「四季美」は昔からあった地名ではなく、「樒」(しきみ)が正しいらしい。樒とはシキミ科の常緑高木で、昔から墓や仏に供える植物だったそうだが、今でも葬式で使われる香木らしい。
語源はともかく、この四季美谷温泉はまだ新しい温泉旅館であり、村営なのだろうか、受付からすべて素人っぽいのが新鮮だった。玄関を入ったロビーから右の円形の別棟に渡ると温泉の建屋になる。
男女別の半分に仕切られた風呂場はカランとシャワー付きの洗い場がある広いもの。湯は無色透明で特に良くも悪くもない。なお、源泉温度は16.7℃とのことだから沸かし湯のはずである。露天風呂はない。
しかし、この風呂の特徴は眼下に流れる木頭川側の床から天井までの窓がアコーディオン式に完全に開けられるところ。当日も当然全開になっており、内湯には熱気が籠もることなく、つまり涼しい空気を外と分け隔てられることなく感じることができる。窓のすぐ脇の風呂に気持ち良く浸かりながら、外の景色と光と空気を堪能できるのが嬉しい。大きな窓のある温泉は少なくないが、ここまで広いものは少ないだろう。
食事はレストランのような食堂でとることができる。夕食はセットメニューもあれば、一品ごとに頼むこともできた。当然、部屋も新しいのだが、備えつけのテレビが横長のフラットブラウン管であるのには驚いた(どーでも良いことなんスがね‥‥)。
なお、四季美谷温泉から剣山へは旅館前の県道235号木沢上那賀線を遡ればやがて剣山スーパー林道に合流できるが、この235号線は舗装されてはいたが、スーパー林道よりも落石がありかつ狭かった。