絵を描いていたことがある。展覧会を前にして、筆が進まず悩んでいた私に、師匠は「絵とは自分が書いて楽しいもの、人が見て幸せだと思えるもの」と声をかけてくださったことがあった。

 今、住まいや店のデザインをしながら、よく、そのときの師の言葉を思い出す。

 住まう人は十人十色、住まいに人を合わせるのではなく、どんな住まい方がその人にとって「幸せ」を導くのかを大切としている。たとえば、お友達に来てもらいたいとか、夫婦の語らう時間を大切にしたいとか、コンサルティング(ヒヤリング)を重ねて、本当の幸せの住まいを提案できるよう心がけている。また、店づくりにおいても、そして今、進行中のリゾートホテルの改装もそこに来るお客様、さらにそこで働くスタッフたちにどんな気持ちになっていただきたいか・・・。そこから形もデザインも生まれてくる。

 そして、もうひとつの真念は、「環境と街並みと人への愛情をdesignすること。」