御前山


御前山
山域 関東山地(東京都西多摩郡)
山名 御前山(1405.0m),大岳山(1266.9m),鍋割山(1084m),御岳山(929m)
東京(JR中央線)→立川(JR青梅線)→拝島(JR五日市線)→武蔵五日市(バス)→御前山登山口
小屋 (御前山に避難小屋あり)
温泉 なし
山行日 1996年1月2日(火)快晴
コースタイム 7:43御前山登山口停留所-9:00鑾野御前神社-10:45御前山山頂-12:27大ダワ-13:25大岳山山頂-14:50御岳山展望台 [16km/7h7min]
地図 「五日市」五万分の一地形図(国土地理院)
メモ 御前山はどっしりとした美しい形の山です.単調で距離のある湯久保尾根ですが途中に神社があり,途中からは隣の尾根が見え始めるので飽きずに登れます.当時は誰にも会わずに山頂に到着しました.真冬の場合は軽アイゼンを持って行くことをお勧めします.

私の記憶が確かなら御前山に登るのは13年ぶりである.学生時代は青梅線に乗車してから地図を広げてどこに登るかを考えていたのでバスの便数の少ないルートで山に登ることはなかった.御前山に登らなくてはならない理由はなかったのだが,一度も登ったことのない湯久保尾根を歩いてみたかった.これにはバスの時刻表の本が役にたった.

これまた珍しく,早朝に実家を出て武蔵五日市駅に到着したのは6:59である.バスは7:03と連絡はばっちりである.今回の山行での4本の電車と1本のバスの連絡時間は平均2.5分,休日の早朝としては驚異的である.藤倉行きの西東京バスに乗車したのは私一人である.そのためかヒーターさえ入っていない車中で,御前山登山口のバス停までふるえていた.

バス停(7:42)で降りたのは当然私ひとりである.1993年版のエアリアマップでは登山ルートは小沢からになっているが1994年7月改訂版のアルペンガイド(山と溪谷社)ではこのバス停が載っている.バス停からは橋を渡り山に向かう道が見えないが,地図の通り北秋川の上流に向かって少し歩くと右に折れる舗装道路があり,道なりに進むことができた.

この舗装道路は人家のない林の中を通りこのまま山道になるのかと感じさせるが,地図の通り湯久保の集落に着く.アルペンガイドに載っているルートでは集落を過ぎたところからの尾根に向かう道が分かりにくいとの指摘があったので,先の小沢に出るルートとこのルートの間にある,尾根から登るルートで登ることにした.分岐点にはコンクリートブロックの高い崖の上に字の色のあせてしまった白い道標が見える(8:15).このルートは道なりに進めばその突き当たりが山道になる(8:30).道はアスファルトの舗装道路からコンクリートの道に変わり杉林の中の道が尾根から若干東側に移ると左に曲がり西面に出る.が,道は緩やかに下り始めた.尾根が上の方に見える.眺めは良いが引き返す.結局左折した直後にある尾根上にある舗装されていない本当の山道が正しかった.そうじゃないかと思っていたが足はどうしても楽な方に向いてしまうものである.

富士がちょこっと顔を出す 丹沢と違って奥多摩の山は杉の植林が多い.山の傾斜が緩やかで植林し易いからだろうか.しばらくはその杉林や気持ちの良い雑木林の中を進む.鑾野(ばんの)御前神社は仏岩ノ頭(1091.2m)にある巨岩を奉ってあるのだろう.ここでひと休みする(9:00).小社の両側には狼の石像がかしづいている.ガイドブックにはそう書いてあるが,犬に見える.同じものが大岳山の神社にもあるがそこでは狐だろという声が聞こえた.

道は宮ヶ谷戸と湯久保との分岐(9:18),宮ヶ谷戸バス停と通行止めとの分岐(9:50)を過ぎる.先に書いた小沢のバス停とは宮ヶ谷戸のバス停のことか.この宮ヶ谷戸への分岐が現れてから道標が見られるようになった.それまでは殆どない.ミズナラなどの雑木林の樹々の隙間からは東側には馬頭刈尾根から大岳山とそこから御前山に向かう尾根が,西面には浅間尾根と三頭山に続く笹尾根を眺めることができる.美しい.富士山も輝いている.

雑木林の山歩き 山仕事の作業場のような堀立て小屋から標識通りに右折し(10:07)再び尾根道に戻る.最後にY字の分岐に出る(10:23).道の右脇にある手書きの簡単な標識に「登レバ避難小屋→,御前山境方面」とある.矢印の方向は今登ってきた道に向いているがこれは右折の道を指すのだろう.野球のホームベースの形をしたこの標識のとがった方向は左に向いている.こちらが御前山境方面なのか.その左の道は尾根にあり黄色いペンキで明瞭な印が付いている.ガイドの地図とは異なるが新しい道なのかとこちらのルートをとることにした.こちらはほぼ直登である.道は踏み跡くらいしかないが尾根であることと木の幹につけてある黄色のペンキのマークがあるので迷うことはない.左手の笹尾根や富士山が気になる.

頂上には10:45に着いた.登ってきたルートには縄が張られており,とうせんぼされている.このルートは正規なものではなかったようだ.黄色のペンキは境を示すに過ぎなかったみたいである.湯久保尾根では誰にも会わなかったが,ちょうど頂上に着いたときに奥多摩湖方面から父子3人連れが山頂を通過して行った.誰も居なくなったがこの後ちらほらと登ってくる人がいる.常時3人ほど居る感じだ.13年前の春にカタクリの花を見に来たときは,頂上は樹木がうっそうとしていて眺望は期待できなかったと記憶していたが,北面のまばらなカラマツ林の間から石尾根や本仁田,川苔山がくっきりと見える.美しい.とくに石尾根の鷹ノ巣山から六ツ石山,氷川の町へ続く山道が尾根に沿って続いているのが良く見える.川苔山の向こうには日光だろうか白く輝く峰が見える.あとで確かめてみよう.さらに東には関東の街まで見渡すことができる.

木々の間より石尾根を眺める ちょっと早いがここで昼食にする.カップラーメンとおにぎり,それからおせち料理(お煮しめだ)をほおばる.今回も水1リッターに加えてほうじ茶1リッターを持ってきた.これをがぶ飲みする.うまい.眺めが良いのでつい立ったまま山を見ながら食べてしまう(行儀が悪い).さすがに頂上は寒く,最後には帽子と手袋までしてしまう.

45分の休憩の後,山頂を後にする.特に急勾配のなかった湯久保尾根とは対象的にここから大岳山までは所々に急坂がある.途中MTBでやって来た二人連れがピークで休憩していた.ここから御前山までMTBを担いで登るらしい.まさかこいでは登れまい.まもなく鞘口山に着く(12:07).ベンチがふたつあり御前山頂上と同様に北側の眺めが良い.5分ほど休憩する.

大ダワには12:27に到着.ここら辺はすっかり変わってしまった.大ダワに降りる直前のあずまやや避難小屋辺りは伐採による明るい開けた尾根であったのにもう杉林が成長して日影をつくっている.大ダワまで上ってくる鋸山林道も砂利道で時折オフロードバイクでツーリングする人がいる程度であったのに,舗装された今ではここまでマイカーで上ってくる人が多い.7,8台が駐車していた.

ここを渡り鋸尾根に向かう.分岐には12:35に着く.まだ12時半なのだ.ここから降りると約1時間半で奥多摩駅に着いてしまう.余りにも早いので逆に遅くなりすぎるかも知れないが御岳山を回って帰ることにする.ここまでon timeで来たので少し飛ばすことにする.途中伐採後の斜面を歩く.振り返ると今登ってきた御前山が見える.どっしりとした山容が素敵だ.途中でも何人ものハイカーと会う.ザックも持たないで降りてくる人が居るが彼らは大ダワに車を留めてあるのだろう.

南は尾根が重なる いくつかの緩いピークを早足で越えると,特徴のあるにょきっと出っ張った大岳山が見えてくる.何度かの急登を経て大岳山山頂に到着(13:25),こちらは人が多い.20人くらい居る.正月とはいえここはいつもの休日と変わらぬにぎやかさだ.御前山と違ってずいぶんと暖かく霜柱は見あたらない.だいたいこのところ雨が降らないので道はどこも乾燥しきっている.山頂からは南側の眺めが良い.馬頭刈尾根,湯久保尾根,浅間尾根,笹尾根がひだの如く重なり合い,その遥か上に富士山が載っている.いつ見ても良い景色だ.東京都心方面は上空に黒い空気が漂っており(スモッグ?)視界が悪い.おにぎりの残りと冷凍みかんを食べてひと休みし,13:50に出発する.

予定よりかなり時間を短縮できたが,スピードは緩めない.といいつつ途中鍋割山と奥ノ院に寄るコースをとる.このコースははじめて歩く.お茶を持ってきたせいか今日は体調が良く無理が利く.鍋割山は特徴もないただのピークで,奥ノ院は松の巨木に囲まれた尖ったピークだ.頂上には祠が奉られており,みかんとお酒(菊水だった)が供えられていた.菊水はうまい.

御岳山の裏にある展望台でひと休み(14:50).ここまで来るとハイヒールや革靴を履いた観光客が多い.御岳神社へのお参り客で神社前のみやげ物屋さんは繁盛しているだろう.店をのぞくとしゃもじをくれてお茶までご馳走してもらった(何も買っていない).別の店で羊羹を買うことにしている.ザックに付けてあるカウベルの音が気になる.でもまだこれから大塚山のルートで古里まで降りるのだ.

???……ん? どこでまちがえたのか御岳山のケーブルカー駅に着いてしまった.もう面倒くさいのでケーブルカーで降りることにした(560円).最後は軟弱で終わることになった.ここで芋羊羹を買う(300円).これはおいしいらしい(母からのリクエストだ).ケーブルカーで降りたためかなり時間を得したので,結構あったがJRの御岳駅までは歩いた.電車はさすがにすいていた.


BasshoZakki | 19960102 Mt. Gozen, ©KageYama.ページトップに戻る