この季節ではおそらく誰も利用しないだろう運動場の駐車場にクルマをおいていざ出発。今日は天気も良く絶好の登山日和になりそうだ。林の入口で同じくクルマの後で準備をしているオジサンに挨拶して先に行く。
予想していなかったが山道には複数名の足跡が残っていた。バージンスノーは体験できないがルートははっきりしている。良かった。まずは杉林の中、湿って重い雪の道を緩やかに登る。先週はよく雪が降ったが気温が高いのか、すぐに溶けてしまっていたが、この辺もそのようだ。
傾斜が急になるとそれに合わせて道も葛折れになっていく。道は足跡の穴だらけで結構歩きにくい。長靴のパターンはすべて下山しており、今日は自分が最初のハイカーのようだ。葛折れが終わり、547mのピークを左に、右に谷を見つつ登るようになるといったん開けて辺りは明るくなる。尾根を乗っ越すと林道に合流。赤茶けた崖が痛々しい。標識どおり再び山の道に入り北東に向かえば雪に埋もれた「二の平」の標識が現れる。ここからやっときれいな落葉樹の風景になる。
水分神社からの尾根に合流すれば下界の景色が見えるようになる。見えるのは矢巾町か。木々の間からは北上高地の山々も見える。良い天気だ。
足跡はあるとはいうものの「踏み外せば」壺足であり、バランスを崩すせいかその度に余計な運動をしているようで結構疲れる。林道に出る前に一度履いたスノーシューもV字形に窪んだ道を行く今は再び背中にある。どっちが楽だろう。
東根山の最後の急登が迫ってきたところで、これまで賑やかだった足跡が終わってしまった。さぁ困った。でもよく見るとルートは何となく凹んでおりこれを辿れば無事山頂に着けそうである。一息入れていたら駐車場で会ったオジサンに追いつかれた。先を譲ったがオジサンも休憩するとのこと。それではと一歩踏み出せばズボッと膝まで潜る。こりゃイカンとスノーシューの出番となった。2本のストックを伸ばし、一歩一歩足跡のない雪面を踏み締める。バシャバシャと湿った雪の音がするがさすがに登りやすい。ルートも葛折れになっているので苦労はない。下を振り返ればオジサンはわかんを履いて登ってくる。木製のわかんを履いている(かっこいい!)。
山頂を仰ぎ見れば名前の通り屋根型に伸びた山頂からは雪庇が伸びて木にもたれ掛かっている。ルートはこの細長い山頂の南端に向かう。ここには雪庇がなく山頂にたどり着くことができるのだ。
山頂南端に到着。木が生えておらず、さすがにすばらしい景色だ。正面東側に見える二本の角状の山が早池峰と薬師岳だ。周囲の山に比べて際立って高く、白い。もっと見ていたいところだが景色に堪能することなく三角点のある山頂北端に向かう。ほぼ水平の稜線歩きになるが、風紋というのだろうか北西から吹き上げる強い風と雪が作る波形の造形が美しい。
三角点の山頂に到着。林に囲まれてはいるが山頂部分は陽が射し込み広々としておりなかなか良い雰囲気である。ときおり枝の雪がパサッと散りながら落ちる。ここで昼飯にしよう。今日はお茶と炊き込み御飯だ。ザックの中が湿っぽいと思ったらどうも水筒の蓋が開いていたらしく中はびちょびちょ(うわ〜)。
再び山頂南端に戻り山座同定をしたりして周囲の景色を十分に楽しむ。焼石、和賀、秋田駒、岩手山、七時雨、早池峰とまったくすばらしい眺めだ。和賀山塊と焼石との間の遠くの白い山はどこだろう(丁山地?)。ただ午後の空はさすがに霞んでいる。わかんのオジサンと挨拶、彼は三角点に向かった。しばらくすると夫婦のパーティーが登ってきた。かんじき無しで登ってきたらしくだいぶ疲れた様子。それでまたスノーシューについて使用感を聞かれる。
先週と同様後ろ髪引かれる思いで下山開始。スノーシューでばたばたと降りればすぐに登山口に到着。当然のことながら温泉に向かう。