これは,一昨年(2001年)の秋,会社の仲間内で四国の香川県を訪れた時のお話です。
ニュージーランドですよ,ニュージーランド。
車は数台…
休みか?
「あの〜,すみません… すみません… すみませ〜〜ん!」
「あっ,はいはい… ちょっと待ってなぁ〜〜」
小学生からソフトクリーム代を受け取ったそのおばさんは一目散に駆け寄ってきて,発券所の中に飛びこみました。
「入場券ですか?はいはい,500円ね。乗り物券,付けます?100円券10枚綴りやから,合わせて1500円ね〜」
みんなから順にお金を受け取った後,そのおばさんは入場ゲートに移動して,
「ハイ,いらっしゃい。どうぞ〜」
可愛い制服や帽子のお姉さんからは程遠い,白いエプロン姿の売店のおばさんが,あたふたと順に半券をちぎります。
ニュージーランドです。
きっと入ればすごいんだ。
やはりそこは別世界でした!!
左手の方に目をやると,そこに広がるは広大な……
日本庭園!?
ニュージーランドに灯篭とか鳥居ってあたっけ??
「こそっと,入っちゃおっか?」
水浸しでした…
床面に凹凸があるのですが,凹部という凹部に全て水が溜まっていました。
和牛がいました。。。
ニュージーランドと和牛?
ふと横を見ると,近くに乾いた草を丸めたような餌が置いてありました。
今度は係員がきちんといましたが,客はいません。上まで行くためのベルトコンベアだけが,カタコトカタコト動いています。誰が最初に滑るかで少々揉めましたが何やかんやで順番が決まり,1人ひとりとベルトコンベアで上に運ばれて行きました。
カタコトカタコトと,ベルトコンベアに乗せられた私とソリは頂上に向って上って行きます。下を見ると,先ほどの小屋の窓から,「はなこ」がこちらを見上げています。
「このレバーは,前に倒すと進んで,後ろに倒すと止まりますから… じゃあ行きますよ…」
ゆっくりと下界を目指します。カーブする時に敢えてブレーキをかけ,それで何とかスリルを満喫しつつ15秒ほどでゴールです。
やがて,上の方に続く階段が見えてきました。それをみんなで上ると,ほぼ全面が網でできた小屋がありました。案内標識を見ると,そこには鳥がいるみたいです。
チャボが餌をつついていました。。。。
大きなオリというか柵の中に,白やら黒やらのニワトリや,アヒルらしき鳥が走りまわっていました。
小屋の端には,要らなくなった籠やオリがこれも無造作に放り出されていました。
小屋を出た我々はどこで残った時間を潰そうかと思いつつ,次のアトラクションを探しました。やがて,幼児向けのパンダの乗り物がありました。ハンドルが付いていて,コインを入れると足が動いて歩く乗り物です。コイン投入口には“200”と書かれています。
みやげ物を売っている建物に辿りつくと,そこで初めてニュージーランドに出会いました。建物の造りも中の雰囲気も,売っているものも,一応ニュージーランド風です。
ただ,
みやげ物を変えることによって,『ロシア村』にでも,『北朝鮮村』にでも,『イラク村』にでも,何にでもなりそうでした。
みなさまも一度,訪ねてみてはいかがですか?
※ 一部,脚色や誇張表現がありますが,だいたいこんな感じでした。。。。
名物の讃岐うどんを頂き温泉にも入った翌日,電車の時間までどうやって時間を潰そうかという話になりました。
実は,私は旅行前にそうなることを予測して家内に相談していたのですが,家内は何やらガイドブックらしきものを見ながら
“ニュージーランド村に行けば?”
と勧めていました。
で,私がその旨を提案したところ他のメンバーに異存は無く,『ニュージーランド体験』なるオプショナルツアーが発足したのでした。
8人からなるその即席オプショナルツアーは,タクシー2台に分乗し,ニュージーランドに思いをはせながらそのテーマパークに向いました。
楽しそうではあ〜りませんか!
駅から10分程車を走らせたところに,そのテーマパークはありました。
みんなのボルテージも上がってまいりました。
タクシーが駐車場に停まります。
ワクワクしながら降りる8人。
広〜い駐車場です。
?
でも,日曜日のお昼前だけど…
??
少し違和感を感じつつ,まずは入場券です。
券売コーナーに近づく8人。
小さな窓が開いています。
中には人はいません…
???
すぐ横に入場ゲートがあり,そこで半券を切るようです。
よく遊園地などで,きれいなお姉さんが可愛い制服や帽子をかぶって,“ようこそ,いらっしゃいませ”などと言いながら半券を切り取ってくれるアレです。
でも,そこにも誰もいません。
????
ゲートから遊園地の中を覗きこむとそのゲートのすぐ横に売店があり,そこで1人のおばさんが,小学生くらいの子供にソフトクリームを売っているのが見えました。
おばさんが,反応を示しました。
おばさんのあわてて作った爽やかな笑顔とは裏腹に,入場ゲートはちょっとしたパニックです。
さあ,いざ,入園です。
予想外の出迎えに腹を抱え,その庭園を左手に見ながら,何があるのかなと周りを見渡しながらしばらく歩きました。
やがて,ドーム型のトランポリン(?)が見えてきました。
よく遊園地などにある子供向けのもので,ビニル製のドームの中に空気を送り込み,膨らんだその中でぴょんぴょん飛び跳ねて遊ぶ遊具です。
「たまには童心に帰ってこれで遊ぶのも良し」という事で,みんなワクワクしながらそちらに行きました。
が,例によって係員がいません… 周りを見渡しても人影は無く,さっきのおばさんが走ってくるには入口から少々距離がございます。
ということになり,とりあえず中を覗きました。
そういえば,朝早くに雨が降ったっけ…
ドームを諦めた8人は,次なる目標を探しました。
やがて大きな小屋が見えてきました。動物がいる様です。
ニュージーランドに対する期待を胸にその小屋を覗きました。
名前も付けられていました。確か1頭は,「はなこ」だったと思います。
小屋の中に柵があり,そこに鎖で繋がれた牛達は寝そべったまま長い舌を思いっきりその柵の鉄パイプにねと〜っと絡めていました。
柵とディープキスをしてるようです。
みんなが止めるのを聞かず,お金を入れる缶に料金を入れ餌をあげる事に。
恐る恐る,「はなこ」の口元に草の塊を持っていくと,彼女(?)はゆっくりと口をあけ,その長〜い舌を私の手にぐる〜んと絡ませつつ,私の手から餌を持っていきました。
全身に鳥肌が立ちました。
私の勇気が,皆様にたたえられた瞬間でもありました。
さてその小屋を出て横に目を転じると,ジェットコースターらしきものが見えてきました。
正確に言うと,滑り台に毛が生えたというか,一人乗りジェットコースターから多量の毛が抜けたような乗り物で,小高い丘に掘り込まれた石製の長い滑り台の上を,プラスチック性のソリですべる乗り物です。一見楽しそうでしたが,みんなの期待はすでに歪んでいます。
やがて私の番です。初めて乗り物券を使いソリに乗り込み,係員の指示通り足を伸ばして座ると,ちょうど膝の間の位置にレバーがきます。
そのレバーの付け根の部分には,前向きと後ろ向きの矢印と,それぞれに『ススム』,『トマル』の文字がマジックで無造作に書かれていました。
私がそれを見ながらレバーをガチャガチャ触っていると,その係員は
「使い方は上で説明しますので…」
と言いながら,私のソリを押してベルトコンベアに乗せました。
やがて私を乗せたソリはコンベアの一番上まで到着し,まるで回転寿司の軍艦巻きの如く,弧を描きながらゆっくりとスタート地点に運ばれて行きました。
スタート地点にも係員がいました。いよいよレバーの説明です。
ちょ,ちょ,ちょっと…,待て待て待て待て…。
そんな事,読んだらわかるがな。
ソリを押そうとする係員。
をいをい,…マジか?
「カーブする時にレバーを引くと,飛び出す恐れがありちょっと危険です」という重要注意点を発進間際に何とか聞き出し,いざソリの旅です。
ソリから降り,他の人が滑るのを下から見ていました。1人ひとり,順番に滑り下りてきます。中には複雑な表情を浮かべている人もいましたが,それなりには楽しめた乗り物でした。
この頃から,「どこがニュージーランドなんだ?」という疑問が,みんなの頭の中にもたげはじめました。
ここまで国色を最も前面に出していたものは入口横の日本庭園だけです。もちろんニュージーランドとは無関係です。
「きっと,もっと奥に行けばニュージーランドなんだ」と,みんなは期待を心の奥深くに抱きつつ,ニュージーランドを求めて公園の奥に入っていきました。
「きっと鳥を放し飼いにしているんだ♪」という肯定派と,
「牛の例もあるしな…」という否定派
の意見対立がありましたが,とりあえずみんなで網の小屋に入ることに…
その柵の横を見ると,色々な小鳥や小動物を入れた籠が無造作に積み上げられています。
キウイはいませんでした。
私がニュージーランドとパンダの関連性を考えていると,一人がパンダに跨って100円硬貨を2枚入れました。
動きませんでした… コインも戻ってきません。
おかしいなと言いながらみんなでコイン投入口付近を色々触っていましたが,きっと料金は200円ではなく,200NZ$だったのでしょう。
これらの他にも乗り物や遊具がいくつかありましたが,忘れてしまいました。これまでの馬鹿笑い疲れのため,頭がローバーロードしていたのです。
他のみなさんも,もう一杯一杯です。限界です。
仕方なく,みやげ物に助けを求めることにしました。
私も,ニュージーランドをイメージした包装のチョコレートを購入しました。このチョコレートだけ見ると,いかにもニュージーランドを堪能したように映ります。
みやげコーナーを後にして,残った乗り物券をどうするのかと言う話になりました。
お互いに譲り合うというか,押しつけ合っていました。
出口に向う途中ゴーカートが目に入りましたので,最後にそれで締めることに…
1人ずつ順番に乗り込み,コースを走行します。アクセル全開で,超安全運転でした。我々の貸し切り状態にも関わらず渋滞してました…
やがて,電車の時間が迫ってまいりました。
笑い疲れた8人は,ニュージーランド村に後ろ髪を引かれながら,その場を後にしました。
結論としては子供向けの遊園地という感じですが,その異質な雰囲気に私達は完全にツボを押さえ込まれました。
非常に楽しかったです。
このテーマパーク冬の時代に,近くのレオマワールドが潰れても,この村が生き残っている理由が何となく分かりました。
決して憎めないテーマパークでした。
“なぜニュージーランドでなければならないのか?”
という疑問だけは,最後まで解明されることはありませんでした。
このしがない世の中で,きっと心が洗われると思います。
今度,子供を連れて行ってみようか…
※ 本文は同パークをけなしているものではなく,色々な楽しみ方があるというのが主旨です。誤解なき様にお願いします。