多良岳


写真1.
山域 多良山系(長崎県大村市/北高来郡-佐賀県鹿島市/藤津郡境)
山名 五家原岳(1057m)、多良岳(996m)、前岳(982.7m)、一ノ宮岳(827m)
交通 長崎(R34)→西諌早(R207)→肥前長田(県道184)→五家原岳
小屋 金泉寺山小屋
温泉 なし
山行日 2005年9月24日(土)曇りのち晴れ
コースタイム 7:00五家原岳-7:56 1000mピーク-8:45西野分岐-9:00金泉寺-9:43多良岳-10:16前岳-10:55一ノ宮岳-12:10金泉寺-13:58五家原岳 [10km/6h58min]
地図 「多良岳」二万五千分の一地形図(国土地理院)
メモ 佐賀県と長崎県の境に位置する広い裾野を持つ多良山系の盟主です。山頂は比較的狭く眺めも良くありませんが、前岳との間の稜線からは全方向の眺望が得られます。


写真2. 五家原岳までクルマで上る。今日の登山はここから始める。時刻はまだ朝の7時、当然のことながら山頂の展望台には自分の他には誰もいない。今日の天気は秋晴れの良い天気になるはずだが、ここは風が強く、ついさっきまで雲に被われていた。今は雲が取れ、振り返れば諌早の町並みがまだ薄く残る雲を通して眺めることができるのだが、行く先の稜線は手前の1000mのピークのみが朝日に照らされて見えるだけで、その先の多良岳と、経ヶ岳は完全に雲の中である。足元を白いポリ袋が飛んでいき、周囲の電波塔はビュウビュウとうなっている。

山頂から出発する今回のコースは、初めから急降下である。ロープの設置された歩きにくい斜面を下り、小さな踊り場程度のピークを越えてから、再び急斜面を下れば、少し登り返して1000mのピークに辿り着く(7:56)。「黒木−五家原コース レスキューポイント106」とある。道端の薄紫の花がきれいだ。さらに下れば、いつしか暗い杉の植林帯に変わる。「山田記念造林地」の石碑の脇を通り抜け、ピークを越える頃には樹間越しにドーム型の経ヶ岳が見えてくる。朝日に輝いていくぶん黄色みがかって見える。

西野の黒木分岐には標識が賑やかだ(8:45)。レスキューポイントはここで終わり。ここから金泉寺までは500mとすぐである。

写真3. 金泉寺には寺はない。歩いてくると、外に炊事場を兼ねたような水場をもつ大きな山小屋がまず目に入り、傍らには簡易トイレもある。淡いオレンジ色の毛布が数枚干されていて、山小屋には人の気配がある(9:00)。小屋の傍を通る登山道で小屋の表に回り込むと境内の跡だろうか広く平坦な広場があり、ベンチが設えてある。寺の面影は墓石(かなぁ)や自然石による石垣より偲ぶことができる。

小休止と水分を補給したあと、石垣を抜けて多良岳の登路に向かう。緩やかに左に曲がりつつ登ると、石の鳥居が見えてくる。薄暗く苔むした石段で鳥居をくぐり、さらに続く石段で急傾斜を登る。昔はかなり立派な寺があったのだろうと想像できる。巻き道はここで右へ入る。

急傾斜を登りきった所は山頂ではないが山頂部といっても良いだろう。木々の合間から経ヶ岳が見える(9:33)。ここで道の傍にある小高い岩の上に登れば諌早湾の向こうに雲を抱く雲仙岳が霞んで見える。ここから稜線を伝って軽く登り返せばまもなく山頂に到着する(9:43)。山頂には祠と神社の跡のような基礎だけが残っており、周囲には数台のベンチがある。ここも周囲の林に囲まれて眺望は良くない。経ヶ岳は木々の間から眺めることはできるが、眺めが悪いせいか少し圧迫感を感じる。

写真4. 前岳へは標識に従ってここからやや急な傾斜を下る。巻き道への分岐をやり過ごしてからの登り返しは高度感を感じながらの岩場の登りとなり、平たい大きな岩の上に登れば経ヶ岳も五家原岳も雲仙も見渡すことができる。ここがこのコースの一番眺めの良いポイントで、ザックを降ろして休憩するには一番良い場所だろう。

すぐ先の前岳頂上も木々に囲まれて眺めは悪い(10:16)。

ここから痩せ尾根を下る。徐々に尾根幅も広がってくるが、踏み跡が少ないので道自体は逆に分かりにくくなってくる。テープやケルンなどを見落とさないように気を付ける。降りきったところが多良岳の巻き道との分岐点で、辺りは風倒木により明るく開けて空が見え、日射しが地面を照らしている(10:40)。黒岳はメインルートから外れているが、地元長崎の山の会がコースを開いたのか整備したのか、分岐に標識がある。展望は望めそうもなく登らずにやり過ごす。

道は苔むした小岩がゴロゴロした道で緩やかに登る。くもの巣が鬱陶しい。そんな道が続いたあと、林の中の峠みたいなところに出るがそこがどうやら一ノ宮岳らしい(1:55)。そのような標識はないのだが、鳥居と祠がある。ここから先は斜面を巻きながら降りていくので多分ここが山頂で良いのだろうと見当をつける。それにしても何とも味気ない場所だ。多良岳方面からではピークには見えない。朽ちかけた丸太に腰を下ろして汗が引くまで休憩し、引き返す。

写真5. 復路は前岳と多良岳を経由しない巻き道を歩いてみることにした。南面なので陽の当たる明るい道かと思ったが、杉林の中の道は暗く湿っており、やはりくもの巣が多くて楽しくはない。多分これは林業用の巡視道なのだろう。多良岳の下辺りでは山頂へ向かう分岐がある。「多良岳0.5km」の標識で左に道を取ったら別の尾根道を下り始めたので慌てて引き返す。

ピークも何も無い巻き道だが、ひとつ「多良岳 六体地蔵菩薩立像」が大きな岩の下に安置されている。ここから金泉寺までは20分ほどである。

金泉寺は往きと違い多くのハイカーで賑わっていた(12:10)。どうも皆さんお互いに知り合いみたいで、どこかの山の会の例会なのかもしれない。そうなると単独行の自分はなんとなく肩身が狭い。まぁ、とにかく山小屋のテラスのベンチに越しかけて昼食を取る。コンビニで買った、シーチキンマヨネーズ、赤飯、それから鶏五目のおにぎりを食べ、PETボトルから緑茶を飲む。朝の出発が早かったため、まだ12時を少し回ったところである。

最後に急斜面を登りきり五家原岳に戻ってきた。まだ2時、日射しは高く、この展望台に上ってくる人が絶えない。


BasshoZakki | 20050924 Mt. Taradake, ©KageYama.ページトップに戻る