショ濡れになったことは言うまでもない。
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| 昼間にのんびりと釣り糸を垂れることのできるダム湖は |
| 日本にどれほど残されているのだろう? |
| ダム師対バサーの対決はこれからも続く。 |
| ダム師対バサー(2) |
| これも風屋ダムでの出来事。 |
| 前日に大雨が降ったため、ダム湖の水位が急激に上がり始めた。 |
| もともとダムの水位が低かったため、発電所側は放水しなかったのだ。 |
| 水の上がる早さは尋常でない。 |
| 50cm、1m、2m、3m、とうとう岸辺に止めてあった |
| バサーの車が水に浸かり始めた。 |
| ボートに乗っている連中はこの異常事態に気付かないのだ。 |
| クラクションの音が断末魔の叫びのように鳴り始めた。 |
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へらはいっきに岸辺につっかけてきた。 |
| 完全に水没した車の横で、爆釣するダム師がいた。 |
| ダム師対バサー(3) |
| 冬の山田ダムでの出来事。 |
| 夕方前からナイターに備えてエサを打ち始めていた時のこと。 |
| 前をすれ違うボートのバサー連中が喋っている。 |
| ”ぜんぜんあかんわ〜” ”こっちもや〜” |
| 内心ニヤリとほくそ笑む。 |
| ”当たり前や。こんな水温でブラックバスがルアーを追うかいな!” |
| その時、なじみかけた浮子がいっきに消しこんだ。 |
| ”ほれ見てみー ヘラはこの水温でも食うんや!” |
| 強烈な引きの後、上がってきたのは何と30cm程度のブラックバスであった。 |
| バサーが驚いたようにこちらを振り返った。 |
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その日の釣果はそれ1匹だったことは言うまでもない。 |
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