その額でよいのですか?
◆H13. 9. 6 東京地裁 平成11(ワ)24433 特許権 民事訴訟事件

詳細・堅いレジュメはこちら

  1. 事件の概要
     本件、状況を想像するに、要するに業界一位と二位メーカ間のクロスライセンス交渉のもつれであろう。 これは、詳細・堅いレジュメの、「(3) 裁判所が認定した被告の行為態様」に書いてある。 そして、被告が原告からライセンス料を受け取り、かつ原告特許のライセンスを拒否したから、それに対する報復として「被告が受け取ったライセンス料と同額」のライセンス料(300円/1台)を取ろうとしたように思える。

     
  2. 発明の概要
     要するに、ファンヒータの心臓部である「燃焼装置」を小型にする技術が特許発明のポイントである。 この「心臓部」というのが、、後々になって利いてくる。

  3. 裁判所は、何をやったか?
     裁判所は被告による原告特許権の侵害を認めたのだが、その後の損害額について、要するに、被告製品の売り上げに対する本件特許発明の寄与度は相当程度認められるとした上で、「世の中の実施料率は約4〜5%」→「製品の価格の6割が仕入れ値」→「だから仕入れ値の3%を掛けた額(662円)に対して、300円は小さい→だから被告の言い分を認める、という論理展開になっている。
  4. 何が興味深いのか?
     上記はは、非常に論理だっているように見えるが、しかし考え直すと(1) 世の中の実施料率が高い方の5%とすると、結局は「仕入れ値×5%=1105円」に対して、300円の請求ということで、結局原告は寄与度を「27%」と言っていることと同じことになる。 この発明が心臓部に係るものであって、寄与度が相当程度認められるとして「27%」?、という感じがする。
     でも、裁判所のロジックでは、要するに「原告がそれで満足すると言っているから、満額認めてあげたよ。何が悪いのですか?」ということである。これなんかは、言ってしまえば「対等のライセンス料」ということに重きを置いた主張を原告が徹底して行ったために、損害額計算での「論じ方が足りなかった」事例に入ると僕は思う。
     なお、付言すれば、本案件は控訴されており、その反訴として、高裁では原告はライセンス料を高額にして、改めて請求をしているようである。

詳細・堅いレジュメはこちら


だるぺん行きメールはこちら
メールはネタとして公開することがあります。

-Topにもどる-