何本かの電車を乗り継ぎ武蔵五日市駅に着いたのは7時前.駅舎は見違えるほどに立派になっており多少まごつく.これも登山ブームのお蔭だろうか.バス停に着く前にバスが到着,全くタイミングが良い.乗客は私の他に3人の若い登山客だけだったが彼らは臼杵山の登山口で下車していった.
バス停の奥のトイレを借りる.登山口はバス停から奥に向かっていくのかと思いきや,小川と道の位置がちと違う.'95年のエアリアマップとバス停の位置が異なるようだ.バス停の手前の十字路まで戻り小さな標識のある階段から登り始める(8:04).階段の後は春日神社(8:10)まで車道が続く.地図が古くて道が合わない.
神社を越えると奥多摩らしい山村が広がる.ここまで車道が伸びるのはハイカーには興醒めであるがここに住む人にとってはありがたいことなのだろうなんて考えているうちに分岐に到着する.右折するのが本当らしいが,標識には手書きで下道と書いてある.これを信じて左折する.
しかし,この道は行けども行けども上らない.尾根に出そうもないので2メートルほどの幅員の上り道に入る.まだ朝なので迷っても問題ないだろう.道はだんだん細くなり民家の傍を通るようになり冷や冷やしたが畑の間を通って本来の山道に出ることができた.あっちこっちに生活道があるところが奥多摩らしい.
まずは杉,檜の植林帯の中を行く.坂は急過ぎることもないのでどんどん歩く.葉を落とした明るい雑木林がトンネルから出たような気持ちにさせてくれる.猿江への分岐を分ける(9:09).今回の山行はやたらと分岐が多い.尾根を越えて人が行き交った山域なのだ.右手の御前山と左手の月夜見山あたりの山並みとの距離を測りつつ,小河内峠はまだかまだかと思いつつ歩く.枝尾根を越えると間もなく小河内峠に到着した(9:32).
正面眼下に青く奥多摩湖が見える.南面を見せる石尾根は陽射しに輝いている.しかしこちらは寒い.風が冷たく感じるのは綿パンをはいているせいか.今日は膝の調子が悪い.このところ運動不足でまともな山登りは10月以来だ.でもテーピングをしているので無理が利くだろう.来る道には2〜3人の足跡が見られたが人影は見られない.寒いので早々に出発する.
峠よりベンチのある小高いピークを越え「山と溪谷」の表紙になっていた防火帯を下れば,少しの上りで第2駐車場に着く(10:04).一息ついた後,道標に従い雪の残る車道を右にとり,月夜見山への山道に入る.途中フェンス越しに御前山が見えるが山頂はガスに覆われ始めている.ひっそりとした月夜見山山頂を通過し(10:18)舗装道路に沿って風張峠に出る(10:42).三頭山へのルートを採ると小さなピークで分岐が現れる.ここまで来てやっと「浅間尾根」への道標が現れた(10:54).どうも車道と並行・交差しているためかルートがややこしくて普段地図を見ないで歩くことが多い私であるが今日はそうもいかない.でもここまで来れば問題ないか.
山腹を巻くような細い道がしばらく続いた後,再び車道に降りる.ここより登ってくる人があるが,浅間尾根駐車場からの登山者だろう.こちらは浅間尾根駐車場で軽く昼食を取るべく一服する(11:11).雲間から陽が射し,風が遮られているのか暖かい(10℃).先ほどの車道に出る時の急坂でも感じたが膝の痛みは歩行に支障を来たすようになってきた.テーピングしているのに困ったものである.11:20に腰を上げる.充分休んだ気がしたが10分ほどしか休んでいなかった.
暗い針葉樹の植林地帯をしばらく歩く.浅間尾根に入ってから路傍に石仏を見かけるようになった.いつの間にか御林山を過ぎていた.石仏のある数馬峠への分岐で左折し,林道を横断すると小さな道標のある藤原峠に出る(11:53).峠とは思えない雰囲気.後一息で開けた伐採地の分岐に出る(12:10).右に行けば浅間尾根登山口に降りられるところである908mの地点である.ここにもベンチがありバス停の時刻表がある.正面は入間沢であろう.谷に向かって木がないので解放感がある.点在する青い屋根のあずまやは伐採のための作業場であろうか.
これよりだらだらと下りながら麓のバス停への分岐(必ず時刻表があるのが嬉しい)をいくつも分ける.人里への分岐を過ぎる(12:50)もエアリアマップにある「カヤトの尾根」が現れない.見事に植林されている.ご成婚記念とかの看板が掲げられているところが多い.こちらとしては残念.
立派な造りの浅間尾根休憩所に到着する(13:05).ここにはトイレまである.ここにザックを置いて展望台に上る.ピークには大きく浅間嶺とあるがそこにも手書きされているように間違いであろう.まあいいや,空は完全に雲で覆われており遠望は利かない.富士山も当然見えない.山頂には桜の樹が植えられており春は花見客で賑わいそうだが今はひっそりとしている.小学生くらいの女の子達が両親と上ってきたので選手交代,休憩所まで降りる.本当はここでお湯でも沸かそうと考えていたが,面倒になって一口水を飲んだだけで出発(13:17).
大山祇神社から時坂峠までは車道を15分ほど歩く.時坂峠から再び山道を下るようになるがすぐに集落に出る.緊張の解れる瞬間.登山口の公衆トイレを借りる.民家の傍の舗装道路を下りきるとお好み焼きやらコーヒーやらいろいろな幟が掲げられた茶店が建ち並ぶ賑やかな観光地に出る.払沢の滝はそんな立地条件にあり観光客で賑わっていた(14:45).
バスが来そうもないので本宿役場前のバス停まで歩きそこで温かい缶コーヒーを飲みながら15:48のバスを待った.