レストア考察

5.エンジン復活のミソ
 カブ系のエンジンは耐久性が高く、よっぽどで無い限り動かなくなるという状態までにはなりません(と思います)。
 しかし、長年使うにつれ、色々な理由から徐々にパワーダウンします。これのもととなるのが下記点と思います。予算との兼ね合いもありますが、みなさんもチェックしてみてはいかがでしょうか?
1)電装系
 総括:導線は古くなると抵抗を生じますので、交換しましょう。
◇ハーネス
 想定される不良箇所:
 古いバイクの場合、コネクターや導(銅)線内部に錆が発生し、これが抵抗となり、末端電力の低下を生じている。
 対策:
 @伝送系を交換
 コネクターや導(銅)線を新しいものと交換する。
 Aバイパス
 エンジンから出ている黒いコード(点火用1次コイルの出力線)とイグニッションコイル(点火用2次コイル)に太いバイパスコードを取り付ける。
 Bアーシング
 エンジン本体とイグニッションコイルの取り付け部分に太いバイパスコードを取り付ける。
等が考えられます。
◇1次コイル及びイグニッションコイル
 想定される不良箇所:
 コイル内部が短絡し(発見が難しいですが・・・)、規定の出力が得られていない。
 ハイテンションコードの抵抗が増加している。
 対策:
 @1次コイルの巻き直し
 1次コイルの場合同じくらいの太さのエナメル線を用意し巻き直す。
 巻く回数によって電圧(V)が変わってきます。細い線だと大きな電流(A)が流れると、ヒューズのように切れてしまいます。
 Aハイテンションコードの交換
 ハイテンションコードが上記ハーネスと同様に錆ついていることも想定されますので、ハイテンションコードの交換できるタイプであれば交換、交換できないタイプであれば、ハイテンションコードを途中から切断し、新しいコードを継ぎ足す又は全部交換した方がよいでしょう。全部交換で新品が無い場合にあっては、CR125やRS125用のイグニッションコイルを使うと良いようです。
 Bイグニッションコイル内部が不良
 この場合は交換しかありません。
 Cプラグキャップの接触不良
  ハイテンションコードの長さに余裕がある場合には1.5Cm程度切り、プラグキャップを付け直します。
◇点火ポイント関係
 想定される不良箇所:
 点火ポイントがずれて、パワーが十分出ない。
 コンデンサーが古くなり点火不良となっている。
 対策:
 @ポイント調整
 フライホイールのF(Fire)マークでポイントが開くように設定します。
 Aポイントの接点不良
 オーディオ用などの接点復活材で接点を掃除する。もしくは、接点を1000番程度の紙ヤスリで磨き、接点を復活させる。
 Bコンデンサーの交換
 動作確認しづらい部品です。30年程度経過しているはずですので、この際交換しましょう。

 等が考えられます。
 
2)機械部分
◇EXバルブとEXバルブシート
 想定される不良箇所:
 シリンダーヘッドの排気(EX)バルブの傘とそのバルブシートは、燃焼後の高温な排気ガスにさらされることから、傷み易い箇所の一つです。
 傷むとバルブやバルブシートが虫食い状態(当たり面に凹が発生)となり、圧縮漏れの原因となります。
 ちなみに、吸気バルブは燃焼時には閉じていて、傘の端がシリンダーヘッドに密着しているため、その熱が直接傘に当たることはありませんので、EXバルブほど傷むことはありません。
 対策:
(1)バルブ
@バルブを新品と交換する
 ほとんどの場合、EXバルブのみの交換でOKと思います。
Aバルブの当たり面を磨く(削る)
 電動ドリルで回しながら、オイルストーン等で当たり面の角度は変えないようエンジンオイルを塗りながら慎重に磨きます。ちなみに、EXバルブは堅いのでそう簡単には削れません。私はこの方法をとりました。
(2)バルブシート
@新品のシリンダーヘッドを購入する
Aバルブシートカッターでバルブシートを修正する(削る)。
(a)自分で修正する
 INとEXは口径が異なるため、両方を修正するためにはバルブシートカッターの刃を6つ購入しなければなりません。バルブシートカッターは高価なものですので、これを全て購入すると、シリンダーヘッドの新品が購入できるくらいの価格となると思います。
(b)業者に修正を依頼する
 内燃機屋さんで4,000円/ポートぐらいの値段で修正してくれると思いますが、店によっては小さなエンジンは嫌がられる場合や逆に安価でやってくれる場合など店主の意向により様々だと思います。
(3)バルブスプリング
 純正品なら安価ですので、バルブを修正する際に新品と交換しましょう。
◇ピストンリング
 想定される不良箇所:
 ピストンリングが折れ又はへたりにより、圧縮漏れやオイル上がりを生じている。
 対策:
(1)ピストンリングの交換
◇吸気系
 想定される不良箇所:
 マニホールドの接合部分から、2次エアーを吸い込んでいる。
 対策:
(1)液体ガスケットを接合面に塗る
◇駆動系
 想定される不良箇所:
 負荷過大により、十分なパワーが得られない。
 対策:
(1)タイヤの空気圧調節
 空気圧が2kg/Cm程度あるかどうか確認する。ガソリンスタンドで入れてもらうのが手っ取り早い。ただし、タイヤやチューブが古い場合、数日間は空気漏れに注意すること。
(2)ギア比の調節
 搭乗者の体重を勘案しつつ、ギア比(タイヤ側のスプロケットの歯数÷エンジン側スプロケットの歯数)が大きくなるよう、交換する。(例31丁÷16丁=1.9375 → 33丁÷15丁=2.2000)


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