もーたーさいくる
byだりさ
ガス欠と私(03.03.17更新)
バイクバーン(09.05.16更新)
バイクバーンというのは、カナダ製のバイク用の簡易車庫です。
蛇腹式のスチールパイプ製フレームに、防水加工した分厚い布地のカバーが張ってあります。ちょっと頑丈なテントという感じでしょうか。
私自身は、バイクバーンというのはよくできた製品だし、買って良かったと思っています。以下ちょっとネガティブなことも書いてありますが、このことは最初にお断りしておこうと思います。
2002年秋、私は一戸建てに引っ越しました。そこで、R100RSの保管のため、バイクバーンを買うことにしました。
それまでは集合住宅に住んでいたのですが、バイクは駐車場の片隅に駐車していたので、バイクの保護のためにはよくある銀色のバイクカバーを掛けることしかできませんでした。
本当は家を建てるときには是非バイク用のビルトインガレージをと思っていたのですが、残念ながら予算の関係で断念しました。
ガレージがだめなら、せめてバイクが入るようなシャッター付きのスチール物置が欲しかったのですが、調べてみると30万くらいするので、やはりあきらめました。
というわけで色々と考えてバイクバーンという選択になったわけです。
当時は他にあまり選択肢がないということもありましたが、仮に今のように選択肢があったとしてもやはりバイクバーンを買っていたのではないかと思います。
何と言ってもコストパフォーマンスが良いです。
とはいえバイクバーンは5万円くらいするのですが、バイクの保護という目的からすると必要にして十分だと思います。
そもそもバイクの保護とは、まずバイクの故障を防止し外観を維持するために、雨水や紫外線、極度の低温などを防ぐということです。
私の住む宮崎市においては、強烈な紫外線には特に気を付けなくてはいけません。しかし気温が零下に下がることはめったにないので、低温対策については考えなくても済みます。
その点、バイクバーンは普段の状態ではシートに周囲がすっぽり覆われているので、紫外線と降ってくる雨は防ぐことができます。バイクバーンのカバーは、普通のバイクカバーと違って車体に密着していないので、毛細管現象でバイク自体が濡れることはありません。
ただしバイクバーンは底が解放されているので、雨の場合はバイクの下を水が流れていきます。また、経年変化によってシートの防水性は低下してくるので、いずれは雨漏りするようになります。
あと案外バイクバーン内部には風を巻き込むので、バイクにホコリが積もってきます。
ですからバイクバーンの内部でバイクカバーを使うのがベターだと思います。
バイクの保護という点で、もう一つ考えなくてはいけないのが盗難対策です。
バイクというものは、軽トラにでも乗せられるサイズの物体であるため、単体で施錠してあってもそのまま持って行かれる危険をはらんでいます。例えばコンクリート叩きにアンカーを打ち込んで船舶用の鎖などを使い強力なロックで施錠しておけば概ね安心と言っていいのですが、そのようなことを実行できる条件が揃っている人は少ないと思います。
バイクというものはいろんなパーツがむき出しであるため、バイク本体を持って行かれないまでも、パーツを取られたりいたずらされたりすることがあります。私も以前何度か被害に遭った経験があります。
個人的な事情を言うと、私のR100RSは生産中止になってから20年近く経っています。盗まれたら新車は絶対に手に入りません。また、万一いたずらなどで壊されたりすると、輸入車のためパーツの価格がたいへん高く、だいたい国産に比べると3倍くらいの価格なのです。
その反面、最近BMWのバイクは人気がないので、盗まれる心配はあまりしなくてもいいのかもしれないのですが。
盗難やいたずらを防ぐ第一歩は、バイクの姿が見えないようにする、少なくとも車種が分からないようにすることです。
盗む方も下見をしてから盗むわけですし、いたずらもそこにバイクがあるからやるわけです。
バイクバーンは、素人目にはこれが何なのかちょっと分からない形をしています。
また、中にバイクが入っていると知っているにしても、車種が分からない上に、バイクにちょっかいを掛けるにはバイクバーンの前方フレームを持ち上げるという手順が必要となるため、盗難やいたずらに対してかなりの抑止力があると思います。
バイクバーンはクールライドという代理店からインターネット通販で購入しました。
買ったのはスタンダードというモデルです。
クールライドはレスポンスも速くてしっかりした対応のお店でした。
注文すると、思ったよりかなり早く、箱詰めされたバイクバーンが届きました。そこで3日かかって組み立てました。
組み立ての作業量自体はたいしたことはなかったのですが、結構時間がかかりました。その理由は、たまたまそのころは気候が不安定で、取りかかると雨、再開すると雨‥‥といった具合でなかなか進まなかったという事情が大きかったです。
しかし、進まなかった原因はその他にも二つありました。
一つはやや分かりにくい組み立て説明書で、もう一つは工具不足でした。
組み立て説明書については、バイクバーンのやや込み入った構造についてごくごく簡単なイラストと文章で説明しているものですから、非常に分かりにかったです。写真で説明されればすぐに分かることなので、せめて自社のサイトに写真入りの組み立て解説書をアップしておけばいいのにと思いました。
工具について言えば、この時は持っていなかったのですがラチェットレンチとボックスレンチがあれば作業時間は半減したと思います。
また、作業の途中で必要だと判断してパイプ圧入のためにラバーハンマーを買いました。これがないと組み立ては難しいと思います。私の場合、その後ラバーハンマー組み立て式家具の組み立てなどに重宝したし、年に何回か出番はあるので買っても無駄だとは思いませんでした。工具を買うのがイヤでなければ、ラチェットレンチとラバーハンマーを揃えてから組み立てた方が良いと思います。
バイクバーンは、幌というかカバーの部分以外は鉄製で、単管パイプを思わせるようなメッキがかけてあります。パーツの中でロックプレートにかけるチューブにはバリが出ていた部分があるので、ヤスリで削り、あとが錆びないようにホルツのサビチェンジャーを塗っておきました。
完成してみるとバイクバーンは開閉もスムーズで、なかなか使いやすいです。
スタンダードサイズではありますが、私のバイクの場合パニアケースを付けた状態でも左右は数センチの余裕で収まります。
しかし、前後の余裕が少し厳し目です。バイクを前輪から入れてセンタースタンドをかけた場合には、センタースタンドの長さがあるのでバイクが少し後退します。前輪を目一杯バイクバーンの奥まで突っ込んでからセンタースタンドをかけると、バイクのリアがバイクバーンに干渉しそうになります。これを防ぐために、バイクをバイクバーンに入れるときに前輪を前方のシートに押しつけるようにし、できる限り前進させてからセンタースタンドを掛けるようにしています。
また、バイクを前輪から入れた場合には、バイクにトップケースを付けると干渉します。バイクを後ろ向きに入れた時には大丈夫なのですが。これは、バイクバーン前部は地面からほぼ垂直に立ち上がっているためです。
しかし、普段私はトップケースはバイクから外しているので、さして支障はありません。
(2005.11.11追記 バイクバーンの最近のモデルでは、組み立てについては改善がなされているようです。)
しかし、購入当時は将来買う予定のプレハブ物置との兼ね合いで最終的な位置が決まらないので、バイクバーンを地面に固定しないでいました。
そうしたら、冬の西からの強風でバイクごと横倒しになってしまいました。バイクバーンについての風に関する警告は各所で聞いてはいたのですが、やはりやってしまいました。
倒れた時にはバイクバーンのフレームとバイクのスタンドやステップが絡み合ってしまって、バイクが起こせなくなってしまいました。
しかたがないので、バイクバーンのフレームをばらしてバイクを起こしました。跡には大量のオイル染みが。
しかしタンクからは全くガソリンが漏れていませんでした。BMWのガソリンタンクの蓋がねじ込み式になっているのは、こういう時のためのようです。
バイクの転倒は2回に及びました。最初はセンタースタンドを掛けていて倒れたので、次はサイドスタンドを掛け、フロントタイヤでクロスプレート(フレームを押さえるための板)に荷重を掛けることにしたのですが、やはり倒れました。
仕方がないので、その後しばらくバイクバーンはシートを巻き上げて駐車場の隅にくくりつけておきました。
その間バイクをどうしていたかというと、普通のバイク用ボディカバーを2枚かけ、上から100円ショップで買ってきたバイクの荷ひも用ゴムで押さえていました。風にはゴムが一番です。伸縮性のない普通のひもですと、どんなに強く縛っていてもカバーが外れてしまうのですが、ゴムひもであれば、適当にテンションをかけておけばいくら風が強くても吹き飛ぶことはありません。
さて、そのままではせっかく買ったバイクバーンがもったいないので、どうにかしてバイクバーンを復活させる方法はないかと考えました。。
問題は風対策です。
クロスプレートに前輪を乗せた程度では荷重が足りないことは、以前の転倒で証明済みです。
かといってメインフレームを土間コンに固定してしまうと、バイクをバイクバーンに入れてから蛇腹を閉じる前に、バイクバーンをちょっと後にずらすというワザが使えなくなります。
とすると、クロスプレートにバイクの全重量をかけて、バイクバーンが風によって回転しないようにする方法を考えればいいわけです。
最初は土間コンなどに使う鉄筋メッシュを考えました。しかし、鉄筋のメッシュではセンタースタンドがかけられません。
いろいろ検討した結果、ひらめいたのがコンパネ(生コンの型枠などに使う分厚い合板。)でした。早速DIY店で買ってました。このとき買ってきたのは、サイズは1800mm×900mm×12mmのものです。成功するかどうか分からなかったので、一番安い無塗装の価格は800円くらいのを買ってきました。
バイクバーンの中にコンパネを敷いてみました。左右は10センチ以上隙間がありますが、コンパネの角がメインフレーム前部のカーブの内側にちょうど当たるので、風が吹いてもバイクバーンが回転するのを防げそうです。
この方法を取ってから、その後数回の台風や冬の強風にも耐えたので、コンパネを敷いたのは成功だったと言っていいでしょう。
しかし、風が強いとやはりバイクバーンがクロスプレートを軸にしてやはり少しは動きます。また、雨が降るとコンパネの下にゴミがたまるのが難点です。また、ほおって置くとコンパネの下に湿気やゴミがたまり、コンパネも反ってくるので、時々ひっくり返してやるのがいいようです。反りに関しては厚手のコンパネか塗装済みのコンパネを使うと多少ましかもしれません。
(2005.11.11追記 最近は販売元のサイトでもこのコンパネ方式が推奨されているようです。私のサイトが元祖なのか同時発生なのかは不明ですが。)
ある日、家に帰ってくるとなんだかバイクバーンのたたずまいがおかしいではありませんか。中途半端に蛇腹が開き掛けたような形になっています。
調べてみると、ロックプレートが曲がっています。ロックプレートとは、バイクバーンが開かないようにロックするための部品です。扇の要に当たる部分にあるのですが、普段は幌の下に隠れているので、誰かがロックに気づかず無理矢理開けようとして曲げてしまったようです。
妻に聞いてみたところ、今日は妻の友達がわが家に遊びに来ていて、
「これは何?」
と聞いたので、
「バイクが入ってるのよ、ほら。」
と力任せに開けてみようとしたらしいです。
とりあえずこのままではバイクバーンが開かないので、ハンマーで叩いてむりやりロックリングを外し、ボルトを抜いてロックプレートを外しました。先日ラチェットレンチを買っておいて本当に良かったです。
バイクバーンの代理店にメールでパーツの問い合わせをしたら、即座に返答が返ってきました。曲がったロックプレートは送料込み1500円で、現金書留で送金するようにということでした。そこで、なぜか転倒事件の時に紛失してしまったもう一方のロックリング(1000円)と一緒に注文することにして、現金書留を発送しました。注文したバイクバーンの部品は連休を3日はさんでちょうど一週間で着きました。相変わらず代理店のレスポンスは良かったです。
(2005.11.11追記 最近のモデルでは、ロックシステムがロックプレートを使用せず、フレームに直接ロックを掛けるような形へと変更になっており、このような破損は心配なくなったようです。最近のモデルは弱点がどんどん改良されていていいなあ。)
バイクバーンに関する風との戦いは、コンパネをフロアとすることで終わったわけではありませんでした。
常に強風にさらされることによって、バイクバーンのカバーもまたダメージを受けるのです。
バイクバーンの蛇腹部分は、コの字型のサブフレームが回転するわけです。そのサブフレームは、カバー内側に縫いつけられたチューブ状の布に通されています。
強風(経験的に言うと風速25m以上)が吹くと、バイクバーンの中に侵入した風は行き場を失って、バイクバーンの天井部分を吹き上げ、バイクバーンのカバーが上方に膨らみます。すると、サブフレームが通っているチューブ状の布は動かないので、膨らもうとするカバーはチューブ状の布から引きはがれようとします。
これを繰り返すと、チューブ状の布はカバーからはがれてしまいます。
また、カバーの前部の先端部分は、メインフレームを巻き込んでからベルクロで固定される仕組みになっています。強風にさらされると、このベルクロもまたはがれてきます。
チューブ状の布もベルクロも、カバーにしっかり縫いつけられてはいるのですが、ウチのように風の強い場所で使用しているとはがれてしまいます。
そこで、チューブ状の布とベルクロがはがれた時に、ホットボンドで接着してみました。
通常の布に対しては強力な接着力を発揮するホットボンドですが、バイクバーンの布には防水加工がなされているせいか、1、2か月ではがれてしまいました。
そこで、靴底を接着するのに使っている3M社の皮革用ボンドを使ってみました。
現在一冬を経過したところですが、ベルクロはほとんどはがれていません。
しかしチューブ状の布の方は残念ながらはがれてしまいました。
いろいろと小細工を施してカバーの延命を計ってはみましたが、カバーがボロボロになってしまったので、観念して2006年4月にバイクバーンのカバーを交換しました。
まず駐車場のクルマを動かして作業ができる広い場所を開け、そこにバイクバーンを移動させます。
この時、バイクバーンのクロスプレート押さえに使っているコンパネの裏表をチェック。地面に接している方の側は、下に水がたまっていることが多いので腐りかけています。持ってあと一年くらいでしょうか。
次に買う時には、腐りにくい塗装済みのコンパネにしなくてはいけないなと思いました。
次に古いカバーを外します。
どうやってカバーを取り付けたのかをすっかり忘れているので、当然外し方も分かりません。
とりあえず左側の支点のネジを全部外して、そこから古いカバーを通して外しました。
この時点でフレームの錆をチェックします。
さすがにひっくり返して底面まではチェックしませんでしたが、それ以外だと目立った錆というのはありませんでした。
しかしるロックプレートやロックリングなどには赤錆が出かけていたので、ホルツのサビチェンジャー(錆止め)を塗っておきました。
また、可動フレームの手前(開く方)から2本目が曲がっていました。これはおそらく、コンパネ導入以前にバイクもろとも横転した時の名残なのでしょう。
思い切り体重を掛けて足でフレームの曲がりを修正しました。
さて、この時点でフレームはすべて三分割できるので、ネジを外す必要はなかったことが判明。
しかしせっかく外したのだからと、古いカバーを外したところから新しいカバーを付けていきました。後部のフレームの支柱部分は、カバーのループを通す時だけネジを外し、ループを通した後は再びネジを締めておきます。
一通りループを通し、支点のネジを元通り締めました。途中でラチェットが動かなくなったので焦りましたが、ストッパーを押さえているボールの部分にCRC-556を給脂したところ元通り動くようになりました。
さて、一番手前の可動フレームだけは、サイド部分にもループがあります。
そのため、このフレームだけはゴムハンマーで三分割してからループを通しました。
さてこの新しいカバーは、今まで付いていたカバーと比べるといくつか変更点があります。
1 布地
旧 裏面に分厚い防水加工
新 裏面にはそれらしい加工なし。そのせいか布地が薄くなった印象がある。色は以前と同じ銀色です。
2 ロゴ
旧 正面に巨大なロゴがドーンと入っていた
新 ロゴはサイドのベンチレーターにちんまりと入っているだけ。外見が著しく地味になった
3 ハトメ
旧 なし
新 支点をロックする部分に、錠を通すためのハトメ有り。ロック方式の変更に伴って設けられたものと思われる
4 ベルクロ
旧 カバーは一番手前の可動フレームはループで固定
新 一番手前の可動フレームはベルクロ留め。組み立てる時には楽になったが、耐久性がちょっと心配
古いカバーは、5つに切ってから畳んだところ、特大可燃ゴミ袋に余裕で収まりました。
バイクバーンのカバー内側の可動フレームが通る部分のチューブ一箇所が外れ、可動フレームが規定位置からずり落ちるようになってしまったので、応急修理しました。
方法としては、フレームが動く周方向に固定フレームに至るまで紐を通して、紐を各フレームに固定しました。
具体的には、紐には登山用ザイルの細いものを使い、紐とフレームの固定にはタイラップを使った上にタイラップを通した結び目を作っておきました。
これで可動フレームが規定位置から動くことはなくなりましたが、カバーの各部にほころびが生じているので、そのうち買い換えないといけないようです。
なお2代目のカバーは初代に比べると耐久性は落ちています。
2年も使わないうちに表面の撥水性が落ち、水がしみこむようになり、写真のとおり藻が生えてカバー全体が緑色になってきました。
息子とタンデム(2006.8.19更新)
ヘルメット
前から私は息子の球太郎(長男:6歳)と一つ約束をしていました。
それは、球太郎が自転車に乗れるようになったらバイクに乗せてやる、という約束です。
バイクに乗せてやると言っても、もちろん運転させてやるということではなくて、リアシートに乗せて二人乗りをしてやるという意味ですが。
球太郎は、「仮面ライダー響鬼」で二人のライダーが一台のバイクに二人乗りして敵を追跡するシーンを観て以来、バイクに乗りたがっていました。
そこで私は、自転車にも乗れない者をバイクには乗せられないから、お前が自転車に乗れるようになったらバイクに乗せてやると約束していたのでした。
これが実は球太郎の自転車を練習するモチベーションの一つだったわけです。そのおかげか、球太郎は見る見る上達して立派に自転車に乗れるようになりました。
(それについては、自分は姉と同格だと思っているので、姉のできることは自分でもできないと気が済まないという球太郎の性格も大きかったと思いますが。)
というわけで、今度はこちらが約束を果たす番になりました。
そういうわけで、2006年4月16日に球太郎と一緒に出かけて、子供用のフルフェイスヘルメットを注文してきました。
またタンデムライダーが掴むためのグリップが付いたベルトも買ってきました。合計して15,000円以上かかります。
安全を考えるなら、バイクもABS付きのものに買い換えたいところです。が、そもそも妻は球太郎がバイクに乗るのを反対していて一円たりとも金を出してくれない現状から行くと、そのようなことは望むべくもありません。
装備類は全て私の小遣いで調達しなればいけません。また、ゴムが劣化してグリップの低下しているバイクのタイヤも交換しなければならないので、痛い出費です。
私の周囲では、一般的に言って子どもというものは大抵父親の趣味が嫌いか、あるいは関心を持っていません。
どうしてだろうと理由を考えたことがあります。おそらく、父親が自分の趣味に入れ込むあまりに、子どもの発達段階を考慮せずに自分の趣味を押しつけた結果、反発を招いてしまったからなのではないのでしょうか。
私は自分の子どもに対し、バイクに乗らないかと誘ったことはありません。
それは、バイクが危険なことはよく分かっているので、あえて積極的に勧めなかったからです。しかしこのことが却って、父親の趣味への偏見を育てなかったと思われるのが、何とも皮肉です。
たとえば球太郎はいわゆるテレビゲームなどは嫌いで、絶対にやろうとしません。これは思うに球太郎が小さい頃に私がシゴいたせいなのですが、まあテレ
ゲームなどはやんなきゃやんないで人生が有効に使えると思います。実はこっちの方はその辺も計算してシゴいたという側面はあるのですが。
しかし、つい先日まで自分の子どもをバイクに乗せる日なんて遠い先のことだと思っていましたが、子どもの成長は早いものです。
初タンデム
ヘルメットが届いても、球太郎はその後バイクに乗ると言わなかったので、内心あることを恐れていました。
というのは、バイクに乗らないうちに新品のヘルメットがかぶれなくなるのではないかということです。
球太郎はまだ6歳なので、ヘルメットはSサイズで注文していました。
で、実物を球太郎にかぶらせてみると、これがぴったりでした。
バイク用ヘルメットにおいてぴったりというのは、万一の時にも脱げることがないように、着脱の時に少し苦労するくらいのちょっときつめのサイズ、ということです。
つまり、サイズとしてはあらまほしいのですが、同時にこれ以上少しでも球太郎の頭が大きくなると、そのヘルメットをかぶるのが不可能になることを意味しています。
ヘルメットを買ってから、休日は雨やら各種イベントやらでなかなか彼をバイクに乗せる機会がありません。
このままではバイクに乗る機会がないまま、頭の方が成長してヘルメットがかぶれなくなってしまうのではないかと心配でした。
しかしついに、2006年7月15日の昼下がり、球太郎が突然バイクに乗りたいと言い出しました。
今日は最高気温が35度まで上がって、バイクに乗るには暑いのですが、思い立ったが吉日なので、球太郎と初の二人乗りを敢行することにしました。
とえあえず球太郎には長袖と長ズボンを着せました。
本来は手袋もさせるべきなのですが、普通の手袋だとタンデムグリップから手が滑るリスクの方が大きくなるので、今回は素手です。そのうちにちゃんとしたグローブを買ってやらなくてはいけません。
私は先日買ったタンデム用のベルトを装着しました。
バイクには背もたれとして荷台にトップケースを装着しました。
まず、二人乗りで近所をぐるぐる2、3周しました。
球太郎が怖がるかと思いましたが、彼はコーナーではきゃっぽうなどと歓声を上げていました。
これは行けると思い、大通りに出て、球太郎の通う幼稚園まで足を延ばしてから帰ってきました。
とりあえず今日はこれで終了です。
球太郎君、結構筋がいいと見ました。
タンデム2回目
7月16日も気温は35℃まで上がりました。日なたに立っているだけで倒れそうに暑いのですが、今日も午後3時頃から、球太郎の希望でバイクに乗りに行きました。
球太郎はよっぽどバイクに乗りたいらしく、先に済ませてしまえと言われたピアノの練習なども猛烈な勢いで片づけてしまいました。
今日は少し足を延ばして、青島から堀切峠の方へ行ってみました。
暑い日で、時速60qほどで走っていても、つま先にエンジンから熱風が吹き付けてきます。
「道の駅フェニックス」でジュースでも飲んで帰ろうかと思ったのですが、満車で入れませんでした。仕方なくそこからちょっと南下したところにある場所で一休みしました。
球太郎に缶ジュースを選ばせると、ファンタオレンジを選びました。しかし、いざ飲む段になると、球太郎は炭酸が苦手なことが判明。結局彼は一口しか飲まなかったので私が二本とも飲むことになりました。100円で販売されている小型サイズの缶で幸いでした。
ジュースを二本も飲んだらすぐトイレに行きたくなるかなと思いましたが、全部汗になってしまったらしく、尿意を覚えませんでした。
なお、球太郎は出発前に大量に水分を摂取していたので、脱水症状には至りませんでした。
それでも自宅近くまで来ると、眠たくなって船をこぎ始めたので、その度にバイクを止めて揺り起こす羽目になりました。それでも手はしっかりとタンデムグリップを握っていたのですが。
子どもに限らず、居眠りというのはタンデムライダーにとって一番の敵なのですが。
家に帰った球太郎は、妻の描写によると「ヘルメットを取ったら滝のように汗が流れ出してきた」ので、即座にシャワーを浴びるよう命令されました。
プロテクター
バイクの二人乗りのために、球太郎用のプロテクターを買ってみました。
と言ってもバイク用ではなく、インラインスケートやスケートボード用のプロテクター3点セットです。5〜10歳用ということでトイザらスで999円でした。
「3点セット」というのは、肘バッド、膝パッドに手首ガードを加えたものです。
手首ガードとは、転んで地面に手をついたときに、地面と接触してダメージを受けやすい掌、特に親指の付け根を保護するものです。
私のバイクでの経験から言っても、転倒したときには膝とこの親指の付け根はいつも地面で強打していました。
ですから血気盛んな頃には、親指の付け根に鋲が打ってあるグローブを使っていたものです。
しかし、膝パッドはいかにも小さいです。
ローラースケートでは前にコケるときには、つま先が支点となってコケるので、膝の正面あたりを打つはずですのでこれでも構いません。
しかし、バイクでコケたときには、私の経験からすると、体が一度宙に浮いているので、膝のかなり上の部分を打つことも多いのです。ま、このプロテクターはバイク用じゃないのでその辺は仕方がないですが。
パニアケースとBMW
愛車にパニアケースを付けたライダーは、次に必ずBMWのバイクを買うと言われているそうです。
パニアケースとは、バイク後部の左右などに取り付けるトランクのようなものです。白バイの後輪の左右に付いているプラスチックのケースを思い浮かべていただけば結構です。
後の「ホンダVF750F」の項で書いているように、私もBMWの前のバイクであるVFにはパニアケースを付けていました。
BMWのバイクは、長距離を高速でいかに快適に移動できるかということをテーマにして開発されており、設計段階からパニアケースを付けて走行することが考慮されています。ですからバイクとパニアケースの一体感という点ではBMWの右に出るものはないし、パニアケースを愛用するような長距離ライダーなら、長距離を快適に走るためのBMWが欲しくなるという理屈です。(最近では国産のモデルにもパニアケースをオプションとするものが増えてきているようです。)
しかし、私がBMWの正規代理店を訪れるきっかけは別のところにありました。
ニューモデル
それは、同じBMWでも、新型の1100ccボクサーエンジン(水平対向2気筒エンジン)を載せたR1100RSが発表されたことでした。
R1100RSは、革新的メカてんこ盛りでした。
フロントサスが伝統的なテレスコピックではなくピロボール支持のテレレバー、キャブではなくフューエルインジェクション、ABS、キャタライザー付き、しかも90psです。新しいメカが好きな私にとって、非常に魅力的なバイクでした。
これは是非乗ってみたいと、BMWの正規代理店に出かけていき、試乗させてもらいました。
新型の試乗
さすがに新型のR1100RSは90psですからパワーがあって、またがってアクセルを空ぶかしするたびにトルク反力で車体が右へぐらりと傾きます。
走り出してみるとサスは堅い感じでした。これについては、BMWはデフォルトでライダーの体重設定が90キロという話もありますので仕方ないでしょう。私の体重は当時60キロ以下でした。
フロントサスペンションはテレレバーなので、ブレーキングしてもフロントが沈まないのにはちょっと違和感がありました。
トルクリアクションのせいで、左右のコーナリングで感じが違います。右が倒れ気味、左が起き気味になります。
困ったのがウインカーで、左右のウインカーのスイッチが、それぞれ左右のハンドルのスイッチボックスについています。ウインカーをキャンセルするスイッチはまた別で、左のスイッチボックスについています。右にコーナリングしながらウインカーをつけるときなど、右手ではスロットルも動かさければならないし、手に力が入るとステアリングの動きを邪魔するので非常に具合が悪いです。慣れればいいのでしょうけど。
全体的にはスムーズかつパワフルで良くできたバイクでした。
しかし、良くできすぎています。これだったら何も高い外車でなくても、今乗っているホンダのVFで十分なのではないかと思いました。
思っていることが顔に出ていたのでしょうか。ショップの人が、「こっちにも乗ってみますか?」と勧めてくれたのは、旧エンジンのカウルなしのR100Rというモデルでした。これにも乗ってみました。
衝動買い
乗ってみると、左右にぶるぶる震える独特の振動を持つ、実に気持ちのいい振動のエンジンでした。
このエンジンに採用されている空冷OHVという形式は、その当時でもメカ的には化石クラスでした。他にもとりたてて新しいところはなく、新型のR1100系とは大違いです。
しかし、何と言ったらいいのでしょう。この左右に揺れる独特の振動、ちょっぴりダルなエンジンのレスポンス、トルクの出方、頑固な直進性、気合いの入ったデザイン‥‥これこそが私が描いていたバイク像に合致するものでした。
店内には、旧エンジンを積んだ新車のR100RSが1台だけ飾ってありました。しかし、車体色は紺と銀のツートンで、私の好みではありませんでした。
「車体が黒のがあれば買ったんですけどねえ。」
と言うと、仕入れて箱詰めになったままの黒のRSが1台だけあるというではありませんか。R100RSはその時点で既に生産中止になっているので、ここで買わないと二度と新車は手に入りません。
「すみません、それください。」
こうして私は、なけなしの貯金をはたいてRSのオーナーになりました。
普通、外車というものは値引きしないものですが、RSを買うときにはショップの人はパニアケース片方分の値段だけまけてくれました。このショップにはその後も色々とお世話になりました。
納車は土砂降りの日でしたが、そのままカッパを着て走りに出かけ、1週間で1000キロ走って慣らし運転を終わらせました。
なお納車後に2回フロントフォークのオイルシールからのオイル漏れがあったのでクレームで修理してもらいました。
とっくの昔に生産中止になったバイクのことをあれこれ書いてもあまり意味がないような気もするのですが、約束ごとなので一応書いておきます。
(2004.08.17 追記)現在でも結構中古車が流通しているようなので、書く意味は全くなくはないかと。
スペック
○エンジン:空冷水平対向2気筒OHVエンジン。モデル名に「R100」とありますが、実際の排気量は980ccです。
空冷だけあってオイルクーラーが標準装備です。
○生産国:ドイツ。西ドイツではなく併合後のドイツです。
○年式:92年式の最終モデル。
ただしR100RSというのは、基本設計は70年代初頭、マイナーチェンジが80年代、生産終了が91年だか92年という走る化石です。
なお、前期型の製造終了と後期型の生産開始の間には、数年のタイムラグがあります。
実は前期型を製造終了した時点で、BMWとしては、古くさい空冷ボクサーツインとはおさらばして、水冷縦置き直列4気筒一本で行くつもりだったらしいです。K1などの気合いの入ったモデルなども出していました。ところが根強いボクサーツイン製造再開の要望に負けて、後期型を出したということです。
私もその昔は、K1が製造中止になってRシリーズが21世紀まで現役で生き延びるなんて思いもしませんでした。
ちなみに前期型は出力70ps。外観では2本サス、シリンダーヘッドが丸くて銀色、パニアケースが角張っているなどの違いがあります。
○フロントブレーキ:ブレンボのダブルディスク。でも効きません。このブレーキに慣れている私が他のバイクに乗ると、ついつい強力にブレーキを効かせすぎて、慣性の法則で股間を強打します。
なおキャリパーがフォークの前に位置しています。
○リアブレーキ:ドラムディスク。リアブレーキは主として姿勢制御のためのものなので、ドラムで必要十分だと思います。
○タンク容量:22リッター。
カラに近い状態でガソリンを入れに行くと、給油量が10リッターを越えても平気でガソリンが入っていくので、給油してくれるスタンドの店員さんが驚くのが楽しみです。
○フロントサス:テレスコピック。妙に長いです。
○リアサス:片持ちなのでモノサス。ダンパーがすぐヘタります。
○クラッチ:自動車やレーサーと同じ乾式クラッチ。普通のバイクは湿式です。
低回転でサッとつなぐのがコツです。
○動力伝達方式:ドライブシャフト。長距離ツーリングの途中でもチェーンと違って伸びたりオイルを差すといった面倒な作業をする必要がないので、私は大好きです。
○タイヤ:前後18インチ。細いです。
○価格:本体だけで150万円だったと思います。それでも安くなった方で、モデルチェンジする前の型は、ワーゲンのゴルフと同じ値段だったと聞いたことがあります。
値段については、国産車ではないせいで、通りすがりの人などからもよく質問されます。
一度、給油時にガソリンスタンドの店員さんから質問されたので、
「700万円。」
とクラウザードマニ(超高級サイドカー)の値段を言ってみたところ、見事に信じられてしまいました。
もっとも最近は、値段を聞かれても
「10年以上前に生産終了になったんで参考になりませんよ。」
と受け流すことにしています。
○デザイン:ハンス・ムート。著名なドイツ人工業デザイナーで、GSX1100S「カタナ」もこの人のデザインです。
防風性能
R100RSの外観上の最大の特徴はやはりフルカウルです。
このR100RSというバイクは、量産車として世界初のフルカウル装着車です。RSのフルカウルは、レーサー(レース用のバイクのこと)のように最高速狙いではなく、快適に高速ツーリングを楽しめるようにという理由から採用されています。おまけに作ったのは完全主義のドイツ人です。その結果、完璧と評される防風性能を持ったバイクが完成しました。防風性がどのくらい徹底しているかというと、カウルがハンドルの部分までカバーしています。普通はフルカウルと言ってもカウルが大きくなりすぎるのでそこまではカバーしていないのです。
そこで、このバイクに関しては次のような伝説が生まれました。
1 雨の日に乗っても濡れない
ちょっとした雨なら確かに濡れませんが、信号待ちで止まると上から濡れるし、走っていても路面からの飛沫の巻き上げがありますので、結局濡れるのでカッパがいらないということはありません。
2 冬でも素手で乗れる
冬にバイクに乗ると寒さがとってもこたえます。人体は末端部分から冷えていくので、普通、指先、つま先などが非常に冷たくなります。
しかしRSはカウルがハンドルまでカバーしていますので、ナックル部分には風が当たりにくいのです。
また、ボクサーツインエンジンなので、足のつま先のすぐ前には490ccの巨大なシリンダーがあって、つま先に熱風を送ってくれます。
私なんかは血行が悪くてすぐ手が冷たくなるタチですが、冬でもちょっとした距離ならメッシュのグローブで大丈夫です。
寒さに強い人なら素手で乗れないことはないでしょう。コケた時のことは知りませんが。
ともあれ、防風性能が完璧なので、夏にジャケットを着て乗った日には、暑くて気が遠くなります。(最近はフォームを改造して、背筋を伸ばして乗ることにしたので、肩に風が当たるようにはなりましたが。)
夏にアンダーカウルだけ外して乗ったこともあるのですが、工賃が高かったので1シーズンで止めました。アンダーカウルを外すためにはエキパイを外さねばならず、エキパイのフランジを外すには特殊工具が必要で、ショップに頼まざるを得なかったためです。R100RSというバイクは、どこもいじらずにシリンダーヘッドは開けられるけれども、カウルを外そうとすると一苦労なのです。
安全性
また、RSはノーマル状態で一番安全なバイクとも言われています。万一のときには巨大で頑丈なカウルや横に張り出したエンジン、パニアケースがバンパーになってライダーを守ってくれるからということらしいです。
しかし、一度暗い中を走行中、誤って馬止めにパニアケースをぶつけたことがありますが、見事にケースは脱落しました。ケースの取り付けフック変形を心配したのですが、特に問題なく取り付けができました。どうやら衝撃を逃がすようにできているようです。ですからバンパー代わりというのはあんまり当てにならないかも知れません。
なお、一度実際にコケたときには、スクリーンの上端で喉笛を強打しました。
ブレーキ
ブレーキはあまり効かないので、これだけは何とかしたいところです。
フェロードのパッドに替えると良いらしいと聞いて、カタログまで取り寄せたのですが、ちょうどそのころ定期点検でパッドを交換されてしまったので、そのままになっています。
燃費
燃費は街乗りでリッター当たり約12km、ツーリングでリッター当たり約18kmといったところです。タンク容量は22リッターなので、ツーリングだと航続距離は300kmを越えます。
もっともツーリングではガソリンをタンクの半分消費したときに必ず給油することにしていました。早めの給油を心がけていないと、給油するきっかけを失ってガス欠になりやすいからです。
低重心
普通のバイクだと、ガソリンタンクが満タンとときとカラに近いときでは重心が変化するためバンクさせたときの感覚が違うものです。しかしRSは、シリンダーが横に張り出していて重心が低いせいか、満タンでもリザーブでもあまりコーナリングの感覚が違わないので、乗っていて大変楽です。
また、低重心のせいかタンデム(二人乗り)も楽です。
普通のバイクだタンデムをすると操縦性がかなり変わるのですが、RSの場合は、ソロと同じとは言いませんが、割合ソロで乗っているのに近い感覚で操縦ができます。
シリンダーの張り出し
BMWのバイクのうち、頭に「R」がつくモデルは、ボクサーツインと呼ばれる2気筒水平対向エンジンを積んでいます。
なぜ「ボクサー」と呼ばれるかというと、180度クランクの水平対向エンジンですので、ピストンが左右対称に動きます。その動きが、試合前のボクサーが自分の胸の前で左右の拳を打ち合わせる仕草に似ているからだそうです。
ともあれ、1気筒当たり490ccもの排気量を持つ巨大なシリンダーがクランクケースから左右に出ているので、邪魔になるように思えます。確かにバンク角は制限されるのですが、そこまで倒さなければいいだけの話です。
また、シリンダーは歩道の縁石よりは高い位置にあるので、すりぬけなどでシリンダーを引っかけることはありません。
水平対向特有のことと言えば、雨の日に水たまりに突っ込んだところ、大量の水がシリンダーにかかって蒸発し、シールドが曇って一瞬前が見えなくなったことがあります。普通のバイクのシリンダーは直立しているので、直接水がかかることは少ないのですが。
パニアケース
パニアケースはオプション扱いですが、これを買わない人はほとんどいないんじゃないでしょうか。
もっとも最近のBMWではパニアケースが付かないモデルもあるようですが。
フルフェイスのヘルメットが入りますが、そのくせ、走行中は思ったほど邪魔になりません。
純正のインナーバッグもあるのですが、私は持っていません。手持ちのモンベルのツーウェイバッグがぴったりなので、それで代用していました。
パニアケースはとっても便利です。クルマのトランク並みに何でも放り込んでおけます。
とは言うものの、考えてみると、パニアケースを付けるということは、実用性においてやっとスクーターと並んだに過ぎないような気もします。(そういえば最近のビッグスクーターの流行と、BMWのバイクが売れないのとは関係があるのでしょうか。)
なおR100RSでは、パニアケースを付けるとヘルメットホルダーが使えなくなります。私がツーリング中にバイクを駐車するときには、自転車用のワイヤーロックをヘルメットとパニアケースの取っ手に通してロックしていました。
付属品
RSにはドイツ車らしく異様に充実したマニュアルがついてきます。写真付きのかなり詳しい整備マニュアルと、ライディングの入門書が一体になったような詳細なハンドブックです。これらはすごく論理的に書いてあるので好きです。整備マニュアルに書いてあるところまではユーザーがやって良いが、それ以上は正規代理店に任せろとのことです。
また、車載工具も充実しています。以前の四国ツーリングで、同行者のバイクが山道で自爆してフロントのブレーキディスクが曲がったことがありました。そのとき、この車載工具のメガネレンチを石で叩いてブレーキキャリパーを外し、なんとかバイクを動かせるようになったことがあります。普通のバイクの車載工具はオープンスパナなので、多分キャリパーのボルトは外れなかっただろうと思います。
車載工具だけではなく、パンク修理キットも標準で付属しています。その中には手のひらに乗るくらいの高圧ボンベまで入っています。
オプション
購入してからしばらくして、ハザードのスイッチを付けました。
ところが、スイッチがカウルの奥の方のヘッドライトステーに付けてあるので、走行中は手が届きません。
ハザードの回路は常時通電ではなくアクセサリー連動です。
しかしこれは、クルマと違ってスイッチがむき出しのバイクです。イタズラでスイッチオンにされるとバッテリーが上がってしまうのでこれで良いのでしょう。
あとは、結婚してからトップケースを買いました。これはリアキャリアに取り付けるもので、高価なくせに容量が少なく、形もあか抜けなく、装着するとバイクの美しさを損なうというロクでもないオプションです。妻がタンデムシートに乗るときに背もたれにするために購入しました。もっとも妻の妊娠などがあって結局2回くらいしかタンデムはしていません。今は息子を後ろに乗せようと画策中です。
パニアケースを付けずにトップケースだけ付けたときには、バイクがスリムになるのでクルマの横のすり抜けなどがやりやすくなるのですが、バイクがとても情けないフォルムになるので、あまりその格好で走りたくありません。
あとは、タンクに純正のタンクパッドを付けています。ニーグリップするのに大変具合がいいです。
タンク
タンクの蓋はねじ込み式になっています。
タイヤ
R100RSを購入してしばらく乗っていると、特定の状況でハンドルが激しくぶれるという症状が発生することがわかりました。その状況とは、横風が吹いていて、エンジンの回転数3000rpm弱からエンジンブレーキを掛けたときです。かなり激しくハンドルが左右にぶれ、転倒が懸念されるほどでした。
RSを購入したショップに持ち込みました。ホイルバランスなど計ってもらったのですが、特に問題はないということで、原因は多分タイヤだと言うことでした。
購入時に装着されていたタイヤはミシュランでしたが、どうもRSと相性が悪いらしいのです。
メツラーのタイヤに交換してもらったところ、以後この症状はおおむね治まりました。
たまにぶれが出そうになるのですが、要するにハンドル回りの固有振動数がエンジンの振動と一致しているのが原因だと思われますから、即座にエンジンの回転数を変えてやればいいのです。
ミッション
ミッションは最初入りづらくてよくギア抜けしていたような気もしますが、いつの間にか治まりました。BMWのバイクは、慣らしが終わって調子が出るのが1万キロからとかいう世界なのです。
もっとも、今でもエンジンがオーバーヒート気味の時には2速に入りにくいことはあります。
中空ラバーステップなので、振動をよく吸収してくれます。
ちなみに上から見ると、ステップの位置は左右で微妙に違います。左のステップがやや前方、右のステップがやや後方にセットされています。ライディングポジションを取ったときに気にならない程度ですが。一説によるとトルクリアクションを打ち消すためだそうですが、単にキャブまわりにすねが当たらないように後ろによけただけのようにも見えます。
なお、パニアケースとの関係か、R100RSはピリオンステップが割合前方にあります。この間隔は私の靴のサイズより小さいです。なので、靴のつま先を本来のステップに、かかとをピリオンステップに乗せて走行するなんてことができます。
高速道路などでは、ずっと同じ姿勢でライディングしていると体中凝ってしまいます。この時は最低5分おきに何センチかずつでも体のあちこちを動かしてやるのが疲れないコツだと私は思います。そういう時には、このように足元の自由度が高いというのは大変ありがたいものです。
ミラー
バックミラーはカウルマウントのせいか、3000rpm以下では振動のせいで後方の像は全く見えません。しかし3000rpm以上になると振動はぴたっと止まります。そういうふうになるように固有振動数を計算して作っていると思われます。3000rpm以下で走るなということなんでしょうが、普通に混んだ道では2500rpmあたりを多用するんですよね。そのあたりの回転数はエンジンの振動も激しいです。
ハンドル
短いので一見セパハンに見えます。クランプ部分がカバーに隠されているのでよく分かりませんが、実はパイプハンドルなのでした。
グリップ
グリップは微妙に末広がりのタル型をしています。軽い力でアクセルを回せるので具合がよいです。人体工学の成果だそうです。
ちなみに、左右のスイッチボックスにそれぞれターンシグナルスイッチがあり、さらにキャンセルスイッチがあるという最近のBMWのスイッチ配置も人間工学の成果だそうです。が、たまに代車などで新しいBMWに乗るととっても勝手が悪いです。
ホーン
巨大なホーンが左右のタンクの下に一つずつ付いています。びっくりするほど音がでかいです。ちなみに左右で音が違うようです。片方鳴らなくなったときに気がつきました。
ライト
ライトカバーのガラスには何本かオレンジの横線が入っています。これは、熱線を吸収させてガラスを暖めることで結露を防ぐためのデフォッガです。
ライト自体の明るさは、はっきり言って暗いですが、時代を考えるとまあこんなモノでしょう。
問題は取り付け位置です。フロントフォークのストロークが長目のせいでしょうか、ライトがかなり高い位置にあるのです。夜間に乗用車の後ろで信号停止したときなど、ハイビームにしているわけではないのに前のクルマの室内を明々と照らしてしまいます。前のドライバーから振り返ってにらまれることもあります。停車するときにはなるべく前のクルマに接近しないようにしています。
停車時にライトを消すという方法もあるのですが、頻繁に点灯消灯を繰り返すとバルブの寿命も短くなります。また、再発進したときに再点灯をし忘れてライトを消したまま走行すると、回りのクルマなどから視認されず非常に危険な状態になるので、やらないことにしています。
バッテリーのためには消した方が良いのですが、何かで読んだ次のフレーズが私の心に残っています。
「あなたは、バッテリーと命とどっちが大切なのですか?」
バッテリー
純正のバッテリーは起電力が大変大きいのですが、いかんせん高価です。つい命より大事にしてしまいそうです。
なので私はユアサのスタード2という四輪用バッテリーを、バッテリーケースの隅を削ってむりやり付けていたこともあります。
起電力の低いバッテリーを使っているとセルモーターが壊れやすいという説もあるのですが、少なくともこれで特に問題は起きませんでした。なお、RSのセルはフランス製なのでどのみち5万キロまでに壊れるものだということです。
シート
シートは、座面を指で押さえてみると硬いくせに、長く乗っていても尻が痛くならないのが不思議です。
私はR100RSでは最高で一日800kmほど走ったことがありますが、尻は痛くならなりませんでした。
小物入れ
シートの下には小振りのカッパなら十分に入る位の小物入れがあります。また、リアカウルの中も小物入れになっていて、こちらには車載工具を入れるようになっています。
時計
カウルには電圧計と並んで小さな時計が付いています。
袖をまくって腕時計を見なくても時間が分かるので便利です。しかし10年目を超えたあたりから表面が曇ってきました。
しかしこの時計、実に正確です。
1年くらい合わせずにいたのですが、ほとんど狂いがありませんでした。電波時計を買うまでは我が家で一番正確な時計だったくらいです。
サイドスタンド
RSのサイドスタンドは、車体を起こすとリターンスプリングで自動的に跳ね上がってしまうタイプです。また、スタンドを出すための爪が車体からほんのちょっとしか出ていないせいもあって、バイクにまたがったままサイドスタンドを出すには、かなりこつが必要です。
以前私の知り合いが、私に無断でR100RSにまたがってみたところ、スタンドが上がってにっちもさっちもいかなくなったことがあります。まるでトラップです。
ちなみに自動跳ね上げ式になっているのは、サイドスタンドを上げ忘れたままで走り出すと、左コーナーで車体をバンクさせたときにサイドスタンドが接地して転倒につながるため、安全装置になっているためです。なお、最近のバイクではスタンドにセンサーが付いていて、スタンドを上げないとエンジンがかからないバイクが多いようです。
センタースタンド
センタースタンドは、「バランス型センタースタンド」というタイプです。センタースタンドが車体の重心のあたりに位置しているので、スタンドを掛けた状態では前後輪どちらのタイヤも楽に回すことができます。後輪を外すときにも車体にジャッキを掛ける必要がありません。整備性を考慮してあるのです。
しかし、スタンドの左右のヒンジがどういうわけか同軸ではないので、左右の軸がずれやすいです。私のRSは買ったときからセンタースタンドがリターンスプリングでは跳ね上がらないので、いちいち足で跳ね上げています。
ブリーザーパイプ
一時期、エアクリーナーからのオイル漏れに悩まされたことがあります。なんでそんなことが起きたかというと、ブローバイガス回収のためのブリーザーパイプからエンジンオイルが吹き込んでいたのです。
ショップに相談したら、ブリーザーパイプを大気解放仕様にしてくれました。以来、そのまま走っています。本当は良くないのですが。
メカノイズ
エンジンが回っているときにはカチャカチャとタペット音がするのが実は正常な状態で、静かになると危険信号だそうです。
ちなみに知人がRSにちょっと乗ったときの評価は、
「メカノイズがうるさい」でした。
ま、空冷ですから大目に見てやってください。水冷に比べると温度変化が大きいので、クリアランスが大きくなるのです。
オーバーヒート
スピードメーターには40km/h以下に斜線が引いてあります。この速度以下で走るなということらしいです。空冷なので走行風がないとオーバーヒートしやすいのです。
街乗りには全く向いていません。すぐオーバーヒート気味になってアイドリング回転数が上がります。
メンテナンスブック
2006年7月に、(株)スタジオタッククリエイティブというところから出ている、「BMWメンテナンスブック OHVボクサーツイン編 完全整備分解手帳」というムックを買ってみました。
バイクをばらして部品を一覧したところの写真をなど見ると、空冷ということもあるのでしょうが、部品点数がびっくりするほど少ないです。
ちなみにこれを読んで、ヘッドライト前面のガラスに入っている水平な線がデフォッガだったということを、乗り始めて14年が経過して初めて知りました。
ボクサーツインの伝説(2004.8.19更新)
さて、旧型ボクサーツインには、恐ろしい伝説がつきまとっています。それは
ボクサーツインに乗っている者は、必ず水虫になる
というものです。
ボクサーツインエンジンは、クランクの関係(同じ位置にはビッグエンドが置けない)で左右のシリンダーが前後にオフセットされています。左シリンダーがやや前方、右がやや後方に位置しています。ステップも同じく左が前方右が後方にオフセットされています。
実際にライディングポジションを取ってみると、つま先とエンジンの間隔は6、7センチくらいしかありません。ガソリンが燃焼する温度は2000℃から3000℃と言われています。もちろんエンジンの外側がそこまで熱くなるわけではありませんが、空冷エンジンですから、エンジンの冷却に使われた後の熱風がもろにつま先に当たります。言うまでもなく、中低速で走っているときなどには非常に熱いです。多分、つま先にアルミホイルで包んだ肉をくっつけておけば、焼き肉ができるのではないでしょうか。
一切停止しないで時速80キロ以上で走り続けていればつま先はそれほど熱くはないのですが、現実的には高速道路ばかりを走るわけにはいきません。
このつま先への熱風を緩和するるためには、バックステップにしてエンジンとつま先の間に距離を取るするしかないのですが、上でも書いたようにライダーのステップとピリオンステップとの間隔は非常に狭いので、バックステップを装着するとタンデムライダーが足を乗せるところがなくなってしまいます。
というわけで、旧ボクサーエンジンに乗るライダーは熱さに耐えつつ走るわけです。特に渋滞路などを走ると、エンジンも過熱気味になってつま先に当たる熱風もひときわ熱さを増します。
なお、私の経験だと、つま先とエンジンの距離は左右でそれほど変わらないはずなのに、右のつま先の方がよけい熱く感じます。
というわけで、前置きが長くなりましたが、ブーツの中の足は常に高温かつ吹き出す汗によって多湿の状態にあり、白癬菌にこの上ない繁殖場所を提供しているというのがこの伝説が生じた理由です。
伝説はさておき、事実はどうなのでしょう。
私はこの説の真偽について、ボクサーツインのライダー同士で意見を交換したことはないので、他の人のことは残念ながら分かりません。
しかし、私のことを言えば、確かに白癬菌にやられました。
それも右足の親指が「爪水虫」になるという形で。
これは白癬菌が爪の下で繁殖するために爪が白く見えるものです。痒いとかの自覚症状はないのですが、家族にうつる可能性があります。
このタイプの症状は、飲み薬でないと治せないようです。
まあ別に自覚症状もないのでしばらく放置していたのですが、一度近所の皮膚科で診てもらったことがあります。しかし、そこでは塗り薬しか出してくれませんでした。まあそこはアトピーが専門だったので、爪水虫は専門外だったのでしょうか。
その後また、しばらく放ったらかしていたのですが、最初は親指の爪の外周だけが白かったのがだんだん広がって、ついには爪が全面真っ白になり、また、家族にも水虫が伝染るに至ったので、本腰を入れて治すことにしました。
宮崎の街の中心部にある、かなり流行っている皮膚科で受診すると、案の定爪水虫だという診断で、飲み薬を処方してくれました。
薬の服用を開始してからしばらくすると、それまで真っ白だった爪が、根本の方から健康なピンク色になってきました。薬が効いたために、新しく生えてきた部分では菌の影響がないので白くならないわけです。そのピンクの部分は、日を追って広くなっていきました。
この薬は結局、完治するまでに丸一年間飲み続けたのですが、その間、その病院で何度か血液検査をされました。
この薬、人によっては肝臓に悪影響があるらしく、報道によるとこの薬が原因で死亡者まで出ているということです。
命に別状ない疾病を治療するために、命に危険のある薬を飲み続けるということには、いささか割り切れないものがありました。しかし、マジメに一年間薬を飲み続けたので、めでたく完治しました。(ま、治ったからこうしてカミングアウトする気になったわけなのですが。)
付け加えておきますが、1100cc以降のエンジンのモデルは、ステップとエンジンの関係やアンダーカウルの形状が見直されているので、つま先はそんなに熱くなりません。
バイク過去形
これが今まで所有してきたバイクなのですが、水冷は1台だけ、直列4気筒は1台もないです。かたよってます。
私が一番最初に所有したバイクは、スズキのRG50Eという空冷2サイクル50ccで7.2馬力でした。20年以上前の話です
。当時はスピードリミッターもなく、最高速は80km以上出ていたと思います。そのころは、原付にはヘルメット着用も義務づけられていませんでした。
ろくな装備も持っていませんでしたが、とにかくバイクに乗れるのがうれしくて、あちこち走り回りました。まだ10代でしたからねえ。
このバイクには中型免許を取得するまで1年くらい乗りました。
私の場合、二輪の中型免許(当時。排気量400ccまでの免許。現在は普通二輪免許。)は、教習所や自動車学校へ行かず、直接試験場で取得しました。普通免許は既に取得していたので実技試験だけです。実技の練習は先輩からバイクを借りて、夜大学構内で行っていました。
中型免許を取ってから新車で買ったのが、スズキのGSX400Eです。空冷直立2気筒DOHC。DOHCといってもロッカアームがあるという変なメカです。
まだ400ccクラスではマルチ(この場合直列4気筒のカワサキFXを指します。)よりツイン(2気筒車)が速かった時代です。ホンダですら当時は「400ccは2気筒で十分」と公言していましたが、FXの人気を見てCBX400Fを出してきました。CBX400Fは十分早かったので、それ以降は400ccなら4気筒、という時代になりました。
このバイクに関しては、買ってすぐ、直線路でフロントブレーキの握りゴケ(ブレーキが利きすぎ、前輪がロックして転倒すること)をしたという恥ずかしい記憶があります。ヒマさえあればこのバイクに乗っておりました。私は、このバイクで1回目の北海道ツーリングに行っています。このころは若くて元気でしたので、7時間一度もバイクを降りずに500kmを走った日もありました。
このバイクは、ナナハンを買ってから友人に譲ったのですが、その後盗まれてしまいました。
スズキ GSX750S「カタナ」
そのうちに、限定解除(400ccオーバーの排気量のバイクに乗れる免許をとること。現在の大型2輪免許に相当)をしました。限定解除は、当時もっとも難しい国家試験と言われていました。もし、「あなたの人生のうちで一番努力したことは何か」と聞かれたら、私は迷わず「限定解除への挑戦」と答えます。
そのころの私は、スズキのGSX750S「カタナ」が欲しくて欲しくて、そのために限定解除をしたものでした。「カタナ」は、ハンス・ムートデザインの傑作バイクです。オリジナルは1100ccですが、当時は逆輸入車しかなく、手の出る価格ではありませんでした。。限定解除後私は半年間バイトして金を貯めました。同時にバイク屋をあちこち見て回って「カタナ」の中古車を探しました。とあるバイク屋に程度の良い「カタナ」の2型(フロント16インチ)がありました。しばらくするとようやく金が貯まりましたので、意気揚々とそのバイク屋に「カタナ」を買いに行きました。するとバイク屋は、「残念ですねえ、あのカタナ、今朝売れちゃいました。」なんでもあんまり程度が良かったので他の業者が買っていってしまったということらしいです。今でも私は「カタナ」を見るたびになんだか複雑な心境です。
ちなみに「ラオス通信」のたこちう氏が白にペイントしたきれいな「カタナ」のナナハンに乗っていましたが、友人に貸して廃車にされました。
カタナに乗れないのならナナハンに乗らなくていいや、ということで引き続きGSX400Eに乗っていたのですが、ある日、行きつけのバイク屋の親父さんから、ナナハンを売りたがっているヤツがいるから買わないかと言われました。代金は8万円でいいというので実物を見せてもらってから買いました。前のオーナーは調理師さんだということです。
そのナナハンとは、ホンダのVF750F。水冷V型4気筒DOHC。なぜか輸出仕様のマフラーがついていました。当時は、大型バイクといえば直列4気筒が一般的でしたので、V型エンジンには人気がありませんでした。
しかし、とにかくこのバイクは速かったです。この行きつけのバイク屋は、常連が飛ばし屋揃いなので地元でも有名だったのですが、彼らと互角に走ることができたのは、マシンのおかげだったと思います。
また、私がアウトドアツーリングをするようになったのは、このころです。カネがなかったので、宿泊費を削るというのが最初の目的でした。アウトドアと言うよりは、要するに野宿です。テントや寝袋をバイクに積んで、全国各地を走りました。その後、年下の友人たちも誘って、一緒にアウトドアツーリングに行くようになりました。これが「とっくりすたーず」のおこりです。その後私は宮崎で就職しましたが、依然としてアウトドアツーリングは続けていました。そのころには私はアウトドアツーリングをすること自体が気に入っていたのです。ツーリングに出かけたときには真冬でもテントに寝ていました。
また、野宿のための大量の荷物をパッキングに気を遣わずに積むため、大枚はたいてGIVIのパニアケースを付けました。パニアケースとは、バイク後部の左右などに取り付けるトランクのようなものです。有名なメーカーとしてはドイツのクラウザーとイタリアのGIVIとがありました。クラウザーはデザインはいいけど実用性はいま一つ、GIVIはデザインはださいが耐久性や実用性は文句なしと言われていました。生産国の一般的なイメージとは逆になっているのがおもしろいですね。パニアケースは、中に大量の荷物が入るし、フェリーに乗船したときなどでも、身の回りの品が入ったケースをバイクから外して携帯すれば、簡易金庫にもなるなど便利でした。
後には、部品取り用にVFの不動車をもう一台買いました。今のバイクを買ってからは、VFは友人に部品取り車ごと譲ったのですが、さらにその後、私立高校の工業科系のコースで、4サイクルエンジンの教材として第2の人生を送っているそうです。四輪のエンジンがなかったのでその代用なのだそうです。
さて、宮崎に就職してからは近くのホンダのバイク屋が行きつけになりました。バイク屋の主人は同い年ということもあって話が合います。しょっちゅう入り浸っていました。当然そのバイク屋のツーリングにも一緒に行くようになりました。こちらでのツーリングは初心者や女性もおり、のんびりしたものです。以前のように、誰かが曲がりきれずに壁に刺さったりということはありません。まあ、逆に発進して200mで睡魔におそわれて転倒したり、なんでもないところででこけてフロントブレーキディスクを曲げたりした人がいたりということはありましたが。
ある時バイク屋のツーリングで山道を通っていますと、いきなり工事中で通行止めになっていました。川沿いの道で、迂回路はありません。ちょっと待ってと言って、作業のおっちゃんたちが、バイクが通れるように重機をどけてくれました。とはいっても道路には大量の土が山となって堆積しています。私は、フロント16インチのナナハンに乗っていましたので、死ぬ思いをしてその土の山をなんとか通過しました。(タイヤは小さくなるほどオフロードで不安定になります。)ところが同行のXL250(ホンダのオフロード車)系の連中は涼しい顔で通過して行きます。
そこを過ぎると、道路に一面軟泥が流れているところがありました。フロントブレーキをかけたら即転倒です。ここも死ぬ思いで通過しましたが、XLの連中は例によって平気な顔です。私はその時決意しました。こんな目にしょっちゅう遭うのなら、XLを買おう。
ということで就職したばかりだというのに勤め先からカネを借りてXL250BAJA(「ばは」と発音する。)を購入しました。当時のBAJAは、バッテリーレスでデュアルライトでした。バッテリーレスは、少々乗らなくても、上がるバッテリー自体が存在しないのでとても便利でした。ライトも、オルタネータだけでまかなっていると思えないくらい明るかったです。オフ車なので、歩道の段差などはものともしません。渋滞でも重宝します。しかし、ライディングポジションが立ち気味なので、風が強いときには奴凧になったような気がしたものです。
買った当時は、オフロードなども走ってみました。が、オフロードは通行量が少なく、一人で行くと、行動不能になったときそれまでなので、あまり行かなくなりました。
このバイクは、結婚したときに知人に売りました。
ツーリング雑記(2003.07.26更新)
持病(2003.07.26最終更新)
RZキラー(2003.06.07更新)
子供の頃、親にクルマでえびの高原に連れて行ってもらったことがあります。
えびの高原とは、宮崎県西部の鹿児島県と境を接したところにある観光地です。
我が家のクルマが交差点で停止していると、右から大きな黒いバイクが走ってきました。そのバイクは大きく右にバンクし、路面に接地した車体から大きく火花を散らしながら交差点をクリアし、高原に登る道を加速していきました。と思ったらやはり右からもう一台同じようなバイクが来て、同じように豪快なライディングで交差点を曲がって行きました。
どうもその時の光景が私のバイク体験の原点にあるようです。
GSX400Eに乗っていたとき、周囲数キロにわたって人家がないところで、後輪がパンクしたこともあります。
そのまま乗ると、チューブは切れ、路面からの衝撃を直接受けるホイールはだめになります。しばらく思案しましたが、いい解決策があるわけもなく、とりあえず人家のあるところまで押していくことにしました。しばらく歩いていると、通りかかった佐世保ナンバーのGSX400FWがそばに止まりました。どうしましたと聞かれたのでわけを話すと。そのライダーは親切にもバイク屋さんのあるところまで乗せていってくれました。お盆だったので店は閉まっていたのですが、訳を話して修理してもらいました。
FWのおにいさん、バイク屋のおじさん、そのときのご恩は忘れません。
それ以来、私はいつも瞬間パンク修理材を持ってバイクに乗ることにしています。
山口県のとある田園地帯に行ったときのことです。
近くの家に用があったので、一応舗装だけしてあるような生活道にGSX400Eを止めました。道はあまり広くないので、クルマの通行の邪魔にならないよう、できるだけ脇に寄せてサイドスタンドで駐車しておきました。道の横には幅1メートルほどの用水路が流れていました。
用を済ませて戻ってきたら、バイクがありません。
横をみると、水路から2本のタイヤが突き出しているではありませんか。そのさまはなかなかシュールな眺めでした。
路肩が崩れて、見事バイクが溝の中にまっさかさまに落ちて溝にすっぽりはまり込んでいたのでした。
幸い仲間数人と来ていたので、バイクをみんなで溝からかつぎ上げ、嫌がる地元のバイク屋を拝み倒して修理をお願いしました。
バイクはステアリングヘッドのベアリングが案の定いかれておりました。ウイリーからの着地なんかとは比較にならないくらいの荷重がかかったので当然です。意外やそれ以外の損傷はわずかだったと記憶しております。
夜中に私は海沿いのワインディングロードを流していました。
今は熊本市に合併されましたが、当時は河内町と言っていたところです。金峰山というワインディングの名所を抜けたところにあります。
あたりには街灯などなく真っ暗です。
ブラインドコーナーの一つを抜けると、いきなり闇の中にオレンジのランプが上下に点滅しています。
それは、横転した大型トラックのハザードランプでした。
もうちょっとでトラックに突っ込むところでしたが、あわてて回避して、事なきを得ました。
それ以来私は、ブラインドコーナーの向こうには、何があるか分からない、常にトラックが横転しているものと心得て運転することにしました。
私が今まで生きてこられたのは、究極的には運が良かったからです。が、ある時期から、走っているときの目標を「速く走ること」から「生きて帰ること」に切り替えたこと多少は役に立っているのではないでしょうか。
(2003.07.26最終更新)
アウトドアツーリングにおいて、テントを張る場所を見つけるということは非常に大きな問題です。
というのはかなり条件が厳しいからです。まず、テントが張れるだけのフラットな地面がないといけません。歩いていける場所にトイレがあることも重要です。水道もあるに越したことはないのですが、なければ折りたたみ式の水タンクでなんとかなります。
また、良さそうな場所があっても大きい段差などがあってそこにバイクが入れないと意味がありません。資材置き場や造成中の土地など、見つかったら即追い出されそうな場所もだめです。あまり街道沿いだとクルマがうるさいし、人目がありすぎて落ち着きません。かといって人気のなさ過ぎる所だと怖かったり不便だったりします。
それじゃあ有料のキャンプ場に行けよ、と言われるかもしれませんが、キャンプ場は都合の良い場所にあるとは限らないし、有料のキャンプ場でも設備はたいていお粗末なものだったので、そんなものに金を払うくらいなら自分で見つけた方がましだったのです。
テントを張るのに適当な場所というのはなかなかないものです。私がよく使っていたのは、放置されて誰も来ないような公園とか、シーズンオフで管理人のいないキャンプ場などでした。
また、テントサイトを探し始めるタイミングも重要です。テントサイトになりそうな場所というものはなかなか見つからないので、早くから探し始めるのに越したことはないのです。が、あまり早くテントを張ってしまうと、その日のうちに走ることのできる距離が短くなってしまいます。逆にテントサイトを探すのはできるだけ遅らせたときには、日が暮れてもまだその日の宿泊場所が決まらないというリスクを負わなければならないのです。日が暮れてまだその日に寝る場所が決まらないというのは実にみじめなものです。以前北海道でそういう状況に陥り、地図でキャンプ場だと見当を付けた場所に行ってみたところ、一面に墓地が広がっていたときには泣きたいような気分になったものです。
そういったことがあるので、長年アウトドアツーリングをしていると、一種の持病が発生します。
それは、どんな時でも無意識にテントサイトを探してしまうという症状です。
仕事でクルマを運転していても、道路脇にフラットな空き地を見つけると、頭が勝手に、バイクの出入りはできるか水場はあるかなどと品定めしてしまうのです。
この症状は、結婚してアウトドアツーリングをしなくなってからも、しばらく続きました。
結婚してから、妻と都井岬にタンデムツーリングに行ったことがあります。
海岸沿いを流していると、突然海沿いのパーキングにビキニの若い娘さんが何人もいるではありませんか。
思わずアクセルを持つ手が緩んでしまいました。あとで妻に小突かれたことは言うまでもありません。
その娘さんたちは、別に夫婦仲にヒビを入れるのが趣味の妖怪というわけではなく、着替え中のダイバーだったのです。そこは県南部の南郷町とにある夫婦浦という有名なダイピングスポットでして、ビーチエントリーするダイバーがクルマから降りて道端のパーキングで着替えていたのでした。
あれはたしか山陰をツーリングしていたときのことです。
その日は土曜日でした。私は、そろそろ日が暮れるので、テントを張る場所を探していました。すると、街からちょっと離れた山の中に公設の体育館があるのをみつけました。割合広い駐車場には水道もトイレもあります。建物に管理人が居るわけでもないので、その夜はその駐車場の端っこにテントを張ることにしました。
さて、食事も終わってテントの中で寝ていたところ、夜中に排気音のうるさいクルマが駐車場に入ってきて眠りを妨げられました。テントのベンチレーターから外を伺うと、やけに車高の低いクルマが何台も入ってきます。
そう、そこは土曜の夜のヤンキーのたまり場だったのです。
しかし今更撤収して新しいテントサイトを見つけるわけにもいきません。仕方がないので、枕元に用心のためにガーバーのフォールディングナイフを置いて寝ました。その晩はカーステレオの音だとか、風もないのに揺れるクルマのサスペンションの音などでよく寝付けなかったのですが、闖入者は私の方なので仕方がありません。
そのころはのどかな時代だったので面白半分に襲撃されるというようなこともなく、翌朝は、まだ寝ているヤンキーの方々を起こさないようにそっと出発したことです。
その昔、ヤマハのRZというバイクがありました。
別なところでも書いていますが、RZの名は、当時としては格別に速いバイクとして知られておりました。
ある日、私はGSX400Eで俵山という峠に走りに行っておりました。俵山とは阿蘇の外輪山の西側にある山です。そこの峠道は、低速テクニカルコースとしてその名を知られ、熊本在住ライダーの聖地の一つでした。
さて、その日私はコースを何回か往復してからパーキングスペースにバイクを止めて、他のライダーの走りを見物しておりました。
見ていると、明らかに他のライダーとは次元の違う走りをしているライダーがいるのに気がつきました。少ない排気量をカバーする精緻なテクニック、豪快なコーナリング。見事な走りでした。昼間なのに、コーナーごとコーナーごとに車体が接地して路面から上がる火花が見えます。
そのライダーは、先行するRZ350に追いつくと、あっさり追い抜いてしまいました。
当時、RZ350はその速さからナナハンキラーと呼ばれていました。ということはRZを抜いたそのバイクはナナハンキラーキラーです。
そのライダーのバイクが何だったかですか?
ヤマハのYB125でした。
と言ってもご存じない方が多いでしょうから解説しますと、ヤマハの2サイクルの実用車です。よくお米屋さんや交番の警官などが乗っている真っ黒なアレです。もちろん峠を攻めるようなバイクではありません。
バイクは乗り手のウデが物を言いますから、ウデさえあれば多少のハンデは跳ね返せます。しかし、ここまでやれるのは正に達人の技です。私はそのライダーのテクニックに畏怖を感じました。
後に聞きましたが、ジムカーナの達人となると、スーパーカブで左手にメガホンを持ってがなり立てながら中型バイクや大型バイクを追い回すなんてことを朝飯前にやってのけるということです。
バイクの世界も、なかなか奥が深いです。
今まで轢いたモノ(2003.3.20更新)
鳥 その1
大昔、GSX400Eではねました。
北海道ツーリングの途中、まっすぐな道を走っていたら、突然、道ばたにいた鳥の群が一斉に飛び立ち、そのうちの1羽が私の膝に激突したのです。
あとでジーンズの膝を見たら血が付いていました。合掌
鳥 その2
VF750Fではねました。
鳥はスズメではないかと思います。
どこへ行ったときの話かは忘れましたが、ツーリング途中で鳥が1羽、まっすぐにバイクの正面から突っ込んできて、ライトのあたりで消えました。跳ね飛ばしましたのではなく、どこへともなく消えたのです。
ラジエータのあたりに当たったのではないかと思って確認しましたが、いません。ツーリングを終えてバイクを見ると、妙なモノがアッパーカウルと燃料タンクの隙間から突き出しています。それは片方の鳥の翼でした。
ご存じのとおり、ホンダ二輪のトレードマークは、鳥の翼をかたどったもので「ウイングマーク」と呼ばれています。VFはホンダのバイクなので、当然タンクにも大きくウイングマークが描かれています。それとそっくりですが小振りなやつが、もう一個できてしまったのです。
タンクのウイングマークはシールですが、こっちは立体です。
一般的に言って、この手のものはシールよりは立体の方がグレードが上なので、このままにしておこうかとも一瞬思いました。が、やはり悪趣味なので取り出すことにして、カウルを分解しました。
中から、頭がつぶれて半分くらいになった鳥が出てきました。
鳥はバイクと衝突して即死した後、走行風の風圧のせいで、カウルの中にもぐりこんでしまったようです。
鳥3
職場のクルマではねました。
カラスでした。低空飛行をしていたヤツが、私が運転している、古いミラージュワゴンのヘッドライトのくぼみに、すっぽりはまりこんでしまいました。
クルマは走行していますので、カラスは風圧でなかなか抜け出せずにバタバタともがいています。
同乗の人が、
「カラスはもうちょっと頭がいい鳥だと思っていたが。」
「人間にも頭がいいヤツとバカな奴がいるように、カラスにもバカなヤツがいるんですよ。」と私。
面白いのでスピードはそのままにしておきました。
道がカーブにさしかかると、遠心力のおかげで、カラスは何とかくぼみから抜け出して飛んで行きました
野ウサギ
XL250BAJAで轢きました。
私は暗くなってから県北の東郷町というところの山道を走っていました。その時前には車が2台走っていました。
突然道のまん中にウサギがいるのに気づきましたが、よける間もなく轢いてしまいました。
前にいたクルマのせいでウサギが見えなかったのです。
ウサギは道のまん中にいたので、前を走っていた2台の四輪の場合は、ちょうど左右のタイヤの間に入って轢かれなかったのでしょう。しかし、後からバイクが来るとは運が悪いウサギです。
轢いた瞬間、ぐにゃりとした感触が前輪に伝わってきました。引き返して確認したら、ウサギは轢かれた場所でのびていました。結構大きなウサギでした。持って帰って食べようかという考えが頭の隅をかすめたました。が、気絶しているだけで生き返るかもしれないと思って、それ以上クルマに轢かれないよう、ウサギを道の脇にどけて帰りました。
まだ家までは80キロくらい距離がありましたし。
猫 その1
クレスタ(GX71)で轢きました。
クルマの左後輪が、飛び出してきた猫に乗り上げた感触があったのですが、バックミラーで見たら跳んで逃げて行っていました。
ちなみに以前、私の一台前を走行している車が、猫をフロントグリルではね飛ばしたことがありました。そのクルマは結構スピードがでていたので、すごい音がしましたが猫は自力で逃げていきました。
猫というのは結構丈夫にできています。
なお、私がクルマを運転しているときには、道端にいるのが犬や猫だった場合は、意識的に過度の注意を払わないようにしています。そちらに気をとられて事故を起こしたのでは、元も子もないからです。轢かないに越したことはないのですが。
猫 その2
(2003.3.20追加)
これは私が轢いたわけではありません。私の知人が、自宅の車庫からスカイラインをバックさせたところ、後輪の後ろで寝ていた隣の家の猫を見事に轢いてしまいました。
知人は悩みましたが、ご近所の関係にヒビを入れるのも何なので、瀕死の猫を袋詰めにして一ツ葉の浜に埋めてきたそうです。
彼はその後スカイラインが事故でつぶれたりと、良くない事が続いています。
ガス欠と私
マツダ ファミリアハッチバック(03.03.17更新)
いわゆる「赤いファミリア」です。型式は覚えていません。たしか友人から8万5千円で買ったと思います。買った当時で8年落ち位でした。
私はクルマを持つのはこれが初めてでしたので、クルマもバイクと同じ乗り方をしていました。
コーナーではフルブレーキングから舵角を決めてアクセルオン。常にタイヤが鳴いて車内の物は右に左に吹っ飛んでいました。
元々ボロだったのですが、横Gに耐えられなかったらしく、そのうちモノコックフレームがゆがんで助手席のドアが開閉できなくなってしまいました。
それはともかく、私には、ガソリン計が残量ゼロになってから後どれだけ走れるか知りたいという困った性分があります。
そのせいでやってしまいました、高速道路でのガス欠。
その時、私はゆるやかな上り坂を登っていました。その坂さえ登ってしまえばすぐ、降りる予定のインターです。私の目算では、ガソリンは余裕で保つつもりでした。
ところが、高速道路のせいか予想以上にガスを消費しており、ファミリアは、坂の途中でアクセルに反応がなくなったかと思うと、エンジンが止まってしまいました。とっさにギアをニュートラルに入れ、ちょうどそこにあったパーキングエリア入り口にハンドルを切りました。
パーキングエリアへの導入路の半分くらいを走ったところでファミリアは停止してしまいました。もちろん後続車にぶつけられないように左側に寄せています。
仕方がないのでクルマを降りて押しました。登り坂だったので重かったですが、何とかパーキングエリアの駐車場まで押していきました。
そこで考えました。折角ガス欠になったのに、JAFを呼んだのでは面白くも何ともない、ここは一つ自力で脱出してやろうと。
そのパーキングエリアはトイレしかないごく簡素なもので、常駐している職員はいません。
そこでパーキングエリア裏のフェンスを乗り越えました。すると、ちょうど郵政カブにのった郵便集配人さんが通り掛かったではありませんか。集配人さんをつかまえて、一番近いガソリンスタンドを教えてもらいました。ガソリンスタンドでワケを話して携行缶を貸してくれるよう頼み込み、ガソリンを5リッターだか10リッターだか入れてもらいました。
ガソリンスタンドの人が親切な人で、どうせ近くまで行くから、ということでパーキングエリアの裏までクルマで乗せていってくれました。
再び携行缶を抱えてフェンスを乗り越え、ファミリアに給油しました。もう一度フェンスを乗り越え、ガソリンスタンドの人にお礼を言って携行缶を返しました。更にもう一回フェンスを乗り越えてクルマに乗り込んでそこを脱出しました。関係する皆様には大変ご迷惑をお掛けしました。ここにお詫びします。
しかし私は、独身時代に乗った全てのクルマとバイクでそれぞれ一回はガス欠に遭っています。アホです。