この辺の雪は疎らであり,スノーシューはザックに括り付けて歩き始める.このところ雪が降っておらず雪面はザラメ状になっている.道にはだいぶぼやけた昔のスノーシューの足跡が残っていた.う〜ん,どうも先にやられたようだ.でもそれに重なる新しい足跡はすべて「山の住人」のものだけだ.
葉の落ちた樹間からは隣の山が良く見える.こちらの尾根に並行して緩やかな尾根,その先に天ヶ森が突き出ている.登山道らしきものも見える.緩やかな尾根なのであちらもスノーハイクに向いているかもしれない,などと考えつつ静かな山を歩く.相変わらず小動物の足跡が多く,つねに三,四種類の足跡が現れたり消えたりしており目撃はしないがかなり多くの動物が住んでいることに少し驚く.
登るに連れてさすがに雪が深くなってきた.だんだん地面が現れなくなり雪は踝を埋める程度になる.足首が埋まるようになると足取りが重くなる.さぁスノーシューの出番である(ちょっと早いか).履くのは至って簡単ワ ンタッチ.歩いてみると思ったより軽くさすがに雪に埋まりにくいようだがこれで壊れないのか少し心配になる(11:55).
巻くように尾根の肩に出て反対側に移れば目指す八方山と方面森が見えてくる(12:10).単調な尾根歩きなので景色が変わってくれるのはありがたい.鹿くらいの大形動物の足跡が山道と重なっていたが途中で彼は谷に向かって降りてしまっている(12:15).スノーシューの足跡もここで引き返しておりこの先は足跡が無い.ムフフだ.
木の根元に開いた雪の穴から見てだいたい30〜40cmは積もっているようだ.ザクザクと大きな音が気になる.あたりまえだが締まっている雪でもスノーシューは少しは沈む.小沢の吹きだまりを越えるときはスノーシューごと膝まで雪に埋もれるが踵が上がるので脚を引き抜くのは楽だ.ダブルストックで踏ん張ってフウフウ言いながらも登るのもたまには好い.暗い杉林に入ると赤テープを最後に道を見失ったが先に見える明るいブナ林の稜線に向かえばやがて道らしき窪みと合流できた.もっともこの時期は下草は雪に埋もれ遠目が利くのでどこを歩いても大丈夫だ.登って行けば山頂に着く.
やや急なブナ林を登る.この山の最も美しいところだ.滑らかにうねる白い雪面の好きなところを歩く.まもなく山頂だ(13:25).誰もいない.足跡ひとつない.春には笹原になっていた南東面は雪の広場となっていた.山頂を示す標識も「八」の字だけが雪より顔を出しているにすぎない.お茶を飲んでチョコレートを口に入れる.昼飯は省略だ(ちょっと寂しい).下には雪のない北上盆地も良く見える.時折薄日なども射しなかなか良い雰囲気だ.祠の裏の下草も雪に隠れて今ではさらに奥まで歩けそうだが今日は時間が遅いので止めておこう.13:50に下山.もっとゆっくりしていても良いのだがひとりだとどうも時間を持て余す.
下山ではどうしても爪先に体重が掛かるためかスノーシューが雪に潜り込みがちだ.反対に潜らないと滑るので歩き方にコツが必要か.ともあれ軽快に下れることは間違いない.無事15:25に駐車場着.
天気は曇りがちだったが暖かい一日(5℃)だった.