これは以前,仕事でアメリカを訪れた時のことです。
休みの日にお昼ご飯を買うため,とあるスーパーの中にあるハンバーガーショップに行きました。
その店はそれまで何度か使った事があったのですが,その日は少々混んでいたようで商品の出来上がるのを待っている人が結構いました。
私がレジの前に行くと,他の客は注文が終わっているみたいで,レジのおばさんが私の方を見て
“May I help you?”
と問いかけてきました。
私がいくつかの商品を注文して代金を払った後,突然そのおばさんが,
“What’s your name?”
と聞いてきました。
いきなり名前を聞かれた私は,なぜハンバーガー買うのに自分の名前を言わないといけないのか,以前はそんな事聞かれなかったのになどと不審に思いながら,
“Mine???”
と聞き返しました。
“OK〜”と言いながら,私の伝票に『Mai』と記入するおばさん。
その時,疑問が氷解しました。
客待ちが多いときは名前を聞いておいて,商品が出来たらその名前を呼んで商品を渡すシステムになっていたのです。日本では番号札を渡したり伝票に番号が振ってあるシステムが普通で,アメリカでも大抵そうだったのですが,その店はもっとも古典的なシステムを用いていたのでした。
マイか。。。。
麻衣,舞… 男にしては珍しい名前だ…
そして店の隅で待つこと10分少々,レジで白いポリ袋を高々と持ち上げ,にっこりと私の方を見ながら
マ〜イ… マ〜イ! マ〜イ♪
と叫ぶ,さっきのおばさんがいました。
数日後そのショップをもう一度訪れた時,例のおばさんが私の顔をみるや
“HELLO,MAI! How are you?”
と声をかけました。
それ以来,その店では偽名でハンバーガーを買うことになりました。