予想通り,真昼岳林道は道が悪い.登山口を見落とさないようカーナビを横目で睨みながら進んだが,登山口には15台は駐車できるスペースと登山口を示す背の高い大きな標識があり,ここを見逃すことは無かっただろう.今日の駐車場には一台のクルマが駐車しているだけだ.
空は曇ってはいるが,時折薄日が射す程度で今日は降らないだろう.よし,身体をほぐし気を引き締めていざ出発だ(9:35).
まずは本内川に向かって林道を下り,新しく架けられた吊り橋を渡り上流に向かうと兎平登り口を書かれた棒杭がある.この辺は絵になる風景だ.
棒杭から林に入り沢沿いに歩けば左に「ブナの実験林」の標識のある道を左に分け,沢をまたいで急な登りに入る(9:47).葛折れの急登だがまだ疲れていないので気にはならない.右手に滝が見える所で汗をぬぐう.葛折れがやがて終わり,前方が明るくなればシダの茂る湿地に出る(10:00).忘れ物だろうか,青い服が幹に巻きつけられておりこれが目印になっている.急登はここで一息つける.下草の少ない登山道は所々道が不鮮明になるが赤テープなどが丹念に付けられており,注意すれば迷うことはない.
湿地からは左に曲がって鉈目の入った大きなブナの林を抜けると,道は沢沿いの窪地に続く.沢が涸れてV字状になるところで沢を渡って(10:20)右手に残雪を眺めつつ進み,左に回り込むようになればいつしか灌木帯となり突然林から抜け出る.兎平だ(10:40).
右手にはガレたピークが見えるがこれは地図上での867mのピークだろう.兎平は今ツツジが満開だ.一面真っ赤である.他にも紫色とかピンク色とかいろいろな花が咲いているが名前が分からないのが残念.これより緩やかに登り詰めれば善知鳥口コースとの合流(分岐)点に到着する(10:55).ここで初めて道標らしい道標に出会う.もっともこれまで一本道だったから道標は必要なかったのだ.
この分岐からほんの少しのところに休憩にもってこいのピークがあり,本日初めて座って休憩する.ぐんと迫り上がった真昼岳が思ったより遠くに見える.あれを登るのかと思うと少々げんなりする(それじゃイカンでしょ).先の867mのピークには4本の棒が立てられているのが見えるがあれは何だろう.また南側にひときわ目立つピークは女神山ではないだろうか.北西に延びる尾根のガレが目立つ.女性の単独行者が真昼岳からもう降りてきた.
こちらも腰を上げて山頂に向かう.ここからはいったん下る.ツツジ咲く花畑を過ぎて再び林に入り真昼岳の取っ付きまでは平らな道だ.
ここから急登が始まる(11:33).途中には鎖場もあるが岩場というわけではなく鎖は不要のようで使われた形跡も無い.シラネアオイが道の端に咲いている.ちょっとしたピークを過ぎると左側はすぱっと切り落ちた草地に変わり,高度感を感じ緊張させられるところだ.慎重に急登を登りきると一面笹原の山頂部に到着(11:45).山頂自体は隣のピークで銀色の小屋が目立つ.また後に続くふたつのピークが峰越峠に向かっている.少し下って少し登り返せば山頂だ(11:55).
標高わずか1060mの山頂だが局地的な気候のせいか背の高い樹木が生えておらず灌木さえ疎らであるため眺めが良い.さすがに曇り空では鳥海山は言うに及ばず和賀岳さえはっきりしない.北真昼岳まで行こうかとも考えていたので峰越峠から登ってきた沢内村のご夫婦に花の様子を聞くとふたり同時に「いっぱい」「たいしたことない」とのこと.う〜ん,止めた.ここでのんびりしよう.
昼飯を広げる.岩手県側から見ると真昼岳は山奥にあるという印象であるが秋田県側からは遮るものが無く,横手盆地が良く見える.薄日が射しそよ風が心地良いが,そろそろ引き揚げるとするか(12:35).