詩集
銀杏
芥川三平


さくら



心に屈することがあって

旬日うかうか歩いておった

人とすれ違っても

姿は見えず

道でよろけてにわたずみを知った

これではいかんと

居直ったのである



さくらが

目の前の梢で咲いており

春のまん中に座っとることを

知ったのである



心に屈することがあっても

春先が来ると

何故桜が咲くかくらい

わからんでどうするか



眼を閉じてみたら

急に

あたりがまっくらになって

やっぱりわしは

腑抜けだと思った



考えるときは

しっかり

目を開けとらんと

どんな気持ちで

桜が散るかなど

とても分からんと思うのである